待望のPENTAX K-1を予約した
ついにベールを脱いだリコーイメージングのPENTAX K-1。4月下旬の販売開始で,店頭予想価格は27万円程度になるらしい。スペックを見れば,まあ妥当なところだと思う。
最初に買ったデジカメ,リコーDC-1はわずか41万画素(0.4Mピクセル)センサーで15万円ぐらいしたし,初めてのデジタル一眼レフだった富士フイルムFinePix S2ProはAPS-Cセンサーで30万円ぐらいだった。ニコンのD2XやD3は置いといて,D800Eは約4年前の機種とはいえ,K-1と同じような3600万画素(36Mピクセル)センサーというスペックで35万円弱だった。高かったデジタル一眼レフも,価格競争によってずいぶんと安くなったという印象だ。
公開されているスペックもほぼ予想通りで,特に不満はなく,さっそくヨドバシカメラに予約を入れてきた。
27万8千円は高いようにも思うが,ヨドバシはポイントが付くし,買って1ヶ月ぐらいの初期不良のときにはすぐに新品と交換してくれるから,よくわからない最安値の通販で買うよりも安心だ。
まだ実際に買ったわけではないが,悩んだのは「バッテリーグリップ(縦位置グリップ)をどうするか」である。
もちろん,いつも通り,バッテリーグリップを付けて使おうと思っている。問題は,バッテリーグリップD-BG6を購入するか,それともK-1本体と一緒に大口径標準ズームなどの対象レンズを購入して,“K-1 プレミアム デビューキャンペーン”によってバッテリーグリップD-BG6を景品として入手するか,である。
たとえ私が,世の中では高貴だとされる“独身貴族”という身分([要出典][誰によって?])のおっさんだとしても,さすがにボディとレンズで40万円を越える出費は痛い。しかも,既に手元にあるPENTAX Kマウントのレンズは,パッと思い出すだけでも,FA Limitedの31mm・43mm・77mmの3本,A15mm F3.5,FA☆24mm F2,FA20-35mm F4,M24-35mm F3.5,FA24-90mm F3.5−F4.5,FA☆28-70mm F2.8,FA35mm F2,50mm F1.4各種数本,A☆85mm F1.4,K200mm F2.5,A☆300mm F4(DAレンズは除く)……と揃っていて,特に新しいレンズを買わなくてもK-1で使えるレンズは多い。伊達に40年PENTAXユーザーを続けてはいないのだ。
当初はボディとバッテリーグリップだけを購入するつもりだったが,いずれ3600万画素に対応した新しい標準ズームが欲しくなったとすると,それをボディと一緒に買っておけば景品としてもらえるはずのバッテリーグリップを余分に購入したことになる。自分の心の奥底に「広角側24mmの大口径標準ズームを買わずにK-1を使い続ける気力はあるか」を問い合わせたところ,「ムリっ」という返事が返ってきたので,HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR も一緒に予約し,バッテリーグリップはキャンペーンの景品として入手することにした。
最近はソニーのEマウントの Vario-Tessar T* FE16-35mm F4 ZA OSS ばかりを使っている広角好きの私としては,大口径標準ズームより大口径広角ズームの HD PENTAX-D FA15-30mm F2.8ED SDM WR に興味があったのだが,ヨドバシの店頭で展示品をいじらせてもらったところ,なんとピントリングの回転方向がPENTAXの標準的な回転方向と逆だったため(ズームリングは同方向),泣く泣く購入をあきらめた。
ピントリングの回転方向はソニーの Vario-Tessar T* FE16-35mm F4 ZA OSS もPENTAXやニコンと逆方向である。慣れる努力をするということも考えられないわけではない。しかし,PENTAXとNikonのカメラをもう何十年もいじり続けて,身体に染み着いたピント位置を奥に手前に移動する動作を意識的に変えるのは難しい。若く柔軟な脳みそではなく,もう既に脳みそや神経が硬化しつつあるのだ。
4月末からPENTAX K-1を使うにあたって,気になる点が三つある。
ひとつはレリーズタイムラグである。これは昔からのPENTAXの弱点で,レリーズタイムラグの小さなニコンのD3・D800Eと併用していても,最も不満を感じるところである。
コンパクトデジカメはずいぶん前から一眼レフカメラよりもレリーズタイムラグが短くなっているし,最近使用頻度の高いソニーのα7Sはミラーレスなので,ニコンのD3やD800Eよりレリーズタイムラグが短い。リコーイメージングが頑張ってくれて,0.05秒程度になっていることを期待したい。
二つ目はシャッターボタンのクリック感である。
PENTAXの一眼レフカメラのシャッターボタンには,コンパクトデジカメのシャッターボタンのようなクリック感がある。これが昔から不満だ。ニコンの一眼レフでは,エントリー機はクリック感があり,上位機種ではクリック感がないというふうに,クラスによって作り分けている。
カメラがぶれないように,ゆっくりシャッターボタンを押しても,シャッターが切れる瞬間にクリック感があったのでは,(ブレの大小はあるだろうが)ブレが大きくなってしまう。
K-1では高級一眼レフのように,ストローク短めで軽いタッチのクリックレスのシャッターボタンを実現してほしい。
そして三つ目。これは気になる点というよりは,唯一スペックを見てガッカリしたところである。
PENTAX K-1のファインダー内表示のグリッド表示に「方眼マット」が選べないことである。
K-1では,ファインダーに透過型液晶を採用し,従来のようなピントスクリーンの交換ではなく,液晶表示によってグリッド表示の有無などを設定できるようになった。ファインダーに透過型液晶という若干余分なものが入ることを嫌う人もいるが,銀塩フィルム一眼レフのF5の頃から透過型液晶を入れているニコンのカメラを併用している私にとって,そこはそれほど問題だとは思わない。
問題なのは,グリッド表示に「方眼マット」が選べないことである。K-1で表示できるグリッドは9分割で,これは水平を取るためにはほとんど役に立たない。なぜ役に立たないかは,以前「一に水平,二に水平,三四がなくて五に構図とピント」という記事にまとめているので,そちらを読んでほしい。9分割グリッドは構図を決めるためのものであって,正確に水平を取るためには25分割グリッドか4分割グリッドが必要なのだ。
〔PENTAX K-5 IIsで使用している方眼マットスクリーン〕
まあ,PENTAX K-1には従来機種と同様に「自動水平補正機能」という他社にない便利な機能がついていて,多少構図が傾いても,自動的に水平を出してくれるので,ファインダーで水平を出すことに悩む必要はないともいえるのだが,約40年間,一眼レフカメラには方眼マットスクリーンを入れて,ファインダー真ん中の垂直線で水平を合わせてきたので,その垂直線がないファインダーには戸惑いを感じるのである。
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