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2011年10月30日

フリーゲージトレインがやっと「かもめ」に追いつく

 FGT、国「基本技術は確立」(2011年10月29日 朝日新聞)

 九州新幹線・西九州ルート(長崎新幹線)への導入に向け鉄道・運輸機構が開発中のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)について国土交通省は、課題だった在来線カーブでの速度が目標に達し「基本的な技術は確立した」との評価をまとめた。耐久試験を進め、2013年度にも実用化の可否を判断する。

 10月27日に国交省の「軌間可変技術評価委員会」において,今年の6月〜9月にJR四国の予讃線で行われたフリーゲージトレインの走行試験の結果が報告され,審議の結果「軌間可変電車の実用化に向けた基本的な走行性能に関する技術は確立していると判断される」との技術評価がなされたようだ。

 昨年9月までの軌間可変技術開発に対する評価結果は以下の通り。
 (1) 軌間変換性能:軌間変換技術の確立の目途が立った。
 (2) 新幹線(標準軌)における走行性能270km/hで安全・安定走行できた。
 (3) 在来線(狭軌)における走行性能
 ・直線区間では130km/hで安全・安定走行できた。
 ・半径600m以下の曲線区間や一部の分岐器では現行特急の曲線通過制限速度を10〜40km/h下回る性能に止まっている。

 上記のように,在来線急カーブでの走行性能が特急「かもめ」に遠く及ばないことが問題だったため,予讃線のカーブをロングレール化し,小型・軽量化を図った改良台車をはいた試験車両で走行試験が行われてきた。

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 フリーゲージトレインのライバル 特急「かもめ」
(この列車の性能が良すぎて,フリーゲージトレインが苦労している?)

 その結果,なんとか現行特急「かもめ」並の走行性能という目標を達成したとのこと。ただ,評価結果の添付資料には『ロングレール化が出来ない半径400m未満の曲線区間等のレール継ぎ目部や軌道整備が十分に行えない踏切部等で、大きな力(輪重・横圧)が発生している箇所があった』とあり,現行特急「かもめ」に完勝というわけにはいかないようだ。

 今後は「耐久性の評価に基づく保全性・経済性の分析・検証」のため,今の試験車両で10万キロを走る耐久走行試験に入り,車輪等部品の摩耗やこれに伴う走行状態などの必要なデータの収集分析を行うという。

 さて,朝日新聞の記事では,あいかわらずこのフリーゲージトレインは九州新幹線・西九州ルート(長崎新幹線)に使われることを前提に開発が進められているように書かれているが,その可能性はあるのだろうか。
 佐賀県の「佐賀県:こちら知事室です」のページでは,九州新幹線西九州ルートのレール規格についての質問の回答に,

 なお、長崎本線と新鳥栖駅との接続については、現在の工事実施計画の中に含まれていませんが、工事を行う鉄道・運輸機構からは、肥前麓駅付近から新鳥栖駅まで弧を描くような線路をつくる検討をしていると聞いています。

と,他人事のように書いてある(唖然としてしまう書きっぷり)。
 新幹線のレールが,肥前麓駅付近から延びて新鳥栖駅に達する急カーブのループを描くとは,とても思えないのだが……。

【参考】
2011年2月13日:事業仕分けされなかったフリーゲージトレイン
2010年8月31日:長崎新幹線の着工条件は厳しいけど
2009年12月24日:日本のフリーゲージトレインが試験走行で270kmを達成

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