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2010年4月の11件の記事

2010年4月28日

熊本市電の熊本駅前−田崎橋電停間がサイドリザベーション化

 市電軌道、歩道寄りに JR熊本駅前~田崎橋間(熊本日日新聞)

 熊本市電のJR熊本駅前-田崎橋電停間で軌道を道路中央から歩道側に寄せるサイドリザベーション工事が終わり、26日から新軌道での運行が始まる。新たに軌道を整備してサイドリザベーション化するのは「全国初」(幸山政史市長)という。

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JR熊本駅前電停の「大屋根」も姿を現した=21日、熊本市春日(石本智)

(リンク切れ) 熊本市電のサイドリザベーション化で26日から供用が始まる新軌道(左側)と、市電が通る現在の軌道=21日、熊本市春日(石本智)

 2010年3月29日のエントリ「熊本駅前広場整備計画について」で書いたように,熊本駅前−田崎橋電停のサイドリザベーションはすごく良い判断だと思う。これで熊本駅前を通過する車と熊本市電の交差が一カ所減少することになる。
 同じことを書くが,熊本駅の北側でもサイドリザベーション化も進めたら良いんじゃないかと思う。

 それにしても,驚いたのが,熊本県による熊本駅舎と駅前広場の完成予想図の公開(3月27日)から,工事に取りかかる早さである。計画が決まったのはずいぶん前のことなので,駅前広場の特殊なかたちの屋根の材料等の手配も事前にできていたのだろうが……。むしろ完成予想図の公開が遅れた可能性が高そうだ。

 2010年3月29日のエントリ「熊本駅前広場整備計画について」の画像のリンクが既に切れてしまっているが,今回既に出来上がりつつある丸みのある屋根(空に浮かぶ雲をイメージしたものらしい)を見て,肥後もっこすの皆さんはどう感じるのだろうか。その点が気になってしかたがない。

 あっ,それから幸山市長のおっしゃる「新たに軌道を整備してサイドリザベーション化するのは全国初」というのは,意味がよくわからなかった。センターからサイドに移設したのは全国初というのならわかるが,(廃止済みとはいえ)美濃町線の日野橋付近,上芥見付近,下有知付近は,最初に美濃町線を作ったときにサイドリザベーションだったように思うのだが。

# 古い電車については,サイドリザベーションと言わないきまりでもあるのかな。

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夢が現実に…山口百恵「夜のヒットスタジオ」がDVD化

 《ザ・ベストテン 山口百恵 DVD ─ 完全保存版 ─》が手元に届いてから約半年,ゴールデンウィークを前にまた新しいニュースが飛び込んできた。
 待望の《山口百恵 in 夜のヒットスタジオDVD》の発表である。

 以前のザ・ベストテンのDVDに対する拙ブログの記事は,

 残念なのは,番組全体に言えることだが,曲はフルコーラスではなく短縮版になっていることだ。同時期に放送されていた「夜のヒットスタジオ」ではフルコーラスを歌うことが多く,カメラワークも斬新だった。プレイバック Part2などの曲は,フルコーラスを歌わないと歌詞の正確な意味が通じないし,百恵の表現が完結しないわけで(2番の歌詞には「勝手にしやがれ」が2回出てこないと,その2回を微妙に歌い分けることができない),その点では「ザ・ベストテン」の映像に不満がないわけではない。
 とりあえず,ここしばらくはこのDVD三昧と言うことになりそうだ。
「夜のヒットスタジオ」の山口百恵完全保存版を期待しながら……

ということで,最後は「夜のヒットスタジオ」における山口百恵完全保存版の映像を希望するところで終えた。
 ザ・ベストテンのDVDは素晴らしい内容だったが,これが出て,売れるのであれば,ダン池田とニューブリードをバックにフルコーラスを歌っている「夜のヒットスタジオ」が売れないわけがない……という勝手な希望を書いたつもりだったが,それが本当のものになってしまった。

 夜のヒットスタジオはザ・ベストテンよりも古い番組なので,山口百恵が若かった頃からの映像も収録されている。デビュー当時は音域も狭く,音程もなかなか安定していなかったが,夜のヒットスタジオDVDに収録されている“ささやかな欲望”あたりの曲を境に,急激に表現力が付いていったように思う。

■ 夏ひらく青春

 “夏ひらく青春”は1975年6月,百恵16才時に発売。百恵初期の「青い性路線」の最後とも言える曲だ。

■ ささやかな欲望

 “ささやかな欲望”は1975年9月,百恵自身10枚目のシングル盤として発売。わずか3ヶ月しか違わないのに,歌に表現力が付いて,みるみる上手くなっている。何かを表現したいという情熱のようなものが溢れてくるような感じだ。
 個人的には,この“ささやかな欲望”が,百恵にとって大きなターニングポイントのひとつだと思っている。

■ 横須賀ストーリー

 “横須賀ストーリー”は1976年6月,百恵17才時の作品だ。百恵が大きく飛躍したことを,この歌を聴いた人は誰もが認めるようになった(と思う)。
 急な坂を登ったら横須賀の軍港が見える,話しかけても気づかずに小さなアクビを重ねるような彼氏,でもそんな潮の香りがする少年に,これっきりこれっきりですか……と訊ねながら,最後は波のように体を重ねる切ない女の子を見事に歌っている。

■ イミテーション・ゴールド(夜のヒットスタジオじゃない番組)

 “イミテーション・ゴールド”は1977年7月,百恵18才時の作品。百恵は完全に歌謡界の中心に立たんとしていた。若いと思う今年の人よ,声が違う・年が違う・夢が違う・ほくろが違う…とたたみかけるところの表現が素晴らしい。彼氏と対等以上の関係を持つ若い女を表現し,このあたりで「(当時流行った)ウーマンリブ・自立する女性」の評価を得たような気がする。

■ 秋桜(ラストコンサートでの歌唱)

 “秋桜”は1977年10月。18才の百恵は,歌詞の内容に当時はぴんと来なかったと話しているが,持ち前のビブラートの少ないストレートな歌い方と,濁音鼻濁音もちゃんと使い分けた綺麗な日本語で歌い,「青い性路線」や「自立する女性路線(ツッパリ)」に付いていけなかった主婦層・じいさん・ばあさんにまでファンを広げていった。

# 評論家の平岡正明氏は,「庭先で咳をする母」が母親にしては年老いすぎているんじゃないか,と批判していたが,確かにそう聞こえてしまうところはある。

■ その後
 その後は,“プレイバックPart2”,“絶体絶命”,“いい日旅立ち”,“美・サイレント”……と,もうアイドルの範疇を超えた存在感を示して行く。その変貌振りを見るのも楽しみだ。

 歌の部分以外にも,

◇「夜のヒットスタジオ」でのトークや「歌謡ドラマ」コーナー等の秘蔵映像
◇最後の出演となった「特集サヨナラ山口百恵」('80年10月6日放送)完全収録
◇その他フジテレビ出演映像を凝縮した特典映像収録

などが付いているらしい。本当に楽しみなDVD BOXである。

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2010年4月26日

余部鉄橋架け替え後の来春,特急「はまかぜ」が新型車両に

 特急「はまかぜ」への新型気動車の投入について(JR西日本)

(1)投入車両数: 21両(3両編成×7本)
(2)最高運転速度: 130km/h
(3)走行線区: 大阪~鳥取間
(4)外観デザイン: 沿線の緑豊かな自然を背景に映え、暖かみが感じられる、茜色のカラーリングとしています。

(リンク切れかな)

 現行の特急「はまかぜ」はキハ181系ディーゼルカーで運行されている。キハ181系は昭和40年代(1970年頃)に作られた車両だから,約40年も走り続けたことになる。幼い頃,郡山駅で見た特急列車は,仙台からの「ひばり」や山形からの「やまばと」は電車化されていたが,秋田からの「つばさ」はキハ181系で運行されていて,停車しているときのアイドリング音と,発車時の油煙が印象に残っている。
 10年ぐらい前に山口線で特急「おき」に乗ったとき,既に車内設備の老朽化が相当に進んでいると感じたぐらいなので,JR西日本が発表した新型気動車の投入は遅すぎたぐらいの印象だ。

 6年前に撮影した特急「はまかぜ」はキハ181系7両編成だった。新しい車両は3両編成×7本なので,閑散期には3両編成,繁忙期には3両×3両の6両編成での運用になるのだろうか。グリーン車はどうなるのだろう。

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 余部鉄橋を渡る特急「はまかぜ」。2004年5月3日に撮影。

 運用を外れるキハ181系ディーゼルカーはどうなるのだろうか。鉄道ファンに大人気の車両で,国鉄色への塗り替え希望も多かったように思う。私も国鉄時代の塗り分けがスマートで格好いいと思っている。
 国鉄色に塗り替えて,イベント運転に利用する……ということも考えられるけど,でも,国鉄色への塗り替えが収益に結びつくのであれば,JR西日本はとうにやってるかな。

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2010年4月23日

山口県のガードレールは黄色い!

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 2003年1月3日に撮影した山口県萩市倉江付近のガードレールだ。確かに黄色い(オレンジ色)。気になってはいたが,その後はそのままになっていた。

 先日Twitterで山口県のガードレールが黄色いのが不思議だ。なぜだろう?……という話が出て,調べていったら,山口県の広報広聴課にたどり着いた。

Q. 山口県の道路には、黄色いガードレールを使った道がありますね。県外の方から、なぜ?とよく聞かれますが、何か理由があるのですか?

Answer
 ガードレールのことは、ぜひ聞いていただきたかったことなんですよ。黄色いガードレールは、全国でも山口県だけだと思います。これは昭和38年の山口国体開催にあたって、山口県で何か特色のあるものを作ろうと考える中で、県道のガードレールを県特産の「夏みかん」の黄色にしようという発想が生まれたんです。

 あーあ,スッキリした。疑問に思っていたことが解決すると,非常に気持ちが良い。

 ついでに,上の写真の黄色いガードレール(狭いところは車が一台通るのがやっとの幅)の道を歩いて撮りに行った写真が次のキハ181特急「いそかぜ」の写真。当時はだいぶ「撮り鉄」の意識が残っていた頃だった。

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 2003年1月3日:玉江−三見 間で撮影。

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「冬ソナ」ならぬ「なまはげ」に韓国人殺到?

 韓国人ファン、秋田に殺到 ドラマ「アイリス」効果(朝日新聞)

 韓国で昨秋に放送された人気テレビドラマ「IRISアイリス」のロケ地となった秋田県に、韓国人ファンが押し寄せている。低迷していた観光地をにぎわせ、一時は運休が検討されたソウル便も上昇気流に乗せた。21日から日本でも地上波放送が始まり、関係者は「冬ソナ」現象で日本人客が多数訪れた韓国の逆パターンとして観光客増を期待している。

 ロケ地巡りってのは面白い現象だね。私はTVドラマをほとんど見ない(大河ドラマの「独眼竜政宗」がたぶん最後ぐらい)けど,ドラマ(やテレビ)に出ていた「あの場所(あの建物・あの線路……等)」が気になるという気持ちは良くわかる。
 でも,さすがにロケ地巡りをする気にはならない。「冬ソナ」で韓国に押し寄せた日本人も,「IRISアイリス」で秋田に押し寄せた韓国人観光客も,通底する気持は同じなんだろうね。

 気になるのは,「なまはげ」は,どこかの大きな広場でまとまって行う伝統行事ではなく,各家々を「なまはげ」役の男が歩き回るものだから,知名度がある割りには集客に繋がらない行事なのではないかと言うところにある。

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 男鹿線の終点の男鹿駅(元船川駅)横の,男鹿観光案内所の横にある「なまはげ」像。すばらしく良くできているけど,残念ながら「なぐごはいねが〜」と動き出したりはしない。本物を生で観ないと感動するのは難しい。

 というわけで,秋田—ソウル線が人気になっているのは大変嬉しい話だが,観光客誘致に「なまはげ」を活用するのであれば,話題になっている今のうちに上手い方法を考えて置いたほうが良さそうだ。

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 男鹿線の終点男鹿駅に停車するディーゼルカー。
 男鹿駅構内には,船川港間まで延びていたころの線路や側線が多く残っていて,かつての賑わいを感じさせる。

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2010年4月21日

どこで買うとデジカメ用充電器等の模倣品を掴まされる?

 ニコン、デジカメ用充電器の模造品に注意を喚起(デジカメWatch)

 ニコンは13日、デジタルカメラ用充電器の新たな模造品が流通していると発表した。模造品は事故や故障の原因となるため、純正品の使用を勧めている。

 今回、流通しているのが判明した模造品は「クイックチャージャーMH-18」と「バッテリーチャージャーMH-63」の2種類。MH-18(EN-EL3用)の対応機種は、デジタル一眼レフカメラ「D100」および「D70」。MH-63(EN-EL10用)の対応機種は、COOLPIX S570/S4000/S3000/S700/S600/S520/S510/S500/S230/S220/S210/S200/S60。

 ニコンの「デジタルカメラ用アクセサリーの模倣品の実例」のページには,純正品と模倣品を並べて比較しやすい表示になっている。

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 はっきり言って,片方ずつ見せられたら区別ができないほどの模倣具合である。リチウムイオンバッテリーはエネルギー量が大きなだけに,トラブルがあったときに大事故に繋がりやすい。恐ろしくて,こんなものを掴まされたくない。

 また,この模倣品の充電器だけでなく,以前からバッテリーそのものの模倣品も流通しており,ニコン他が注意を喚起している。

 さて,このようなバッテリーや充電器の模倣品だが,どこの店で買うと模倣品を掴まされるのだろうか。流通の途中で紛れ込んで,普通にカメラ屋に行った場合でも掴まされてしまうことがあるのだろうか。それとも,怪しげなジャンク屋や隣のあの国やあの国の店で安く買ってきた場合だけ心配すればいいのだろうか。
 メーカーの説明には,そのぐらいの情報は書いておいてほしいものだ。

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JR北海道の特急展望室が廃止に……

 JR北海道:特急展望室を廃止 衝突事故受け(毎日jp)

 JR北海道は安全性を優先し、特急4車種5列車の先頭車両に設置されている展望スペースを立ち入り禁止にすることを決めた。今年1月に北海道深川市のJR函館線踏切で起きた特急列車とトラックの衝突事故を受けたもので、早ければ5月にも実施する。展望スペースは運転手の目線を体感できることから、鉄道ファンや親子連れなどに人気があり、残念がる声も聞こえてきそうだ。

 今年1月の事故というのは,1月29日にJR函館本線深川−妹背牛駅間の踏切で,旭川発札幌行き特急スーパーカムイ24号がダンプカーと衝突し,特急の前面が大破して1両目が脱線したという事故だ。

 JR北海道の特急用車両4系統の先頭貫通路部分には客が自由に入れるようになっていて,列車の前面展望が見ることができるため,鉄道ファン・親子連れには人気だったのだ。本来は,保線員が線路の監視を行うためのスペースだという。
 1月の事故では,幸い展望スペースに誰もいなかったため,乗客が悲劇に巻き込まれることはなかったが,展望スペースに乗客がいる状態で同じような事故が発生した場合,乗客の安全を守ることはできないという判断から,展望スペースへの立入禁止措置が取られることになった模様。

 対象となる列車はたぶん以下の通り。
  ・キハ261系(スーパー宗谷,スーパーとかち)
  ・キハ281系(スーパー北斗)
  ・キハ283系(スーパーおおぞら,スーパーとかち)
  ・789系(スーパー白鳥)

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[2004年8月1日:新札幌駅]283系気動車「スーパーおおぞら」

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[2004年8月4日:苫小牧駅]281系気動車「スーパー北斗」の展望室に男の子が立っている

 でも,前面展望が危険だという話になると,小田急のロマンスカーなど,前面展望をウリにしている列車への波及がないかどうか気になるところである。

 毎日jpでは,展望スペースのある特急列車を運行しているJR九州も取材しており,

 JR各社によると、展望スペースのある特急列車はJR九州管内で2列車が運行しているが、JR九州広報室は「立ち入り禁止にする理由がない」と話している。

という回答を得ている。
 前面展望は鉄道ファンの夢でもあるので,各社工夫して今後も実現していってもらいたい。

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2010年4月15日

東北新幹線青森延伸のジレンマ

 JRが青森駅近くにも商業施設(青森新聞)

 12月の東北新幹線の全線開業に向け、JR東日本は6日、JR青森駅近くの青森港敷地内に、りんごをテーマにした商業複合施設を開発する、と発表した。同社は新幹線の新駅となる新青森駅内にも商業施設を造る予定だが、「青森駅周辺のにぎわい作りに行政が苦労しており、協力したい」として計画を立てたという。(別宮潤一)


 東北新幹線の青森延伸工事は順調に進んでおり,「今年12月に開業する東北新幹線八戸―新青森駅間(約82キロ)で13日、新幹線車両による試験走行が始まった(読売新聞)」。試験走行をするイースト・アイ(検査車両)の姿はテレビ中継もされた。

 ただ,東北新幹線および並行在来線の八戸以北のことを考えると,「みんなが望んだフル規格新幹線」がちっとも夢を感じさせてくれないし,実際に駅や街の状況を見ると暗澹たる気持になる。

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 ひょっとしたら,10年以上も前から三沢駅周辺などに掲げられていた「ミニ新幹線歓迎」のように,フル規格にこだわらず,ミニ新幹線にしておいたほうが青森県の各地にはメリットが多かったんじゃないかと思う。ミニ新幹線ならば,新幹線は現在の青森駅まで乗り入れることができるのだ。
 そう感じるほど,東北新幹線の八戸以北はスジの悪い路線になっているように思う。

【青森駅周辺の東北本線の変遷】
 まず,青森駅および青森駅周辺の東北本線経路の推移を見てみたい。ここは,国内でも有数の経路変更があったところで,その路線の変化を見ると,そこにドラマを感じるとともに,青森市の運の悪さを感じざるを得ない。

Photo
 [現在のGoogleマップに,路線の変更がわかるように線路跡を追加してみた]
 赤丸:青森駅(現行駅)
 緑丸:新青森駅(東北新幹線の駅と奥羽本線が交叉することになる)
 赤線:初代東北本線跡地で,現在の「旧線路通り」。当時の東北本線は単線。
    1926年(大正15年)青森操車場完成に伴う東北本線のルート変更
    に伴い黄線ルートに移設した。
 黄線:合浦公園に近い浪内(なみうち)駅,平和公園付近の浦町駅があった。
    列車が青森市内に入って,家々の間を浪内・浦町と走る姿は,旅人に
    郷愁をもたらすものだったそうだが,複線化用地の買収の困難さから,
    1968年(昭和43年)当時はほとんど建物が建っていなかった青線の
    ルートに移設することになった。
 青線:現在の東北本線のルート。青森市内の南側を大回りしている。
    敷設当時は市街地のはるか南を通るルートだったが,現在の姿を
    Googleマップの航空写真で見ると,住宅地は東北本線の南側まで
    広がっており,青森自動車道付近に達している。

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 [5万分の1地形図(昭和37年修正)「青森東部」:堀淳一著『地図を歩く』]
 昭和37年には東北本線が青線のルートを走っていることになっているが,まだ編集が追いついていないらしく,この地図には黄線ルートの浪内・浦町を走る東北本線の姿が記録されている。浦町の南側にはまだ広大な田んぼが残っていることがわかる。

【新青森駅決定の背景】
 古くから東北本線の南側には基本的に田んぼが広がっており,昭和37年の段階で,都市部分は東北本線の北側にまとまっている。
 青森市は,市街地の南端にあった東北本線を少しずつ南側に押し出しながら,市街地を拡大していった。さらに,マイカー時代となって,住宅地は東北本線の南側にまで大きく広がり,現在では青森自動車道付近にまで拡大している。一部では青森自動車道よりもさらに南側に住宅地ができていることがわかる。


 [Googleマップ]

 東北新幹線の北海道への延伸を考慮すると現青森駅に新幹線の駅を持ってゆくのは難しいというのが,国鉄時代からの説明だった。
 私は,なんとか現在のJR青森車両センター付近や,東北本線と奥羽本線の短絡線あたりに駅を持って来れなかったものか……と思っていたのだが,青森自動車道付近にまで広がった市街地(Googleマップ参照)を見ると,そこを突っ切って新幹線の線路を造るには,膨大な用地買収費用がかかり,現実的ではないと理解した。
 結局,新幹線は青森の市街地南部を迂回して,新青森駅に至る経路となった。

【コンパクトシティ青森との矛盾】
 現時点で商業施設等のない奥羽本線新青森駅に東北新幹線の駅を作ると言うことは,駅周辺を再開発すると言うことになる。大きな駐車場は必要だし,ショッピングモールもできるに違いない。
 青森市が行ったアンケート結果を見ても,県民が望んでいるのは現青森駅経由の交通(鉄道・バス)ではなく,新青森駅までを直接結ぶ交通である。
 地図を見ると,もう既に多くの区画整理事業が始まっているようだ。近くには東北自動車道の青森ICがあり,国道7号バイパスとのジャンクションもある。新青森駅が青森市の新たな核になることは間違いない。

 さて,青森市といえば「コンパクトシティ」である。郊外に散らばってしまいがちな,病院や市役所,県庁,裁判所などを商店街のある市の中心部に集中して配置し,公共交通機関と徒歩で買い物から各種手続きまでができるようにすることを目指した取り組みだ。富山市もコンパクトシティ化に力を入れていることはよく知られている。
 数年前に青森の商店街を歩いたときには,シャッター通りが消えて,街に賑わいが戻ったと言うところまでは行っていなかったが,今後の成功には期待している。

 ただ,今回,新青森駅が青森市の郊外にでき(できることは国鉄時代から決まっていたわけだが),新たな核になるということは,コンパクトシティの動きからは完全に外れてしまっている。どういう対策を採っていくのかが興味深い。
 JR東日本が現青森駅近くの青森港敷地に商業施設を作るという冒頭のニュースは,その対策の一環と言えるだろう。
 現在は,八戸から青森を経由して函館方面を結ぶ特急列車や,弘前方面から青森を経由して八戸を結ぶ特急列車が頻繁に発着する青森駅だが,東北新幹線の新青森駅が開業するとそのほとんどは消滅することになる。青函連絡船が無くなって急に賑わいが無くなった青森駅が,さらなる試練を受ける。

 ついでに言えば,青森−八戸間の並行在来線。ここが丸ごと第三セクターの青い森鉄道の運営になるわけだが,途中駅に野辺地町(人口1万4千人),東北町(1万9千人),三沢市(4万2千人),おいらせ町(2万4千人)ぐらいしかなく,JR貨物の通行量が頼りの路線になりそうだという心配がある。

 八戸−新青森をイースト・アイが試験走行をしたというニュースの日に,暗い話題になってしまった……。北海道新幹線は,新青森だけじゃなくて新函館も新小樽も,そして青函トンネルも,筋が悪いというか,上手くやらないと市民が喜べない新幹線になりそうな予感がするんだよねぇ……。

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2010年4月14日

地下鉄東西線でワイドドア運行。効果はいかに?

 地下鉄東西線に新型車両、混雑緩和へドア幅50cm拡大(朝日新聞)

 東京メトロは5日、東西線で5月中旬にデビューする新型車両「15000系」を同社深川車両基地(東京都江東区)で公開した。同線は混雑率が全国の私鉄でワースト1で遅れが目立つ。新型車両はドアの幅を従来より50センチ広げ、乗降のスピードアップを狙う。

従来型の車両(奥)と比べ、ドア幅が50センチ広くなった「15000系」=5日午後、東京都江東区、長島一浩撮影
従来型の車両(奥)と比べ、ドア幅が50センチ広くなった「15000系」=5日午後、東京都江東区、長島一浩撮影

 ということで,従来のドアの幅が1300mmだったところを1800mmに広げ,混雑率が全国私鉄ワースト1で,遅れが目立つ状況を解決できるかどうかが楽しみだ。

 ただ,このニュースを呼んで思い出すのは,小田急線のワイドドア1700形(or 1500形?)の2000mm幅の超ワイドドア車のその後である。
 結局,小田急ではワイドドアは利用客に受け入れられず,2000mm幅ワイドドア車の寿命は非常に短いものだった。

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 2003年9月6日撮影。小田急自慢の2000mm幅の超ワイドドアは改造されて,他の車両に合わせて1600mm幅に改造されている。
 外から見ると扉が途中で止まっているように見えるが,車内から見ると,完全に扉が閉まっているように,案外上手く改造が施されている。

 乗り換え時間を大幅に短縮する予定だった小田急の2000mm幅のワイドドアが,結局挫折してしまった正式な理由は(たぶんどこかにはまとめられているのだと思うが),まだよくわかっていない。

・ドアが広いので,ドアの開け閉めに時間がかかり,無理に乗り込む人がいると,既存のドアより開け閉めが遅くなる。……ホントか?
・ドアが広がった分,着席シートの数が減少した。ラッシュ時などにどうしても座りたい人からのクレームが多かった。

 正直,真相はわからない。ぜんぜん違うところに理由があるような気もする。
 東京メトロのワイドドア車両。1300mmを1800mmに広げて小田急の二の舞になってしまうことがないか,注意深く見守っていきたい。

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2010年4月 7日

JR西日本が赤字ローカル線の一部廃止を言明

 JR西、赤字線をバス転換 (SankeiBiz)

 JR西日本の佐々木隆之社長は5日の記者会見で、赤字ローカル線の一部を廃止し、バスに転換する方向で検討に入ったことを明らかにした。廃止の検討対象にしている路線名は明らかにしなかった。影響のある地方自治体には、廃線とバス転換を受け入れるかどうか既に打診しているという。

 たまたまこのニュースを見つけて驚いている。なにしろ,あちこちで大騒ぎになりそうなこのニュースを大手のメディアはどこも報じてないのだ。

 交通行政が,将来どのような交通網を作るのかのビジョン無しに(あるのかもしれないけど,一般人には全然見えない)高速道路の休日割引,無料化を行ったことによって,各地の公共交通が悲鳴を上げている。宇高航路はひとまず運行継続となったが,伊勢湾フェリー,呉−松山フェリーなどの廃止が発表されている。

 そして,もちろんJR各社への影響は大きい。景気悪化の影響も相まって,赤字ローカル線だけでなく,稼ぎ頭の新幹線の利用客も減少している。運転本数をぎりぎりまで減らした状態の赤字ローカル線が,営業努力で黒字化するような状況ではない。赤字ローカル線沿線の人たちは,既に鉄道を利用しない生活をしているのだ。

 ぶっちゃけて言えば,JR西日本とすれば,収益が見込めず,手放したくて仕方がない赤字ローカル線を手放す理由ができつつあるってことだろう。上下分離方式等,もう少し公共交通機関のことを真剣に考えてくれないとこうなっちゃうよ,というポーズの部分もあるに違いない。

 今後,廃止対象路線発表→沿線自治体大反発→第三セクター化検討→でも採算が……という過程が予想される。

 でも,本当にそれでいいのだろうか?
 ほとんどの人はいいと思っているんだろうな,たぶん。鉄道使わないし。
 広域で体系化されたバス網ができるなら,それはそれでいいような気もするが,バス事業は赤字ローカル線並に疲弊している状況では難しいだろう。

 結局は,交通行政が将来のビジョンを描き切れていないのが問題なのだ。
 鳩山首相は国連の演説で,温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減することを目指すと表明している。では,交通行政では具体的に何をどうするのか。個人的には,貨客輸送の大幅なモーダルシフトしかないと考えている。
 貨物輸送を鉄道・貨物船(そのために全国各地の港湾を整備したんじゃないの?)に移行するのはもちろん,自家用車から鉄道・バスなどの公共交通機関へのシフトも政策で行うしかない。

 しかし,現状の政策は高速道路の休日割引・無料化などまったく逆……というか,将来のビジョンなんて感じられないものになっている。2020年頃には車のほとんどがEVになってくれたら目っけ物,ぐらいの考えなのかもしれないね。

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 備後落合駅。木次線の列車が到着し,芸備線の列車に乗り換えるところ。[2003年4月30日]

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 三次駅の0番線は三江線専用のりばだった。
3月10日の「三次駅の三江線乗り場(0番のりば)廃止」というエントリーに書いたように,3月13日に廃止となった。[2003年4月30日]

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 福塩線の府中駅。福山から府中までは電化されているが,府中から塩町は非電化で運転本数も少ない。[2003年4月30日]

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2010年4月 2日

西尾・蒲郡線とりあえず3年間は存続!

 西尾・蒲郡線存続 (asahi.com)

 乗客の減少で、赤字が拡大している名鉄西尾・蒲郡線(西尾—蒲郡、27・3キロ)の路線維持、存続に向けた7回目の対策協議会が29日、西尾市の同市役所で開かれた。沿線の西尾、蒲郡両市と吉良、幡豆両町の2市2町が2010年度から3年間、運行経費などを補填(ほ・てん)することで名鉄が運行を続けることが決まった。

 問題となっているのは,西尾線の西尾〜吉良吉田,蒲郡線の吉良吉田〜蒲郡の区間である。
 今年の1月に通して乗ってみたが,残念ながら乗客数は厳しいものだった。地図を見ても,西尾線,蒲郡線沿線は,廃止された三河線の末端区間よりも集落が少なく(と言っても,他のローカル線に較べれば恵まれているような気がする),沿線人口も少ないものと思われる。こどもの国と海水浴客の需要がどれだけあるのか,冬の電車の車内からはわから無かったが,こどもの国の需要は自家用車に持って行かれているように見えた。

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 こどもの国駅のホーム。観光地独特の雰囲気はあまり感じられない。[2010年1月1日撮影]

 蒲郡線の電車は終点の吉良吉田駅で,かつて碧南方面に向かって延びていた三河線のホームに停まるようになっている。名鉄広見線の末端区間と同様に,吉良吉田駅の構内で名鉄西尾線とは完全に分離されて,中間に改札が設けられている。
 そんなことから,廃止対象になっているのは蒲郡線(吉良吉田−蒲郡)だけだと思っていた。

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 かつて三河線のレールバスが停車していたホームに停まる蒲郡線の電車。[2010年1月1日撮影]

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 蒲郡線のホームと,西尾線のホームそして駅の改札口の間に設けられた中間改札。蒲郡線の乗客は,駅の外に出るまでに2回改札口を通ることになる。

 名鉄は近年ローカル線の廃止を積極的に行っており,とりあえず3年間の補填が明らかになったとは言え,まだまだ安心できる状況ではない。

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