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2010年7月 6日

きしむ北陸新幹線・新潟編

 三セク設立続く不協和音 新幹線並行在来線(朝日新聞2010年06月20日)

 北陸新幹線の開業に伴って、並行在来線を運営することになる第三セクターの早期設立をめぐり、関係者がもめている。「経営計画が示されず、拙速だ」と反発する糸魚川市と同市議会に加え上越、妙高両市の議会でも疑問の声が出始めた。反発の背景に何があるのか。

(中略)

 知事が上越駅(仮称)への全列車停車を強調するあおりで、糸魚川駅への停車本数が減ったり、速達タイプが止まらなくなったりする懸念がある。県によると、新幹線の各駅停車タイプの糸魚川―東京間の所要時間は約2時間40分で、特急と上越新幹線を乗り継ぐ現在と変わらない。

 北陸新幹線の建設負担金の見込み額は、糸魚川市が約22億円で、約13億円の上越市を大きく上回る。糸魚川駅の改築にも多額の投資をする。それなのにメリットが見えてこない。

 なんだかいざこざが外にまで見えて来ちゃってるね。新潟県知事のオッサン,何で上越駅(仮称)への全駅停車なんかを強調したんだろう。意図がぜんぜん見えない。
 それに,糸魚川に至っては,新幹線の駅ができても,こだまタイプの新幹線しか止まらないとなると,在来線の糸魚川〜(特急はくたか)〜越後湯沢〜(上越新幹線)〜東京と,所要時間が約2時間40分で変わらないというのは初めて知った。これじゃ,糸魚川も気合いが入らないね。赤レンガ車庫は壊しちゃうし……。

 ちなみに,北陸新幹線上越駅(仮称)ができるとされる,現行の信越本線脇野田駅(青森の脇ノ沢ではない。念のため。)は,2008年度乗車人員 128人/日(降車客含まず),ホームは1面2線のささやかな駅。とても新幹線を全部停車させるほどの需要が生まれるようには思えない。

 それに対して,上越駅(仮称)に全駅停車となってしまうと,停車本数がグッと減ってしまうことが予想される糸魚川駅は,在来線特急列車の停車駅でもあり,2008年度乗車人員 1,093人/日(降車客含まず)で貫禄は十分。といっても,超ローカル線の磐越東線(特急や急行なんて走ってません)にある我が故郷の三春駅の2008年度乗車人員は1,079人/日なので,どっこいどっこい。糸魚川は大糸線にも接続し,もう少し鉄道の要衝的な位置付けかと思っていたが,目くじらを立てて停車列車の本数を争うようなレベルにはないんじゃなかろうか。

糸魚川駅にある巨大な翡翠の勾玉
 糸魚川駅にある巨大な翡翠の勾玉。翡翠は不老不死,生命の再生をもたらす力を持つらしい(信じる人にはね)から,糸魚川駅の再生もこれで大丈夫だね。[2007年1月撮影]

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コメント

東北・北海道新幹線や、九州新幹線の陰に隠れてあまり目立ちませんが、北陸新幹線の金沢開業も予定では2014年ですから、もう次のオリンピックくらいの先の話になって来ているんですね。早いものです。

現状の長野新幹線の実績に加えて、富山市、高岡市、金沢市という人口・産業集積の有る地域を結ぶ訳ですから、それなりの需要が期待できるにも関わらず、世間やマスコミの関心は、どういう訳か今一つだな、という感が否めません。

北陸新幹線の開業に際しては、北陸本線の金沢~直江津、信越本線の長野(もしかしたら豊野?)~直江津といった、平行在来線の長大な幹線区間が経営分離される、といった負の側面があります。しかしながら、あと4年を切ろうか、というこの準備段階において、未だにこの「分離区間」を引き受ける受け皿会社の形態が決定しておりません。

今回の新潟県知事による騒動も、多分にこの「分離区間」の経営問題が絡んでいる様子です。

新潟県にしてみれば、新幹線開業によって主力の特急利用客をごっそり奪われてしまう「北越急行」の経営をどうするか?という問題を解決しなければならず、頭の痛い所だとは思います。しかしながら、だからといって北越急行の問題と、(新)上越駅への全列車停車を、あたかも交換条件にしようとする知事のやり方は、いかがなものでしょうかね?

新潟県の立場にしてみれば、新幹線の上越駅停車などに拘らず、北陸本線糸魚川(親不知?)~直江津~信越本線妙高高原の区間を「北越急行」に経営移管した上で、この区間から現行の「ほくほく線」を経由して越後湯沢駅に出る快速列車の設定権利を得る事。併せて、JR区間となる越後湯沢~六日町のダイヤ優先権(上越新幹線へのスムーズな接続を考慮)と、直江津から北の信越本線区間(柏崎、長岡方面)への列車乗り入れの権利(快速等優等列車設定の権利を含む)を獲得した方が得策なのでは?と考えてしまいます。

上越・糸魚川地区の鉄道利用者の利便性を考えれば、この方が東京に出る運賃が安上がりになるし、長い目で見れば住民にも支持されるのではないかと思います。

個人的には、北陸新幹線のルート設定は失敗ではないか?と思っています。碓氷峠越え区間の急勾配を有し、総体に需要が高く停車駅選択の難しい長野新幹線区間(軽井沢~長野)を抱え、建設費抑制のしわ寄せから路線全体が曲線がちで、退避設備の有る駅が少ない、といった数々の制約の中では、とても北陸方面直通列車の高速運転(300km/h前後)は望めないからです。国内有数の活火山で、大噴火の危険性が付きまとう浅間山の直下を地上走行しなければならない点も、懸念材料と言えます。

投稿: もりあき | 2010年7月 7日 10時44分

 北陸本線と信越本線の並行在来線も,ほくほく線も,問題がいっぱいありそうですね。青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道の現状や将来を考えると,背筋が寒くなります。

 私も,全列車上越駅停車なんかにこだわらず,糸魚川〜ほくほく線・越後湯沢,糸魚川〜柏崎・長岡への乗り入れの調整を優先したほうが良いと思います。まずは受け皿会社をどうするかですね。東北本線のように,県別に第三セクターをつくるなんてことにはならないでほしいもんです。

 これだけ開業が近づいても盛り上がらないのは,長野県=長野駅までできちゃってるから,もういいや,新潟県=フル規格にはなったものの,あんまりメリットがないな……という雰囲気だからでしょうか。新幹線を素直に喜べそうなのは,富山市と金沢市ぐらいだったりして。あっ,後は飯山市かな。

 新幹線の駅が城端線の新駅になる高岡市も微妙ですよね。高岡市としては,新幹線駅へのアクセスの7割がマイカー・バスになると考えているらしいですが,市が作った計画書を見ると,高岡駅の在来線の環境が大きく変わることも,第三セクターとしてやっと残した万葉線のことも,何にも考えていないように見えて,部外者ながら怖くなります。

 長野までの新幹線は,やっぱり軽井沢までフル規格,軽井沢からはミニ新幹線にしたほうが幸せだったような気がします。北陸は……むずかしいですね。ほくほく線を通るルートのほうが素直な感じがしますね。

投稿: 三日画師 | 2010年7月 7日 22時08分

新幹線ができれば全ての問題が、解決するような幻想はもう捨てなければならないときにきているように思います。人口の減少時代、若者達は都会へ出て行き、地方の残るのはジジ、ババばかり・・・・地方の疲弊は進み、生活環境は悪化し続けている。平行在来線の問題一つとっても、地方の生活では、車中心でもはや、廃止されてもいいくらいの気持ちで、当然、赤字がでれば地元で責任を持ついう覚悟なくして、新幹線ができてもこんなはずではなかったというため息をもらすことにならないように願いばかりです。

投稿: | 2010年8月10日 21時32分

 おっしゃる通りですね。新幹線ができればすべての問題が解決する,というのは遠い昔の幻想でした。少なくとも,新幹線の駅が既存の都市部の駅と直結している状態が維持されている線区の話ですね。

 地方ですっかり車中心での生活をしているところに,新幹線の駅をポンと作っても,便利になるとはとても思えないです。特に高岡は深刻だと思いますが,何かその深刻さが伝わってきません。

 これからできる新幹線の駅は,既存の多くの新幹線の駅とは開業後の構造変化などが大きく異なっているところが多いです。しっかり現実的な計画を立てて,「こんなはずではなかった」とため息をもらすようなことが無ければいいですね。

投稿: 三日画師 | 2010年8月11日 02時27分

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