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2010年12月 7日

融通が利くってのはいいよね

 間違ってた町の境界線、住民の要望でそのままに(2010年12月2日 読売新聞)

 高知県中土佐町の4世帯7人が、町境を調べる同町の地籍調査で同県四万十町に属することが判明したものの、「元のままで」という住民の要望を受け、誤ったままの境界線を正式なものとして国に申請すると、県が1日発表した。
 いつから誤っていたかは不明で、住民登録や納税などは中土佐町に対して行っており、両町が住民生活を優先した形となった。

 お役所ってのは,とかく融通が利かないものと相場が決まっているので,こういうふうに柔軟な対応のニュースを見るとホッとするね。

 このニュースに限らず,何にでも言えることだけど,やっぱり融通が利くってのはいいよね。

 数日前に,エスカレーターに乗るときに,右側を空けるか左側を空けるか,東京ではどうだ,大阪ではどうだという話をテレビでやっていた。そう,そんな単純なことすら融通が利かない人が多いのだ。前に乗っている人が左側に立っていても,「ここは大阪だから,左側を空けるのが常識だよ」という感じで右側に立っちゃったりして……。

 エスカレーターで歩くこと自体が問題だという話は置いといて,右側を空けるか左側を空けるかなんてのは,どっちでもいい話で,前の人がその地方の習わしとは違った側に寄って立っていたとしても,次の人は同じ側に寄って立つようにすれば,左右ぐちゃぐちゃになることはないのだ。ほんの少しの柔軟ささえあればいい。

 ちょっと話はそれるが,通勤電車のバケットシートとスタンションポールも,乗客同士で譲り合う融通性を奪うものじゃないかと感じている。これは,たぶん人によって感じ方がずいぶん違うと思うので,まったく正反対に感じる人がいてもおかしくない。

スタンションポール
 通勤電車のバケットシートとスタンションポール

 乗車マナーの悪さを調査すると,必ず上位に上がってくるのが「詰めて乗らない」「7人掛けシートに6人で座っている」というのがある。その対策として,定員分を区切ったバケットシートと,7人掛けシートを4+3や2+3+2に区切るスタンションポールだ。

 そもそもの話をすれば,車両全体が7人掛けシートに6人座っている程度の混雑の時に,「座り方が悪くて腹が立つ」と思う人の気持ちが,私にはよくわからないのだ(そういう状態では座ろうとせずに立ったままの人が多いことから見て,私ばかりではないと思っている)。私は京浜急行で上大岡から品川まで行くのにも,必ず座れる普通列車(各駅停車)に乗るし,東海道線や横須賀線に長時間乗るときにはいつもグリーン車を利用している。基本的に,私は「座りたい人間」なのだ。
 それでも,7人掛けに既に6人座っているところに座りたいとは思わないし,下手をすると2+3+2にスタンションポールが立っている車両では,7人掛けに4人座っている状態でも座りたくない気分になる。「残り一人」の状態に抵抗を感じるのだ。

 で,話を元に戻すと,7人掛けのシートには必ず7人座らなければならないという融通の利かなさのほうに,ちょっとした苛立ちを感じる。大人の男が6人座っている状態の7人掛けシートの隙間は小さい。そこに,「このシートには7人座らなければならないのよっ」的な勢いで入り込んでくる人がいるが,正直なところ,その隙間の両側のどちらかに私が座っていたら,「どうぞどうぞ,お座り下さい」という感じで,席を譲って差し上げたい。

 逆に,7人掛けのシートに女性や子供が7人でゆったりと座っているのを見ると,ちょっと詰めて(融通を利かせて),もう一人座らせてあげたらどうかと感じることがある。スタンションポールがなく,バケットシートになっていなければ,女性なら8人掛けだって十分可能だと思うのだ。

 と思って,ちょっと計算をしてみた。

 通勤電車の一人分のシート幅は,一般的にはひとりあたり430mmで計算されている(日本人の体格向上に伴い,最新の電車ではもう少し広げる傾向があるようだ)。これは,鉄道営業法か何かで,ひとりあたりの座席幅を400mm以上にすべしと決められていたことにも由来する。
 ところが,産業技術総合研究所のデジタルヒューマン工学研究センターの統計データに寄れば,若い成人男女の肩幅は,男:456.2mm,女:407.8mmとなっている。

 つまり,平均的な成人男性が7人掛けのシートに7人座ると,456.2mm × 7 = 3193.4mm。430mm × 7 = 3010mmであり,両端の人が肩をシートの外側に逃がすことを考慮すると,(3193.4−3010) ÷ (7 + 1) ≒ 23mm。つまり男性が7人掛けのシートに座る場合は,隣の人と肩を23mmずつ重ね合わせて(前後にズラして)乗ることになる。
 同様に計算すると,成人女性の場合は,7人掛けのシートに7人で座ると隣の人との間に19mmの隙間ができることになる。女性ばかりが座っていると,やけにゆったり見えるのはそのせいだ。

 さて,その隙間を詰めた場合はどうなるだろうか。
 7人掛けのシートに,成人女性が8人座ったときの状況を計算してみると,(407.8mm × 8 − 3010mm) ÷ (8 + 1) ≒28mmとなる。つまり,男性が7人座ったときに我慢して肩を重ね合う23mmとそれほど違わない……28mmずつ肩を重ね合うことで,7人掛けのシートに8人座れることになる。

 まあ,考え方は人それぞれだが,電車に乗り合わせたときに周囲の状況を見て,声を掛け合って,少しずつ詰め合わせて乗るという基本的なこと,融通を利かせるということができない世の中ってのは,世知辛くて困っちゃうね。

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