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2010年7月 3日

あかん阪堺電車をほかすわけにもいかんし,なんぎやな

 阪堺電車存続支援、年間最大2億円 堺市、利用促進に(朝日新聞)

 堺市は30日、阪堺電気軌道(大阪市)が運行する路面電車「阪堺線」の堺市区間について、今後10年間にわたり運賃割引などの利用促進策に年間2億円を上限に補助するほか、新型車両の導入などに総額30億円を助成する支援策を公表した。赤字続きで廃止が検討されている同区間の存続を図るもので、同社は9月末にも存廃を最終決定する。

 昨年2009年11月5日の『初の本格的な新規設置として期待された堺市のLRTは白紙に』という記事で,堺市が、南海電鉄と阪堺電気軌道に対し、両社による市中心部での運行を計画していたLRT(次世代型路面電車)整備の中止を申し入れたことがわかったということを書いた。

 都心部が空洞化し,人口も減りつつある政令指定都市堺市の将来を考えると,自家用車依存の社会からの脱却を考える必要があり,LRTは低コストで大きな効果もたらすことが期待できたはずなので,本当に残念なニュースだった。

 堺市の東西を結ぶLRTの実現は困難になったが,日常生活の足としての阪堺電車は,どの面から検討しても,なくすことはできないという結論になったのだろうと思われる。現在まで爪に火をともすような経営をして,新しくて綺麗な車両がまったく無い状態の阪堺電車が,少しずつ変わっていくことを期待したい。

阪堺電車存続支援、年間最大2億円
 阪堺電車の車両の近代化は遅れているが,確か冷房化はかなり進んでいたと記憶している。阪堺電車阪堺線[2007年5月撮影]

阪堺電車存続支援、年間最大2億円
 阪堺電車は天下茶屋付近の小さな商店街のすき間を走っている。阪堺電車が無くなることによる影響は計り知れない。[2007年5月撮影]

阪堺電車存続支援、年間最大2億円
 南の終点,浜寺駅前駅電停。次から次に電車がやってきては,折り返して行く。[2007年5月撮影]

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鉄道」カテゴリの記事

コメント

縁があって、阪堺電車には幼い頃から何度となく乗車してきた経験があるので、「廃止」という言葉が現実味を帯びて来てしまったのは、残念でなりません。

私も、かつて20年ほど前、南海本線の浜寺公園駅から浜寺駅前電停乗り換え(若しくは諏訪ノ森駅から少し歩いて船尾電停乗り換え)というパターンで、宿院方面(堺市旧市街地南部)への移動に時々利用させてもらっていました。

20年前の利用時の記憶でもそうですが、旧市街地を走る阪堺電車の沿線には、商店街や大きな商業施設、市民生活上必要な官公庁の出先機関といったものが、殆ど存在していないんですね。

開業当初は、大阪郊外の海浜の別荘地だった浜寺(今では想像すらつかない状況ですが…)と、大阪都心の恵美須町(新世界周辺)を結ぶ役割のあった阪堺電車も、南海本線の大型車両化と高速化に伴って早々にその役割を失った後は、専ら大阪市内南郊と堺市の旧市街地を繋ぐコミューターとしての使命に専念してきました。

ここまで存続できたのも、この地域の市街地における短距離移動の需要が、近年までそれなりに存在してきた、という事なのでしょう。さすがは政令指定都市になるだけの人口規模を持つ町です。そうでなければ、前述の様な沿線環境で、今や場合によってはバスより遅い路面電車が生き残る事は出来なかったでしょう。

阪堺電車の堺市区間の存廃論議が現実味を帯びてきた、という事は、とりもなおさず、堺市旧市街地の人口・世帯・職業の構成が、近年劇的に変わりつつある事の裏返しだと思います。Googleのストリートビューを見ても、昔に比べて沿線風景の中に、中小の商店や戸建住宅が姿を消し、高層の新築マンションと思しき建築物が増えているのがよく分かります。

こうした新築の高層マンションの住民達は、阪堺電車ではなく、専ら南海本線の堺駅や、南海高野線の堺東駅を経由して難波や天王寺などの大阪都心へ通勤し、休日ともなれば、やはり通勤と同じ様に大阪都心へ出るか、自家用車を利用して郊外や臨海地域の大型ショッピングモールを目指すのだろうと思われます。堺市が政令指定都市となり、市役所(堺東駅の近く)の窓口業務が分割された各区の区役所に移管されてしまった事も、皮肉ながら堺市旧市街への人の流れを減少させることに一役買っているのかもしれません。

そう考えると、堺旧市街地の東西を繋ぐ新設LRT路線に接続させる事によって、阪堺電車の路線を再編・再構築する計画が頓挫してしまったのは、阪堺電車にとってはまさに痛恨事です。

堺市の支援計画では、堺市内⇔大阪市内の通し運賃(290円)を、補助金支出により200円に割り引く等の策が検討されている様ですが、元より堺旧市街地から恵美須町・天王寺駅前まで乗り通す乗客を想定するのも難しい現状にあっては、何か本質を外している感が否めません。

税金をムダに注ぎ込んだ挙句、成果が上らずに廃止⇒税金で路線撤去⇒また補助金を付けて(採算が取れるか分からない)バス路線の再構築…という最悪の流れだけは勘弁して欲しいな、と思います。

投稿: もりあき | 2010年7月 3日 13時37分

 堺市の地図を見ると,南北を結ぶ鉄道ばかりで,東西を結ぶ交通が望まれていることがよくわかりますね。逆に,阪堺電車沿いは,古くから紀州街道として堺の中心市街地として賑わったものと思われますが,現在は道幅が広いばかりで車の交通量も多くないようです(Googleマップの航空写真を見る限りでは)。

 もりあきさんのコメントを読んで,あらためて地図を見ましたが,確かに阪堺電車沿線に,人の集まる施設がほとんど無いですね。沿線は恵美須町・天王寺駅前から浜寺駅前まで住宅でびっしりですが,まとまった需要が見込めないのが辛いところかもしれません。
 旧紀州街道が現在商店街になっていないことも,「堺=商人の町」というイメージとは違っていて,ちょっと意外な感じがします。そう言えば,電車の中から見たときに,沿線に商店街のような賑わいの痕跡も感じられなくて,不思議だったことを思い出しました。
(堺東駅周辺は置いといて)大小路から宿院周辺が中心となる商店街だったと思われますが,あまり賑わっているとは言えない雰囲気ですね。

 阪堺電車の利用者減少の一因に,恵美須町・新世界周辺の魅力の低下があるのかと思っておりましたが,その点に関しては,既に昨年から天王寺駅前〜浜寺駅前間の直通運転というかたちで対策が打たれているようです。それプラス200円均一運賃で,どこまで利用者を引っ張れるか……というところでしょうね。

 利用者増のためには,車両の更新や道路信号機との連動などで,電車のスピードアップを図ることが必須だと思いますが,勝ち目のないギャンブルですね。

投稿: 三日画師 | 2010年7月 3日 22時06分

浜寺駅前から天王寺駅前方面の阪堺電車に乗り、堺市の旧市街を過ぎて我孫子道辺りに差し掛かる頃には、南海本線浜寺公園駅を出た電車が難波駅のホームに滑り込んでるくらいの時間差が有ると思いますので、大阪都心への速達性、というものを阪堺電車単体で考えてみたところで、これはもうどうにもならないレベルです。堺市街⇔天王寺駅前を阪堺電車で乗り通す人は、よっぽどの趣味の人か、暇人、若しくは乗り換えが難儀な体の人(老人とか、病気・怪我をしている人)位でしょう。

堺市街から、大和川を渡って我孫子道、住吉公園、北畠、東天下茶屋辺りまでの直通利用者がどの位存在するのかは分かりませんが、ここいらの需要が相当のボリュームを持っていないと、200円均一料金も焼け石に水、になりかねないでしょうね。

投稿: もりあき | 2010年7月 4日 12時37分

 堺から難波まで,南海本線の特急(料金不要)で10分程度なんですね。阪堺電車だと,大小路〜天王寺駅前まで直通で35分程度。スピードと較べちゃうと,やはり勝負にならないですね。運賃も250円で,現在の阪堺電車の290円より安いです。

 ただ,天王寺(再開発が進んでいるらしいですし)を目的地とすれば,堺から新今宮経由で天王寺に行くとすると,乗り換え時間も含めて20分前後,運賃が370円になります。
 乗り換え無しで,200円で天王寺へ。なんとか所要時間30分を切ることができれば,まったく歯が立たないレベルではないような気がします。今後の天王寺の魅力度次第ですかね。

投稿: 三日画師 | 2010年7月 4日 22時33分

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