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2010年11月の30件の記事

2010年11月28日

八戸のせんべい汁が駅弁になった(〜おまけ駅弁画像)

 せんべい汁が駅弁になった 八戸の駅弁会社が新発売(2010年11月26日 朝日新聞)

 12月4日の東北新幹線の全線開業に向け、八戸市の駅弁製造販売「ニュー八(はち)」(八田峰宗社長)が、南部地方の伝統料理せんべい汁を採り入れた駅弁を新発売した。せんべい汁といえば熱いのが基本だが、「冷たくてもおいしく食べられるよう工夫しました」と話している。

 せんべい汁弁当は、煮込んだニンジンやゴボウ、ネギと南部せんべいの上から津軽鶏でつくったしょうゆ味のスープをかけて食べる。冷たいスープでも、もちもちしたせんべいの食感を生かすよう工夫したという。

 昨年5月に八戸に行ったときには,残念ながら食べずに帰ってきてしまった「せんべい汁」。もう少し寒い時期だったら,迷わずにせんべい汁だったかもしれないが,八戸には他にも有名な「いちご煮」のようなものもあるし,海産物に目が吸い寄せられてしまうと,なかなかいちどに全部は食べられないのだ。

 その「せんべい汁」の駅弁が東北新幹線の全線開業に向けて発売されるとのニュース。
 なにより,汁ものを弁当にしてしまった手法を知りたいところである。本当に「汁」といえる形態なんだろうか……。

 という記事に貼り付ける駅弁の画像を探したところ,オチがつくようなそれらしい駅弁の写真は見つからず。
 でも,全国各地で食べた駅弁の写真の一部が出てきたので,ブログに貼り付けて有効活用しようと思う。本来なら,もっと美味そうに撮ったりすべきなのだろうが,弁当を開けた瞬間から人格が変わってしまい,食べ終わってから写真を撮ってないことに気づくことがほとんどなので,写真の出来具合はイマイチである。とりあえず,「写真撮っけど,さすけねがい?」の手法で,臆面もなく,大量の駅弁の写真を貼り付けようと思う。
 10年近く前の写真もあるので,現存していない弁当があるかもしれない。ご勘弁を。

駅弁
 浜のかにめし(常磐線原ノ町駅/福島県)

駅弁
 そうすけ漬弁当(東北本線郡山駅/福島県)

駅弁
 百万石弁当(北陸本線金沢駅/石川県)

駅弁
 百万石弁当。箸を付ける前の貴重な写真(北陸本線金沢駅/石川県)

駅弁
 但馬の里 牛肉弁当(山陰本線・播但線和田山駅/兵庫県)
 横に写っているのは,2004年当時のメインデジカメ,富士フイルムのFinePix S2Pro。

駅弁
 ほっきめし(日高本線他苫小牧駅/北海道)
 大狩部の海を見ながらほっきめしをほおばった。

駅弁
 ほたて弁当(日高本線他苫小牧駅/北海道)
 浦河〜東町間の昆布干しをしている海岸で,ほたて弁当をほおばった。

駅弁
 ぶりのすし(北陸本線富山駅/富山県)

駅弁
 二折鶏そぼろ弁当(東京駅/東京都)
 都会らしいパッケージと二段重ねというがっつり感の融合。

駅弁
 新潟の長鳥駅近くの岩之入地区の田んぼで長時間列車の写真を撮っていたら,帰りに近くの方がくださったおこわ飯。これは最高に美味かった。岩之入のみなさん,ありがとうございます。むちゃくちゃ美味かったっす。

駅弁
 牛串弁当(奥羽本線・米坂線米沢駅/山形県)

駅弁
 これも奇跡的に中身の写真が残っていた牛串弁当(米坂線走行中/山形県)

駅弁
 元気甲斐(小海線・中央本線小淵沢駅/山梨県)

駅弁
 箱根味めぐり駅伝弁当(東海道本線小田原駅/神奈川県)
 駅弁ならぬ駅伝である。

駅弁
 ウナギ弁当(天竜浜名湖鉄道・東海道線新所原駅/静岡県)
 新所原駅のうなぎ屋「やまよし」のウナギ弁当。列車の発車まで15分程度のときに注文したのだが,店の方は「間に合うかなぁ」と心配げ。なんと,注文後にウナギを焼き始めたのだった。駅弁と言えるかどうかは置いといて,今までに列車の中で食った弁当では一番美味かったと思う。

駅弁
 元祖牛肉弁当(紀勢本線松阪駅/三重県)
 「松阪牛」という文字の使用条件が厳しくなり,元々松阪牛弁当だったものが牛肉弁当になってしまったという。

駅弁
 黒毛和牛うまーいどん丼(紀勢本線松阪駅/三重県)

駅弁
 黒毛和牛うまーいどん丼(紀勢本線松阪駅/三重県)
 珍しく,中身が写っている。ヒモを引くと,ほかほかになるタイプの駅弁だった。

駅弁
 めんたい子付き弁当(鹿児島本線博多駅/福岡県)
 既に多少箸を付けてしまった後……。

駅弁
 牛肉弁当(東京駅/東京)

駅弁
 読むのも難しい,纜(ともづな)弁当(気仙沼線・大船渡線気仙沼駅/宮城県)

駅弁
 纜(ともづな)弁当(気仙沼線・大船渡線気仙沼駅/宮城県)

駅弁
 飛騨牛しぐれ寿司(高山本線高山駅/岐阜県)

駅弁
 飛騨牛しぐれ寿司(高山本線高山駅/岐阜県)
 肉にわさびをのせて,醤油を付けて食えって書いてあると,ワクワクするね

駅弁
 かきめし(根室本線厚岸駅/北海道)
 定番中の定番。

駅弁
 かきめし(根室本線厚岸駅/北海道)
 シンプルなのが良い。どれかひとつと言われたら,この「かきめし」一押しかな。

駅弁
 富山ますのすし(北陸本線富山駅/富山県)
 これまた定番中の定番。

駅弁
 富山ますのすし(北陸本線富山駅/富山県)
 笹の葉を開いた,至福の瞬間。切り方の大小に文句を言わないのが人生。

駅弁
 いかめし(千歳線新千歳空港/北海道)
 森駅のいかめしではない。

駅弁
 ひっぱりだこ飯(山陽本線西明石駅/兵庫県)
 最近人気の弁当。

駅弁
 ひっぱりだこ飯(山陽本線西明石駅/兵庫県)

駅弁
 盛岡駅で買った「鮭はらこめし」(仙台の老舗「伯養軒」)を三陸の有家海岸で食う

 コンビニ弁当などの台頭で,駅弁は高い・冷たい・まずいの三拍子で人気が無くなるかと思いきや,まだまだ健在である。都会の各所で行われる全国の駅弁即売会はどこも人気だそうだ。
 でも,即売会で買って自宅で食うよりは,旅先の不便なところで食うのが,これまた美味いんだよね。

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2010年11月26日

覚えておきたい裁判長の名前

 障害者団体割引制度を悪用した郵便不正事件で,偽証明書の作成を部下に指示したとされ起訴された村木元局長の裁判で,検察が提出していた調書のほとんどを「取り調べに誘導があった」などの理由で証拠採用せず,9月10日に無罪判決を言い渡したのが,大阪地裁の横田信之裁判長である。

 実は,裁判所と検察の癒着があるんじゃないかとも言われる法曹界で,検察のありかたをもひっくり返すような判決を出した裁判官は,ひょっとしたら人事的に変なこと(地方に飛ばされるとか)になってしまったりするんじゃないかという話があって,Googleアラートのキーワードに設定していたのだ。

 そこでGoogleが送ってきたメールが,次のニュースだった。

 痴漢無罪その時女性は無関係メール操作中(日刊スポーツ)

 大阪市内の路上で女性の体を触ったとして大阪府迷惑防止条例違反の罪に問われ、懲役6月を求刑された元アルバイト従業員の男性(38)に、大阪地裁(横田信之裁判官)は26日、「犯罪の証明がない」として無罪の判決を言い渡した。

 判決理由で横田裁判官は、現場付近の防犯カメラの映像や、女性が知人男性に送った携帯電話メールの送信時間、女性の歩行速度などを検討。

 その上で、被害に遭っているはずの時間帯に、痴漢とは無関係のメールを送ったことになる点や、男性が女性の少し前を歩いていることを指摘し「女性の供述には合理的な疑いを差し挟む余地がある」と指摘した。

 郵便不正事件のような注目を集める事件ではないが,横田裁判官,なかなかやるじゃんと思わせる判決だ。検察の起訴した内容をチェックすべき裁判所が,検察べったりの驚くべき判決を下す事例が多い中で,こういう普通の感覚が通じる裁判官がいる(もちろん他にもたくさんいらっしゃるのだろうが)というのは頼もしいではないか。

 先月,膠原病の一種の強皮症で指が動かず,それが原因で教師を辞め,逮捕当時には病状が進んで痴漢行為などできる状態ではなかった方(68歳)が,冤罪を主張して最高裁まで争ったものの結局棄却されて懲役1年10ヶ月が確定したというニュースが話題になったばかりだ。
 この事件,指が動かなかったという以外にも,被害者や目撃者の証言に曖昧な点が多く,どう考えても冤罪の可能性がかなり高い。少なくとも法治国家には「推定無罪」という原則があるはずなのに……。

 痴漢冤罪の恐怖。膠原病で指が動かなくても推定有罪で懲役1年10ヶ月(livedoorニュース)

 横田裁判官のように,ちゃんと検察が調べた内容をチェックできる裁判官が,最高裁までのどこかにいれば,別の結果になっていたかもしれないね。

 ちなみに,この裁判の一審で有罪判決を下した裁判長は,判検交流で検察庁から出向してきていた白坂裕之裁判官で,この判決の4ヶ月後には検察庁に戻って再び検察官になっている模様。控訴を棄却したのは阿部文洋裁判官。逆の意味で,覚えておかなくちゃならない裁判長の名前だね。

【参考】つぶやきいわじろう:耳を疑いました…西武線痴漢事件“指が動かないのに”控訴棄却

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2010年11月25日

SONYがE Ink採用の電子書籍端末「Reader」日本語版発売

 ソニー、電子ペーパー採用の電子書籍端末「Reader」~タッチセンサー内蔵。独自のオンラインストアも開始(PC Watch)

 ソニーは、電子ペーパーを採用した電子書籍端末「Reader」を12月10日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5型の「Pocket Edition」が20,000円前後、6型の「Touch Edition」が25,000円前後の見込み。

 ディスプレイにE Inkの16階調グレースケールが可能な電子ペーパー「Pearl」を採用した電子書籍端末。モノクロではあるが、電子ペーパーは液晶のようなちらつきがなく、長時間の読書でも疲れにくい、画面の書き換え時のみ電力を消費するので、1回の充電で日単位の駆動が可能といった長所がある。具体的には、Readerは1回の充電で、文庫本約30冊に相当する約10,000ページの書き換え、あるいは約14日間相当の利用が可能となっている。

(リンク切れ)

 米国では2006年から発売されていた電子書籍端末「Reader」の日本語版がとうとう発売される。モノクロではあるが,AmazonのKindleと同様のE Inkを採用し,視認性が良いとの評判だ。

 さて,肝心のコンテンツはどうなのかというと……

 電子書籍コンテンツについては、Reader専用の「Reader Store」を通じて提供する。コンテンツは先だって、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社と共同で設立した事業企画会社による供給だが、ストアの運営はソニーが独自に行なう。オープン当初は2~3万冊程度のコンテンツを用意。いずれも有償の書籍のみ。立ち読み機能や、雑誌や新聞など別種のコンテンツ提供は検討中となっている。

 ダウンロード購入したコンテンツは、Reader専用の管理ソフト「eBook Transfer for Reader」を利用し、PCからUSB経由でReaderに転送する。感覚としてはiPodにiTunesを使って曲を転送するのとほぼ同じ。同ソフトでは購入したコンテンツ以外に、PCに保存されている独自のテキストやPDFなども登録/転送できる。

 いきなり,思いっきり微妙な感じだ。あいかわらずMacには対応していない(iPadやiPodはWindowsにも対応しているのは知らないのかな)。それにコンテンツ管理ソフトはSONYさんご自慢の「SonicStage」……もとい,「x-アプリ」とは別に「eBook Transfer for Reader」というソフトが用意される。SONYウォークマンユーザーは,コンテンツを転送するたびに違うアプリケーションを起動しなければならないんだろうか。

 2010年の今,Reader専用ソフト「eBook Transfer for Reader」を「x-アプリ」とは別に開発するセンスとか,「mora」とは別にReader専用の「Reader Store」を作るセンスとか,日本の電子書籍市場がガラパゴスって言われるのも当然といった感じだね……。ちょっと落ち込んでしまいそうだ。

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JR東海が名松線復旧の可能性について言及

 JR、名松線復旧の考え 安全確保を条件に 社長会見(2010年11月25日 読売新聞)

 JR東海の山田佳臣社長は24日の定例記者会見で、鉄道輸送を廃止する方針の名松線の家城―伊勢奥津間について、条件付きで復旧する考えがあることを明らかにした。安全運行が確保されることを条件に、復旧に応じることを初めて示したもので、今後も県や津市との協議を続ける。

 JR名松線は昨年10月8日の台風18号で被災。復旧させたとしても同程度の雨で、再び大きな被害が出る可能性が高いとして廃止方針を示し、同区間はバスによる代行運転が続いている。

名松線伊勢奥津行き(現在休止中)
 松阪駅で発車を待つ名松線伊勢奥津行きキハ11(2006年1月)

 昨年10月の台風18号(メーロー)による被害のために,現在代行バスが運転されている家城(いえき)〜伊勢奥津(いせおきつ)間は,復旧に膨大な費用がかかることと,復旧したとしても再び災害が発生するおそれが高いことから,そのまま廃線にする方針だと説明されていた。

 それが,「三重県と津市が十分な治山治水対策を行い,その後も維持管理を適切に行う」という条件付きではあるが,名松線の復旧に応じる可能性があるとのことだ。
 大きな方針転換のように見えるが,実際のところはどうなのだろうか。三重県からは国にも要望を出すようだが,「復旧は無理」という結論を出すための手続きになりそうな予感がする。

2009年10月31日:台風18号で被災したJR名松線末端区間が廃止へ

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生きているうちにリニアに乗れるかも!

 3年後?リニア有料試乗運行…JR東海(2010年11月25日 読売新聞)

 JR東海の葛西敬之会長は24日、日本外国特派員協会で講演し、2027年に東京(品川)―名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線計画について、山梨県内のリニア実験線が延伸される13年度以降、希望者を対象に試乗のための有料運行を開始する考えを明らかにした。


 山梨リニア実験線の様子がよくわかるYouTube動画(mkurashinaさん作成「山梨リニア実験線 試乗会運転の様子(2005/06)」)

 リニア中央新幹線の開業が2027年予定と発表されたときに,これでは生きているうちにリニア新幹線には乗れないな,とあきらめた気分になったが,2013年にリニア実験線の時速500kmに乗れるなら,これは良い冥土の土産になりそうだ。

 さらに……

 リニア前倒し検討、相模原―甲府間で先行開業(2010年11月24日 読売新聞)

 JR東海が、2027年に東京(品川)―名古屋間の開業を目指しているリニア中央新幹線計画を前倒しし、神奈川県相模原市―山梨県甲府市周辺の区間で先行開業を検討していることが23日、明らかになった。

 開業時期は20年前後を見込んでおり、先行開業で得られる運賃収入で建設費回収を早める狙いがある。

 2020年前後に部分開業してくれるなら,これにも乗れるかもしれない。これは嬉しいニュースだ。
 ただ,既に「相模原市−甲府市周辺の区間」となってるのにはガッカリだ。やっぱり町田に駅を持ってくるのは無理なのか……。

【参考】
2009年12月15日:リニア新幹線 神奈川県の駅を東京都町田市に
2010年8月13日:リニア中央新幹線の始発駅は残念ながら品川か

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JR九州最後の臨時寝台特急「富士」が大分へ

 最後のブルトレ、ファン集う 大分駅に「富士」臨時停車(2010年11月24日 朝日新聞)

 JRのダイヤ改定により昨年3月に廃止となった寝台特急「富士」が23日未明、臨時列車として大分駅に停車した。JR九州大分支社によると、車両の老朽化などによりブルートレインが運行するのは今回で最後。その雄姿を一目見ようと構内には約40人の鉄道ファンが集まった。


大分駅に「富士」
 大分駅構内に佇む寝台特急「富士」の機関車EF81(2003年8月)

大分駅に「富士」
 寝台特急「富士」の客車が大分駅構内を移動する(2003年8月)

 JR西日本に続いて,JR九州も寝台客車計6両をマレーシアに無償譲渡するとのことで,今度こそ本当に最後……らしい。

 と書きつつ,上野〜青森間の「あけぼの」,上野〜札幌間の「北斗星」,大阪〜青森間の「日本海」といったブルートレインはまだ現役で走っており,JR九州内のブルートレインが本当に最後かどうかは個人的には懐疑的だ。

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2010年11月24日

iTunesに新登場……しなかったアレ

 既に古いネタになってしまったが,本当に忘れられない一日だった。

Itunes

 11月16日の24時00分,息を呑み,見守ったAppleのiTunesのサイトに現れたのは……

iTunesに新登場

 iTunesからの特別な発表は,なんと,あのSony Musicの楽曲のiTunesでの配信開始というニュース。やった,俺はこの日が来るのを待っていたんだ……というふうにはならなかった。

 iTunesからの特別な発表というのは,ご存じの通りThe Beatlesの楽曲のiTunesでの配信開始のニュースだった。私以外の皆さんが,iTunesの発表に何を期待していたのかはよくわからなかったが,ネット上のあちこちから「期待はずれ」「がっかり」の声が上がった。

 iTunesのサイトには,The Beatlesがいっぱい。
 (こっちが本物!)
iTunesに新登場

 まぁ,Appleにとって(ビートルズの楽曲を管理する)Apple社との争いは,Apple Computer社創業時からのものだから,Steve JobsにとってiTunes StoreでのThe Beatlesの楽曲配信開始は,「忘れられない一日」との声を上げたい出来事だったに違いない。米国でのサービス開始から遅れること5年,2010年11月10日からは日本でもやっと映画配信サービスが始まったところだ。これはもう,音楽・映画などのコンテンツ配信サービスでの勝利宣言だね。

 でも……,The BeatlesまでiTunes Storeにやってきたのに,Sony Musicが抱え込んでいる楽曲は,あいかわらず来てくれないままだ。デビュー時のキャッチコピーが「大きなソニー,大きな新人」だったCBSソニーの山口百恵も,もちろんiTunes Storeでは配信されていない。

 CDは廃盤になったままで,iTunes StoreでもAmazon MP3でも配信されない楽曲を,倉庫に眠らせたままにしておくのは,音楽を冒涜するようなものだ。CDが売れない,音楽が売れない……など,どの口が言うてんねん,と言いたい。

 たとえば,TBMという略称で知られる「three blind mice」は日本が世界に誇るジャズ・レーベルだが,現在Sony Musicが版権を握っており,その膨大なライブラリが埋もれたままである。廃盤となったCDは,ショップでの入手が難しく,ネットでも高値が付いてしまっている。

 Amazon.co.jpでは……

BLOW UP / 鈴木勲トリオ,カルテット
 1973年録音の,定番中の定番「BLOW UP」は7000円の値段が付いている。


BLUE CITY / 鈴木勲カルテット
 渡辺香津美のギターがカッコ良い人気盤「BLUE CITY」は,新品が9980円,中古でも5980円が最安値だ。


GIRL TALK / 山本剛
 情感あふれ,スイングする山本剛のピアノと,芯のある大由彰のベース……。TBMのアルバムは,録音もまた素晴らしく,音が良いんだよなぁ。中古品が残り1点で7000円也。

 どうにかしてほしいよ,まったく。

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2010年11月23日

JR戸塚駅ホームの時刻表

戸塚駅の東海道線・横須賀線時刻表
 戸塚駅の東海道線・横須賀線下りホームにある時刻表である。

 ごく普通の列車時刻表のように見えるが,ここから東海道線の藤沢・平塚方面に行こうとして時刻を見ると,結構悩ましい書き方になっている。

 向かって右側のオレンジ色が3番線の東海道線:藤沢・小田原・熱海方面。
 左側の青色が4番線の横須賀線・総武線(快速)(湘南新宿ライン)の大船・鎌倉・久里浜・小田原方面になっている。どちらにも小田原方面の列車が停まることが悩みの種である。

 東海道線の藤沢・平塚方面に行く場合,基本的には右側の3番線オレンジ色の時刻表を見るわけだが,そこには4番線に発着する湘南新宿ラインの時刻が書かれていないので,青色の時刻表と見比べないと次の電車の時刻がわからない。
 しかも,東海道線,湘南新宿ラインのどちらにも快速や特別快速があるので,二つの時刻表を見比べ,列車種別を把握しないと,安心できないことになる。
 単純なことだが,青色の横須賀線側の時刻表はそのままで,オレンジ色の東海道線側に湘南新宿ラインの時刻を追加(4番線側発着だというマークを付けて)すればすむことだと思う。

 戸塚駅から,上り方面の東戸塚・保土ヶ谷に行くときにも悩ましい問題がある。
 東戸塚・保土ヶ谷には東海道線の電車が停まらないので,横須賀線の電車に乗ればいいのだが,そこに湘南新宿ラインが混じってくるのでややこしい。同じ1番線に入ってくる湘南新宿ラインの列車でも,東戸塚・保土ヶ谷には小金井・宇都宮方面の列車は停車するのだが,篭原・高崎方面の列車は停まらないからだ。

戸塚駅の湘南新宿ライン
 戸塚駅の1番線に表示されている湘南新宿ラインの案内。
 右が小金井・宇都宮方面の湘南新宿ライン,左が篭原・高崎方面の湘南新宿ライン。
 湘南新宿ラインには普通列車と快速列車があるのだが,東戸塚に停車するのは小金井・宇都宮方面の普通と快速で,篭原・高崎方面の普通と快速は通過となる。東戸塚は通過しそうだからという理由で「快速」は見送って「普通」に乗る……というふうに考えると,横浜まで連れて行かれることになる。

 まぁ,東戸塚・保土ヶ谷に行く機会はほとんど無いので,個人的に問題はないのだが,戸塚駅のホームで「この電車は東戸塚に停まりますか?」と訪ねられたことが今までに2回もあるので,たぶん悩んでいる人は多いと思う。

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2010年11月22日

ヤスデが異常発生し,汽車をとめる

 ヤスデ異常発生、つぶされた脂で列車の車輪空転(2010年11月21日 読売新聞)

 21日午前6時50分頃、鹿児島県南九州市頴娃町のJR指宿枕崎線の御領―石垣間で、指宿発枕崎行き普通列車(1両、乗員乗客10人)の車輪が空転するトラブルがあった。
 JR九州の発表によると、現場付近でムカデに似た節足動物のヤスデが異常発生。車輪につぶされたヤスデの脂が線路につき、滑ったことが原因という。

 ヤスデでっせ,大量のヤスデ。淡々とした記事だけど,想像すると気味悪いね。

 昔は,小海線などでキシャヤスデが大量発生して列車をとめる(蒸気機関車は空転しやすいのだ)という話は良く聞いたが,指宿枕崎線と言えば海岸線を走る(どちらかというと)平坦な路線なので,とても意外な印象だ。もっとも,電化前の相模線沿線に住んでいた友人から,相模線は落ち葉で空転して動けなくなることがあるという愚痴を聞いたこともあるし,空転しやすいというのは蒸気機関車に限らず,金属のレールの上を金属の車輪で走る鉄道の宿命みたいなものではあるのだが。

 淡々とした記事の読売新聞とは異なり,サンスポの記事は生々しい。

 ヤスデが大量発生ウギャー!列車止める…(2010年11月22日 サンケイスポーツ)

 わずか4分後には石垣駅に到着する予定だったが、手前の頴娃町(えいちょう)付近を走行中になぜか車輪が空転しだし、徐々に減速した列車はとうとう停止してしまったという。
 異変に気づいた運転士が、車両から線路に降り立ってみると、そこにはすさまじい数の「ヤスデ」。線路上には数メートルにわたって、踏みつぶされたヤスデの死骸も散乱していた。つぶされたヤスデの体液が潤滑油の役割を果たし、車輪が空転したのだという。

 大量発生して列車を止めることで有名なキシャヤスデは,どちらかというと寒い地域に生息するとのことなので,指宿枕崎線のヤスデは違う種類かもしれないが,森林総合研究所のサイトにキシャヤスデの写真や説明があるので,リンクを張っておく。人によってはグロ画像になるので,閲覧注意!


  http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/seibut/bcg/bcg00045.html
  和名:キシャヤスデ
  学名:Parafontaria laminata armigera VERHOEFF

日本固有種。大発生して汽車を止めることがあるのでこの名が付いた。秋に大発生したキシャヤスデは土の中で越冬し,翌年,数百個の卵を産んで死ぬ。幼虫は土の中で生活し,年1回脱皮して7年後,つまり大発生から数えて8年目に成虫になる。8月末から10月にかけて,湿度の高い夜または曇りや小雨の日中に集団で地表を這い廻る。

 それにしてもこの事故の記事,新聞社によって空転した状況などの説明が微妙に異なっている。JR九州の説明がわかりにくかったのか,それとも,各社の取材に別の人が回答して,違った説明をしたのだろうか。

 ヤスデでスリップ、列車とまる JR指宿枕崎線・鹿児島(2010年11月21日 朝日新聞)

 JR九州によると、トラブルのあった列車の通過後、線路を点検したところ、ヤスデはいなくなっていたという。

読売新聞:線路を掃除して復旧した
サンスポ:線路上には数メートルにわたって踏みつぶされたヤスデの死骸も散乱
朝日新聞:線路を点検したところ、ヤスデはいなくなっていた

 ちょっとした怪奇事件だ。

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2010年11月20日

愛染橋:現代歌手のカバーを聴いて山口百恵の凄さを知る

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 「愛染橋」は山口百恵の28枚目のシングルで,1979年12月にリリースされた曲だ。作詞が松本隆,作曲は堀内孝雄で,宇崎竜童のカタカナ演歌とは違って,純演歌に近いテイストを持っている。
 デビュー当時の曲を除いて,「初恋草紙(日本情緒あふれる文学作品のような曲で,個人的には好きな曲だ)」と同じぐらいに,売り上げが低い曲だった。

 怪作『山口百恵は菩薩である』において平岡正明氏は,“「夜へ…」から「娘たち」へ,抱かれるおびえから破瓜の痛苦へ,暗喩をもって百恵の性的実存は進化しているのである。しかし「愛染橋」はちがう。ガクっとおちる。愛染橋を渡ることが結婚を意味するという比喩だが,「娘たち」の暗喩に遠く及ばない。(中略)等身大の実像を描けば伝達が完了するという錯覚はフォークソング並みの錯覚である。実像と虚像のダイナミズムを保持できないのは知識人並みの衰弱である”と喝破している。

 「夜へ…」や「娘たち」といった傑作と比べれば,やや凡庸な感じの「愛染橋」を“遠く及ばない”と言いたくなってしまう気持ちはわからないでもないが,歌詞に出てくる京言葉は現代においても非常に新鮮だし,いい曲だと思う。昨今のシンガー・ソングライターの自作歌詞に比べれば,結婚に揺れる女心を描いて,松本隆の歌詞は遙かに秀逸である(比べること自体,松本隆に失礼だという声が聞こえてきそうだ)。

 それを証明するかのように,YouTubeやYouku优酷を検索すると,実に多くの歌手がこの「愛染橋」をカバーしていることがわかる。作られてから30年経った現在,この歌は色あせるどころか,さらに輝きを増しているようにも感じる。

 フジテレビで放映されていた『夜のヒットスタジオ』での山口百恵の歌唱である。井上順,吉村真理との会話で,「愛染橋」は新曲で,番組初披露だということがわかる。
 とても緊張した場面での歌唱だったはずだ。しかし,恥ずかしそうに見つめる目,瞬きしながら伏せる目,遠くを見る目,はにかむような笑顔……。“うちはさみしい女やからね 愛なんてよう知らん”と,揺れる女心を見事に表現している。ほとんど瞬きをせずに歌う「プレイバックPart2」の映像と比較してみれば,その違い(演技の細やかさ)がよくわかると思う。

 “結婚なんて古い言葉に縛られたくなくて”のところで見せる表現も興味深い。1970年代はウーマンリブ運動が盛んな時代であり,既に「イミテーション・ゴールド」「プレイバックPart2」で,男を去年の彼氏と比較したり,“ぼうや”と歌っていた山口百恵は,伝統的な男と女の関係を逆転させ,女性の社会進出の旗手というような扱い方をされることもあった。
 百恵自身は「ウーマンリブ運動には興味がない」「あんなのバカみたい」とインタビューで語っているわけだが,世間はそういう風に見ていなかったという時代背景がある。

 そこで,“結婚なんて古い言葉に縛られたくなくて”のところの表現を見ると,歌詞の字面通りに全部を毅然として歌うわけではなく,“結婚なんて”と前を見つめるが“古い言葉に”のところで瞬きをし,(ウーマンリブみたいな)強い主張をするわけじゃないけど……という感じで目を伏せながら,“縛られたくなくて”と恥ずかしそうに歌うのである。
 結婚に対して揺れる心とともに,三浦友和と結婚して専業主婦となることに対して,ウーマンリブ運動の側から寄せられた「山口百恵が日和った」「ウーマンリブ運動が積み上げてきた活動が10年遅れた」というような声に対する反駁の意も,少しだけ込められている気がする。

 以下の映像は,この「愛染橋」をカバーしたものである。
 いずれも素晴らしい歌手による歌唱なので,それぞれが見事に歌いこなしている。この「愛染橋」のテーマは“求婚されて戸惑う女心”であり,孤独や悲哀ではないし,高らかに歌い上げる内容ではないと思う。これらの映像を見ていると,21歳で引退してしまった山口百恵の凄さをあらためて実感してしまうのである。


 中森明菜「愛染橋」


 藤あや子「愛染橋」


 石原詢子「愛染橋」


 北原ミレイ「愛染橋」


 水森かおり「愛染橋」


 城之内早苗「愛染橋」

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看板建築って?

 NHKのブラタモリ「日本の住宅」を見ていたら,関東大震災復興事業で建築したという鉄筋コンクリート造の長屋,旧東京市営清澄庭園店舗向住宅が出てきた(江東区清澄三丁目・清澄白河駅近く)。

 参考リンク:“ALL-A blog”「旧東京市営店舗向住宅」

 1階が店舗で2階が住居という,昭和初期の典型的な構造になっている。ファサードの一部が鉄筋コンクリートらしく凝っていて,見事な看板建築だなぁ……と思ったら,とある方から「看板建築じゃないよ」との指摘を受けた。

 私の認識では,看板建築というのは,関東大震災後に建てられた2〜3階建ての商店向け建築で,ファサードが道路側に飛び出ないような平面になっていて,銅板張りやモルタルなどで燃えにくく作られている……というものだ。
 清澄白河の旧東京市営清澄庭園店舗向住宅は,典型的な看板建築だと感じたので,そうじゃないと言われると,今まで看板建築だと思ったり,ブログに「看板建築だ」と書いたものも,本当にそうなのか疑問になってきた。
 木造じゃないと看板建築とは言わないのかもしれないが,建築は専門分野じゃないし,結局のところよくわからない。いろいろ知ったかぶりしてブログに書いてきたのが,ちょっと恥ずかしいかも……。

 以下は,過去にブログ『写真撮っけど,さすけねがい?』に看板建築だと思ってアップした写真と,その記事へのリンク。

看板建築?
 「京急線新馬場駅周辺を歩く」2008年11月29日 (土曜日)

看板建築?
 「北品川駅界隈(品川宿〜品川湊)」2008年3月22日 (土曜日)

看板建築?
 「横須賀サンセット・サンライズ 上町商店街」2007年7月8日 (日曜日)

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2010年11月19日

長野電鉄屋代線の実証実験は代替バス優勢

 長野電鉄屋代線:費用対効果は代替バス優勢/長野(2010年10月28日 毎日jp)

 乗客の減少で厳しい経営状況が続く長野電鉄屋代線(須坂-屋代、24・4キロ)のあり方を話し合う協議会で27日、同路線をバスに転換した場合、赤字額が現状の半額に縮小するとの試算が示された。地域社会への費用対効果も、屋代線は今後30年で投資に見合った効果は得られないと分析された。

 屋代線では7月から、増便や自転車と一緒に乗れるサイクルトレインなどの実証実験が行われたが、大幅な利用増には結びつかず、さらに厳しい現実を突きつけられた格好だ。

長野電鉄屋代線実証実験の結果は
 屋代駅のホームに入ってくる屋代線の電車。元日比谷線営団3000系が使われている(2008年8月)

 長野電鉄屋代線での実証実験については,2010年7月22日の「長野電鉄屋代線で実証実験」という記事で実験が行われていることを書いているが,この実証実験の報告書がまとまり,公開された。
 その結果は,7月の記事で「屋代線廃止に向けての足固め」と書いた悪い予感が当たってしまい,屋代線を鉄道として存続させた場合は,バスに比べて自治体の負担が非常に大きなものになるという結果となった。実証実験期間中の総利用客は約1割増加したものの,残念ながら期待したほどではなかったようだ。

■ 屋代線を残した場合
・運賃などの収入から営業費用を引いた額は1億4000万円の赤字
・線路や施設のすべてを自治体が保有する「上下分離方式」等でも,長野市など自治体の負担は10年間で約30億円を超える

■ 代替バスの場合
・運賃などの収入から営業費用を引いた額は7000万円の赤字
・必要な設備投資が鉄道より大幅に低いため,費用にタイする地域社会の利便性などの効果も,屋代線を上回る

 また,毎日jpの記事にはないが,沿線住民へのアンケートでも,「鉄道の維持が困難ならバスでもよい」との回答が約51%で,「鉄道を維持すべき」の約39%を上回っているようだ。
 実証実験の結果,屋代線は非常に厳しい状況に追い込まれてしまった。

長野電鉄屋代線実証実験の結果は
 非常に年季の入った木造のホーム上屋である。ひょっとしたら,駅開業時の1922年(大正11年)以来の建築物?(2008年8月)

長野電鉄屋代線実証実験の結果は
 しなの鉄道の屋代駅に電車が到着すると,そこそこの乗り換え客がやってくる(2008年8月)

長野電鉄屋代線実証実験の結果は
 そこそこの乗客を乗せて,屋代線の電車が発車する(2008年8月)


 沿線随一の乗降客を誇る松代駅を発車した屋代線の電車の動画(2008年8月)
 松代でたくさん下車した後なので,車内はちょっと寂しくなっている。

 松代は市街地も大きく,観光地としても一定の人気を持っている。もう少し長野電鉄屋代線も,松代の利用客を盛り上げたいところではあるが,現状ではほとんどが高校生の足にしかなっていない感じで,残念だ。

長野電鉄屋代線実証実験の結果は
 須坂駅で長野線と接続する。長野線にも同じ電車が走っているが,屋代線ほどのんびりしている感じではない(2008年8月)

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2010年11月18日

新可児−御嵩間の通勤定期半額補助実験が苦戦

 新可児―御嵩、通勤は電車より車?定期代半額実験、苦戦(2010年11月12日 朝日新聞)

 名鉄広見線の新可児―御嵩間の利用客を増やそうと、10~11月の期間限定で始まった定期券半額のモニター制度の利用が伸び悩んでいる。車で通勤する会社員らを取り込むのが狙いだったが、電車に切り替えてもらうのは予想以上に難しいという。実施期間を1月まで延長して利用を呼びかけることにした。

新可児−御嵩の定期代半額実験,苦戦
 名鉄広見線御嵩駅(2009年9月)

 御嵩町などの沿線自治体で作る「名鉄広見線活性化協議会」が実施した期間限定の補助制度。名鉄広見線の新可児−御嵩の末端区間は,名鉄と沿線自治体が存廃について協議中であり,この補助制度は“乗って残そう,広見線”を訴える名鉄広見線活性化協議会の苦難の策だ。

 残念ながら,期間を限定(しかも,わずか数ヶ月)しての補助では,車で通勤している人が乗り換えるだけのインセンティブにはならないのだろう。うまくいくとしたら,電車通勤にしたら断然便利だったとか,楽ちんだったとか,車通勤に比べて電車通勤が魅力的だった場合(そして,車通勤の人がそれに気づいていなかった場合)しかない。

 広見線の同区間の利用者は,1998年度に194万人。2006年度には108万人まで減少してしまったという。
 1998年といえば,わずか12年前だ。2006年に比べて,自動車の普及率が低かったわけでもないし,その間に社会情勢が大きく変わったわけでもない。この付近で,急に道路整備が進んだとも思えない。
 ならば,なぜこれほど急激に利用客が減ってしまったのだろうか。

 その原因は,名鉄広見線活性化協議会の活動が及ばない(及びにくい)名鉄の施策──これも苦渋の施策なんだろうけど──によるものと思われる。ひとことで言えば,名鉄広見線の新可児−御嵩間の電車がこの時期に非常に不便になったとしか考えられないのだ。

 1998年から2006年の間に,名鉄広見線で何が起こったかを挙げてみる。

・2001年10月:明智駅から八百津駅まで延びていた八百津線が廃止
・2003年3月:名古屋方面への直通列車が大幅に削減(それまではほとんどが常滑行きだった)

 そして現在,この区間の電車はすべて新可児止まりとなっている。明智駅から広見線の乗り換えていた八百津線の利用客のかなりの部分は車通勤に移行しただろう。約10年ほどの期間に,利用者が半減してしまっても仕方のない状況だ。

 名鉄がぎりぎりまで経費を抑え,不便になればなるほど利用客が減少し,路線の存続が危うくなるという悪循環。うまい解決策が見つかればいいのだが……。

新可児−御嵩の定期代半額実験,苦戦
 八百津線廃止直前お名残乗車の客で賑わう明智駅(2001年9月)
 左端が八百津線のディーゼルカー。右が広見線。

新可児−御嵩の定期代半額実験,苦戦
 名鉄3400系電車。晩年は広見線を走っていることが多かった(2002年8月)

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ボルトを半分外した線路を寝台特急が爆走

 寝台特急、「徐行」見落とし時速100キロ(2010年11月15日 読売新聞)

 兵庫県姫路市のJR山陽線で12日夜、レールの補修作業が行われていた区間で時速45キロの徐行運転の指示があったにもかかわらず、高松、出雲市発東京行き寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」(14両)の運転士が、通常の時速100キロで走行していたことがわかった。

サンライズ瀬戸・出雲が55キロ速度オーバー
 東京駅のホームを出て行く特急「サンライズ瀬戸・出雲」。隣には寝台特急「出雲」の機関車EF65(2003年1月)

 うーむ,JR西日本にこの手の事故が多い気がする。いったいどうしてしまったのだろうか。
 補修工事が行われていた約300mの区間では,レールの伸縮を防ぐ作業のため,レールと枕木を固定するボルトの一部が取り外されていたらしい(ソースによっては,レールと枕木を固定するボルト約2000本のうち,半分の1000本を外した状態だったそうな)。

 ボルトの約半分が外されていて,時速45kmの徐行指示があった約300mの区間を,通常の約100kmで走行してしまうミスなんて,あり得ない話である。線形が良くなければ脱線する可能性が大きかったんじゃないだろうか。

 運転士に事前に制限速度45kmという文書が配られ,補修区間の手前には臨時の徐行標識が設置されていたという。運転士の「文書はよく見ていなかった。標識は見えたが,貨物列車用だと思った」という話をそのまま受け取れば,この程度の安全意識で寝台特急列車の運転士を任されてしまっていることに,恐怖すら感じる。

 本当に大丈夫だろうか?

サンライズ瀬戸・出雲が55キロ速度オーバー
 尾道付近を走る「サンライズゆめ(東京−広島の臨時列車)」(2003年12月)

サンライズ瀬戸・出雲が55キロ速度オーバー
 サンライズ瀬戸の個室B寝台…だったかな(2002年12月)

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わかっちゃいるが「はやぶさ」通過にため息

 はやぶさ、もっと停車してよ… 八戸・七戸十和田ため息(2010年11月12日 朝日新聞)

 「はやぶさ」のデビューは来年3月5日――。全線開業後の東北新幹線に投入される新型車両E5系はやぶさの営業運転の開始日が決まったと、JR東日本が11日、発表した。当面は新青森―東京間を1日に2往復し、最速3時間10分で結ぶ。「速達性」を考慮した結果、上下計4本のうち八戸駅に停車するのは1本だけ、七戸十和田駅は0本に。地元からは落胆の声も上がる。

はやぶさ通過で八戸ため息
 「はやぶさ」通過にため息をついている八戸駅(2009年5月)

はやぶさ通過で八戸ため息
 在来線から新幹線への乗り換え客で混雑する八戸駅(2009年5月)

 来月14日に八戸−新青森間が延伸開業する,話題の東北新幹線。「はやぶさ」は,来年3月から東京〜新青森を3時間10分(最速)で結ぶ東北新幹線の看板列車となる。
 発表された停車駅は,東京−大宮−仙台−盛岡−(八戸)−新青森。冷静に考えれば,八戸よりも乗降客数が多い宇都宮・郡山・福島を「はやぶさ」が通過することを考えたら,1本だけとはいえ八戸に停車することを喜んだ方が良いんじゃないかと思う。

 七戸十和田には1本も停まらないのも,残念ながら仕方がない。開業後に想定した利用客を上回れば,ダイヤ改定の際に停車本数も増やされることだろう。

はやぶさ通過で八戸ため息
 東北本線野辺地駅を通過する特急「はつかり」(2000年9月)

 野辺地駅から七戸駅までを結んでいた南部縦貫鉄道が,1997年に休止した後も,新幹線アクセス路線としての期待から,2002年まで廃止されずに休止のままだったことも記憶に残る。

南部縦貫鉄道野辺地駅
 南部縦貫鉄道の野辺地駅(1997年4月)
(当時は銀塩フィルムカメラがメインだったので,レールバスを写したデジカメの映像がない)

 八戸−新青森延伸開業時や,来年3月からの「はやぶさ」も含めた列車ダイヤは,八戸から青森までの東北本線沿線の方々には,どう映ったのだろうか。東北本線沿線から,新幹線の駅への新たな交通機関が十分に整備されなければ,新幹線の速さのアドバンテージがあっという間に無くなってしまう。そのへんの整備は順調に進んでいるのだろうか。

 野辺地駅や,三沢駅・浅虫温泉駅といった東北本線沿線の方々は,現在の所要時間に比べて便利になっているだろうか。不便にはなっていないだろうか。十和田・七戸・六戸の,新幹線七戸十和田駅に近い方々は十分に便利になっているだろうか。

 そのうち時間ができたら,それぞれの駅から青森駅や仙台・東京駅までの所要時間などを詳細に見てみたいものである。

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2010年11月17日

サヨナラは国鉄色のキハ183系ってこと?

 キハ183系気動車、さようなら JR釧路駅で展示会(2010年11月14日 朝日新聞)

 旧国鉄時代から道内を走る特急の主力として活躍した「キハ183系気動車」など計13両がミャンマーに売却されることになり、JR釧路駅で13日、「さよなら展示会」が開かれた。

キハ183系気動車
 網走駅で見かけたキハ183系特急「オホーツク」(2004年8月)

 とうとうキハ183系気動車が引退するのか……と思ったが,それらしい情報が見当たらない。ひょっとしたら,さよならするのは「“国鉄色”のキハ183系」であって,国鉄色じゃないキハ183系気動車はまだまだ現役なのかもしれない。

 でも,記事によると,国鉄色のキハ183系は今春に引退していることになっているし,輸出前の最後のお披露目ってことなのかな。この手の「サヨナラ」は,0系新幹線やら何やらの例にもあるように,何度も引退したりサヨナラしたりするので,よくわからない……。

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九州新幹線開通後も特急「有明」存続か

 JR九州、特急「有明」存続へ 新幹線全線開通後(2010年11月13日 朝日新聞)

 JR九州は、来春の九州新幹線・鹿児島ルートの全線開通後も、並行する鹿児島線の特急の一部を残すことを決めた。「有明」が有力。全通後は特急を原則廃止する方針は変わりないが、生活の足として沿線住民に配慮する。ライバルの西日本鉄道や高速バスに乗客が流れるのを防ぐ。

特急「有明」存続へ
 熊本駅に停車する特急「有明」(2003年8月)

 新幹線の開業に伴って,並行在来線の特急列車は廃止される……というのが,今までの常識だった。整備新幹線では,特急列車どころか鉄道路線自体がJRから経営分離されて,第三セクター鉄道へ転換されることも多かった。
 今回のJR九州の特急「有明」存続案は,その常識を覆す方針である。ここには,既存の新幹線には無い複雑な事情が絡んでいる。

 特急「有明」は,小倉(一部は門司港)〜博多〜熊本(一部は豊肥本線に乗り入れて肥後大津等へ)を走る列車で,有明海沿岸の主要都市(熊本,玉名,荒尾,大牟田)や筑後,久留米などの都市と博多を結ぶ役割を担っている。

 ところが,九州新幹線鹿児島ルートは,新玉名,新大牟田の両駅が既存の駅から遠く離れた郊外に設けられ,船小屋(筑後船小屋)は利用者の少ない無人駅,新鳥栖も長崎本線と交差する理由のみで田園地帯に新駅ができる……というように,現在の利用客には非常に不便な路線になってしまった。

 逆に,西鉄天神大牟田線は,大牟田市や久留米市の中心市街地を経由して,福岡随一の繁華街である天神を直接結んでいる。さらに,乗り合いバス業界日本一の西鉄バスが運行する高速バスが,熊本から天神バスセンター間を10分〜20分間隔で結んでおり,新幹線でも苦戦しそうなライバルになっている。

 というわけで,むしろ在来線の特急列車のほうが,博多・天神への旅客需要に関して競争力を持つという,不思議な事情が生まれてしまったのだ。

 在来線の特急「有明」を廃止してしまうとライバルに客を奪われてしまうし,あまり便利にしすぎると九州新幹線に乗客が流れてくれない。JR九州の悩みは深いね。

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2010年11月13日

DEC HiNoteUltra 433 スリムノートの時代

DEC HiNoteUltra 433

 Digital Equipment Corporation……通称DEC。現在のコンピュータを語る上で,忘れてはならないコンピュータメーカーである。
 DECのミニコンピュータ,PDPやVAX-11は,1980年代までの科学技術計算分野で広く使われていた。また,64bit RISCプロセッサの「Alpha」は,高クロック競争の先頭を引っ張った。Windows NTで動作するAlphaStation上の,3D CADのなめらかさに驚かされたことを思い出す。
 そんなDECが1990年代の後半にコンパックごときに吸収され(半導体部門はIntelへ),さらに丸ごとヒューレット・パッカードに吸収されてしまったときには,ショックを受けた人も多かったと思う。

DEC HiNoteUltra 433
 そのDECが出していたのが,薄型軽量ノートパソコンの嚆矢,HiNoteUltra(通称DHU)である。

DEC HiNoteUltra 433
 私が使っていたのは,HiNoteUltra 433。モノクロSTN液晶ディスプレイのモデルで,厚さがわずか25.5mmというのが自慢だった。カラー液晶ディスプレイのモデルは少し厚くて30.5mm。正直なところ,カラーモデルは非常に高くて,買えるような値段ではなかった。

 このHiNoteUltra 433は,モノクロ液晶(しかもAppleのPowerBookのようなTFT液晶ではなくSTN液晶だった)なので人気がなかったのか,どこにも在庫がなく,あるところで偶然入手できたものである。
 江戸川橋のDECのサービスセンタに持って行って,US配列キーボードに交換してもらったのも懐かしい。

DEC HiNoteUltra 433

DEC HiNoteUltra 433
 ディスプレイは180°完全に開くことができ,しかもバッテリーを起こすとキーボードをチルトすることができるというヒンジ部分の構造は,なかなか良くできている。

DEC HiNoteUltra 433
 懐かしいトラックボール。AppleのPowerBook(Duo含む)のようななめらかさはなかったが,親指でトラックボールを操作すると,キーボードのホームポジションを崩さずにポインタが動かせて,とても便利だった。

 PowerBookやHiNoteUltraで親指トラックボールの操作になれてしまった私は,いまだにデスクトップパソコンでは親指トラックボールを使っている。
 どこかのメーカーで,HHKB用のパームレストの中央に親指トラックボールを内蔵したタイプを作ってくれないだろうか……。

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シャープがパソコン事業撤退・メビウスからガラパゴスへ

 シャープがパソコン事業撤退 タブレット端末に資源集中(2010年10月21日 朝日新聞)

 シャープは21日、パソコン事業から撤退していたことを明らかにした。「メビウス」ブランドで一世を風靡(ふうび)したが収益には結びつかず、2009年10月に発売した製品を最後に開発を打ち切り、09年度中に生産を終了した。関係部門の一部はすでに今年12月販売予定のタブレット型高機能情報端末「ガラパゴス」に移っており、経営資源をこちらに集中させる。

 シャープは1995年にノートパソコン・メビウスシリーズを発売。得意の液晶技術を生かし、01年度には12.1型の液晶画面を備えたパソコンとしては世界で最も軽く、最も薄い「ムラマサ」を発売し、国内シェアを1割近くまで伸ばした。根強いファンも多かったが、その後は他社との競争激化で苦戦が続いていた。

SHARP Mebius ホームページ

 ちょっと前のニュースになる。
 シャープのパソコン「Mebius(メビウス)」には,あまり興味がなかったので,そのままスルーしようと思ったのだが,1機種だけ手元にあることを思い出した。

 朝日新聞の記事でも少し取り上げている,当時の12.1インチディスプレイのノートPCとしては,世界でもっとも軽く,もっとも薄いパソコン「MURAMASA」である。

SHARP MURAMASA
 SHARP Mebius MURAMASA (PC-MT2-H1)……名刀村正の名を冠したモデルである。

 買ったのは何年ぐらいだっただろうか。ちょっと思い出せない。
 町田のソフマップで,型落ちになって安くなっていたのを買った記憶がある。XP Professionalバージョンだったので,自宅でMacと繋ぐのにも安心だった。持ち歩きというよりは,無線LAN経由で場所を取らないUPS付きファイルサーバーとして使用してきた。サーバー用なので,いつもはこだわるUS配列キーボードにもこだわらず,JIS配列のキーボードのままだ。
 残念ながら,酷使がたたって,昨年起動しなくなってしまった。

SHARP MURAMASA
 とても薄いパソコンだった。ディスプレイを閉じるときのラッチがじゃまで,格好は悪いが,見事な実装技術によるノートパソコンである。

SHARP MURAMASA
 そうそう,当時のノートPCは,ディスプレイが180°完全に開いてくれる機種が多かったね。途中で引っかかるように止まってしまう最近の機種は見習ってもらいたいものだ。

 そして,SHARP Mebius MURAMASAの最大のギミックが,ディスプレイの開閉に合わせてキートップが浮き上がってくるキーボードである。


 あまり上手く撮影できていないのだが,MURAMASAの最大にギミックを見てもらいたい。

 ノートPCを薄くするために,ディスプレイを閉じるときにキーボードを引っ込めよう(そうすればディスプレイにキーボードの痕が付かない)というアイデアを製品に実現してしまう,そういう技術者たちのこだわりというか拘泥というか,それってぜんぜん嫌いじゃない。

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黒船がやってきた … iTunesで突然の映画配信開始

 2010年10月10日,AppleのiTunes Storeで映画の配信が突然スタートした。
 すでに1000タイトル以上の映画のレンタルや購入が可能になっている。

 コンテンツ配信業者としては,20世紀フォックス,パラマウント・ピクチャーズ,ウォルト・ディズニー・スタジオ,ワーナー・ブラザース,ユニバーサル・ピクチャーズなどのハリウッドの大手5社と,日本のアスミック・エース,フジテレビ,角川映画,日活,松竹,東映の6社が参加し,合計11社となっている。
 残念ながら,相変わらずあの「ソニー(SME)」は参加していない。

 さて,iTunes Storeでレンタル・購入したコンテンツをテレビで再生するためのキーデバイスとなるのが(もちろんパソコンで再生しても,iPhoneやiPod touchで再生することも可能なわけだが),やはりテレビでの再生を可能にするApple TVだ。

旧Apple TV
 Apple TV……ただし4年前に発売された旧バージョン。しかも,最近メニュー画面が不調気味。
 よく見ると,これもUnibodyじゃないかと思うような独創的なデザインになっている。

 Appleにしては珍しく,この旧バージョンのApple TVでも,新しく配信される映画がちゃんと見られるようになっている。あっさり互換性を切り捨ててしまうのもAppleならば,こうやって古い機械でも問題なく最新のサービスが受けられるようになっていることがあるのも,またAppleなのだ。

旧Apple TV
 無線LANだけでなく有線LAN端子,HDMI,コンポジット,そして光入力端子なども備えて,日本での映画配信時代にも十分働いてもらえそうな予感がする。

 今まで,日本の映画の配信がなかった時代は,アメちゃんのHD動画をめいっぱい使った映画の予告編ばかり見させられて,日本の著作権ビジネスのひどさを呪ったこともあったが,まぁ,YouTubeのお気に入り画像や自分でため込んだ動画をリビングのテレビでのんびりと見られるというメリットは意外に大きかったと思っている。

 そんな黒船がやってきて,日本に映画・ビデオ配信ビジネスが広がりつつあるこの時代になって,なんと私のApple TVは,不調に陥っている。メニュー画面で画面がちらついたり,長時間再生時に画面がフリーズすることがあるのだ。
 ああ,なんということだ。4年前に,今日のこの日を待ち続けた私のApple TVだが,本格的な動画配信時代の姿を見る前に,この世を去らねばならない運命を持っているのだ。なんと不憫なことではないか……。

 最後に一言,Apple TV 万歳!

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一転,たこフェリーが事業継続へ

 たこフェリー継続…同業者に株譲渡、来春再開(2010年11月12日 読売新聞)

 経営難で16日からの運休が決まった兵庫県明石市と淡路島を結ぶ第3セクター「明石淡路フェリー(たこフェリー)」(明石市)について、同じ航路を運航する淡路ジェノバライン(兵庫県淡路市)が筆頭株主となって、経営に参画する方針を固めた。

 たこフェリーからの事業撤退を表明した現・筆頭株主のツネイシホールディングス(広島県福山市)から年内にも、株の譲渡を受ける見通し。同フェリーはいったん運休に入るが、この参画により、来年3月の運航再開を目指す。

 明石海峡大橋等の高速道路料金値下げの影響で経営状況が大幅に悪化し,同区間で高速船を運航している淡路ジェノバラインへのフェリー譲渡を模索していた明石淡路フェリー(たこフェリー)だが,自治体も含めての調整が不調に終わり,11月16日から運航休止し,社員約70人を全員解雇するようだ……という記事を書いたばかりだったが,その後も明石市など地元自治体が熱心に淡路ジェノバラインに統合を打診し、協議を続けていたという。

 10月16日付の神戸新聞によれば,現在最後の運航をしている一隻も売却の予定になっており,買い戻し,もしくは新船の購入が必要になってしまうのだろう。11月16日からは一旦運休に入り,フェリー船の見込みが付く来年3月からの運航再開を目指すことになったものと思われる。

 淡路ジェノバラインとの統合協議のタイミングと,既存フェリー売却のタイミングとがちぐはぐすぎて,来年の3月までには空白期間ができてしまい,これまた固定客を逃す原因になる。来年3月からの運航再開後も厳しい状況が急に改善されるわけではないが,とりあえず完全な廃止ではなくなったことで,希望が少しは見えてきたというところかな。
 最後まで粘り強く交渉を進めてきた担当者の方には,ご苦労様!と言わせていただきたい。

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2010年11月11日

島原鉄道の島原外港駅が全焼

 島鉄の島原外港駅が全焼 けが人なし、上下20本部分運休(2010年11月3日 長崎新聞)

 2日午後2時50分ごろ、島原市下川尻町の島原鉄道島原外港駅の駅舎から出火、鉄骨一部2階建て約75平方メートルを全焼した。駅に列車はおらず、けが人もなかった。

 島原署の調べでは、同駅は無人駅で、1階が待合所、2階は倉庫でケーブルなどを置いていた。1階から出火したとみられる。3日に消防と合同で実況見分を行い、出火原因を調べる。

 島鉄によると、同駅は1960年に開設し、現在は下りの終着駅。出火前の午後2時36分、諫早行きの急行列車が10人の客を乗せ出発したという。

リンク切れ
 全焼した島原外港駅の駅舎=2日午後3時11分、島原市下川尻町

 全国ニュースになっていなかったので,最近になって島原鉄道の終着駅である島原外港駅が火事(不審火)で消失したことを知った。

 列車ダイヤを見ると,14:36の列車が発車したあとの14:50頃に出火し,次の15:24の列車が到着したときには火の海になっていたものと推測される。
 14:36にはなんともなく,14:50に出火するというのは,たばこの火の不始末や漏電よりも,あきらかな不審火のような気がする。いや,新聞紙などの入ったゴミ箱に火の付いたたばこを捨てたとしたら,そのぐらいの勢いで燃え出すかもしれない。

 とにもかくにも,乗客や列車に被害がなかったのは良かった。

 特徴ある駅舎だったので,写真を撮っておきたいとは思っていたが,残念ながらスケジュールの都合で,列車の中から撮影した写真しか残っていない。駅の利用客数を考えると,消失前のような大きな駅舎ができるとは思えず(無人駅になっていたし),簡易的な待合所だけが設置されるだけになってしまうだろう。ちょっと寂しい気がする。

島原外港駅
 島原外港駅の上り(諫早方面)ホーム。(2006年5月)

島原外港駅
 列車が動き出してからもう一枚撮影。こんなことなら,もっとちゃんと撮っておけば良かった。(2006年5月)

島原鉄道
 島原外港駅の隣の島原南駅の横には,小さな船だまりがあって,その横を島原鉄道の列車が走っている。とても印象的な風景である。(2006年5月)

島原鉄道
 さすがに干満の差が激しい有明海である。上の写真を撮ってから,わずか1時間少し経っただけで,入り江の海水がすっかり干上がってしまっている。(2006年5月)

【参考】
2006年5月 2日 (火曜日):火砕流にも負けず今日も走る島原鉄道
2006年5月 3日 (水曜日):島原鉄道の終点・加津佐へ

# その後,2011年1月20日付のこのような記事があった。運転士がタバコの不始末で駅舎を焼いてしまっただなんて,まったくお粗末な話である。

「島原外港駅火災で運転士を書類送検 たばこの不始末が原因」(2011年1月20日 長崎新聞)

 昨年11月、島原鉄道島原外港駅の駅舎が全焼した火事で、島原署は20日、たばこの不始末が原因だったと断定し、失火の疑いで、南島原市北有馬町、同社の男性運転士(40)を書類送検した。送検容疑は、昨年11月2日午後2時35分ごろ、島原市下川尻町の同駅で、運転士が列車出発前に喫煙した際、吸い殻を完全に消さないまま待合室のごみ箱に捨て、同駅舎59平方メートルと隣接するパチンコ店駐輪場の一部を焼いた疑い。

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宇奈月温泉宿泊や買い物をすれば運賃無料に!

 電鉄富山~宇奈月温泉、無料列車でGO! 4月まで運行(2010年11月11日 朝日新聞)

 冬の宇奈月温泉ににぎわいを呼び込もうと、富山地方鉄道と黒部・宇奈月温泉観光協会が主催する「宇奈月温泉謝恩号」の運行が10日、始まった。電鉄富山―宇奈月温泉駅の運賃が無料になる特別電車で、来年4月10日まで運行する。

 電鉄富山と宇奈月温泉駅を結ぶすべての列車の運賃が無料になるわけではなく,一日に3往復する「宇奈月温泉謝恩号」に乗る必要があるらしい。
 とはいえ,富山地鉄は路線の距離が長いこともあって,運賃が相当に高いので,利用できる人はできるだけ列車の運行時間を合わせたほうが良さそうだ(乗車運賃は平常なら片道1790円也)。

 単なる鉄道会社だけのイベントになったり,地域のイベントはあっても目立った特典がないことが多い中で,地域と鉄道会社がタイアップし,運賃無料など多少でも特典のあるイベントなので,成功してほしいものだ。

富山地鉄〜宇奈月温泉
 富山地鉄の宇奈月温泉駅。駅前には温泉の噴水がある。(2005年8月)

富山地鉄〜宇奈月温泉
 宇奈月駅前の噴水に手を入れると,やっぱり熱い。(2005年8月)

富山地鉄〜宇奈月温泉
 時期的なこともあったのだろうが,あまり賑わっていなかった温泉街。(2005年8月)

富山地鉄〜宇奈月温泉
 富山地鉄で驚いたのが,この「2日フリー切符」の値段,4400円。(2005年8月)

【参考】
2003年10月 6日 (月曜日):富山地方鉄道/寺田〜岩峅寺
2005年8月15日 (月曜日):富山地方鉄道に乗りまくり
2009年11月28日:富山地方鉄道市内線の環状運転が復活!
2010年6月 7日:新都市計画は富山が引っ張る!路面電車の地鉄上滝線乗り入れ検討

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2010年11月10日

青春18きっぷと途中下車

 最近,立て続けに「青春18きっぷで気ままな旅をしたいんだけど,何かアドバイスをくれ」というような感じで話しかけられて,ちょっと驚いている。私が鉄道で旅をすることが多いのは,ブログを見ればわかるわけだけど,世間一般の旅とはずいぶん違っているので,いままで「旅のしかた」について相談を受けることはほとんどなかったからだ。

 何がきっかけなのはわからないが,「青春18きっぷ」と「気ままな旅」に,なぜか興味を引かれる人が増えているのかもしれない。何かのテレビの影響なのかな。

 で,そのような相談を受けて困るのは,私が今まで一度も「青春18きっぷ」というものを使ったことがないことなのだ。使ったことがないと説明すると本当にびっくりされる。そのびっくりされ方のほうに驚いてしまう。

 若い頃……○○年前,「青春18きっぷ」がまだ「青春18のびのびきっぷ」として発売開始されたころから鉄道を使った旅をしていたので,使えば使える状況ではあったのだが,当時はまだ周遊券(ワイド周遊券)が全盛の時代で,周遊券のほうが「青春18きっぷ」よりもずっと便利だったのだ。

 学割価格で,北海道ワイド周遊券は2万円と少し,九州ワイド周遊券は1万8千円ぐらいだったと記憶している。有効期間は3週間程度で,周遊ゾーン内は特急列車でも自由席なら自由に乗ることができ,しかも当時はたくさんの夜行急行が走っていたため,寝泊まりも列車の中で済ますことができた。朝の駅で,蛇口から出る水と石けんで頭を洗っていたら,シャンプーを貸してくれたオジサンまでいたっけ。切符のほかにかかる費用は食費ぐらいのものだった。

 そんな便利な周遊券に慣れた人間が,「青春18きっぷ」に逆戻りはできない,という気分だった。普通の切符を買えば,気が向けば一部の区間だけ特急列車に乗り込むこともできるし,途中で急に下車して宿泊しようと思ったときに,その日の乗車距離が短くて「青春18きっぷ」を無駄に使ってしまったと後悔するようなこともない。

 正直なところ,途中下車駅も宿泊先も決めない「気ままな旅」をしようとすると,現状の「青春18きっぷ」は非常に使いにくいものになってしまっていると思うのだ。たとえば,

《青春18きっぷ》
・各駅停車(快速列車含む)にしか乗れない
・すこし(2000円分以下)しか乗らない日があると損した気分になる
・元を取ろうとして,一日中乗りっぱなしの行程になりがち
・利用期間が限定される
・乗る列車が限定される区間では,異常に混雑することがある
・切符発売開始当時のような夜行列車はほとんど走っていない

 というような話をすると,結構驚かれることが多い。それじゃ現在,私はどうやって旅をしているのかという話をすると,もっとびっくりされるのだ。特に「途中下車」という制度が,一般的にはまったく知られておらず,切符を買ったらその切符が改札口で回収されるまで,列車や駅の敷地内からは外に出られないものだと思っている人がとても多い。

《普通の切符+途中下車》
・普通に切符を買う(寄り道したいところがあったら,そこを経由した切符にする)
・ちょっとしか乗らない日があっても損した気分にはならない
・疲れたりしたら気楽に特急・新幹線に乗る(普通の切符なら特急料金の追加だけで乗れる)
・適当な駅で「途中下車」する(気に入れば2日でも3日でも)
・普通列車が混雑した区間は,特急・新幹線で飛ばす

090103171218
 この切符は,去年の正月に西日本を旅したときのものである。
 旅の途中の姫路駅で,とりあえず福岡まで買った切符だ。これだけ近い距離でも有効期間が4日もあるので,途中でのんびりと途中下車を繰り返す旅ができるのである。
 参考までに,そのときの行程を書き出すと……,

・姫路〜(山陽新幹線)〜福山:普通列車が非常に混雑する(という印象のある)区間なので,新幹線を使って通過する
  福山で途中下車:福山の街歩き・宿泊
・福山〜(山陽本線)〜松永:
  松永で途中下車:鞆の浦に行こうか迷った末,「ゲタの町」松永へ
・松永〜(山陽本線)〜尾道:
  尾道で途中下車:尾道の街歩き
・尾道〜(山陽本線)〜広島:
  広島で途中下車:街歩き・宿泊
・広島〜(山陽新幹線)〜小倉:
  小倉で途中下車:小倉モノレール,小倉の街歩き
・小倉〜(山陽新幹線)〜博多:
  博多を出るときに改札口に切符を取られる。

という具合である。有効期間が4日あったので,広島でもう一泊して,広電の路面電車を堪能するという手もあったなぁ……と,いまごろになって少し後悔したりして。

 というわけで,「気ままな旅」をしてみたいと考えている人は,「青春18きっぷ」もいいけど,普通の切符を使った「途中下車」にも注目すると,いい旅ができるんじゃないかと思う今日この頃であった。

【参考(上記 姫路〜福岡の切符での行動の記録)】
2009年1月 1日 (木曜日):城下町姫路の商店街を歩く
2009年1月 2日 (金曜日):ガラガラの500系こだまで西へ…
2009年1月 2日 (金曜日):備後国福山の中心街を歩く
2009年1月 3日 (土曜日):下駄の町 福山市松永
2009年1月 3日 (土曜日):「坂の街」以外の尾道を歩く
2009年1月 3日 (土曜日):尾道から電車を乗り継ぎ広島へ
2009年1月 4日 (日曜日):広島駅界隈 大須賀町の飲食店街
2009年1月 4日 (日曜日):広島駅界隈 猿猴橋町の愛友市場
2009年1月 4日 (日曜日):北九州の台所 小倉の旦過市場
2009年1月 4日 (日曜日):アーケード商店街の嚆矢 魚町銀天街
2009年1月 4日 (日曜日):小倉から博多へ

 最後に蛇足だけど,第三セクター化された並行在来線で「青春18きっぷ」が使えるかどうかは,愛用者にとっては非常に重要なポイントだ。
 JR東日本の「青春18きっぷ」のページを見ると,たくさんの注意書きの中に,次のような文章がある。

※JR線以外の路線(JRバス含む)はご利用になれません。(青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行線、伊勢鉄道線、北近畿タンゴ鉄道線、智頭急行線および土佐くろしお鉄道線など、JR線と直通運転をしている路線もご利用になれません)別に、ご利用になる区間に有効な乗車券類が必要です。(ただし、JR西日本宮島フェリーはご利用になれます)

 ただ,その下の項目までよく読むと,

※青い森鉄道線の「青森~八戸間」は、通過利用する場合に限り普通列車(快速含む)について、運賃を収受することなく利用できます。当該区間の青い森鉄道線で下車した場合、別に乗車区間の運賃が必要となります。ただし、野辺地駅に限り途中下車することができます。
例:青森駅から野辺地駅を経由して大湊線大湊駅へ向かう場合
(1)青森駅から大湊駅まで下車せず利用する場合
⇒「青森~野辺地間」の青い森鉄道線の運賃は不要です。
(2)青森駅から浅虫温泉駅で途中下車して大湊駅まで利用する場合
⇒「青森~浅虫温泉間」と「浅虫温泉~野辺地間」の青い森鉄道線の運賃が必要です。

というわけで,「青春18きっぷ」でも,八戸〜青森間は野辺地でしか途中下車することはできないという条件付きになるけど,青い森鉄道に乗ることができるようになったようだ。これは嬉しいニュースのはず。残念ながらIGRいわて銀河鉄道には乗れないようなので,盛岡から八戸,青森という旅は難しいようだが……。

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2010年11月 8日

大井川鉄道の新金谷駅に転車台設置計画!

 「お尻」が前のSLでは…転車台設置で解消へ(2010年11月7日 読売新聞)

 静岡県島田市は来秋をメドに、大井川鉄道のSL(蒸気機関車)の向きを回転させるための「転車台」を、新金谷駅近くに整備する方針を固めた。

 1976年のSL復活以来、金谷行きの列車の運行で強いられてきた、機関車の「お尻」を前に向けた状態が解消される。市は、設計費用などを盛り込んだ関連議案を、11月定例会に提出する。

 大井川鉄道は、JR東海道線と接続する金谷駅(同市)を始発に、終着の千頭駅(川根本町)まで約40キロでSL列車を運行し、利用客は年約28万人と県内有数の集客力を誇る。ただ、転車台は千頭駅にしかなく、千頭駅で方向転換すると同じ列車が次に金谷駅側を出発する際、機関車のお尻が先頭に来てしまう。

 このため千頭発の列車は、機関車の向きはそのままで側線を利用して先頭位置に移動させており、SLのお尻が前方を向いた不格好な運転を強いられてきた。結果的に、千頭駅の転車台も通常運行では出番がなく、イベントなどで活用されるだけの状態となっている。

 転車台を金谷駅側にも整備して千頭駅の転車台と合わせて活用すれば、上下線とも、機関車を前向きにして客車の進行方向先頭に付けることが出来るという。

 これは良いニュースだ。島田市が大井川鐵道の蒸気機関車を観光資源として位置づけ,転車台設置費用を捻出するようだ。
 記事にもあるように,大井川鐵道内の転車台は千頭駅にしかなく,どのように運用しても,全部の列車の蒸気機関車を正面向きにすることはできなかったからだ。

 C10やC11のようなタンク式機関車は,バック運転にも十分対応できるように,後方の視界も確保されているものの,蒸気機関車を見る方の立場としては,やっぱりボイラーを正面に向けたカッコ良いかたちで見たいと思うのは当然のことである。

 大井川鐵道の蒸気機関車と旧客を使った列車は,他の地方のSL復活運転のように土日休日の運行ではなく,基本的には毎日運行しており,関係者の苦労には頭の下がる思いである。新しくできる転車台を使って,カッコ良い列車を長く長く運行し続けて欲しいものである。

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 抜里駅付近で大井川を渡るSL列車。千頭から金谷に向かう列車なので,蒸気機関車は「お尻」が前になっている。(2005年8月)

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 上の写真と同じ日のSL列車。これもやはり金谷行きなので,「尻」が前に向いている。(2005年8月)

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 大井川鐵道は蒸気機関車以外にも,各地の鉄道で走っていた電車が当時の塗装そのままに走っているので,やってくる電車がどれも楽しいという特徴がある。(2005年8月)

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 大井川鐵道の写真ではないが,バック運転は,やっぱり寂しいという写真を……。
 これは富山県の氷見線を蒸気機関車C56の「SLシーサイド号」が走ったときの写真(2002年9月)。

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 全国でSLの復活運転イベントが行われているが,起点と終点に転車台が揃っているところは全国でも珍しいことになってしまったので,こうやって半分の列車はバック運転になってしまう。珍しいと言えば珍しいと言えないこともないが,やっぱりカッコ悪い感じがする。

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 氷見線の雨晴付近を走る「SLシーサイド号」。やっぱりバック運転は絵にならない。(2002年9月)

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 氷見線の雨晴付近を走る「SLシーサイド号」。(2002年9月)

大井川鉄道新金谷駅に転車台計画
 同じ蒸気機関車C56が正面を向いて走ると,何の変哲もない場所を走っても,やっぱり絵になる。(2002年9月)

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2010年11月 6日

JR久留米駅前広場再開発の完成予想図発表

 久留米駅前こうなる(2010年11月04日 朝日新聞)

 久留米市は、来春の九州新幹線全線開通に向けて整備を進めているJR久留米駅の駅前広場や周辺施設の完成予想図を発表した。来年2月末までの完成を目指す。
 市中心部への玄関口にあたる東口駅前広場は、現在の約6千平方メートルから約8千平方メートルに拡張。バスの乗降所6カ所のほか、タクシー24台、一般車19台分の駐車場を設け、にぎわいや活力がある雰囲気にする。

Kurume
 JR久留米駅東口の完成予想図 (asahi.com)

 久留米市がJR久留米駅前再開発の完成予想図を発表したということで,久留米市の公式サイトを探してみたが,できたてホヤホヤの「完成予想図」のほか,計画図すら見つからなかった。残念。

JR久留米駅
 JR久留米駅のホーム。2面5線の地上駅である。(2006年5月)
 九州新幹線開通時の駅はすでにできあがっていると思われるが,情報がなくてよくわからない。たぶん,在来線は地上ホームのまま,駅が橋上駅化され新幹線ホームが2階部分に作られているのではないだろうか。

JR久留米駅
 JR久留米駅の駅舎(東口)。2006年5月の写真なので,その後は大きく変貌しているに違いない。人口30万都市の表玄関としては,ちょっと寂しいという声が出てきそうな,こぢんまりした駅舎だが,実際のところ,久留米市の中心市街地は,JR久留米駅から約2km程度離れた西鉄久留米駅の間(というより,現時点ではどちらかというと西鉄久留米駅寄り)に存在しているため,JR久留米駅が町の中心になっているわけではないのである。

JR久留米駅
 JR久留米駅東口前の広場。巨大なからくり時計が設置されている(2006年5月)。
 今回の久留米市の発表では,この広場がだいぶ広がることになっている。とは言え,すでに利用者数に比べれば,十分に広い面積を持った広場であるように思える。

JR久留米駅
 JR久留米駅東口前広場の北側にあるタクシープール(2006年5月)。
 久留米駅の街の構造からか,街の両端にある駅前の乗り場から街の中心部にタクシーで向かうひとは,意外に多い印象を持った。

JR久留米駅
 JR久留米駅側の最大の問題点だと感じたバスターミナル(2006年5月)。
 JR久留米駅の南側の少し離れたところにバスターミナルがあるのだ。駅前広場の周囲にもバス停は設けられているが,西鉄久留米駅方面への利用者が多いはずなのに,このバスターミナルの位置は問題だと思った。

 そこで,朝日新聞に載った小さな完成予想図に目を近づけて見てみることにする。

 駅前には大きなロータリーが2カ所設けられ,北側はタクシーと自家用車,南側はバス専用になるものと推測される。少し離れていた駅前のバスターミナルが,駅と至近になることにより,バスの利用者はとても便利になるに違いない。

 久留米市の中心商店街は,戦後の1947年1948年の航空写真では現在の中央町付近にあったものが(焼け落ちていて,正確なところは不明だが),徐々に日吉町〜六ツ門町と東側(西鉄久留米駅側)に移ってきているように見える。戦後すぐの航空写真では,六ツ門町の南側には田んぼがまだ残っている。

 今回のJR久留米駅前周辺の再開発によって,JR側にも(西鉄側に移って行ってしまった)賑わいを取り戻そうという発想だけではなくて,JR久留米駅と西鉄久留米駅の間にある既存の中心商店街を活かすような,公共交通機関の充実が図られることを期待したい。

【参考】
2009年1月6日 (火曜日):久留米日吉町文化街〜六角堂広場
2009年1月6日 (火曜日):六ツ門アーケード〜久留米一番街
2006年5月5日 (金曜日):大牟田 久留米 そして福岡へ

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2010年11月 4日

万葉線が北陸新幹線開業に向けた実証実験

 万葉線、終電延長・夕方増発 北陸新幹線開業に向け試み(2010年11月3日 朝日新聞)

 高岡、射水両市間を走る路面電車・万葉線が、今月から終電の時間延長と夕方通勤時間帯の増発に乗り出した。県の緊急雇用基金活用事業で、3年間の実証実験。北陸新幹線開業に向けた公共交通と中心街活性化を試みる。

 1日のダイヤ改定で、JR高岡駅前出発の最終電車が、これまでの午後10時20分から11時に延長。10時半ごろの高岡駅着の北陸線利用客の乗り換えが可能になった。

 また、通勤通学客が多い午後5〜7時の時間帯も、同駅前発と越の潟発を増発し、従来の16〜18分間隔から10〜15分間隔に短縮した。

 財源が県の緊急雇用基金活用事業というのは良いのか悪いのかよくわからないが,北陸新幹線開業に向けた新高岡駅・高岡駅周辺の公共交通機関の方向性がぜんぜん見えてきていない気がするので,便利になりそうな施策はどんどんやってほしい。

 正直なところ,多少終電時間を延長したり,朝夕の通勤通学時間帯の電車を増発することと,北陸新幹線開業に向けた公共交通と中心街活性化というのが,ほとんど結びつかないように感じる。結果は見えているような気がしないでもない。
 強引で素人のたわごと的な案だが,高岡駅の西側の末広町(西)交差点付近から北陸本線をくぐって関大町方面に抜ける道路を拡張して万葉線も走らせ,関大町で万葉線を城端線に乗り入れ,新高岡まで走らせるようにするのは無理だろうか(富山ライトレールのようにできるのならば理想なのだが)。

 以前にも書いたが,新高岡駅から周辺地域へのフィーダーバスが整備されれば,新高岡−高岡を城端線に乗り,高岡で万葉線やバスに乗り換えるよりも便利になる。そういう方向で公共交通機関を整備するという選択もあるだろう。

 でも,それでは,既に勢いが見られない高岡駅前〜末広町〜片原町〜……と続く中心市街地にとどめを刺すことになるんじゃないだろうか。バスや万葉線は使わないから,それでも良いという市民も多いんだろうけど,将来高齢化社会がさらに進むと,とても住みにくい街になってしまいそうだ。隣の富山市が,公共交通機関を活かしたコンパクトなまちづくりの施策をどんどん打ち出しているので,その対応の違いが明確に出てくる可能性がありそうだ。

万葉線
 万葉線の高岡駅前電停(2003年10月)

万葉線
 万葉線の電車が高岡駅前を出て末広町に向かう(2003年10月)

万葉線
 中伏木付近を走る万葉線の電車(2003年10月)

万葉線
 庄川口電停を出て庄川を渡る万葉線の電車(2003年10月)

万葉線
 内川を渡る万葉線の電車(2003年10月)

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スーパーレールカーゴが東北本線に?

 ホーム下から四つんばいで線路に…はねられ死亡(2010年11月4日 読売新聞)

 3日午後9時頃、栃木県那須町高久甲のJR東北線高久駅の線路で、70歳代とみられる男性が郡山発小山行き貨物電車(5両編成)にはねられ、死亡した。

 貨物電車……電車。あれっ,高速貨物電車(スーパーレールカーゴ)って東北本線も走ってるのか?

 モーダルシフトの切り札的な登場の仕方だったJR貨物の高速貨物電車(スーパーレールカーゴ)だけど,いろいろ問題があったのか,その後はまったく音沙汰無く,東京−大阪間の佐川急便専用列車になってしまったと思っていた。

 それが東北本線にも走るようになった……などと妄想するより,単なる「貨物列車」の間違いだというのが真相かな。うーむ,5両編成の貨物列車というのも,70歳代で鉄道自殺というのも,ちょっと哀しいぞ。

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西武多摩川線の「黄色い電車」101系が引退へ

 「黄色い電車」101系、9日に引退へ 西武多摩川線(2010年11月3日 朝日新聞)

 武蔵野市の武蔵境駅と府中市の是政駅を結ぶ西武多摩川線(8キロ)で使われている黄色い車体の101系が、9日で営業運転を終える。これで、沿線で親しまれた「黄色い電車」が多摩川線からすべて引退する。3〜9日、記念のヘッドマークをつけて1日約30往復運行される。

 101系は運転台が低い古いタイプと新型の2種類あり、今回引退するのは古い型。西武秩父線の開業に合わせて登場し、278両製造されたが、新型車両の導入などに伴って減り、現在は多摩川線以外では使われていない。

 西武の電車は乗る機会が少ないので,基本的にどのような電車が走っているのかをほとんど把握していない。しかし,西武多摩川線に残っている黄色い電車と言えば,何度か乗りに行ったり,西武多摩川線の終点の是政駅から,多摩川を越えて南武線の南多摩駅に乗り継ぐなんてことを何度かやっているので,ちょっとなじみがある。

 西武の101系といえば,ずいぶん前に西武新宿線だったかで「サヨナラ101系電車」が運転された記憶があるので,私が想像している101系と西武の101系が違っている可能性はある(「新」「旧」の101系があるが,さすがに西武新宿線で走ったのが「新」101系ということはないだろう。

武蔵境駅西武多摩線101系
 武蔵境駅に到着した西武多摩川線の101系電車(2002年11月)

武蔵境駅西武多摩線101系
 武蔵境駅には使われていないと思われる側線があった(2002年11月)

武蔵境駅西武多摩線101系
 西武の101系電車。なかなかスマートなデザインだと思う(2002年11月)

武蔵境駅西武多摩線101系
 西武多摩川線の電車は,約8km離れた是政駅との間を12分ヘッドで往復運転していた(2002年11月)

国鉄101系@尻手駅
 ぜんぜん関係ないけど,JR南武支線尻手駅に停車する101系電車(2000年9月)

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2010年11月 2日

特急「指宿のたまて箱」…アンタも好きねぇ

 指宿枕崎線特急に「たまて箱」 海側は白、山側は黒(2010年10月22日 朝日新聞)

 JR最南端の路線の指宿枕崎線に、来春から新型観光特急「指宿のたまて箱」が走る。JR九州が20日、発表した。海側を白、山側は黒と、非対称の色に塗る珍しい車両で、玉手箱にちなんで、ドアが開くと煙に見立てた霧が出るという。九州新幹線「つばめ」などの内装を担当した水戸岡鋭治さんがデザインした。「いぶたま」の愛称で鹿児島中央—指宿を毎日3往復する。

JR九州が来春から運行する観光特急「指宿のたまて箱」。白と黒の2色塗りという珍しいタイプの車体が目を引く=JR九州提供

 指宿枕崎線に新型観光特急列車だって。指宿枕崎線といっても,列車が走るのは鹿児島中央−指宿間だけで,山川から先,枕崎までは,相変わらず日中に6時間も列車が走らないままになりそうだ。

 それにしても,JR九州は急いで走らない観光特急が好きだねぇ。

 車両は旧式のキハ40形・47形がベースになりそうだが,同じキハ47形・147形がベースになった低速特急「はやとの風」のように,水戸岡氏が手慣れた手法で独特の空間を作ってくれるだろう。
 現在指宿枕崎線を走っている快速「なのはな」,特別快速「なのはなDX」に使用されている,キハ200形を使うというアイデアは出てこなかったのだろうか。
 こういう普通車両の特急車両化の仕事の依頼を受ける気分は,どういうものだろうか。

 指宿枕崎線も,指宿・山川までは利用者が多いので,その区間の快速列車を特急指定席料金の取れる特急列車に変更して(車両は「いかにも」といった感じの水戸岡デザインで),スピードはそれほど変わらないけど,収入アップにつなげようという作戦だろう。そのほうが旅行会社にもアピールできそうだし。

 JR九州は,他JR線に比べてもJR化後に旅客量を大幅に減少させている路線が多い(福岡周辺を除く)。JR化した1987年時点から2007年までに旅客量が4割以上減少している路線は,吉都線・日南線・肥薩線・三角線と,4路線もある。収入アップのためなら,なりふりを構っていられないというところだろうか。

 それにしても,名前の特急「指宿のたまて箱」にはぜんぜんピンと来ない。今まで「たまて箱」などという字面は見た記憶がない。「玉手箱」は,それぞれ小学生の3-4年生までに習う漢字だ。むしろ一般的な(一部の地図好きは置いといて)読みやすさを考えたら「いぶすきの玉手箱」だろう(ひらがな地名は大反対だが)。

 新幹線の問題など,いろいろ抱えているJR九州だが,何やら迷走を始めるんじゃないかと不安になる話題である。

JR九州のキハ40
 吉松駅に停車するキハ40(2003年8月)

JR九州のキハ40
 隼人駅に停車するキハ40(2003年8月)

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