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2016年2月の12件の記事

2016年2月29日

設計は「頭を使わない」仕事と言われて……

Iphone_6s

 荻上チキ・Session-22『シャープ,その失敗の本質と再建策』のPodcastを聞いて,早稲田大学商学学術院准教授の長内厚氏の「設計は頭を使わない仕事」という言葉に愕然とした。

 長内厚氏曰く「iPhoneはAppleが頭脳として商品企画とデザインを行い,鴻海が詳細の設計と製造を担当している。頭を使わない,手足を動かすというのが鴻海の特徴」なのだとか。

 そうか,設計は「頭を使わない」仕事だったのか。気付かなかった…

 iPhoneの設計をAppleと鴻海でどのように分担しているのかは置いといて,ソニーでテレビの商品戦略や企画の仕事をしていた長内厚准教授のような設計部門の外部の人間から見ると,設計は「頭を使わない」ように見えるのだと思われる。

 メーカーの設計部門の人間として茫然自失だ……

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2016年2月24日

ニコンが1型センサーのDLシリーズを発表

Nikon_dl1850_2

 ニコンがコンパクトデジカメ「DL」シリーズ3機種を発表した。実際に発売されるのは6月になる。

 3機種とも「Nikon 1」シリーズと同様の1型センサーを搭載しているのが特徴で,ソニーがRX100を出して人気機種になってから,各社が追従している“ちょっと大きめセンサー”のデジカメである。
 ちなみに「1型センサー」は対角寸法1インチのセンサーを意味することになっているが,撮像管時代からの慣習で,センサー部分の寸法ではなく撮像管の太さを示しているため,実際のセンサーサイズは0.6インチぐらいになる。

 個人的に注目しているのは,ズーム域を広角側に振ったDL18-50 f/1.8-2.8のみ。「まだ見ぬ RICOH GR21-D を熱望する日々」でも書いたように,サブカメラとして望んでいるのは「広角レンズ」のコンパクトデジカメなので,DL18-50 f/1.8-2.8の広角18mm相当の画角にはとても魅力を感じている。望遠側が50mm相当まであるのでメインカメラとしても十分使えると思うが,むしろ望遠側35mm相当に抑えて,小型化してくれたほうがサブカメラとして望ましく感じるほどだ。

 とりあえず,現在サブカメラとして重宝しているソニーCyber-shot DSC-RX100IIIとDL18-50 f/1.8-2.8のサイズを比較してみる。

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 分厚くてポケットに入れての運用ができないCyber-shot DSC-RX100M3より,DL18-50 f/1.8-2.8はさらに分厚い。センサー面位置のマークがボディのかなり後ろにあるところを見ると,同じ光学系のレンズを使うかぎり,次世代機種で劇的に薄くなることはなさそうだ。
 広角側では絞り込んで撮ることが多く,明るいレンズはそれほど必要ないので,F3.5ぐらいに抑えて少しでも薄型化してくれたほうがありがたいが,世の中には「ボカせるレンズは良いレンズ」と思う人が多いようなので,無理な望みかもしれない。

 RX100M3購入の決め手となったレンズバリアも,DL18-50 f/1.8-2.8にはない。コンパクトカメラをメインカメラとして使うならレンズキャップでも問題ないが,サブカメラとしては失格だと思っている。

 メインカメラとして使うならレンズフードを付けたい。その点ではさすがニコン,スプリング式のレンズフードが用意されている(税別9000円もするけど)。
 そのせっかくのレンズフードは,残念ながら沈胴式レンズの先端に付けるタイプだ。広角ズームレンズなので,光学系は凹面先行で広角側にズームすると全長が縮んでレトロフォーカスとなり,望遠側で全長が伸びるタイプだ。先端にレンズフードを付ける構造では,望遠側でフードの効果がほとんど無いことになる。でもまあ,贅沢を言いすぎかな……

Nikon_dl1850

 DL18-50 f/1.8-2.8を購入するかどうかを決める上で,一番気になるのがカメラのレスポンスだ。ニコンのコンパクトデジカメでは,過去に悪い記憶しか無い(一眼レフは特に問題ない)。

 いままで購入したニコンのコンパクトデジカメは,COOLPIX P5100,COOLPIX 5700(E5700)の2機種(レンズ部回転式のCOOLPIX 950もあるが,激安になってから購入したためあまり使わず,使用感の記憶がない)。どちらもコンパクトカメラでは上位機種にランクされるカメラにもかかわらず,レスポンスが非常にもっさりしたカメラだった。

 あらゆる動作がもっさりする中で最も不満だったのが,単写モードでの最短撮影時間(shot to shot の Cycle Time)である。これはカタログに掲載されないので,実際に使ってみないとわからない数値だ。連写モードで10コマ/秒を謳うカメラでも,単写モードで2秒に3コマ撮れないカメラはストレスになる。ニコンのコンパクトデジカメの悪い意味での特徴だという印象がある。

 私は主に町並みの写真を撮影している。

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のように,左右からクルマが走ってくる状況で,道路の向こう側の家並みを撮影することが多い。

 不規則なタイミングで走ってくるクルマが入り込まないように町並みを写すためには,レーシングカーや列車や鳥を撮影するときのように,連写した中に当たりコマを期待する方法ではうまくいかない。運が良ければ余裕で撮れる場合もあれば,運が悪ければ10分待ってもクルマが途切れないこともある。連写するより,クルマがいなくなる瞬間にシャッターを押す必要がある。その瞬間が,1枚撮影した直後に訪れることもある。
 単写モードで,1・2・3と1秒間隔で数えるのに合わせてシャッターが切れないカメラ,つまり撮りたいタイミングでシャッターが切れないカメラは,たとえ連写モードで10コマ/秒撮れたとしても失格なのだ。

 ニコンのコンパクトカメラは,この単写モードでの撮影間隔が長いという印象が強い。それでニコンのコンパクトカメラを嫌ってきたので,COOLPIX P5100以降はまったく興味を持たずにいた。

 では,最近のニコンのコンパクトカメラではどうなのだろうと,ちょっと調べてみた。

 昨年3月に発売されて話題になった光学83倍ズームレンズのCOOLPIX P900。現在でも6〜7万円で売られているので,ニコンのコンパクトカメラではそこそこ上位の機種になるはずだ。

 カメラの性能をチェックするときによく見る IMAGING RESOURCEのサイトで調べたところ,Nikon P900のSingle Shot mode (Large Fine JPEG) の Cycle Time (shot to shot) は,1.36 second だ。つまり,単写モードでは1.36秒間隔でしかシャッターが切れないから,2秒で2コマぎりぎりしか撮れないことになる。連写モードではカタログスペックで約7コマ/秒を誇るカメラなのに,これはちょっと寂しい。

 ちなみに,SONYのCyber-shot DSC-RX100M3は,電源on/offでの異常なまったり感はあるものの,IMAGING RESOURCEのサイトでは,Single Shot mode (Large XFine JPEG) の Cycle Time (shot to shot) が < 0.25 second (Time per shot, averaged over 18 shots, 15 seconds to clear) であり,ほとんど自由なタイミングでシャッターを切ることができる。この点で,昔からSONYのコンパクトデジカメはストレスが少ない印象がある。

 DL18-50 f/1.8-2.8は高速連続撮影 AF追従 約20コマ/秒を謳っている。自由なタイミングでシャッターが切れるカメラになっていることを期待したいが,さてどうなるだろう。6月が楽しみだ。

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2016年2月22日

待望のPENTAX K-1を予約した

Pentax_k1

 ついにベールを脱いだリコーイメージングのPENTAX K-1。4月下旬の販売開始で,店頭予想価格は27万円程度になるらしい。スペックを見れば,まあ妥当なところだと思う。

 最初に買ったデジカメ,リコーDC-1はわずか41万画素(0.4Mピクセル)センサーで15万円ぐらいしたし,初めてのデジタル一眼レフだった富士フイルムFinePix S2ProはAPS-Cセンサーで30万円ぐらいだった。ニコンのD2XやD3は置いといて,D800Eは約4年前の機種とはいえ,K-1と同じような3600万画素(36Mピクセル)センサーというスペックで35万円弱だった。高かったデジタル一眼レフも,価格競争によってずいぶんと安くなったという印象だ。

 公開されているスペックもほぼ予想通りで,特に不満はなく,さっそくヨドバシカメラに予約を入れてきた。

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 27万8千円は高いようにも思うが,ヨドバシはポイントが付くし,買って1ヶ月ぐらいの初期不良のときにはすぐに新品と交換してくれるから,よくわからない最安値の通販で買うよりも安心だ。

 まだ実際に買ったわけではないが,悩んだのは「バッテリーグリップ(縦位置グリップ)をどうするか」である。
 もちろん,いつも通り,バッテリーグリップを付けて使おうと思っている。問題は,バッテリーグリップD-BG6を購入するか,それともK-1本体と一緒に大口径標準ズームなどの対象レンズを購入して,“K-1 プレミアム デビューキャンペーン”によってバッテリーグリップD-BG6を景品として入手するか,である。

 たとえ私が,世の中では高貴だとされる“独身貴族”という身分([要出典][誰によって?])のおっさんだとしても,さすがにボディとレンズで40万円を越える出費は痛い。しかも,既に手元にあるPENTAX Kマウントのレンズは,パッと思い出すだけでも,FA Limitedの31mm・43mm・77mmの3本,A15mm F3.5,FA☆24mm F2,FA20-35mm F4,M24-35mm F3.5,FA24-90mm F3.5−F4.5,FA☆28-70mm F2.8,FA35mm F2,50mm F1.4各種数本,A☆85mm F1.4,K200mm F2.5,A☆300mm F4(DAレンズは除く)……と揃っていて,特に新しいレンズを買わなくてもK-1で使えるレンズは多い。伊達に40年PENTAXユーザーを続けてはいないのだ。

 当初はボディとバッテリーグリップだけを購入するつもりだったが,いずれ3600万画素に対応した新しい標準ズームが欲しくなったとすると,それをボディと一緒に買っておけば景品としてもらえるはずのバッテリーグリップを余分に購入したことになる。自分の心の奥底に「広角側24mmの大口径標準ズームを買わずにK-1を使い続ける気力はあるか」を問い合わせたところ,「ムリっ」という返事が返ってきたので,HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR も一緒に予約し,バッテリーグリップはキャンペーンの景品として入手することにした。

 最近はソニーのEマウントの Vario-Tessar T* FE16-35mm F4 ZA OSS ばかりを使っている広角好きの私としては,大口径標準ズームより大口径広角ズームの HD PENTAX-D FA15-30mm F2.8ED SDM WR に興味があったのだが,ヨドバシの店頭で展示品をいじらせてもらったところ,なんとピントリングの回転方向がPENTAXの標準的な回転方向と逆だったため(ズームリングは同方向),泣く泣く購入をあきらめた。

 ピントリングの回転方向はソニーの Vario-Tessar T* FE16-35mm F4 ZA OSS もPENTAXやニコンと逆方向である。慣れる努力をするということも考えられないわけではない。しかし,PENTAXとNikonのカメラをもう何十年もいじり続けて,身体に染み着いたピント位置を奥に手前に移動する動作を意識的に変えるのは難しい。若く柔軟な脳みそではなく,もう既に脳みそや神経が硬化しつつあるのだ。

 4月末からPENTAX K-1を使うにあたって,気になる点が三つある。

 ひとつはレリーズタイムラグである。これは昔からのPENTAXの弱点で,レリーズタイムラグの小さなニコンのD3・D800Eと併用していても,最も不満を感じるところである。
 コンパクトデジカメはずいぶん前から一眼レフカメラよりもレリーズタイムラグが短くなっているし,最近使用頻度の高いソニーのα7Sはミラーレスなので,ニコンのD3やD800Eよりレリーズタイムラグが短い。リコーイメージングが頑張ってくれて,0.05秒程度になっていることを期待したい。

 二つ目はシャッターボタンのクリック感である。
 PENTAXの一眼レフカメラのシャッターボタンには,コンパクトデジカメのシャッターボタンのようなクリック感がある。これが昔から不満だ。ニコンの一眼レフでは,エントリー機はクリック感があり,上位機種ではクリック感がないというふうに,クラスによって作り分けている。
 カメラがぶれないように,ゆっくりシャッターボタンを押しても,シャッターが切れる瞬間にクリック感があったのでは,(ブレの大小はあるだろうが)ブレが大きくなってしまう。
 K-1では高級一眼レフのように,ストローク短めで軽いタッチのクリックレスのシャッターボタンを実現してほしい。

 そして三つ目。これは気になる点というよりは,唯一スペックを見てガッカリしたところである。

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 PENTAX K-1のファインダー内表示のグリッド表示に「方眼マット」が選べないことである。

 K-1では,ファインダーに透過型液晶を採用し,従来のようなピントスクリーンの交換ではなく,液晶表示によってグリッド表示の有無などを設定できるようになった。ファインダーに透過型液晶という若干余分なものが入ることを嫌う人もいるが,銀塩フィルム一眼レフのF5の頃から透過型液晶を入れているニコンのカメラを併用している私にとって,そこはそれほど問題だとは思わない。

 問題なのは,グリッド表示に「方眼マット」が選べないことである。K-1で表示できるグリッドは9分割で,これは水平を取るためにはほとんど役に立たない。なぜ役に立たないかは,以前「一に水平,二に水平,三四がなくて五に構図とピント」という記事にまとめているので,そちらを読んでほしい。9分割グリッドは構図を決めるためのものであって,正確に水平を取るためには25分割グリッドか4分割グリッドが必要なのだ。

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 〔PENTAX K-5 IIsで使用している方眼マットスクリーン〕

 まあ,PENTAX K-1には従来機種と同様に「自動水平補正機能」という他社にない便利な機能がついていて,多少構図が傾いても,自動的に水平を出してくれるので,ファインダーで水平を出すことに悩む必要はないともいえるのだが,約40年間,一眼レフカメラには方眼マットスクリーンを入れて,ファインダー真ん中の垂直線で水平を合わせてきたので,その垂直線がないファインダーには戸惑いを感じるのである。

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2016年2月21日

円周率πの近似値いろいろ

 昔の古いBASICなどのようにpi関数のない処理系で,「π(円周率)」をどう書くかが話題になった。

 真っ先に思いつくのはラマヌジャンの円周率の近似式,

 π ≃ √√(2143/22)

である。

Pi_sqrtsqrt214322

 πと比較してみると,小数点以下8桁まで一致していることがわかる。なかなか精度の高い近似値だと思う。

 π = 4 × atn(1)

ならば精度もバッチリだという声もあるだろうが,atn関数がある処理系にはpi関数があるんじゃないだろうか。

 関数電卓ではない事務用の電卓でも使える近似値に,

 π ≃ 22/7

というのがある。これは単純で覚えやすいが,

Pi_227

となり,小数点2桁までしか一致しない。「3.14」と同程度の精度だ。

 覚えやすくて精度の高い近似値は,中学生時代に教えてもらった,

 π ≃ 355/113

がよくできている。

Pi_355113

となり,小数点以下6桁まで π と一致している。「113355」という覚えやすい数の並びで,しかも精度は意外に高い。事務用の電卓でも使うことができる。

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2016年2月19日

甲府市裏春日のオリンピック通り

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 甲府市のディープな歓楽街の裏春日にある飲食店街「オリンピック通り」。

 ブログ「写真撮っけど,さすけねがい?」の記事『大晦日の夜は更けゆく 甲府市裏春日』を書くために写真をよく見たら,OLYMPICじゃなくてOLYPIC STREETになってた。

 写真に写ってた2カ所とも「OLYPIC」なのは,わざとかな。それともうっかりミスかな……

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甘いティッシュペーパー

 花粉症なので,鼻をかんでもヒリヒリ痛くなりにくいティッシュペーパーを使っている。セレブではないが,『鼻セレブ』なんぞを使ったりしている。

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 先日,スーパーのティッシュ売場に『エリエール+Water』という製品があったので買ってきてみた。一見するとウエットティッシュのような命名だが,製品自体は『鼻セレブ』と同様の普通のティッシュペーパーである。

 この『プラスウォーター』口を拭くときに使ったら,やはりとても甘いことに気付いた。注意書きを見ると,保湿成分グリセリンを配合しているため,グリセリンに由来するほのかな甘みを感じると書いてある。ソルビットが含まれているため甘いことで有名な『鼻セレブ』ほどではないかもしれないが(食べ比べをしたわけではないので),かなり甘い。

 ネット上のどこかに,「キムワイプおいしい」を検証するという記事があった。味覚センサーで甘みを測定したら,キムワイプより鼻セレブのほうが甘みが強いという結論だったと記憶している。
 キムワイプがおいしく感じる方は,ぜひ『エリエール+Water』のほうも試してみていただきたい。「食品ではありません」との注意書きがある鼻セレブに対して,『エリエール+Water』にはそのような注意書きはないし……

(……冗談です。すみません)

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2016年2月16日

鞆の浦景観訴訟 架橋断念で終結

 「崖の上のポニョ」聖地〝残った〟…埋め立て計画を正式断念 鞆の浦景観訴訟終結(2016.2.15 産経)

 広島県福山市の景勝地、鞆の浦の埋め立て架橋計画をめぐる控訴審の進行協議が15日、広島高裁(野々上友之裁判長)であり、事業主体で被告の県は免許交付申請を取り下げる意向を示し、原告の反対派住民らも訴えを取り下げることで双方が合意した。協議後に開かれた口頭弁論で訴えが取り下げられ、訴訟が終結した。

(中略)

 県は代替策として、山側にトンネルを通すなどの整備案を示している。

 地元住民の9割が架橋賛成という話を聞いていたので,各紙の「ポニョの聖地が残った。バンザイ!」的な見出しには疑問を感じた。地元住民がこぞって架橋反対を訴えているような書きっぷりはいかがかと思う。

 観光客のマイカー乗り入れを認めながら鞆の町並みを残すには架橋しかないと思っていたが,架橋は断念ということになった。

 鞆町を通過するだけの車を通すなら山側トンネルでも大丈夫だと思う。しかし,貴重な鞆の町並み保存のためには,それだけでは足りない。観光客のマイカーが町に乗り入れる状態では,地元住民の生活が立ちゆかなくなるからだ。鞆町へのマイカーでの乗り入れを禁止し(地元住民のマイカーはもちろん認められる),パーク&バスライドを強力に推し進めて,歩いて観光を楽しんでもらうしかなさそうだ。

 架橋計画がなくなったから“聖地が残った”で済む話ではない。架橋問題が長引いているうちに,人口が減少し,空き家が増え,なし崩し的に町並みが破壊されつつある。地元住民が重要伝統的建造物群保存地区指定を望んでいるのかどうかは不明だが,架橋がなくなって,その代わりに伝統的な町並みの一部を取り壊して町の中の道路を広げざるを得なくなった,というのでは,まさに本末転倒だ。今後の動きこそが重要になる。

【関連記事】
2010年6月17日:鞆の浦で知られる鞆町のディレンマ

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2016年2月13日

坂田明師匠の「Summertime」

 ジョージ・ガーシュウィンの「Summertime(サマータイム)」はオペラ『ポーギーとベス』の劇中曲で,ジャズのスタンダードナンバーとして知られている。マイルス好きとしては,やっぱりアルバム『PORGY AND BESS』の「Summertime」は外せないところではあるが,実はラムゼイ・ルイス・トリオが1965年にライトハウスで録音したライブ盤の「Summertime」のリラックスした雰囲気での演奏がすばらしく,私のiTunesでの再生回数はこっちの方が多い。

 そんな「Summertime」の坂田明師匠による演奏をYouTubeで見つけた。『坂田明と渡辺香津美 セッションする』という番組らしいのだけど,これがとてもすばらしい演奏なので紹介したい。坂田師匠のフラジオは最高だ。


〔Akira Sakata 坂田明 - Summertime〕

 ちなみに,私が一番多く再生したSummertimeは,次のラムゼイ・ルイス・トリオの演奏。ライブならではの熱く楽しい演奏と観客の反応……。ジャズはこういうP.A.なしの生の音が聴けるライブハウスがいい。

〔Summertime by The Ramsey Lewis Trio From the "The Groover Ramsey Lewis" LP 1972 - Recorded at the Lighthouse 1965〕

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OLYMPUSが噂のPEN-Fを発表

フィルムカメラ風の高品位ミラーレス「OLYMPUS PEN-F」(2016/1/27 デジカメWatch)
PENスタイルボディにEVFを内蔵 センサーは2,030万画素に

オリンパス株式会社は、ミラーレスカメラの新製品「OLYMPUS PEN-F」を2月26日に発売する。PENシリーズの最上位モデル。

価格はオープン。税別での店頭予想価格は、ボディのみ15万円前後、12mm F2.0付属のレンズキットが21万円前後。ボディカラーはシルバーとブラック。

Olympus_penf
〔2016年2月26日発売予定のOLYMPUS PEN-F〕

 往年の金属外装フィルムカメラのエッセンスを取り入れた外観が特徴であり,オリンパスでは「時代を超えた美しいデザイン」であることを強調しているという。
 ここに出てくる「往年の金属外装フィルムカメラ」とは,OLYMPUS-PEN F/FTで間違いないと思う。露出計が内蔵されたハーフサイズのOLYMPUS-PEN FTを,昔は旅行用のカメラとして愛用していたことがあって,そのコンセプトのデジタルカメラが発売されそうだとの噂にはずっと注目していた。

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〔1966年(昭和41年)発売のOLYMPUS-PEN FT(TTL露出計内蔵)〕

 カメラの軍艦部にシャッターボタンや各種ダイヤル,そしてフィルム巻き上げレバーが目立たないOLYMPUS-PEN F/FTのデザインは,銀塩フィルムパトローネの大きさや巻き上げ機構から自由なデジタルカメラに向いているはずだ。

 OLYMPUS-PEN FTには右手でしっかり握るためのグリップが付いていなかったが,ボディ前面のシャッター速度ダイヤルの位置が絶妙で,右手中指の先をシャッター速度ダイヤルに引っかけておくと,カメラを安定して握ることができた。

 PEN-Fでは類似場所にクリエイティブダイヤルを配置していて,これが右手中指を引っかけるのに使えるかどうかは(本来の使い方ではないが),銀塩OLYMPUS-PEN F/FTユーザーが昔を懐かしく思い出すかどうかに影響しそうだ。

 マイクロフォーサーズ(以下m4/3)のデジタルカメラは,パナソニックのLUMIX DMC-GF1,LUMIX DMC-GX1の2台を使っていて,旅行用のカメラとしてたくさんシャッターを切った。特にGF1は自然な発色に好ましさを感じたが,どちらもダイナミックレンジの狭さが玉に瑕だった(DxOMarkのLandscapeはGF1が10.3,GX1が10.6)。

 オリンパスのカメラはパナソニックに比べると若干ダイナミックレンジが広い傾向があるので,使ってみたいという興味はある。少なからず所有しているm4/3のレンズが,多少の制限はあろうとも,そのまま使えることにも魅力を感じる。

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 新しいオリンパスのPEN-Fはどぎついまでにメカメカしい。ローレット加工を施したダイヤルをふんだんに使い,電源スイッチはもろにバルナックライカのフィルム巻き戻しノブだ。

 オリンパスの設計者・意匠デザイナーの頭の中には,米谷さんの気持ちが乗り移ったOLYMPUS-PEN Fのすっきりしたスタイルではなく,メカメカした魅力いっぱいのバルナックライカがあったのではないだろうか。
 メカメカしたバルナックライカが嫌いなわけではないが,m4/3の新しいデジカメOLYMPUS PEN-Fは“何かが間違っている”という印象にしかならない。OLYMPUS-PEN F/FTとOLYMPUS PEN-Fのハイフンの位置の違いは想像以上に大きい。

 OLYMPUS-PEN FとOLYMPUS PEN-Fの間には,深くて暗い川がある……

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2016年2月 9日

自宅内Wi-FiブリッジのTime Capsuleが突然死

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 約5年使い続けてきた AirMac Time Capsule 2T(写真右)が一昨日突然死した。その前に使っていたUFO型のAirMac Extremeは約10年で接続不良を繰り返すようになってから徐々に壊れたが,心構えなしに訪れる突然死は痛い。

 とりあえず,AirPlay用(iTunesやApple MUSICの音楽をリビングのスピーカーで再生する)に使っていたAirMac Express(写真中央)を使ってしのいだが,IEEE 802.11nに慣れてからだとIEEE 802.11b/gの通信速度は遅すぎる。

 ということで,新しいAirMac Time Capsule 2T(写真左)を買ってきた。写真を見たときにはずいぶん小さくなったと思ったが,実物は想像より背が高く,以外に大きく重い。
 これで新しくIEEE 802.11acも使えるようになって,さらに快適……と思ったが,この後,接続で苦しむことになる……

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2016年2月 7日

木津川市と笠置町との複雑すぎる境界

 京都府が公表した2015年国勢調査の速報値を読んだ。大阪への通勤・通学に便利な京都府南部の京都市,長岡京市,京田辺市,木津川市,大山崎町,精華町の4市2町だけが人口増加で,それ以外は人口が大きく減少。京都市内でも全11区のうち6区で人口減少,伏見区,北区,西京区は人口減少が大きい。

 人口減少率が最も大きかったのは笠置町の15.8%で,南山城村が13.8%,伊根町が12.4%,和束町が11.7%と続いた……と言うところまで読んで,府内でも人口が増加している木津川市と人口減少率が最悪の笠置町が隣り合っていることを思い出した。
 木津川市加茂町と笠置町は境界が接しているだけでなく,加茂駅と笠置駅は関西本線上の隣同士の駅である。
 どこでこのような差が出てしまったのだろうと思いながら,地図を広げてみた。

Photo
〔地図は「Mapion」より〕

 木津川市と笠置町は京都府の南部にあり,地図の一番上の部分を流れている木津川は,右側の笠置町から左の木津川市方向に流れている。木津川に沿って関西本線が通っており,地図の右端に笠置駅がある。木津川市加茂町の加茂駅は地図の左端よりも画面半分ぐらい先にある。

 この地図を見て,真っ先に気付くのは,木津川市内東部にイカやタコの足のように複雑に延びる笠置町の飛び地である。地図をよく見る人ならば,全国に不思議な飛び地が存在していることは理解できると思うが,このように複雑な飛び地はとても珍しい。

 この木津川市加茂町と笠置町の境界の飛び地の周辺は,四ヶ村山と呼ばれる入会地で,4つの村の入会地(共有地)として,樹木を伐採したり,屋根を葺くカヤを採集したり,木の葉や草を集めて肥料にしていたりしたという。ここまでは全国どこにでもある状況だった。

 明治時代に市町村制が施行され,入会地は市町村に属すことになった。江戸時代中期から入会地の一部は私有地として認められていたため,4つの村の入会地はそれぞれ私有地を所有する者の居住地を基準に加茂と笠置に振り分けられた。それが複雑で奇妙な境界ができた原因である。

 複雑な境界部分をもう少し拡大した地図を表示してみる。

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〔地図は「Mapion」より〕

 複雑な形の境界線は木津川市加茂町と笠置町の間にだけ存在するのではなく,加茂町内の地区の地区の境界にも残っていることがわかる。
 いずれも,針葉樹や広葉樹の森に入り組んだ谷戸に谷戸田と段々畑が広がる様は,日本の農業の原点を見られそうな地域である。

 さて,そのような関係のある笠置町の笠置駅と木津川市加茂町の加茂駅は,関西本線の駅も隣同士である。しかし,国鉄時代は同じような位置づけの両駅だったが,国鉄の分割民営化で管轄がJR西日本となり,加茂駅までの関西本線が電化されて大阪近郊路線のアーバンネットワークの範囲に含まれ,隣の笠置駅は含まれずに関西本線が非電化ローカル線となったことから,その後の位置づけが大きく変わった。

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〔関西本線加茂駅〕

 加茂駅は大阪近郊路線アーバンネットワークのターミナル駅となっており,日中でも1時間あたり2本の(ラッシュ時には3本から4本)の大阪行き大和路快速(4〜8両編成)が発着する。加茂駅から大阪駅までの所要時間は1時間15分。首都圏のサラリーマンのイメージで言えば,便利な通勤圏である。

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〔関西本線笠置駅〕

 加茂駅から笠置駅,そして三重県亀山(JR東海)までの関西本線のJR西日本管理区間は非電化単線のまま放置されている。列車の本数は日中1時間あたり1本。2両編成のディーゼルカーが走る。
 かつては奈良方面への笠置駅発着の列車が設定されていたり,行楽期には急行列車や準急列車が臨時停車していたそうだが,現在は駅舎や跨線橋に栄華の香りを残すローカル駅である。

 京都府でも数少ない人口増加都市の木津川市加茂町と,京都府で最大の人口減少地帯である笠置町が並んでいて,鉄道の駅も一駅違い。まさに紙一重だ。運命の神様は無慈悲でいらっしゃる。

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ドラマ「早春スケッチブック」の希望ヶ丘

 日本映画専門チャンネルで放映されている1983年のドラマ「早春スケッチブック」。以前,このドラマは横浜市旭区の希望ヶ丘駅周辺がロケ地になっていると,ブログへのコメントで教えていただいたので,注目して見てみた。

 オープニングから,希望ヶ丘商店街の映像が次々に出てくる。商店街が人と車でいっぱいだ。思わず画面キャプチャーして,2012年に撮影したときの写真と比較してみた。

Op_1
 まずは丘陵に広がる住宅街と相鉄線の電車。場所は不明。

Op_2
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 希望ヶ丘駅すぐ横の踏切を北側の商店街から見たところ。

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 希望が丘商店街の相鉄ローゼン側から希望ヶ丘駅を見たところ。当時は狭い商店街に車があふれていたようだ。

Op_4
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 相鉄線希望ヶ丘駅のホーム。

 どっちの町が良いかどうかは置いといて,1983年は雑然としていたことがわかる。ドラマのほうがかなり焦点距離の長いレンズで撮っているので,それが強調されているかもしれない。

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