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2010年3月 6日

「夢千代日記」と余部鉄橋

 風雪100年、いざさらば 山陰線 余部鉄橋(朝日新聞)

 どんよりした鉛色の空に架かる朱色の鉄橋。高さ41メートル、長さは310メートルに及ぶ。海沿いの集落の上を、山陰線の列車が轟音(ごうおん)を響かせ渡っていく。

 「この鉄橋は、どこですか」。窓の外を見た前の席の男性が驚いた表情で尋ねる。殺人事件の捜査で偶然、乗り合わせた神奈川県警の刑事だ。夢千代が静かに答える。「余部(あまるべ)です」

 1981年にNHKで放送されたドラマ「夢千代日記」の冒頭のシーン。夢千代は、山陰の小さな温泉街の置屋を切り盛りする芸者。広島に投下された原爆で胎内被爆し白血病を患う。女優の吉永小百合さんが演じた。

 今秋には新しいコンクリート橋が完成し,その役割を終える余部鉄橋。ドラマ「夢千代日記」を引用したとても良い記事だ。使われている写真も良い。

 ドラマ人間模様「夢千代日記」のオープニングロールは,鎧駅を出た列車の前面展望がやがてトンネルに入り,長いトンネルを出るとすぐ余部鉄橋に差し掛かるシーンで始まっている。どうやら,ドラマの冒頭で刑事が夢千代に鉄橋の名前を尋ねるシーンに繋がっているようだ。

 実は,当時「夢千代日記」を積極的に見た記憶はない。それでも,印象的なテーマ曲とかそれぞれの登場人物の印象が残っていることから,たぶん父か母が好きで見ていたのだろう。既に有名女優だった吉永小百合も,このドラマ以前は少し低迷している感じ(サユリストの方,ごめんなさい)だったが,このドラマで完全に復活したという印象がある。


 映画「夢千代日記」予告編 (Tomorrow's Japanさんの動画)
「夢千代日記」のオープニングロール(YouTubeにminhavozさんがアップしてくださった動画)
 ・作曲 武満徹
 ・演奏 東京コンサーツ
 ・指揮 田中信昭

 オープニングを見ただけで感動できちゃうってのは凄いね。

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[2004年5月3日:余部鉄橋を渡る寝台特急「出雲」]
 ここは有名撮影ポイント。いわゆる「お立ち台」だった。

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[2004年5月3日:橋の袂から見る余部鉄橋]
 橋の袂の説明書きを見るとJR的には「餘部橋りょう」が正しいのかもしれない(駅名は「餘部」)。
 全長310.59m,高さ41.45mのトレッスル橋である。
 写真の右奥の道路際に,1986年12月28日に起きた回送列車転落事故の慰霊碑の菩薩像が見える(写真を縮小してるので米粒よりも小さい)。

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[2004年5月3日:餘部駅ホーム横の壁画]
 餘部駅は余部の集落の人達の請願でできた駅で,建設の際には子供達まで手伝ったのだそうだ。その様子が描かれた壁画である。餘部駅ができる前は,余部鉄橋を渡り,長い於伊呂トンネルなど複数のトンネルをくぐり,隣の鎧駅まで歩いて行ったのだそうだ。

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[2004年5月3日:餘部駅のホームに豊岡行きのディーゼルカーが入ってきた]

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鉄道」カテゴリの記事

コメント

城崎を出て、竹野、佐津、柴山、香住、鎧、餘部…(ちょっと田中冬二の詩っぽくね)山陰本線の旅は、今も昔も鄙びて印象的ですね。
鎧駅から望む日本海、餘部駅からの雄大な鉄橋の眺め。現代の交通手段として鉄道が生き続けていく為には必要な鉄橋架け替え工事とはいえ、この素晴らしく雄大なトレッスル橋が失われてしまうのは忍びないです。
鉄道の沿線風景も良いのですが、この餘部鉄橋の下を潜る道路沿いに拡がる日本海の遥かな眺望、沿道から見え隠れする山陰線列車の姿なども棄て難い魅力があります。ああ、長期休暇取って行ってきたい…。
「夢千代日記」途切れ途切れですが見てました。秋吉久美子さんや樹木希林さんの芸者役、ストリッパー役の緑魔子さんとあがた森魚さんとの絡み等が印象に残っています。
「新夢千代日記」では、今は亡き松田優作氏が、記憶喪失のボクサー役を演じていました。「太陽にほえろ」の刑事役、遺作となった映画「ブラックレイン」の新興ヤクザ役など尖がった演技が知られる彼ですが、このボクサー役はまた、もの静かな中に人の心の機微を感じさせる好演技として印象的なものでした。
山陰線で吉永小百合さん演じる夢千代と乗り合わせた彼が、いきなり列車の窓ガラスを殴りつけて、破片が車窓の外に散らばる描写(あれも餘部鉄橋だったかな?)も、強烈なイメージが残っているシーンです。

投稿: もりあき | 2010年3月 6日 20時48分

 山陰本線の旅はいいですよねぇ。最近山陰に行ってないので,ブログを書いててまた行きたくなりました。

 山陰本線に乗っていると,ときどき車窓に現れる海と集落の佇まいが,本当に魅力的なんですよね。
 たぶんそれは,かつて船が輸送手段だった時代に漁業で賑わい繁栄した後,近代化に乗り遅れてしまったことによって,図らずも残ってしまった風景なので,より複雑なニュアンスでの魅力だと思われます。

 余部鉄橋は,海側から見るのがまたいいんですよね。まだ写真を撮りまくったりせずに旅していた頃,駅から坂を下りて,崩れたような防波堤に寝転がって,鉄橋をゆっくりと渡っていく列車を見たときの光景はいまだに目に焼き付いています。

 新夢千代日記に松田優作氏が出演していたことは,まったく知りませんでした。短い期間に,いろいろなところに強い印象を残して去っていったんですね。

投稿: 三日画師 | 2010年3月 6日 22時16分

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» 餘部駅と余部橋梁と余部鉄橋 [ぱふぅ家のホームページ]
餘部駅山陰本線の駅で、地名である余部と異なる漢字を当てている。1912年から100年間にわたって山陰本線の運行を支えてきた余部鉄橋のある駅として有名。2010年にコンクリート製の余部橋梁に架け替えられ、鉄橋の一部は「空の駅」として保存されている。... [続きを読む]

受信: 2017年9月 1日 12時06分

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