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2015年11月26日

PENTAXのハイパー操作系がとうとう完成へ

Pentax1

 PENTAXが来春発売するフルフレーム一眼レフは,どうやら3ダイヤルになるようだ。

 今までに発売したK-3 IIまでのデジタル一眼レフカメラは,銀塩フィルム時代の流れをくむ2ダイヤルだったため,PENTAX独自ハイパープログラム(HyPプログラム),ハイパーマニュアル(HyMマニュアル)の操作体系で使用すると,デジタルカメラならではのISO感度や露出補正を行うためには,ISO感度ボタンや露出補正ボタンを押しながらのダイヤル操作が必要となってしまうのだった。もともとハイパー操作体系は,シャッターダイヤル・絞りダイヤルの他に,第3のダイヤルを必要としていた操作体系なのである。

 もちろん,ハイパー操作体系をあきらめて,後ダイヤルでプログラムシフト,前ダイヤルで露出補正というように振り分けることは可能である。こういう設定をすれば,他社の多くのデジタル一眼レフと同様のプログラムAE制御となる。他社カメラとの操作体系の統一という面ではメリットだが,PENTAX独自の便利なハイパープログラムを使えないのはもったいない。

 新しいフルフレーム一眼レフの3ダイヤルによって,今まで課題として残っていたシャッターダイヤル,絞りダイヤルからの,ISOダイヤル or 露出補正ダイヤルの完全独立宣言がなされるのである。バンザイ!

Pentax3_2

 PENTAXが1991年に「即応の思想」という新たなコンセプトで発表した銀塩フィルム一眼レフカメラ『Z-1』そしてその改良型の『Z-1P』には,ハイパープログラム(HyP)露出と,ハイパーマニュアル(HyM)露出という新たな発想の露出制御機能が搭載されていた。

 ハイパープログラムモードは,一見すると通常のプログラムAEモードと同じであるが,シャッターダイヤルを動かせばシャッター速度優先AEモードへ,絞りダイヤルを動かせば絞り優先AEモードへ,モードダイヤルの切替なしでシームレスに露出モードを切り替えることができる。他社カメラの一般的なプログラムシフトとは大きく異なっている。

 ハイパープログラムモードで絞りダイヤルを回し,絞り優先AEモードで撮影しているときにシャッターダイヤルを回せば,すぐにシャッター優先AEモードに切り替わるため,カメラにプログラムモード(Pモード),シャッター速度優先モード(Sモード),絞り優先AEモード(Aモード)の切り替えダイヤルがなくても,モード間の移行が可能だ。さらに,どの状態でも,グリーンボタンを押せば,プログラムオートのプログラムライン上に露出が戻るので便利である。

 ゆっくり絞り優先AEモードで町並みを撮っているときに,近くの線路を列車が高速で走ってきたので,列車の被写体ぶれを小さくして撮りたいので,さっとシャッター速度優先に切り替えたい……というような場合でも,特にモードダイヤルを回す必要もなく,ファインダーを覗いたままシャッターダイヤルを動かせばシャッター速度優先AEモードになるのである。

 以上が,ハイパープログラムモードの大きな特徴だ。

 ハイパープログラムモードを便利に使うためには,シャッターダイヤルと絞りダイヤルの2つのダイヤルが必要になるため,露出補正やISO感度変更のためには,露出補正ボタンあるいはISO感度ボタンを押しながらダイヤルを回す必要が出てくる。
 もともとハイパープログラムモードは,3ダイヤルを必要としていた操作体系だったのである。

 つぎにハイパーマニュアル(HyMモード)である。

 ヘッドライトが点いた車や列車を正面がちに撮影する場合,事前に露出を完璧に合わせていても,いざ車や列車が走ってくると,そのヘッドライトの明るさに露出が引っ張られてしまい,写真全体が暗めになることがある。そのため,露出はオートではなくマニュアル露出(ISO固定)にすることが多い。

 普通のカメラのマニュアル露出だと,二つのダイヤルを使ってシャッター速度と絞り値を決めることになる。露出を一度決めたあとで,シャッター速度を少し変える場合は,それに合わせて絞り値もダイヤルを使って変える必要がある。さあ撮るぞと思った瞬間に,空の雲が少し動いて太陽を隠した場合には,露出はオートじゃないから,あわててシャッター速度なり絞り値なりをいじる必要がある。

 PENTAXのハイパーマニュアル露出では,一度シャッター速度と絞り値を決めたら,そこで露出をロックすれば,シャッターダイヤルを変えればそれに合わせて絞り値が(シャッター速度優先オートのように)自動的に変化してくれる。絞りダイヤルを回せば,(絞り優先オートのように)シャッター速度が自動的にそれに追随する。露出調整をやり直したければ,グリーンボタンをぽんと押すだけでプログラムライン上,あるいは絞り値・シャッター速度に応じた露出に戻ることができる。

 ハイパーマニュアルでも露出補正機能が効くので,たとえば露出補正を+0.6EVに設定したまま露出を決定すれば,露出をロックしてシャッターダイヤルや絞りダイヤルを好きなように回しても,適正露出は保たれたままとなる。

 これが他社のマニュアル露出では,カメラ内蔵露出計の値に対して+0.6EVになるようにシャッターダイヤルと絞りダイヤルを設定したあとで,シャッター速度を動かすとそれに合わせて+0.6EVを保つように絞りダイヤルを回さなければならないし,ダイヤルを回している間は適正露出からは外れた状態となる。小さな雲が太陽の前を次々に横切るような状況だと,面倒くさくて露出オート+(ヘッドライトを想定した)露出補正で済ませたくなってしまうのだ。

 というわけで,3ダイヤルを装備してハイパー操作系が完成形となる,来春のPENTAXのフルフレーム一眼レフの出来映えに期待したい。

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