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2015年8月 7日

ニコンが待望の新大口径標準ズームを発表

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 ニコンが,手ぶれ補正機能(VR機構)を搭載し,NIKKORで初のED非球面レンズを採用した大口径標準ズームレンズ「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR」を正式発表した。発売は8月27日となる。
 F2.8通しの大口径標準ズームレンズへの手ぶれ補正機能搭載はタムロンに続いて2社目,カメラメーカーでは初となる。VR機構による手ぶれ補正の効果は約4段分。絞り制御が電磁制御となり,とうとうマウント部にはメカ系の連動機構はなくなった。

 ニコンユーザーが待ちに待った,待望の新大口径標準ズームレンズである。全長・最大径・フィルタ径・質量,そして価格もすべてアップしており,当然画質も大幅に向上しているに違いない。待望の新レンズを既に予約した人も多いことだろう。

 キヤノンの大口径標準ズームレンズは,現行製品から望遠側へのズーミングで(フード込みの)全長が伸びるタイプに身を落としてしまったのに対して,フード込みの全長が変化せず,望遠側で最短サイズになることによってフードの効果が発揮できる構造(いわゆる「ズームフード」)を維持したことはスタンディングオベーションで賛辞を贈りたい(写真を見ると,フードが少し浅いようなのが気になるところ)。

 だが,私は意気消沈している。

 ニコンに非はない。個人的な好みの問題だ。私はミーハーで単細胞なので,細くて長いレンズよりも,太くて短いレンズが好きなのである。

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〔Nikon D3に付けたAF-S NIKKOR 28-70mm F2.8D〕

 私は銀塩フィルムカメラのF5を使っていた頃から,古い大口径標準ズームレンズAF-S NIKKOR 28-70mm F2.8Dを使っており,今でもD800EやD3で使い続けている。
 広角端を多用するので,現行AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gの広角側24mmには魅力を感じていたが,どうも画質の評判がよろしくない。しかも,鏡胴がずいぶん細くなって扱いやすくなったとはいうものの,全長が長くなって,標準ズームレンズというよりは望遠ズームレンズのような外観になってしまったのが気に入らなかった。

 画質については,当時はDxOMarkのような比較サイトがなかったため,ヨドバシカメラなどで試し撮りさせてもらったときの印象が強いのだが,たとえば「photozone」のようなレビューサイトの結果を見ても,やっぱり買い換えるほどの魅力を感じなかった。

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〔「photozone」による現行・旧大口径標準ズームレンズの解像度比較〕

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〔「photozone」による現行・旧大口径標準ズームレンズの色収差(Chromatic Aberration)比較〕

 現行AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G(左)のほうが旧AF-S NIKKOR 28-70mm F2.8D(右)よりも絞り開放・中央部の解像度が高いが,周辺部の解像度はかなり落ちる。F5.6以上に絞り込むと,旧AF-S NIKKOR 28-70mm F2.8Dのほうが中央部も周辺部も均質で解像度が高くなる。色収差は望遠端70mm以外は旧AF-S NIKKOR 28-70mm F2.8Dの圧勝……

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 そういうわけで,銀塩フィルムカメラ時代の古いレンズを使いながら,新しい大口径標準ズームの発表を長年心待ちにしていたのだ。

 そこで発表されたのがAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VRである。細くて長いレンズではなく,太くて短いレンズがほしいという私の身勝手な希望は,あっさりと打ち砕かれた。それが意気消沈の理由である。

 ニコンの大口径標準ズームレンズの旧・現・新タイプのスペックを表にしてみた。

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〔「Nikon Rumors」の新旧24-70mm F2.8レンズのサイズ比較〕

 新しいレンズは長さが154.5mmで,現行レンズよりも21.5mmも長くなっている。私が使い続けているAF-S NIKKOR 28-70mm F2.8Dに比べると,なんと32.5mmも長い。現行レンズが旧レンズよりも11mmも長くなったときには,ずいぶん細長くなった印象だったが,それがそんなに気になるほどのことだったのかと不思議に思えてくるほどだ。

 ここしばらくは体調が悪く,加齢による体力の低下も重なって,重く大きなカメラを持ち歩くことがなくなっている。去年からSONYのα7Sばかり使っている。

 ニコンのカメラはF3(+モードラ)〜F5〜D2X〜D3〜D800Eと使い続けてきて,どちらかというとニコンの奇数派だ。いずれ体調が回復すれば,これから発表されるであろうD5かD5Xを入手して,新しい大口径標準ズームレンズを付けて町並みを撮りまくりたいと思っていた。
 そうやらそれは夢物語になりそうだ。体力の低下曲線と,ニコンのフラッグシップカメラ・レンズの重量増加曲線は,このまま一切交わることがなさそうな予感がする。

 とにかく,長さが150mmを越えるレンズをカメラに付けて,好きな町並みを撮り歩く日はこないだろう。そんな現実を突きつけられたニコンの新大口径標準ズームレンズ発表なのであった。

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