馴染んだズームリングの回転方向は変えられない
買ったばかりの新品ほやほや PowerShot S100。以前から使っている Cyber-shot DSC-HX5V と同様に GPS 機能が付いて,コンパクトなサイズ。そして何より,レンズのまわりに付いているコントロールリングを手動で回すことで,24mm/28mm/35mm/50mm/85mm/100mm/120mmの焦点距離を変えられるステップズーム機能(コントロールリングは露出補正他の機能に置き換えることも可能)が付いている。
これぞ,ずっと待ち続けてきたコンパクトデジカメだ。レバーでズームを操作する電動ズームでは決して得られない,手動ズームに近い感覚を得られそう……。これこそが PowerShot S100 を選んだ理由……だったはずだった。
が,撃沈した。コントロールリングでのステップズームは,私にはまったく使えないことがわかった。
そう,最大の問題はステップズームの回転方向だった。
私は長年 PENTAX と Nikon の一眼レフを使用している。奇跡的なことに,PENTAX と Nikon のピントリング,ズームリングの回転方向はまったく同じなので,とっさのときにもまったく違和感なく回すことができる。
(各社のピントリング・ズームリングの回転方向一覧はこちらへ)
PENTAX DA☆16-50mm F2.8レンズ。
ズームリングを(カメラボディから見て)右に回すと望遠側,左に回すと広角側になる。ピントリングは,右に回すと無限大側,左に回すと最短撮影距離側となる。20年以上使い続けて,体にしみ込んでしまった動作である。とっさのときには,頭で考える前に,指が反応してズームリングやピントリングを回している状態にまでなっている。
こちらは Nikon のAF-S 28-70mm F2.8レンズ。距離目盛やズーム指標が,上の PENTAX とまったく同じことがわかる。
この2社のカメラばかりを使っているぶんには,ほとんど違和感なくズームレンズを操作することができるのだ。
ところが,そこに乱入してきた Canon の PowerShot S100。ズームリングの回転方向が逆なのは,ヨドバシカメラの店頭でいじり回したときから気になっていた。そんなものは,使い続けていればすぐに慣れるだろうと思ったのだ。
しかし,甘かった。先日,一日中 PowerShot S100 を持ち歩いて,あちこち撮影して回っても,結局慣れることはまったく無かった。広角側に引こうとしてズームアップしてしまったり,その逆の操作を何度も何度も繰り返してしまう。あまりにストレスを感じるものだから,コントロールリングは露出補正の設定にして,ズームの操作は旧来の場所,シャッターボタン回りのレバーに戻すことで落ちついた。
Canon の一眼レフユーザーは回転方向が一致するから,このような問題は生じない。悔しいけど,うらやましい。
ズームリングの逆回転ぐらい,すぐに慣れるだろうと思っていたが,もうすっかり脳みそが硬くなってしまって,新しい動作を覚えられないのかもしれない。年寄りが新しいことを覚えられないというのは,こういうことを言うのだろう。残念だが,しかたがない。
この機能はファームウエアで直せそうなところなので,何とか回転方向が選択できるように改良してほしい。熱望する!
それ以外には特に不満がない。本当によくできたデジカメだと思う。
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コメント
「Canon の一眼レフユーザーは回転方向が一致するから,このような問題は生じない」と書いたのは,あくまでPowerShot S100と回転方向が一致するというだけで(同じメーカーだから当然と言えば当然),Canonの一眼レフがすべての基準という話ではない。念のため。
投稿: 三日画師 | 2014年7月25日 13時27分