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2012年2月22日

JR東日本が被災2路線、廃止しバス専用道提案へ

 被災2路線、廃止しバス専用道提案へ JR東、岩手県に(2012年2月8日 朝日新聞)

 JR東日本は東日本大震災で不通になっている岩手県内の山田線(宮古―釜石)と大船渡線(気仙沼―盛〈さかり〉)の2路線を廃止し、専用道路を設けてバスを走らせる「バス高速輸送システム(BRT)」を導入する方針を固めた。9日、岩手県の達増拓也知事に提案する。鉄道復旧を求める地元の反発は必至だ。

 JR東の清野智社長が7日、記者会見で「BRTも含めて考えるのも一つの方策。これから地元とも話していきたい」と語った。同社幹部は朝日新聞の取材に「間もなく震災から1年。復興へのメドをつけるためにも、時間のかかる鉄道ではなく、まずはBRTでいきたい」と説明した。

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 石岡の鹿島鉄道跡地のBRTのときにも感じたが,近年の都市交通システムのひとつとして,注目を集めていたLRT(Light Rail Transit)やBRT(Bus Rapid Transit)が,廃線後の処理や被災後の復旧事業で取り上げられるのは,とても不幸な事態なのではないかと感じる。

 都市交通が抱えている問題点を解決するための都市交通システムの整備は,都市の街づくりとは切り離せないものだ。その切り札のひとつのBRTが,ここで矮小化されたイメージで定着してしまうのが,本当に残念でならない。

 で,三陸鉄道の北リアス線と南リアス線は国費による補助を受けて鉄道が再建される方向に向かっているのに,JR東日本の路線は,軒並み廃止,そしてバス専用路線への転換……。従来の鉄道廃止〜バス転換とどこが違うんだと感じる人も多いだろうし,鉄道復旧を求める地元の反発は大きいはずだ。

 しかし,被災前の三陸の山田線,大船渡線の状況は,かろうじて鉄路を維持しているだけの限界路線になっていた。被災した街の移転すらもなかなか決まらない状況では,鉄道の復旧は難しい。ここは,従来から考えてきたBRTとは似ても似つかないバス転換ではあるものの,街の移転にも柔軟に対応できる交通機関としてのバスに期待してみようではないか。これがうまく行けば,将来の全国でのバスの役割が大きく変わってくるかもしれない。

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コメント

「なぜ同じ被災路線なのにそこまで対応が違うの?」と思う人も多そうですね…。ただ三陸鉄道と山田線・大船渡線とでは線路の高さが決定的に違う、ということがありますから、これから復興を進めていくにあたって、じゃどういう街づくりにするか、ということも含めて住民たちと話を進めるべきでしょうね…。あと気仙沼線のあり方についても注目すべきポイントかもしれません。せっかく年数を経て開通したのに、という思いはやはりありますし。
同じ被災路線である常磐線(相馬~亘理間限定。広野~原ノ町間はどう考えても復興のめどは立てられそうにありませんし…)や仙石線の高城町~矢本間も、町を移転したりということが必須になると思います。そうなるとJR東日本に莫大な予算が必要になりますし、それをどうやって捻出するか、ということも考えなければなりませんし…相当難しい問題であることは確かです。

投稿: クリス_NK | 2012年2月22日 16時58分

ご無沙汰しております
やべっちです

一つ疑問に思うのは、東日本大震災で被災したJR東日本に対して、何故国の方から復興支援が無いのでしょうか!?
財源が豊かな道路網の復興支援はあっても、財源を余り捻出出来ない鉄路の復興に国が支援出来ないのはおかしい話です!
国土がアメリカ合衆国の1/26なのに、全世界での自動車保有台数がアメリカに次いで第2位と云う日本は、どう考えてもおかしいと思います!

投稿: やべっち | 2012年2月26日 15時39分

 クリス_NKさん,コメントありがとうございます。
 三陸鉄道は開通時期が新しいだけあって,内陸部のトンネル区間が多いですよね。おっしゃる通り,市街地のある海岸部を走るJRとはずいぶん違います。
 常磐線をどうするのかも難しい問題ですね。

投稿: 三日画師 | 2012年3月 6日 19時18分

 やべっちさん,コメントありがとうございます。
 JR東日本は黒字企業だから国や自治体は支援できない,というのは変な話ですよね。自治体は,街づくりの一環として鉄道が必要ならば,積極的に支援してもよさそうな気がします。
 正直なところ,鉄道の復興をJRという一企業に丸投げしてしまっている(ように感じる)ことにも問題があるように思います。

投稿: 三日画師 | 2012年3月 6日 19時25分

残念ですが、廃線はやむなしでしょう。
需要のないもの・既に社会的使命を終えた物を
復旧させるほど、JR東日本にも
余裕がないでしょうし、民間企業でもあるわけですから、
当然費用対効果も追求しなければなりません。

国の財政には、輪をかけて余裕がないことは言うまでも
ないですし、限りのある復興財源、自動車専用道の
整備に充てる方が、有意義だと思います。

とりわけ首都圏や政令指定都市クラスの大都市を除くと、通勤需要という面では、もう鉄道は全く役割を
担えていませんし、全体的な需要も、
バスで十分事足りる程度です。
ましてや東北太平洋側は降雪量も多くありませんので、
冬季のダイヤの乱れも、あまり考慮しなくてもいいでしょう。

復興前の人口や世帯数にはもう戻らない上、元々
鉄道に対する需要が激減していたわけですから、
根本的に、復旧すべき路線ではないと言うのが結論です。

投稿: KISS | 2012年3月29日 19時21分

 廃線はしかたのない状況に感じますね。
 ただ,単なるバス転換だと不便になるばかりで,需要が低迷して,結局バス路線の維持に苦労することになるので,積極的にバスのメリットを活かした交通施策を考えてほしいです。

投稿: 三日画師 | 2012年4月 1日 22時56分

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