北海道の台風被害甚大 石北線復旧に1か月以上
石北線復旧に1カ月以上 北海道の台風被害(2016.8.24 産経フォト)
JR北海道は24日、台風11号と9号の上陸に伴う大雨で、石北線の一部で線路下の土砂が流失し、復旧には1カ月以上かかるとの見通しを示した。札幌と網走を結ぶ特急「オホーツク」が通過する区間で、長期の運休が避けられない見通し。
JR北海道によると、上川町の石北線上川-白滝間で脇を流れる留辺志部川が増水、護岸が壊れ、約40メートルにわたり線路下の土がえぐり取られた。23日には復旧作業のため通過した保線用車両が脱線、作業員3人がけがをした。同社工務部の板東茂己副部長は記者会見で「被害は甚大で最低でも1カ月、月単位の時間がかかる」と説明した。
〔JR石北本線上川−白滝間で、線路下の土砂が流出した現場=23日、北海道上川町(JR北海道提供)〕
低気圧からのびた前線により雨が降り続いていた北海道に,台風11号と9号が相次いで上陸したことにより,北海道に大きな被害が発生している。
JR北海道関係では,1月に高波で線路下の路盤が流出,現在も不通になったままの日高本線では,他の区間でも土砂が流れ込んだり,路盤が流出している。その他にも,釧網線や根室線など19か所で線路に土砂が流れ込んだり,冠水したりする被害が出た。
さらに,石北本線の上川〜白滝間では線路の横を流れる留辺志部川が増水して路盤の護岸が流されたため,シェード区間で保線用車両が脱線,作業員3人がけがをした。
この区間は札幌と網走を結ぶ特急「オホーツク」が通過する区間であり,路盤流出の被害は甚大で,最低でも1か月,月単位の時間がかかることから,長期の運休が避けられない。
厳しい経営状況が続くJR北海道は,すべての路線を維持するのでは資金繰りの破綻は避けられないとして,秋にもJR北海道単独では維持するのが難しい路線の具体名を公表することを発表している。一部路線の廃止やバス転換,上下分離方式への移行は待ったなしの状況である。
そんなJR北海道にとって,これらの甚大な被害はまさに泣き面に蜂だ。なし崩し的に,抜本的な経営改革が必要になるのではないだろうか。
※ マスメディアのほとんどが「石北線」と記述しているが,国鉄民営化時にJR四国が予讃本線・土讃本線・高徳本線・徳島本線から本線を取って予讃線・土讃線・高徳線・徳島線にしたのとは違い,JR北海道は「本線」を省略していないはずなので,「石北本線」が正しいと考え,記事中では「石北本線」と記述している。
〔北見駅のホームに停車する石北本線の気動車と北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(2006年4月廃止)の気動車(2004年8月撮影)〕
〔北見駅を発車した石北本線網走行きの気動車(2004年8月撮影)〕
〔石北本線の北見駅に停車するディーゼルカーの中からホームを見る(2004年8月撮影)〕
〔石北本線北見〜網走間の車窓(2004年8月撮影)〕
〔網走駅を発車した札幌行き特急「オホーツク」(2004年8月撮影)〕
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