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2011年2月13日

事業仕分けされなかったフリーゲージトレイン

 フリーゲージ 在来線走行四国で試験 国交省(2011年2月5日 西日本新聞)

 九州新幹線西九州(長崎)ルートへの導入を目指すフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の在来線走行試験について国土交通省は、2011年度の在来線走行実験を四国の予讃線で行うことを決めた。これまで日豊線で走行実験してきたが、より急カーブの多い予讃線で走行性と耐久性を繰り返し試す必要があると判断した。

 FGTは開発が難航。現在試験中の新台車は室内実験でカーブでの目標速度に到達できず、レール改良など軌道強化と併用することに方針を転換。昨秋の開始予定だった在来線での走行実験は、半年遅れで実施できるとしていた。

 しかし、軌道強化の具体策はなお「検討中」(同省鉄道局技術開発室)。11年度は、継ぎ目を溶接するなどした特殊なレールや、レールと枕木の留め金を強化するなどして実験する。

 以前からちょっと疑問を感じているフリーゲージトレインのニュースだ。
 個人的には,昨年の事業仕分けで,このフリーゲージトレインの予算19億円弱が,なぜ仕分けされなかったのが,不思議に感じるのである。

 国交省では,3月末までに新台車を装着した車両を3両完成させ,遅くとも6月初めには実験を始める考えだとのこと。10年以上も前に米国プエブロで第一次試験車両が長期耐久走行試験は行っているが,現在問題が生じている国内在来線のカーブ区間での長期耐久試験は,まだまだこれからの状態である。
 これのペースだと,素人目に見ても,2018年3月が目標となっている九州新幹線長崎ルートの開業には間に合わないのではないかと心配になる。いや,現状の新諫早駅のように九州新幹線鹿児島ルートから長崎ルートへの転線ができない構造では,もう既に九州新幹線長崎ルートでの利用を目指しているとは思えない事態である。

 これだけ長期の開発期間をかけても,現状ではJR西日本が新幹線への乗り入れを拒絶せざるを得ない車両(結局博多で乗り換える必要が生じる)であり,さらに在来線区間では既存の特急列車よりも最大で40km/hも遅い速度しか出せないものしかできていないのだ。
 カーブでスピードが出せないフリーゲージトレインが新諫早から在来線で博多駅まで走るのでは,現行の「白いかもめ」が最高速度130km/h,連続するカーブを振り子式車両で爆走している現状より,どれほど時間短縮効果があるのか,ちゃんとした試算結果を出してほしいものだ。

 以前にも書いた記憶があるのだが,フリーゲージトレイン自体は,スペインのタルゴが古くから実現しており,最新式のレンフェ120系は,高速新線を最高250km/h,在来線を最高220km/hで走っている。
 日本のフリーゲージトレインはタルゴ社の軌間可変車軸の技術ライセンスを受けて開発を進めており,実用化の前に立ちはだかっているのは日本独自の問題点であり,それは実は相当に根深いように思われる。

 もし,「最終的にフリーゲージトレインでの高速化は断念」→「長崎ルートもフル規格新幹線で」という裏ルートをどこかが考えているのだとしたら,それは勘弁してほしいものである。

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