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2011年10月30日

貨物の大動脈のことも思い出してやってください

 五稜郭―木古内間の在来線 バス転換提案へ(2011年10月28日 朝日新聞)

 北海道新幹線の函館延伸に伴い、JR北海道から経営分離される江差線五稜郭―木古内間(37・8キロ)について、道は27日、全線をバスの路線に転換することを、沿線自治体に提案する方針を固めた。31日に函館市で開かれる沿線3市町(函館、北斗、木古内)の協議会で提案する予定だ。

Esashi

 江差線の並行在来線区間と書いてあると,なんとなく赤字ローカル線だからしかたがないと思ってしまいそうだが,この区間は北海道と本州を結ぶ貨物の大動脈なのである……というふうに書き出そうと思った。
 でも,そんな案を提案しているのが北海道自身だけに,もう“道”でもよくなった。

経営分離される2015年から30年間の道と地元自治体の負担額について、全線での鉄道維持やバス路線化まで五つの方式で試算し、公表した。全線鉄道維持の場合は69億5千万円、一部バス路線化は73億1千万~76億5千万円で、全線バス路線化が最も負担額が小さい15億9千万円としていた。道はこの試算を考慮して、全線バス路線化が最適と判断したとみられる。

 青函トンネルを貨物自動車は走れないし,まさか貨物船へのモーダルシフト?が成りたつわけもないし,結局のところは五稜郭−木古内間は貨物列車専用線としてJR貨物に負担してもらおうということだろう。当然,JR貨物が線路維持に要する費用が輸送費に加算されるであろうことも,北海道は計算済みに違いない。計算してないわけがない。
 バス路線を維持できるのも,正直に言えば上磯(北斗市)付近までが限界で,乗客の増加や黒字化が見込めるわけでもない。バス路線の乗客は年々減り続ける……ということも計算済みだろう。

 新函館までの北海道新幹線ができたとしても,木古内駅から函館駅までの所要時間は,現在の特急列車の所要時間(現行の特急列車が36分〜40分前後,普通列車が約1時間)とほとんど変わらない。新函館駅での乗り換えが必要になる分,むしろ不便になると感じる人も多いはず。みんなが望んだはずの新幹線だが,現実は厳しい。

 木古内町の人口は,ここ40年間で約1万人から約5千人まで半減した。中核市である函館市の人口も,最も多かった1980年頃の約35万人から約28万人まで減少している。北海道が2015年の30年後の2045年の木古内町や函館市の人口をどのぐらいに見積もっているのかは不明だが,あまり明るい未来ではないような気がする。

 もう“道”でもよくなった。
 こうなったら,トレイン・オン・トレインが成功したら,青函トンネル〜木古内までと言わずに,新函館までトレイン・オン・トレインに走ってもらって,そこから在来線で函館(五稜郭駅)を目指してもらおう。それなら江差線の五稜郭−木古内間の線路をJR貨物が維持する必要もなくなる。これは一石二鳥だわ。
 えっ,新函館で折り返したら所要時間がかえって長くなるって? それは旅客と同じじゃん。

【参考】
2010年4月15日:東北新幹線青森延伸のジレンマ
2010年5月19日:悩み多き北海道新幹線
2010年9月1日:北海道新幹線の札幌延伸に高いハードル
2010年9月25日:函館まで24分かもしか短縮しない東北新幹線
2010年12月4日:さて,本当の東北新幹線の所要時間を調べてみた

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コメント

初めてコメントさせて頂きます
私は出身が小樽の通称「山線」沿いだったので、中学生の頃に北海道新幹線のルート発表があって、小樽経由と決まった時にすごく喜んだのを覚えています。
…あれから40年、北海道新幹線はやっと入り口の新函館ー新青森間が2015年に開通予定までこぎつけました。最近では1977年に開通した気仙沼線の沿線住民の気持ちが解りつつあります。
さて並行在来線の問題ですが、江差線もそうですが青函トンネルの問題も忘れてはならないと思います。新函館ー木古内間を3線軌乗にして貨物を走らし、江差線は廃止と私は思っているのですが、青函トンネル内でのすれ違いを避けるために知内、津軽今別での待避はもとより、その手前にも退避の信号場が半端じゃなく欲しいとおもいます。
そして、些細な事かもしれませんが、青函トンネルが新幹線と貨物、そして一部の寝台特急専用になるとしたら、青春18の時期にはどうするのでしょうか?
ひょっとしたら、新幹線特急券別途購入の特例が設けられるかもしれませんね。

投稿: やべっち | 2011年11月 2日 00時10分

 函館本線山線の凋落ぶりにがっかりしている方も多かったでしょうから,新小樽経由のルートが発表されたときの喜びはよくわかる気がします。

 青函トンネルの問題は,トレイン・オン・トレインで対応しようとしているようにも見えますし,既にあきらめているようにも見受けられますし,いったいどうしようとしているんでしょうね。
 木古内〜新函館を三線軌条にしても,JR貨物の既存のコンテナ車両では新幹線とのスピードが大きすぎて,簡単に新幹線に追いつかれてしまい,退避場での退避は現実的ではないようにも思います。

 やっぱり函館〜木古内の江差線をJR貨物が面倒を見るというのも現実的には思えず,残るのは,江差線廃止&トレイン・オン・トレインの新函館乗り入れしかなさそうに思います。

 私は青春18切符には縁がないのですが,また特例区間が増えそうな感じですね。そこまで青春18切符が残っているかどうかは微妙なところのような気もしますが。

投稿: 三日画師 | 2011年11月 3日 02時50分

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