« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月の1件の記事

2009年5月31日

愛用の電卓 《SHARP PC-1211》

090525023125
 古い電卓を愛用している。元祖BASIC搭載ポケットコンピュータのSHARP PC-1211である。1980年発売の製品なので,約30年前の電卓ということになる。購入したときの価格は約4万円で,高かったぁ。

 当時,友人達の多くは,プログラム関数電卓としてCasioのFX-501Pや502Pを使っていたが(中には逆ポーランド記法のHP-35?一派もいた),新しもの好きな私としては,「BASICで遊べる・アルファベットが表示できて,テストの時に電卓が公式を覚えてくれる……」などの学識的な興味(どこが?)から,SHARP PC-1211を買うにいたったのだった。

 30年近くも使い続けて(しかも中途半端なケースのおかげで,何度床に落とされたことか……),数字の「4」と「7」,そして「SHIFT」キーが入りにくいという問題が生じているが,なかなか他の関数電卓を買う気にはなれない。関数電卓には付きものの関数キーは無く,SINなら「S」「I」「N」と関数名を入力する。そこがカッコいいのだ。
 なにしろ,定価が4万3千円だったかのスーパー高級電卓なのである。アルミ製の外装やキーの質感が,そんじょそこらの数千円の電卓とはレベルが違う。アルミ外装の冷たい電卓に触れると,頭の中が冷静になり,計算間違いの確率が23.8%も低減するというデータさえあるのだ(無い無い)。

090525023422
 左サイドには外部接続インタフェースが用意されている。
 このインタフェースを介して,限りなく機能拡張の夢が広がるはずだったが,SHARPから発売されたのは,データ記録用(もちろんデータを音声信号として記録する方式)のカセットテープレコーダインタフェースと,感熱式だったかドットインパクト式だったか,レシート風のロール紙に印刷するプリンタの二種類だけだった。

090531225914
 燦然と輝く「POCKET COMPUTER PC-1211」の文字。プログラミング言語として,当時流行し始めだったBASICを内蔵している。液晶の表示は24桁×1行だけの寂しいものだが,内蔵エディタ(と言えるレベルかどうか,という話はあるかも)に多少工夫があり,当時の最新パソコンPC-8001のBASICより編集しやすいという声も無いことはなかった。

 あまり強力ではない4bitプロセッサー搭載のため,計算速度は笑ってしまうほど遅い。
 ためしに,何の計算もしない空のfor〜nextループを100回設定し,人間が口で1から100まで声に出して数えるのとどちらが早いか勝負をすると,驚くことに本気で100まで数えた無粋な人間に負けてしまうのである。この4bitプロセッサーは,冷ややかなアルミ筐体の中で一生懸命に汗をかいて計算をしているに違いない。間違った結果を出さないようにとの心遣いから,裏で10回ぐらいは検算をしているのだろう。これほど人間味を感じる機械は,矢立峠を越えるD51三重連と,このPC-1211ぐらいしか存在しない。

090531225955
 PC-1211の裏面。PC-1211の通常の消費電力は0.011W (11mW) である。手元に電卓があったら,比較してみてほしい。現在の電卓ではあり得ないほどの大消費電力になっている。これを,4個の水銀電池 (1.35V) で駆動する。10年ぐらい前に水銀電池は生産されなくなり,入手は困難である。幸いなことに,電源の設計に余裕があるらしく,1.5Vのアルカリボタン電池でも問題なく動作している。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »