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2014年5月24日

土佐電鉄と高知県交通を統合する方向で検討

 土佐電鉄と高知県交通、統合検討を決定(2014/4/29 日経新聞)

 土佐電気鉄道(高知市)の前社長らが辞任したことなどを契機に高知県などが設置した「中央地域公共交通再構築検討会」は28日、高知市で開いた会合で土佐電鉄とバス運行の高知県交通(同)を統合する方向で検討することを決めた。採択した統合案は路面電車やバス事業などを引き継ぐ新会社を設立、2社は特別清算することなどが柱となっている。
(中略)
 提示された「中央地域公共交通再構築スキーム案の検討に関する資料」によると2社は合わせて34億9000万円の実質債務超過の状態という。2社の長短借入金の額は75億円に上る。このため、メーンバンクの四国銀行など金融機関に対しては26億~28億円の債権放棄を求めている。

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[土佐電鉄と路線バス(2008年5月3日撮影)]

 通勤・通学時間帯以外の大幅な減便や暴力団問題と,最近暗い話題の多かった土佐電鉄……

 土佐電鉄も路線バスを運行しているので,路面電車とバスの競合だけではなく,バス事業だけでも競合していた両社が合併することになりそう。路線バス事業では,補助金込みでも土佐電鉄が年間約5千万円の赤字,高知県交通は年間約1億1千万円の赤字だそうで,統合してもにっちもさっちもいかなそうにも思うのだが,他に方法が見つからないのがつらいところ。

 高知に限らず,地方の公共交通のほとんどが赤字で苦しんでいる。無駄な競合がなくなるのを機に,路線の見直し,乗り継ぎの利便性向上(運賃の統合)などの改善が必須だと思われる。

 高知市の人口は約35万人。路面電車が走る都市としては大きいほうではない。その高知市(及び南国市,いの町)に,日本一の路線長25.3km(宮島線を含まない広島電鉄は19.0km),停留所数77個所(広島電鉄は61個所,阪堺電車は41個所)の路面電車が走っている。

 モータリゼーションや都市の郊外化が進む中,高知市のDID(人口集中地区)人口密度が6,358.0人/km²と,地方の県庁所在地としてはかなり高い。高知市のDID人口密度が高いのは,路面電車の存在が大きいのではないかと思う。DID人口密度が高いから路面電車が残ったと考えることもできるが,とにかく高知の公共交通の今後に期待したい。

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[デンテツターミナルビル前電停の東側ですれ違う土電と路線バス(2002年5月2日撮影)]

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[デンテツターミナルビル前電停。とでんバスのりばがあった「とでん西武」はなくなり,跡地はパチンコ屋になっている(2002年5月2日撮影)]

【参考】
 県庁所在地のDID人口密度(平成17年国勢調査による。政令指定都市および30万人以下を除く)
那覇市  8,340.3
長崎市  7,456.5
奈良市  6,832.5
大津市  6,748.7
鹿児島市 6,539.8
高知市  6,358.0
松山市  6,328.4
金沢市  6,174.7
青森市  6,091.2
盛岡市  5,896.6
宇都宮市 5,447.8
宮崎市  5,422.1
岐阜市  5,367.0
長野市  5,324.8
高松市  5,319.6
水戸市  4,958.7
秋田市  4,915.8
大分市  4,798.0
福島市  4,748.5
和歌山市 4,599.7
津市   4,511.1
前橋市  4,425.1
富山市  4,030.2
(奈良市と大津市はベッドタウンでもあるので,少し下駄を履いてる感じかな)

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コメント

規制緩和が活性化を促すというのが地方交通においては
幻想に過ぎないでしょうねえ。

統合化で乗り換え等が便利になるでしょうし、さらに
言えば、欧米のようにJRと地域交通トラストを
作って、有機的なつながりを持ってほしいですな。

投稿: ねこあたま | 2014年5月24日 06時58分

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