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2015年2月15日

Kマウントに機械式絞り値連動レバー復活ならず

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〔PENTAX K2の機械式絞り値連動レバー(向かって右上)〕

 先週のエントリー『噂話に右往左往する……PENTAXのフルフレーム一眼レフ』で,妄想的希望として書いた後期KAfマウントから省略されている機械式絞り値連動レバーを復活してほしいという希望だが,残念ながらCP+2015でのRICOH IMAGINGのインタビューで完全に否定されてしまった。

 実に単純明快な回答で,「重要だとは思うが,スペースが限られていて難しい」というものだった。
(どうでもいいけど,日本の写真・カメラメディアも,このぐらいのレベルの質問をしてほしいよね)

 詳しくない方のために説明すると,この機械式絞り値連動レバー(他にもっと正確な名称があるかもしれない)というのは,Kマウントの登場時からAF銀塩フィルムカメラ用KAfマウントの廉価版MZシリーズが登場するまで(不正確だが,MZ-5/3/S以外のMZ-30などのカメラで省かれた)に採用されていて,レンズの絞りリングの位置情報をボディ側に伝達するレバーである。

 ニコンやPENTAXのように,AE時代からAF時代まで同一規格のマウントをできるだけ維持しようとしたメーカーでは,こんな細かなところで並々ならぬ努力が行われていたのである。

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〔マウントの向かって右上にあるこのレバーが絞り値連動レバー〕

 レンズマウントの爪の横の狭いスペースに,実に巧妙に絞り値連動レバーが組み込まれている。
 レンズ絞りが開放状態のまま,この絞り値連動レバーから絞りリングの値をボディ側で読み取ることができる。これによって,絞り開放測光で絞り優先AE撮影が可能となるのである。

 このPENTAX K2のマウントは,加工しにくいステンレス鋼を削り出した一体もので,こうやって見ると爪の部分も分厚い。ソニーの貼り合わせ&プラスチック爪マウントを決めた技術者には,このPENTAX Kマウントの削りかすを煎じて飲んでもらいたい気分だ。

 マウント側の絞り値連動レバーの位置に向かい合うのが,レンズ側の絞り値連動レバーである。

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〔レンズの絞り値連動レバーが手前。奥の対角線側に突き出ているレバーが絞り制御レバー〕

 絞りリングを操作すると,絞り値連動レバーがボディに絞り値を伝える。ボディ中で露出値が演算され,シャッター速度が決まる。シャッターボタンを押すと,奥に見えている絞り制御レバーが絞りを開放値から絞りリング設定した値まで絞りを動かし,その瞬間にシャッターが開き,露出が終わると絞りは開放に戻る。

 PENTAXの古いK/Mシリーズのレンズを使ったときの,機械式絞り値連動AEはこんな感じで行われる。ニコンの「ガチャガチャ」は難しいので,もっと詳しいサイトをググってほしい。

 PENTAXのKAマウントからは,マウントの電子接点を介してAシリーズレンズの絞り値情報をボディが読み取るようになった。
 デジタル一眼レフカメラの時代,K/Mシリーズレンズを使う人も少なくなったのだろうか,機械式絞り値連動レバーは完全に姿を消した。
 古いK/Mシリーズレンズを使うときには,グリーンダイヤルを押して,絞り込み測光によって露出を決定することができるので,まったく使えないというわけではない。この操作を「ハイパーマニュアル」と呼ぶ人まで現れている。時代は変わるのだということを実感する。


〔CP+2015でのRICOH IMAGINGのインタビュー(PentaxForumsさんの動画)〕
 3:22からが機械式絞り値連動レバー復活についての回答……

 PENTAXのフルフレーム一眼レフの登場で,機械式絞り値連動レバーが復活したらいいな……と思っていたが,それはかなわなかった。K/Mシリーズレンズは,今までK-7やK-5 IIsでやってきたように,絞り込み測光で使えばいい。

 フルフレーム一眼レフが登場したときに,最も使いたいレンズはK/Mシリーズじゃなく,実はA☆シリーズのレンズだから困ることなんかないのだ。絞りリングを「A」ポジションに設定して,思い存分に使ってやる!

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コメント

 前回、解説いただいてなんとなく判ったのに、普段はニコンを使っていたために、まだよく判らない絞り連動ピン。たしかに最近買ったK-50を見てみたら、ありませんでした。
 しかし、不思議なことに、いつもFAレンズを付けて使うときは絞り指標をAにしてボディ側で絞りを設定してやるのに、この前、うっかり手動で絞りを設定して使ってしまいました。
 しかし、それでもEXIFには、しっかりとF値が書き込まれていて、どうなっているのだろうと…。たまたま開放で使ったからでしょうか?
 なお、当方、PENTAXはフィルムの時代のMZ-3 LimitedにFAレンズを数本持っているのみ。昔は主にNikonでしたが、デジタルになり、APS-C専用レンズも揃えていないこともあって、コンパクトで廉価なPENTAXに乗り換え中です。

投稿: 魚籃坂 | 2015年2月15日 21時22分

 絞り環にAポジションがついているレンズは,ニコンのCPUレンズと同様に,電気接点を通して絞り情報などをボディとやりとりします。なので,機械的絞り値連動レバーがなくても,絞り情報はボディに伝わるんです。

 1970年代後半にキヤノンが「プログラムAE」を前面に出してきたため,PENTAXも1980年代に入ってからAポジションのついたレンズとボディを出して,プログラムAEが可能になりました。
 そのAポジション付きのレンズ以降,もちろんFAレンズはEXIFに絞り情報が書き込まれると思います。

投稿: 三日画師 | 2015年2月15日 21時43分

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