« BOOKER LITTLE / Booker Little | トップページ | コシナ20mm F3.8を使ってみたが… »

2008年8月29日

kofi / DONALD BYRD


kofi / DONALD BYRD

 ハードバップからファンキー・ジャズにかけてのジャズ・シーンを代表するトランペッター,Donald Byrd。ハードバップ時代の代表作『Fuego (1959, Blue Note)』は,日本のジャズ喫茶で掛からない日はなかったぐらいの大人気盤だ。また,Donald ByrdはBlue Noteの看板トランペッターとして,Herbie Hancock,Hank Mobley,Jackie McLean他多くのミュージシャンの作品にサイドメンとして加わっており,ジャズ界の巨人とは言えないまでも,ジャズを語る上では絶対に欠かせないミュージシャンである。

 このアルバム『Kofi』は,1969年の録音だ。
 当時,ジャズの世界を引っ張っていたと思われたJohn Coltraneがフリー・ジャズの沼に嵌り込むようにしてこの世を去り,御大Miles Davisは「俺をジャズメンと呼ぶな」と呟き,急速に社会的インパクトを強めていたロックの波にジャズは完全に飲み込まれていた。そんな時代の作品である。

 Donald Byrdは,古典的音楽になりつつあったジャズの世界をいち早く抜け出す。1960年代後半からはR&Bやゴスペル,ポップスなどの影響を取り込んでクロスオーバー化し,急速にフュージョンの世界へ移行したのだ。当然,コアなジャズファンからは見向きもされなくなってしまった。

 実は私も,Donald Byrdを初めて聴いたのは大学生になった1979年から1980年頃で,当時の新盤ではなく,『Fuego』や『Byrd in Flight』『At the Half Note Cafe』といったハードバップ時代のアルバムばかり聴いていた。周囲にジャズを聴く友人もなく,本や雑誌(しかもジャズ専門誌)からの知識で頭でっかちになり,フュージョンやジャズロックは堕落した音楽だと思い込まされていたのだった。

 で,そんな呪縛から解き放たれた耳でこのアルバムを聴くと,これがまた何ともカッコイイのだ。

 タイトル曲の「Kofi」では,トランペットとテナー,そしてフルートという珍しい3管のリフからLew Tabackin(秋吉敏子の旦那さんだ)のフルートが抜け出し,リフに絡みつくところが面白い。このあたりはDuke Pearsonのアレンジだろうか。ソロはフルート,テナー,そしてDonald Byrdのトランペット,最後はDuke Pearsonの大人しいエレキ・ピアノと続く。内省的なリフが印象に残る。

Donald Byrd, trumpet; Lew Tabackin, Flute, tenor sax; Frank Foster, tenor sax; Duke Pearson, electric piano; Wally Richardson, guitar; Ron Carter, bass; Bob Cranshaw, electric bass; Mickey Roker, drums; Airto Moreira, percussion; Dom Um Romao, percussion

 1. Kofi
 2. Fufu
 3. Perpetual Love
 4. Elmina
 5. The Loud Minority

Recorded on December 16, 1969 at A&R Studios, New York City

【参考】

Fuego / DONALD BYRD


Byrd in Flight / DONALD BYRD


At the Half Note Cafe / DONALD BYRD

|

« BOOKER LITTLE / Booker Little | トップページ | コシナ20mm F3.8を使ってみたが… »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: kofi / DONALD BYRD:

« BOOKER LITTLE / Booker Little | トップページ | コシナ20mm F3.8を使ってみたが… »