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2010年6月 8日

北陸鉄道の鉄道事業が約1億円の赤字……存続問題へ

 北陸鉄道 4期連続減収減益(朝日新聞)

 北陸鉄道は26日、2009年度の連結決算を発表した。主力のバス、鉄道事業ともに厳しく、4期連続の減収減益となった。特に鉄道事業は約1億円の赤字となり、赤字幅は平成に入ってからでは最大。同社は「このままでは存続は厳しい」として、沿線自治体や県に引き続き協力を求めていく考えを示した。


 北陸鉄道石川線の,鶴来〜加賀一の宮間が昨年10月に廃止されたばかりだが,鉄道事業は厳しい状況にあるようだ(それでも日本航空株の売却損が約1億5千万円ってのは巨額すぎだろ)。

北陸鉄道の鉄道事業が約1億円の赤字……存続問題へ
 水が入ったばかりの田んぼの中を走る石川線の電車。[2004年4月30日撮影]

北陸鉄道の鉄道事業が約1億円の赤字……存続問題へ
 現在の石川線の終点,鶴来駅。[2004年4月30日撮影]

北陸鉄道の鉄道事業が約1億円の赤字……存続問題へ
 石川線のかつての終点,加賀一の宮駅。[2004年4月30日撮影]

北陸鉄道の鉄道事業が約1億円の赤字……存続問題へ
 浅野川線粟ヶ崎駅横の大野川の鉄橋を渡る電車。[2004年4月30日撮影]

北陸鉄道の鉄道事業が約1億円の赤字……存続問題へ
 浅野川線の終点,内灘駅を出た電車。[2004年4月30日撮影]

北陸鉄道の鉄道事業が約1億円の赤字……存続問題へ
 石川線野町駅に隣接するバスターミナル。[2004年4月30日撮影]

 北陸鉄道には,金沢駅の地下と内灘駅を結ぶ浅野川線と,金沢市の中心繁華街である香林坊・片町から約1km離れたところにある野町駅から,JR西金沢駅を経由して鶴来までを結ぶ石川線の2路線がある。
 石川線は鶴来〜加賀一の宮間が廃止になったように,かつては加賀一の宮,白山比咩(しらやまひめ)神社へのアクセス線として参拝客で賑わったようだ。

 しかし,残念ながら金沢市内の繁華街へは,手前の野町駅でバスに乗り換える必要があることから,金沢市街へのアクセス手段としては魅力を失っているように思う。かつては,北陸鉄道金沢市内線の路面電車が市内を縦横に結んでいたが,道路の混雑を理由に1967年に廃止されている。
 せめて,JR金沢駅〜武蔵ヶ辻〜香林坊〜片町〜野町という路線が一本だけでも残っていれば(理想を言えば,武蔵ヶ辻から茶屋街に近い橋場町〜兼六園下〜香林坊というループがあれば,観光客の訪問先もほぼ満たす),周辺地域から市街地への交通アクセスがずいぶん楽だったのではないかと思う。

 金沢市は,北陸自動車道を使って金沢観光に訪れる人のために,インターチェンジに近い駐車場を利用して,パーク・アンド・バスライド(金沢郊外で,マイカーからバスに乗り換えてもらう施策)を行っている。
 そのおかげもあってか,あるいは公共交通機関を利用する観光客の量をさばくだけのバスの運転本数が不足しているのか,連休時などのバスの混雑は大変なものになっているという話を聞く。

 金沢の地図を見るとわかるように,繁華街が古くからの主要道路に沿って存在しており,繁華街を迂回するようなバイパス的道路が整備されていない。それゆえ,ヨーロッパの城塞都市のように,旧市街へのマイカー乗り入れを禁止し,旧市街へ入れるのは公共交通機関のみとするのは困難な状況だ。

 勝手な妄想を書くと,金沢とライバル関係にある富山(金沢はライバルとは思ってない?)が推進しているLRTの導入を検討してみてはどうだろうか。北陸自動車道のIC(2カ所ある)から金沢駅を経由し,武蔵ヶ辻〜香林坊〜片町〜野町と国道159号線にLRTを走らせる。
 金沢駅と野町駅から,LRTは北陸鉄道の浅野川線,石川線にも乗り入れる。金沢の繁華街へ電車やバスの乗り換え無しに行くことができるようになれば,人の流れも変わってくるのではないだろうか。

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コメント

しかし、ほとほと呆れる記事内容ですねぇ。

鉄道存続は厳しい…なんて言いつつ、しれっと日航株の損失が1億5千万円とか。あれだけ以前から日航の経営危機が表面化してた中で、どんだけ呑気な経営陣なんだ?北陸鉄道は?

利用者や行政に支援を仰ぐ前に、責任の取り様、ってものが有りそうに思うのですがねぇ。

投稿: もりあき | 2010年6月 9日 00時41分

私が金沢の街を最後に訪ねたのは、もう20年も前です。ですから、金沢市内における現在の片町や香林坊地区の商業のポテンシャルが、どの程度のものなのかは良くわかりません。

この20数年で、全国の地方都市の中心商店街の多くが、空洞化という衰退現象に悩んでいます。片町や香林坊は、どうなのでしょうか?石川県も、ご他聞に洩れず車社会化が進行している様ですので、郊外における新たな商業施設集積や、それに伴う局所的な交通渋滞が多く発生している事と思われます。観光都市でもある金沢市ですから、市街地中心部への車の流入量も、京都市の場合などと同じく、飛躍的に増加している事でしょう。

京都市が嵐電の北野白梅町~出町柳間のLRT軌道新設(復活?)計画を凍結した様に、中心市街地において、人口の空洞化に反比例する様に車の通行量だけが増加していく地方都市の現状の元では、一旦撤去してしまった鉄軌道を復活させる事は一筋縄では往かないのですね。

経済の世界で、“失われた10年”というフレーズが語られ出してから随分経ちました。都市計画の視点から見ると、この国では、特に地方において「(その街において)いかに暮らし続けていくか?」という問いが、高度経済成長以降全く為されて来なかった、というツケが、“失われた10年”(実質的にはもう20年近く)の間にボディーブローの様に効いて来た気がします。

個人の私的所有物に過ぎない自動車というモノに、目先の利便性に囚われ過ぎて、通勤手段、業務上の移動手段という社会的インフラ部分を過度に依存してきた結果、今日の地方都市では、中心市街地という概念自体が全く崩壊しつつあります。

金沢市の様に、歴史的な見所を多く持ち、戦前から続く市街地が拡がっている街では、市街地空洞化、交通渋滞、公共交通機関の衰退と言った諸問題に対し、纏まった解を見出す事は極めて困難な状況と言えます。

結局は、際限の無い車の利用、という状況に対し、法的な対応も含めて「縛り」を掛けていく、また同時に、商業施設や住居の立地に関しても、景観や公共性という観点から新たな「縛り」を掛けていく、という方策しか無さそうな気がしますが、これはこれで国民的な議論を必要とする、高度に政治的な話になってしまいます。LRTの導入などという施策も、その辺のコンセンサスが出来上がってからなのでしょう、本来ならば。

千円高速、なんて人気取りのバラ撒き的施策を野放図に続けている現状では、そこまでの話に持っていくのすら、いったい何年先になるやら…。

すみません、何か延々と愚痴っぽくなってしまいました。

投稿: もりあき | 2010年6月 9日 02時02分

 私は5年前にバスで金沢の中心街を通っただけですので,上っ面だけ見た印象ですが,片町・香林坊や,バスが駅に向かって曲がった武蔵ヶ辻(近くに近江町市場があるはず)を見た感じでは,地方の中核としてしてはかなり規模の大きな繁華街が形成されていました。

 ただ,おっしゃる通り車の量も半端じゃなかったですね。金沢市がパーク・アンド・バスライドに積極的だったのもわかる気がします(どこまで成功したのかはよくわかりませんが)。

 金沢の街は広くて,香林坊・片町・兼六園・近江町市場・茶屋町を歩いて見て回るのは難しく,さらに周辺には大学や病院が分散しているので,公共交通機関を体系立ててまとめないと大変だと思います。実態を知らないで書いてるので,「全然困ってないよ」なのかもしれませんが。

 私も,都市の再生には中心市街地でのマイカーの制限,徒歩で回遊できる空間と代替交通手段の確保が必須だと思っていますが,おっしゃる通り,自動車の“目先の”利便性は強力ですから,コンセンサスを得るのは難しいでしょうね。

投稿: 三日画師 | 2010年6月 9日 09時01分

北陸は我が国屈指の豪雪地帯として有名です(世界的に見ても、温帯域のど真ん中に、これだけ降雪の有る地域は極めて珍しいとかいうレベル)。そこに連なる、富山市、高岡市、福井市といった中規模な都市群には、冬場の公共交通手段の確保という観点から、市内軌道線や、市街地中心部に乗り入れる地方鉄道が現在も残されています。

対して、この地域の中枢とも言える金沢市や、本州日本海側唯一の政令指定都市である新潟市の中心街からは、JR線以外の鉄軌道が排除されてしまっています(新潟市に至っては、平成になってから、唯一市街地に乗り入れていた新潟交通線が廃止に)。北陸地域では、この様に都市の規模が大きくなる程、市内の交通手段が市民の自主的努力(=自家用車の運転)に依存する、という奇妙な現象が起きています。

より現代的、都会的な消費生活への指向が強まる地域ほど、車社会に依存する傾向が強まるのは、この北陸の事例、東京から50~100㎞内外の北関東地域における、巨大なロードサイド店舗群の乱立事例を見ていても明らかでしょう。

極端に車に依存した社会が存在する場所が、実は本当の田舎と言うよりは、都会と田舎の中間に近い地域にこそ存在するという事実は、もっと政策的に注目されていい実態かと思われます。

投稿: もりあき | 2010年6月 9日 11時31分

 都市の規模と交通手段について,面白い考察ですね。

 人口20万人ぐらいの規模の都市が一番住みやすい,という話を昔々に聞いたことがあります。理由は忘れました……。
 現在の都市の人口で考えると,まさかそんなことはないだろうと感じますが,1970年ぐらいの20万都市と考えると,青森,前橋,福島などがそのぐらいなんですよね。

 その頃の地図……たとえば,4/15の記事「東北新幹線青森延伸のジレンマ」 https://mikkagashi.cocolog-nifty.com/kasukadari/2010/04/post-9ee4.html の地図を見ると,市街地は非常に小さくまとまっていて,現在のように郊外には広がっていないんですね。

 今,それらの都市は,人口が30万人前後になっています。町村合併で増加した分も考慮すると,元々の都市の人口はさほど増えているようには思えませんが,市街地・住宅地の面積は数倍の規模になっていて驚きます。住民が日常生活で移動する距離も,それに比例して増加しているでしょうね。

 現在,北関東で20万人ぐらいの都市は,その郊外に膨張した部分の割合がもっと多くなっていて,必然的に車依存社会になっていると思われます。

 そういう社会を希望した結果だと言われれば,肯くしかないですけどね。

投稿: 三日画師 | 2010年6月 9日 19時22分

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