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2015年7月26日

JR東日本 気仙沼線・大船渡線の復旧断念

 <鉄路復旧断念>JR東、BRTでの復旧提案(2015年07月25日 河北新報)

 東日本大震災で被災したJR気仙沼線と大船渡線の復旧方針をめぐり、JR東日本は24日、宮城、岩手両県の沿線自治体5市町に対し、鉄路の復旧を断念してバス高速輸送システム(BRT)による本格復旧を提案した。各自治体はBRTのルートや駅拡充などの検討を重ね、復旧に向けたそれぞれの考えを年内に示す。

 国土交通省で開かれた沿線自治体首長会議の第2回会合で、JRは両線の現状について「鉄路復旧では多額の費用が掛かる。震災前から利用者が少なく、大量輸送機関として鉄道の特性を十分に発揮できる水準を下回っている」と報告。BRTは運行本数や駅の位置などを地域の実情に合わせられるとした。

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〔気仙沼線の南気仙沼駅(2007年8月撮影)〕

 東日本大震災で被災して,現在はBRT(「本来は」バス高速輸送システム)として仮復旧している気仙沼線の柳津〜気仙沼間と大船渡線の気仙沼〜盛間について,JR東日本は鉄道としての復旧を断念し,BRTを継続する方針を固めたという。

 青森県〜岩手県〜宮城県と続く三陸海岸を鉄道で結ぶという「三陸縦貫鉄道構想」は,国鉄末期の国鉄再建法施行に伴って未成線のまま建設が凍結されたが,地元住民の強い願いにより,日本で初めての第三セクター方式鉄道の三陸鉄道の北リアス線・南リアス線として1984年に開通し,一本の線路として繋がることとなった。

 残念ながら東日本大震災で多くの区間が被災し,かなりの区間がとうとう復旧することなくバスに転換することになる。

 JR山田線については,三陸鉄道に移管することにより北リアス線と南リアス線をつないで一帯運営できることから,JR東日本と岩手県・関係自治体の話し合いにより,JR東日本が多額の費用負担をすることを前提に,三陸鉄道への経営移管が行われることになり,不通区間を鉄道として復旧する工事が始まっている。

 三陸海岸沿いは沿線人口の少ない地域でもあり,震災以前から赤字ローカル線だったところなので,多額の費用を掛けて鉄道路線を作り直すよりも,バスの小回りの良さを活かしたBRTとして復旧するという判断はやむを得ないと思う。

 赤字経営である三陸鉄道北リアス線・南リアス線の復旧は,鉄道軌道整備法「洪水、地震その他の異常な天然現象により大規模の災害を受けた鉄道であって、速やかに災害復旧事業を施行してその運輸を確保しなければ国民生活に著しい障害を生ずるおそれのあるもの(Wikipediaより)」ということで助成対象となり,全線が復旧して運転が再開されている。

 しかし,JR東日本は黒字経営の民間会社である。総額1100億円と言われる復旧費用を税金で補助するのは難しいし,赤字になることが明白なローカル線に1100億円もの巨額の資金を民間企業が投入することもあり得ない。

 国鉄民営化を前に,採算が取れないとの判断で建設が凍結されたり,バス転換が妥当と判断されされて廃止対象となった国鉄の特別地方交通線が,第三セクター鉄道として存続・復活し,国鉄時代には廃止の対象とはならずにJR東日本の路線として生き残った鉄道が,補助金の交付を受けられずに廃線となる。なんとも皮肉な話である。

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 気仙沼線の前谷地駅に停車するディーゼルカー。真夏の「窓全開」(2007年8月撮影)

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 陸前戸倉駅(南三陸町)の待合室。陸前戸倉駅は志津川湾から5〜600メートル入ったところにあったが,折立川をさかのぼった津波により被災した(2007年8月撮影)

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 志津川駅(南三陸町)の近くで気仙沼線の列車が水尻川を渡る。国道45号線(東浜街道)の橋の下流側に水尻川の河川堤防が見える。南三陸町志津川地区は南三陸町役場・防災対策庁舎(女性職員が命がけのアナウンスを繰り返したことで知られる)があったところで,大津波により甚大な被害を受けた(2007年8月撮影)

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 志津川駅のホーム。駅名標には宮城県本吉郡志津川町と書かれているが,2005年に志津川町と歌津町が合併して南三陸町となっている。ホームは海抜10メートルの高さにあったが,津波によりホーム上屋が流された(2007年8月撮影)

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 清水浜駅(南三陸町)のホームと駅前の家並み。ホームは築堤の上にあったが,津波はほぼこの高さまで押し寄せ,すぐ横の桜川に架かる橋梁も流された(2007年8月撮影)

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 清水浜駅を出た列車が桜川を渡る。桜川に架かる県道221号線の橋のすぐ先は海だ(2007年8月撮影)

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 歌津駅(南三陸町歌津)のホームと南三陸町歌津字伊里前の家並み(2007年8月撮影)

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 本吉駅(気仙沼市本吉町)の近くで津谷川に架かる津谷川橋梁を渡る気仙沼線のディーゼルカー。河口の小泉海岸からは2km近い上流にある橋梁だが,津谷川を遡上した津波により橋桁がすべて流出した(2007年8月撮影)

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