下関の対岸,門司港に向かう。門司港は最近レトロタウンとして人気があるらしい。
門司港駅に行くのは20年ぶり。20年前は九州全域の周遊券を使っての旅行中,宿泊所代わりに使っていた門司港駅始発の夜行列車に乗るのが目的だった(翌朝,目が覚めると鹿児島に着いているという,ありがたい列車なのだ)。

下関から電車に乗り,門司駅で下車。ここで門司港行きの電車に乗り換える。
門司駅の北側は工場跡地だろうか。レンガ造りの重厚な建物が見える。中途半端に改修されているようだが,保存するために残しているのだろうか。

門司駅。

門司港行きの電車(右の赤い電車)がホームに入ってきた。

門司港駅に到着。記憶の中では,古く重厚な駅という印象だったが,なにやら「昭和博物館」的な軽い感じになっていた。

ゆったりとした……というか,がらんとした構内だ。

関門連絡船通路跡が残っている。
すぐにでも取り壊されてしまいそうな状況だが,スペース的に余裕がありそうだし,保存してもよいのではないだろうか。

目立たないように配慮した自動改札機が導入されている。

門司港駅は鹿児島本線の起点となる駅で,かつては下関と門司港を行き来する関門連絡船を利用する客で賑わったところだ。関門トンネルが門司港を素通りして門司駅とつながったことから,門司港駅は九州の玄関口としての役割を終えた。

門司港駅の待合所。


切符売り場。

改札口。


正面玄関横の通路。




レトロ風を装った案内板等ちょっと鼻につくところはあるものの,この駅の造形は見事なものだ。

駅前の広場では,悠然とした猫が観光客の人気を集めていた。

門司港駅の駅舎は国の重要文化財になっている。


駅の裏側に回ると,ひっそりとSLの動輪が展示されている。直径がずいぶん小さい。9600形の動輪だろうか。

旧大阪商船ビル。


駅のすぐそばが港になっている。門司港駅は,連絡線に乗り換えるための駅だったことがわかる。

関門海峡大橋。関門トンネルとこの橋ができたことによって,門司港の役割はほとんど終わった。しかも,関門トンネルは,門司港駅を素通りし,門司港よりも二つ小倉寄りの門司駅で地上に出る。

防波堤ではオッちゃんたちがイカ釣りに興じていた。結構良く釣れていた。


見事な建築物の前に,無粋な路上駐車。せっかくの造形美が台無しである。この場所に短い時間しかいられない人(俺を含む)にとって,見た目を台無しにするという意味で,建築物に汚いラクガキがあるのと同等である。

日本船舶通信ビル(旧福岡銀行門司支店)。無粋な看板だ。

町には立派な古い建物があちらこちらに残っている。こういう建物が残っているのは,繁栄していた街が,その後時流に乗り遅れてしまったからなのだろう。皮肉なものである。




レトロタウンということで人気が出ている門司港だが,あちこち歩いてみた印象では,観光客が集まっているのは,レトロじゃない現代風のショッピングゾーンばかりだった。


門司港駅に戻る。駅構内には,ここが鹿児島本線の起点であることを示す0哩(ゼロマイル)標や腕木式の信号機,SLの動輪が展示されている。こっちの動輪は8620形のものである。

小倉の宿から,小倉港のある門司,下関方面を臨む。

小倉港の石油タンク。

小倉駅付近。小倉駅ホームに入線する新幹線と,山陰本線からのディーゼル特急「いそかぜ」の両方を,良いタイミングで撮りたかったが無理だった。

見晴らしの良い部屋だった。

小倉港の夜景。
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