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2015年2月 2日

サチっていない血圧降下のグラフは安心か?

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 HDDレコーダーに自動録画されている民放のTV番組を見ていると,サントリー(正確にはサントリーの子会社)などがグルコサミンやらコンドロイチン,コラーゲンなどのかなり怪しげな健康食品のCMをやってて驚かされる。
 それとは別の製品だが,サントリーの「胡麻麦茶」の広告を見て,気になることがあったので書き留めておきたい。

 まず,CMのコピーが「血圧高めの医師の89%が飲み続けたいと答えました」である。よく見ると,小さく100人の医師に聞きましたと書いてある。
 血圧が高めの人に対して,89%の医師が胡麻麦茶を飲み続けるよう薦めているかのように思わせておいて,実は医師自身が飲み続けたいと言っているだけである。

 それでは,アンケートに答えたこの100人の医師は,胡麻麦茶をどうやって入手して,飲んでいたのだろうか?

 たまたま胡麻麦茶を飲んでいる医師を世の中から100人探し出して,アンケートに答えてもらったのだろうか?
 あるいは,医師会かどこかが医師100人に対して,毎日胡麻麦茶を購入して飲むように強制したのだろうか?

 たぶんそんなことはあり得ないだろう。
 そう,100人の医師にモニターになってもらって,サントリーが胡麻麦茶を無償で提供して,毎日飲んでもらったのだ。それ以外には考えられない。

 サントリーが作った胡麻麦茶である。それほど極端に飲みにくい味付けはしていないだろうし,とても美味しく作られているだろう。美味しい胡麻麦茶を毎日無料で飲めるのだから,これ以上においしい話はないはずだ。

 そこで医師にアンケートを採る。「この胡麻麦茶を今後も飲み続けたいですか?」。そりゃ,よほどの麦茶嫌いでなければ,「飲み続けたい」と答えるはずだ。

 などと妄想してみた。

 私が気になったのは,実はそこではない。血圧の高い人が12週間「トクホ」の胡麻麦茶を飲み続けたときの,収縮期血圧(いわゆる高いほうの血圧)の下がり方のグラフに疑問を感じたのだ。

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 このグラフは,血圧が高めの方72名が,1日1本の胡麻麦茶を12週間摂取したときの血圧の推移を示したグラフである。
 胡麻麦茶を1日1本飲んだ人の平均収縮期血圧は,初期値約141mmHgだったのが,12週間後には約127mmHgまで低下している。

 すばらしい効果である。降圧剤を飲んだかのような見事な下がり方である。しかし,これだけ強い効果があるとすると,血圧が下がりすぎる危険はないだろうか? 美味しいからといって,1日に1本ではなく,2本・3本と飲んでしまった場合はどうなるのか?

 この試験は,もちろん医師が立ち会って行っているだろうから問題はないだろう。

 しかし,12週間飲み続けて,下がり続けている血圧がサチる様子はない。むしろ,10週目以降に降下率は大きくなっているようにも見える。このまま24週間,36週間と飲み続けても大丈夫だろうか。血圧をちゃんと管理した上で飲み続けないと,危険があるように感じる。

 対照飲料(ブレンド茶)のグラフも,初期値約140mmHgから約133mmHgまで下がっており,しかも下がり方に同じ傾向があることも気になる。胡麻麦茶・ブレンド茶を飲んだこと以外の影響が入っていないかどうか,比較対照群として,胡麻麦茶・ブレンド茶を飲まなかったときの収縮期血圧のデータも取っておくべきだったと思う。

 これはサントリーの胡麻麦茶の広告だけでなく,たとえば花王「ヘルシア」の高濃度茶カテキン飲料のデータなどについても同様のことが言える。

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