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2014年8月15日

きれいなフォーシーム・ストレートが見たい

 選抜高校野球での作新学院時代の江川卓投手を見たときから,江川卓の投球フォームとボールに魅了され続けているおっさん(=私)の話である。すごく長くなりそうな予感……

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 真上から投げ下ろした,きれいなフォーシーム(four-seam fastball)が好きだ。

 法政大学時代の江川は,大学2年のときに肩を壊したことと,春と秋にリーグ戦がある大学野球に合わせるために,投げ方が少し変わっていた。私の一番好きなピッチャーではあり続けたが,高校時代のボールとピッチングフォームに劣ると考えている。

 東京六大学野球のリーグ戦は2試合先勝方式の総当たり戦になっている。私の記憶(当時の東京六大学野球のリーグ戦は,NHK教育テレビで中継されることが多かった)では,当時の法政大学は第1戦に江川が先発。勝てばいいが,負けると2戦目も江川,必然的に3戦目も江川が投げることが多かった(先発・リリーフあり)。土曜日曜の連戦になるので,江川はここで力を抜いて抑えることを覚えたのだと思われる。

 振りかぶったときに,高校時代には右足のかかとが大きく上がっていた(ヒールアップ)のが,上がり方が明らかに小さくなった。
 ボールをリリースするときの左手グラブの位置は,高校時代にはいつも左胸の前に小さく折りたたまれていた。フィギュアスケートのジャンプやスピンで腕を身体に近づけると,回転軸に対して慣性モーメントが小さくなるので早く回転するのと同じ原理で,身体の軸にグラブをはめた左腕をたたんで近づけた方が,速く身体の軸が回転できるのである。大学時代には,プロ入り後にも多く見られるように,左脚太ももの横にだらりと下がっていることが多くなった。

 さらに,右腕を振る角度も,高校時代にはストレートの場合は真上から投げることが多かったが,あまり調子が良くなかった夏の甲子園ではややスリークォーター気味になることもあった。それが法政大学でも続いているように思った。


〔作新学院時代の“怪物”江川のピッチングフォーム〕

 大学卒業後,1年遅れでプロ入り。初登板は2ヶ月のペナルティのあとだった。キャンプやオープン戦,そしてペナントレースが始まってからの江川のホームは,そりゃもうがっかりするようなレベルになっていた。左脚を高く上げてみたりしていたが,1年目はもうガタガタの状態だった。正直,見ちゃいられなかった。2年目からは徐々に迫力が増し,19勝を上げた4年目の夏まではかなり良くなったと思ったが……

 何を言いたいのかというと,プロ入り後の江川のピッチングフォームは,完璧ではなかったということだ。

 このままだと話が終われそうにないので,話を元に戻すと,江川以外にも,ボールをテイクバックする際に,ボール投げる方の肩(センター側)が少し下がり,ボールをリリースする瞬間には少し下げた肩を戻すようにして,胸の上下のしなりを使って投げるピッチャーには,好きなピッチャーが多い。大洋ホエールズの遠藤一彦・野茂英雄・サンディ・コーファックス……

 逆に,最近の流行の投げ方(ダルビッシュ有・田中将大・大谷翔平)……肩は傾けず,軸足一本で立ったときに一度身体の動きを静止させる投げ方は,コントロールを考えると合理的なのだろうが,あまり興奮を感じない。


〔「1985 遠藤一彦」PitcherPictureさんの動画〕


〔「Sandy Koufax: RareSportsFilms.com 」laflippinさんの動画〕


〔「1987 宮下昌己 2 動画」PitcherPictureさんの動画〕

 そんなオーバースローのピッチャー好きのオッサンの前に,興味深い選手が現れた。イーグルスの松井裕樹である。ピッチングフォームは好きなタイプに近い。

 その松井裕樹選手についてのおもしろい記事があった。

 楽天松井裕の三振奪取には秘密があった(2014年8月14日 日刊スポーツ)

直球の回転軸 多くの投手の場合、直球の回転軸は水平に対し約30度、傾いている。傾いた状態のまま、横振りで投げられた球は、捕手に届くまでに左投手なら左(右投手は右)に20〜30センチ、ずれるのが一般的。いわゆる、シュート回転が起きる。だが、松井裕は回転軸が水平に近いことが分かった。シュート回転によるずれは約10センチしかなかった。同助教は「直球に、きれいなバックスピンがかかっている」と指摘した。

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 フォーシーム好きには当たり前ではあるが,ボールにきれいなバックスピンを与えるには,肩を傾けてのオーバースローしかないんである。

 そういえば,小学生の頃,親に買ってもらった野球の本が1969年発刊の「個人プレーとティーム・プレー」というとても渋いハードカバーの高価な本だった。

 その本には,ストレートの握り方として,次のような絵が描かれていた(あとで本を見直したら,これは勘違い。指を縫い目に沿わせるツーシームだった)。

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 2シームの握り方は,このように縫い目に指を掛ける方法と,指を縫い目に沿わせる方法の2種類があるが,いずれにせよ,この本のストレートは「ツーシーム」だった。私は軟式野球でピッチャーをやっていたのだが,中学時代はこれがストレートの握り方だと思っていた。そこで何かの江川特集を見て,これとは違うストレートの握り方(=フォーシーム)を知ったのである。

 さて,きれいなバックスピンのかかったフォーシームを投げるには,きれいに真上から投げるしかないように思われる。
 ほかには考えられないだろうか?

 去年頃から「ひょっとしたら」と思っている投げ方がある。きっかけは,ライオンズの菊池雄星のスリークォーターからのストレートだ。
 投球フォームがまだ固まっていない菊池雄星投手は,スリークォーターになったりオーバースローになったり,まだまだボールが安定していない。しかし,ときおりスリークォーターから右打者のインコース・左打者のアウトコースに伸びのあるストレートがくる。
 一般的には,上記の日刊スポーツの記事にあるように,スリークォーターからのストレートはややシュート気味になるのだが,菊池雄星がときどき投げる凄いストレートは,ボールにきれいなバックスピンがかかっているような伸びがあり,しかも右バッターのインコースに食い込んでくるかのようだ。

 これは,ひょっとしたら,スリークォーターからのボールのリリースの瞬間に,わずかにカットボール的な回転をボールに加えることにより,ボールにきれいなバックスピンをかけているんじゃないか,そう推測してみた。

Photo_3

 絵で上手く説明できる自信が無いのだが,スリークォーターの左ピッチャーのリリースの瞬間の手とボールの関係をポンチ絵にしたものである。
 普通にスリークォーターからストレートを投げると,腕の振りが赤線軸のバックスピンを掛けることになる。
 ところが,指先でカットボール的にボールをずらしてリリースすると,青線軸のバックスピンにならないだろうか。

 最近は,きれいなフォーシームがどんどん減っている。バッティング技術の向上が背景にある。でも,見ていて気持ちが良いのは,やはりきれいなフォーシームであると,それに魅せられた私は思うのである。

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