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2010年12月25日

廃線の不安に揺れる大糸線を,ぜひJR東日本に

 大糸線、廃線の不安に揺れる沿線 1両が結ぶ地域の足(2010年12月20日 朝日新聞)

 「廃線にするのか、どういうやり方がいいのかよく考える」。今月1日の記者会見で、大糸線糸魚川―南小谷間の廃線の可能性に言及した佐々木隆之JR西日本社長の発言が、沿線で暮らす人々の間に波紋を広げている。北陸新幹線の開業に伴い、並行する北陸線が地元第三セクターに経営分離されると、大糸線は同社の「飛び地」になる。「いずれは」の不安が、にわかに現実味を帯びる。沿線人口が減る中で、廃止への流れを食い止めることができるのか。現状をみた。

大糸線、廃線の不安に揺れる沿線 1両が結ぶ地域の足
 姫川に沿って走る大糸線のディーゼルカー(2005年4月)

 JR西日本の社長が「廃止する」と言明したわけではなく,「廃止の可能性に言及した」だけだが,沿線自治体の不安は増すばかりのようだ。

 北と南で(経営会社がJR西日本とJR東日本とに)分断されてしまった大糸線は,本当に不幸な路線である。

 JR東日本が運営する大糸線南小谷まで(南線)は既に電化され,中央本線経由で新宿駅からの特急「あずさ」「スーパーあずさ」も乗り入れている。松本〜信濃大町間にくらべると,信濃大町〜南小谷間は,普通列車の運転本数は相当に少なくなるが,それでも大糸線(北線)にくらべてはるかに多い列車本数が確保されている。

 それに比べて,大糸線(北線)は,非電化のままで,つい最近まで骨董品のようなキハ52ディーゼルカーが1両編成でコトコトと走っていた。最近は車両の小さなキハ120に置き換えられたが,列車本数は少ないままに抑えられている。

 仮に,大糸線のディーゼルカーの車庫が信濃大町にあったとしたら,たぶん大糸線全線はJR東日本が運営することになったに違いない。そうなっていたら,大糸線(北線)はどのようになっていただろうか。

 この大糸線(北線),廃止してしまうのがまったく惜しいほどの車窓を持っている。姫川流域の急峻な地形の中を走る列車の車窓は,日本でもここでしか見られないほどの迫力がある。なぜなら,ここは,社会科の授業でも習うフォッサマグナ(中央地溝帯)の西端にあたる糸魚川-静岡構造線に沿って走る路線だからだ。
 日本の鉄道の車窓が綺麗なところには,たくさんのトロッコ列車のようなものが運行されているが,大糸線の車窓はそれにまったく負けていない。

 地殻変動も激しい場所だけに,大糸線は過去に大きな災害を受けている。1995年の7.11水害では周辺の道路も含めて,一帯は壊滅的な被害を受けた。道路も鉄道もずたずたになった。私は,この時ばかりは,大糸線が廃止になってしまうものと思っていた。

大糸線、廃線の不安に揺れる沿線 1両が結ぶ地域の足
 復旧工事の後も痛々しい姫川(2001年5月)

大糸線、廃線の不安に揺れる沿線 1両が結ぶ地域の足
 流された橋も新しく架け替えられた(2001年5月)

 しかし,大糸線(北線)は,巨額の復興費用と,沿線自治体の熱意によって見事に復活した。そんな大糸線を,簡単に廃止してしまうわけにはいかない。

 大糸線の沿線には,観光客が(Made in China等の)土産物を買ったり,怪しげな名物料理を食べたりするような観光スポットはないかもしれないが,大糸線の車窓は誰がなんと言おうと,そこいらへんの観光地の景色を凌駕するものだ。

 糸魚川での乗り換えを想定すれば,富山県の富山・高岡,新潟県の上越・長岡の客が,糸魚川〜大糸線〜信濃大町〜松本〜姨捨〜長野〜新幹線で帰宅というふうな経路で簡単な旅行だって可能になる。

 大糸線の再生のために,まずはJR東日本への移管,さらにディーゼルカーの信濃大町までの乗り入れを実現してほしいものである。

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コメント

大糸線のJR西日本区間は引き続きJR西日本が経営するべき。大湊線だって今もJR東日本が経営している。

投稿: | 2011年4月24日 17時56分

確かに、JR西日本が廃止の意向を示す中に北陸新幹線開業により、糸魚川乗換が南小谷、信濃大町へは新宿から中央線で松本経由で行くより、到達時間が早くなる。
運賃・料金は高くなっても乗客増はあり得る。
ここは、JR東日本に是非、引き継ぎ(移管)を提案する。
電化は無理としても、小海線同様なハイブリッドDCによる直通運転を提案したい。
国鉄分割民営当時と現在とはかなり情勢が異なるのである。

投稿: 匿名希望 | 2015年5月12日 15時43分

もし大糸北線をJR東日本が引き継ぐなら北陸新幹線の糸魚川駅の管轄をJR西日本からJR東日本に変更しないと東日本にとっては割りが合わないだろう。もしくは大糸北線の赤字の穴埋めを西日本が少しするとか。

投稿: リゾパン | 2018年1月11日 10時57分

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