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2010年6月14日

鹿島鉄道跡はバス専用道に

 鹿島鉄道跡バス専用道 ダイヤ大幅増加で8月開通へ(産経)

 平成19年3月に廃線となった茨城県・旧鹿島鉄道跡地のうち石岡駅-常陸小川駅(7・1キロ)をバス専用道とする事業を進めている「かしてつ沿線地域公共交通戦略会議」が25日、開かれた。会議ではバスの起点をJR石岡駅西口とした上で、路線バスを大幅増発し、石岡駅-玉里沼田(旧四箇村駅)間を8月中に開通させる計画を決めた。

 2007年3月に廃線となった鹿島鉄道跡地をバス専用道として整備し,代替バスや路線バスを走らせる事業がだいぶ進んでいるようだ。

 鹿島鉄道廃線後の代替バスは,国道355号線や6号線の渋滞に巻き込まれることが多く,定時運行ができないために鉄道から代替バスへの利用者の移行が進まず,渋滞に輪を掛けている状態だったという。常陸小川から石岡駅まで,代替バスは20分〜25分(ひどいときには35分)かかっているそうだ。

 そこで,鹿島鉄道跡地をバス専用とする,いわゆるBRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)の地方都市版というアイデアが出てきたようだ。(いろいろな意味で話題になっている)茨城空港へのアクセスとしても利用される。バス専用道を走ることで,常陸小川から石岡駅までの所要時間は,16~20分に短縮するとのこと。

 鹿島鉄道は単線だったため,バス同士のすれ違いができるような広い道路は造れないが,途中の玉里駅等にあった交換設備の用地を使ってすれ違うようにすれば問題ないだろう。
 現行のバスより運転本数を約1.7倍にして,利便性を高めるということなので,定時性が高まることと合わせて,非常に期待できそうな事業だ。

 と,ひとまず肯定的なニュースとして書いといて,あとはオッサンの愚痴を……。

 まず,石岡駅の起点は既存のバスターミナルがある西口となっている。それはそれで妥当だとは思うが,鹿島鉄道の線路があったのは石岡駅の東側だ。バス専用道を走ってきたバスが石岡駅西口へ廻るには,東石岡一丁目の国道6号線と国道355号線の交差点付近で既存の道路に合流し,常磐線を渡らなければならない。渋滞に巻き込まれずに定時性を守れるのか,取り付け道路を造るとしたら,費用がかさむんじゃないか……と疑問が浮かぶ。

 常陸小川から石岡駅の所要時間が16〜20分に短縮するというのはいいけれど,もともと鹿島鉄道のボロボロの列車が15分で結んでいた区間だ。この区間は沿線人口もそこそこ多く,区間運転の列車があって,鉄道の利用客も多かった。「古き良き鉄道を残したい」というノスタルジックな感情だけではなく,利便性・定時性・コストの面から見ても,石岡〜常陸小川は鉄道を残し,常陸小川〜鉾田までを代替バスにするという選択肢も十分考えられたはず(何をいまさら,だけど)。

 バス専用道の道路整備費は,石岡市が4億3千万円,小美玉市が2億4400万円,バス5台分の取得費用が約1億円……。
 茨城県が尽力した茨城空港(百里基地の官民共用化)の総事業費が約540億円ということなので,空港へのアクセス道路としてのバス専用道整備と考えれば,上記金額ぐらいは「屁」みたいなもんなのかな。

 思い起こせば,(廃止を希望していた)鹿島鉄道が5年間の必要支援額として提示したのが約11億円。公共交通利用の促進によって道路の渋滞を緩和し,所要時間の短縮(もともと鉄道のほうが早い)や定時性の確保による時間損失解消の経済効果云々……なんぞを計算したら,それこそ吹っ掛けすぎと思われる11億円だって「屁」みたいなもんだったんじゃなかろうか。

鹿島鉄道跡はバス専用道に
 かつての鹿島鉄道石岡駅。[2004年3月]
 JR常磐線の石岡駅に隣接していて,JRのホームが1〜3番線,4番線は貨物線,5番線が鹿島鉄道線となっていた。

鹿島鉄道跡はバス専用道に
 交換設備のあった玉里駅。[2004年3月]

鹿島鉄道跡はバス専用道に
 石岡〜常陸小川は利用客もそこそこ多かった。[2004年3月]

鹿島鉄道跡はバス専用道に
 常陸小川付近ののどかな風景の中を走るキハ430形ディーゼルカー。[2004年3月]

鹿島鉄道跡はバス専用道に
 浜駅と玉造町駅間の切り通しを行くキハ430形ディーゼルカー。[2004年3月]

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コメント

縁があって、2007年春の鹿島鉄道廃止の前後、沿線を見て回った事がありました。廃止当時から軌道跡をバス専用線に、という話は出ておりましたが、あれから3年、ようやく現実として動き出したようですね。

しかしながら、日常利用する公共交通機関として、3年間の空白はあまりに長すぎたのでは?と、正直心配になってしまいます。

国道6号線と国道355号線が合流する石岡市の山王台交差点を中心にした渋滞は、鉄道廃止直前の2007年当時からして、既に極めて深刻な状態でした。同交差点を中心に、最大5㌔四方の道路で、朝晩を中心に車が全く動かなくなる程の渋滞状況だったのを覚えております。

漏れ聞くところによれば、現地の渋滞状況は、今日では輪をかけて悪化しているとの事です。旧鹿島鉄道利用者の事を思えば、この3年間は、とんでもない通勤・通学地獄に泣かされて来たのではないかと想像するに難くありません。

石岡市のホームページ等を参考にすると、このバス専用道を経由した路線バスは、石岡駅の南側で常磐線を踏切で渡り、石岡駅の西口に、ほぼダイレクトに接続する様です。周辺の幹線道路の渋滞の影響を受ける事は、これならほぼ無くなるものと思われます。

願わくば、沿線住民の3年間に及ぶ我慢の積み重ねを解消して余りある有効利用が為されん事を祈るばかりです。

この件を記事にされている他のサイトを見て気になったのですが、現在工事中のこのバス専用道、主要な道路との交差点付近に、一般車両の進入を防ぐ手だては特に為されていない様子です。

あまり言いたくない事ですが、現地のドライバーマナー(殊に渋滞時のそれ)は、お世辞にも褒められたものではありません。コンビニや一般企業の駐車場、ガソリンスタンドの敷地、酷い例では民家の庭先を渋滞時に堂々とショートカットする、一方通行の生活道路の逆走、農道や児童通学路への強行進入といった事例は、2007年頃現地を見た折に、随分と目にして来ました。

徒に時間をかけたバス専用道計画なのですから、さしあたり、こうした不心得者に対する対策をしっかりと立てて、初手から要らぬつまずきを見せる事の無い様にして頂きたいものですね。

投稿: もりあき | 2010年6月15日 12時30分

 3年間というと,中学・高校だと通学先が変わって,自転車や原付,車での送迎等,別の新しい交通手段で通学していることになるので,そこからまたバスに誘導するのは,なかなか大変そうです。

 遅れ馳せながらもバスに活路を見いだしたなら,まずは定時性の確保でしょうね。ときどき渋滞がひどくて遅れるようだと,やっぱり利用者は離れてしまいます。
 一般車両の進入を防ぐ手だてを講じていないのは,ちょっと心配ですね。

 常磐線は踏切で渡ることになるんですね。なるほど,そういうアイデアには気がつきませんでした。一般道じゃないから,踏切待ちで渋滞するわけじゃないですね。

 このBRTが成功するかどうかは,おっしゃる通り最初が肝心ですね。一度「やっぱりダメ」というイメージが生じると,ズルズルと悪い方向に行ってしまいそうです。何とか成功してほしいものです。

投稿: 三日画師 | 2010年6月15日 20時37分

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