カテゴリー「Gadget」の48件の記事

2013年3月 3日

デザインに対するAppleの拘泥ぶりが恐ろしい

 アルミ合金切削加工のユニボディなど,Apple製品の金属加工へのこだわりは,どうでもいい人にはどうでもいいことではあるが,電子機器や精密機械の製造技術,加工技術にかかわったことのある人は畏れを感じているに違いない。CNCによる切削加工だけでなく,レーザードリルやEDM(放電加工)がそこかしこに使われているのだ。

 ぜひとも見ていただきたいのは,ShimoKen Worksという個人ブログの『アップルで金属加工部品を堪能する』という2008年の記事。MacBookとMacBook Proに採用されたユニボディの試作品の写真がどっさり。これを見て興奮しないメカエンジニアがいたとしたら,深刻な不感症だと思う。

スピーカーグリルは執念のレーザー加工
 スピーカーグリルのレーザー穴開け加工の精度が恐ろしい。普通に考えれば,大きく四角形に抜いて,網状もしくは穴の開いたプラスチックパーツを填め込みたくなるところだ。
 ものづくり技術立国と言われる国の製造現場にこの図面を持って行ったら,たぶん2週間は口をきいてもらえないと思う。ユニボディというのは,それほど突拍子もない加工方法だと思う。

 そして,昨年登場したiPhone 5。

iPhone 5に機種変更

 iPhone 4のステンレス切削フレームから,iPhone 5ではアルミ合金の切削加工ハウジングに変更になった。軽量化の意味(ステンレス鋼の比重は約7.8,アルミ合金の比重は約2.7)もあるだろうが,さすがに難削材のステンレス鋼を切削加工で大量生産するのは大変だったと思われる。また,今後の多色展開を考えると,塗装やめっきに向かないステンレス鋼より,着色が容易なアルマイト処理がはるかに優位ということもあるだろう。

フレームの面取りは専用エンドミル
 iPhone 5のハウジング周囲のエッジの面取りを,iPhone 5専用のエンドミルで一気に加工している。一般的な汎用45°面取り用エンドミルではなく「iPhone 5専用のエンドミル」で,上下の面取りを一度の加工で行っているのだ。これを「こだわり」といわなくて何という……

Apple iPhone 5
 iPhone 5の背面を見ると,FCCマーク(米連邦通信委員会の認可取得),CEマーク(EU加盟国の情報通信機器の認証マークで,0682はCETECOMドイツを意味するらしい)等の他に,FCCの認証ナンバー,カナダ工業規格IC (Industry Canada)の識別番号,そして驚くべきことに,端末毎に固有の識別番号IMEI (International Mobile Equipment Identity)までもがレーザー刻印されている。
 全品同じ内容のレーザー刻印なら,それほど驚くことではない。が,一台一台全部異なる,いわゆる製造番号(シリアル番号)であるIMEIをレーザー刻印するなんて,恐るべきこだわりではないか。

 比較のために,身近な製品の製造番号を見てみる。

Docomo N-04Bガラケー
 Docomoの携帯電話N-04Bの製造番号は,シールに印刷されている。

Panasonic LUMIX DMC-GX1
 PanasonicのデジカメLUMIX DMC-GX1の製造番号もシールだ。やっぱり,こんなところにレーザー刻印するなんて無駄無駄,という感じだろうか。

USBカードリーダー
 BUFFALOのUSBカードリーダーなんかは紙のシールだ。まぁ,値段を考えれば当然だろう。

 話は変わって,昨年,Appleがリキッドメタル・テクノロジ社から電化製品での独占使用権を購入したことで話題になった「リキッドメタル」。

 名前から連想するところは,「非晶質のガラスは液体」だという一種の詭弁から,「非晶質のアモルファスは液体」になり,何らかの金属のアモルファスのことをリキッドメタルと呼ぶのだということはわかる。
 しかし,通常のアモルファスが高温の液体を急冷する方法(リボンのようなアモルファスをつくるシーンで有名),スパッタリングやCVD(化学気相蒸着)のような薄膜レベルの製造方法なのに対して,このリキッドメタルの最大の特徴は,射出成形ができることだ。しかも,従来の金属粉末射出成形やチクソモールドに比べると,成形収縮率が小さく,iPhoneのバックシェルハウジングのような大きなパーツにも向いているという。

 リキッドメタルは,ジルコニウム,ニッケル,チタン,ベリリウムの合金で,密度や線膨張係数はアルミ合金60材とSUSの中間でチタン合金のTi-6Al-4Vと同程度。破壊強度や降伏強度はTi-6Al-4Vの2倍近くあり,さらに弾性率が驚異的に高い。
 弾性率が高いというのは,アルミ合金のようにぶつけたときにグチャッとつぶれるように変形するのでもなく,ガラスのように変形せずにパリッと割れることもなく,ビヨ〜ンと跳ね返るイメージである。硬度はSUSより上なので,ゴムのような感じではない。
 たしかにiPhoneのような携帯機器のハウジングには非常に適した物性を持っている。コストは不明だが(安くはないだろう),射出成形ができることから大量生産品にも向く。

 ただ,Appleお得意のユニボディのような切削加工にはまったく向かない素材だ。切削加工ではなく,射出成形でハウジングを作ることになるため,iPhone 4やiPhone 5のようなエッジの立ったデザインは難しいだろう。最近話題のiWatch,あるいは新デザインのiPhone miniなどに使用されることになるのかもしれない。

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2012年12月24日

ソフトバンクiPhone 5に仕組まれたクソWi-Fiプロファイル削除する方法

iPhone 5に機種変更

 昨日機種変更したiPhone 5を持って外出。上永谷〜戸塚〜大船と移動中は順調そのもの。LTEが十分機能している場所も多いし,3Gとの切り替えもスムーズだと感じた。だが,湘南モノレールの大船駅付近で,Instagramで大船観音の写真を撮ったあたりから,動きがギクシャクしてきた。
 画面上の電波状態を見ると,LTEでも3Gでもなく,SoftBankの電波と無線LANの電波が繋がっている。

 あれっ,これは悪い予感。いつの日かたどった道かも……。
 恐る恐る「設定/Wi-Fi」のところを開いてみたら……やっぱり「0001softbank」とかいうWi-Fiスポットをつかんでいる。iPhoneがクソ無線LANの電波をつかんで,泥沼に引きずり込まれ,通信が遅くなるパターンなのだ。外出するときにはあらかじめWi-Fiの設定をOFFにすれば,泥沼にハマることはなくなるが,そんな面倒なことはやってられない。

 これは以前,iPhone 3GだったかiPhone 4のときにも経験した不具合だった。そのときには「設定/一般/プロファイル」から,ソフトバンクが設定したプロファイルを削除すればOKだった。

 さっそく,iPhone 5の「設定/一般/……から,あれ?

写真 1

 正常ならば,「アクセシビリティ」と「リセット」の間に「プロファイル」という項目があるはずなのだが,それが見当たらない。これでは,クソ無線LAN電波に接続しようとするクソプロファイルを削除できないではないか……。どうする?

 冷静に考えてみると,iPhone 4で「プロファイル」を削除して使っていた状態で,新しいソフトバンクのクソプロファイルの入ったiPhone 5に,私のiPhone 4の環境を復元したことから,このような事態が生じたのかもしれない。
 噂によると,あのライバルauさんも,Wi-FiのプロファイルをあらかじめiPhone 5の中に入れて,削除できないように「プロファイル」項目を消しているという。電波が繋がっているように見えて,データのやりとりができなくなる状態を「パケ詰まり」というそうだが,ひょっとしたらLTE→3Gの切り替え時に生じた問題の他に,この「クソWi-Fiの電波をつかまされている」状態も荷担してるんじゃないかと思う。

 さて,ソフトバンクショップでは対応してくれないだろうし(スキル的に意味がわかってもらえないかもしれない),休日にApple Storeに行かなければ解決するのは難しそうだ。それまで待つのも面倒なので,ちょっと「毒を食らわば皿まで」的な対処方法を採ってみた。

 それがこれ。SoftBankが配布している『一括設定』というプロファイル。

写真 2

 これを入れると,ソフトバンクWi-FiスポットやBBモバイルポイント等々に楽々接続できるプロファイルだという。この絵の[設定の前にお読みください]の内容を見ると,これを入れるのが不安になるほどの注意書きである。これは怖い。
 しかし,毒を食らわば皿まで,この「一括設定」というプロファイルを〝不本意ながら〟インストールする。

写真 3

 毒を飲む思いで「一括設定」をインストールすると,「設定/一般/プロファイル」の設定ボタンが復活。プロファイルに「一括設定」が入っている。
 電波が遠かったりしてまともじゃないクソWi-Fiスポットにでも繋がりたい人は,この設定のままiPhoneを使い続けるのだろうけど,私はそういうのは勘弁。せっかくプロファイルボタンが復活したのだから,さっそくそこから「一括設定」を削除する。

写真 4

 ジャーン。これで,クソな構成プロファイルが消え,綺麗なiPhone 5になった。

 このように,クソプロファイルを消してしまえば,常時Wi-Fiをオンにしたままでも,電車の中や街では腐ったWi-Fiの電波をつかんで急にネットに繋がらなくなることもないし,自宅内のようにちゃんとしたWi-Fiが整備されているところに入れば,自動的に自宅Wi-Fiに繋がって,高速なデータをやりとりやファイルのシンクロが可能になる。めでたしめでたし。

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〔追記〕
 auのiPhoneで「パケ詰まり」問題が生じていて,やはり微弱なWi-Fiスポットに繋ごうとするのが原因ではないかという話を調べてみると,auのiPhone 5にもあらかじめWi-Fi接続用のプロファイルが入っており,しかもそのプロファイルが削除できなくなっているというのは確からしい。
 また,ソフトバンクのiPhone 5の場合は,iPhone 4S以前のiPhoneからiPhone 5に機種変更した場合に多発しているという話もあるようだ。

 ということは,「パケ詰まり」の原因は,auもソフトバンクも「(仕組まれた)Wi-Fiスポット接続用のクソプロファイル」で決定かな。実際,私のiPhone 5は,見えなかったプロファイルを削除した後は勝手にクソWi-Fiスポットに繋ごうとすることもなく快適で,もちろん自宅に戻れば自宅内Wi-Fiには自動的に切り替わり,「パケ詰まり」とは無縁ルンルンである。

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iPhone 4 から iPhone 5に機種変更した

 2012年9月2日に発売開始されたiPhone 5。当初は行列ができ,製品がなくて入荷待ちになるといういつもの光景が続いた。携帯電話ごときを買うのに,並んだり予約をしたりするのは面倒くさい。
 12月になって,そんなiPhone 5狂想曲も落ち着き,順番待ちもなく普通に買えるようになったらしいので,2年ちょっと使い続けてきたiPhone 4をiPhone 5に機種変更してきた。

 最初にiPhone 3Gを買ったときも,iPhone 4に機種変更したときも,ほぼ同じように販売開始初期の異様な盛り上がりを避けて,それが収まった1〜2か月後に入手している。個人的には,やっぱり行列や予約には馴染めない。

iPhone 5に機種変更
〔左が今回入手したiPhone 5 (64GB),右が愛用してたiPhone 4 (32GB)〕

 こういう新しい電子機器やパソコンを買ったときに,最初のセットアップに時間が掛かってしまうのが面倒なところである。多くのアプリケーションやデータを移しただけでは元通りにはならず,いちいち,ちまちまと設定を戻して行かなくてはならず,憂鬱になる。
 ところが,ここがAppleのすごいところ。iPhoneでもMacでも,既存の機器に繋いだら,現在使用しているiPhoneやMacと自動的に同じ環境設定にしてくれる機能が付いている。

 買ってきたiPhone 5をMacに繋いだところ,「既存のiPhone 4の設定を引き継ぎますか?」という質問があったので,引き継ぐと,上の写真にあるように,(あまり整理していなかった)アプリの種類から配置まで,まったくソックリのiPhone 4クローンのiPhone 5があっという間に完成。どれを入れて,どれを削除して……などという操作を一切しなくてよいから楽ちんだ。
 iPhone 5はアプリを並べる欄が一行多いので,あっ,こっちがiPhone 5だとわかりやすいが,iPhone 4からiPhone 4Sへの機種変更だったら,そっくりクローンができる感覚だっただろうな。

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2012年4月 6日

あの懐かしのDoCoMoのmovaがサービス終了

 「mova」が3月31日にサービス終了、19年の歴史に幕(2012年3月30日 ケータイWatch)

 NTTドコモの第2世代(2G)通信方式の携帯電話サービス「mova(ムーバ)」と、パケット通信サービス「DoPa」が、3月31日24時にサービスを終了する。

 movaの契約数は、2003年8月の4440万8400件がピークで、その後は2001年10月に開始した第3世代(3G)携帯電話サービス「FOMA」へのユーザーの移行が進んでいた。movaで使用する周波数帯の再編もあり、2008年11月30日にはmovaの新規受付が終了となり、2009年1月にはmovaのサービスを2012年3月31日に終了することを発表。ユーザーに移行を案内してきた。2012年2月末時点でmovaの契約数は34万4900件。

DoCoMoがmovaサービス終了
 私が最初に買った携帯電話,デジタル・ムーバD2Hyper(三菱電機製)。

 当時のDoCoMoは,NECが折りたたみ式,Panasonicが小型ストレート型,そして三菱電機がフリップ式という,特徴的なラインナップだった。

 フリップを開くと,口の前にマイク(裏側にはノイズキャンセリング用の別マイク)がきて,本当に話しやすい携帯電話だった。耳−口寸法がしっかり構成できるのはフリップ式携帯電話の大きなメリットだった(Dの後継機種にはフリップが形だけで,マイクはボディ側に付いている機種もあった)。

 テンキーがボディ側にあったため非常に押しやすく,ごろんとした丸いボディと相まって,携帯電話を電話として使うときには,iPhoneよりも,あるいは最近のガラケーよりも使いやすかったと記憶している。

DoCoMoがmovaサービス終了
 バッテリーは現在の携帯電話と比べると,比較にならないほど持ちが悪かった。

 そのためか,背面に大きく飛び出る……男の方ならたぶんサンダーバード2号を思い浮かべるだろう……ような丸く大きく膨らんだ大容量バッテリー(別売)が背面に取り付けられるようになっていた。
 また,いざというときに単三乾電池(何本だったかな?)が使えるような乾電池アダプターもあった(最近見かける外付けのバッテリーではなく,携帯電話のボディに直接取り付けるDoCoMo純正アダプターだった)。

ネット環境の変化
 それでも,旅をするときにネット接続できるのは便利だった。こうやってHP-200LXにアダプターでD2Hyperを繋いで,全国を旅行して歩いたのも,もうずいぶん昔のことのように感じる。

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2011年11月28日

iPod nano (1st generation) 交換プログラム

 ふと iPhone のメーラーを見たら,Apple からメールが届いてた。
 先日 Apple Store で MacBook Pro を購入したばかりなので,また購入手続き等に不満はないか等のアンケートなのかな……と思ったら,「iPod nano(1st generation)交換プログラム」という表題。

iPod nanoをお使いのお客様へ

Appleでは、ごく稀に
iPod nano(1st generation)のバッテリーが過熱して安全上の問題を引き起こす可能性があることを確認しております。対象となるiPod nanoは2005年9月から2006年12月の間に販売されたものです。

この問題は、製造上の欠陥があるバッテリーを生産した特定のバッテリーメーカーに原因があることがわかっています。
実際に過熱事故が発生する可能性はきわめて低いとはいえ、バッテリーの経年に伴ってその可能性は高くなります。

iPod nano(1st generation)をお持ちのお客様は使用を中止し、下記の要領で無料交換手続きをされることをおすすめいたします。

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という内容だった。

 そういえば,初代 iPod nano も Apple Store で買ったから(2005年9月),Apple に購入履歴が残ってるんだな……。輝いていた全体がつや消しになるほど使い込んで,今はまったく使わなくなってしまった。

 ちょっと面倒くさい気もするが,無料交換ということだし,手続きしてみようかな。そういえば,やはり今は使わなくなってしまった VAIO VGN-TZ90S も,発熱問題でリコール対象になってたけど,いまだに手続きしてないや……。

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2011年10月 6日

スティーヴン・ジョブズ逝去

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 この日がいつか来ることは分かっていたが,唯唯,ショックだった。
 安らかにお眠りください。

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2010年12月31日

『さよう, Appleは今日CDを殺した』に無頓着な日本

新MacBook Airの再インストール用USBメモリ

 10月21日(現地時刻では10月20日),Appleが第二世代のMacBook Airを発表した後で,TwitterやTumblrで広まった記事のタイトルが衝撃的であり,そして現在起こっていることを端的に示していた。
 

『さよう, Appleは今日CDを殺した(「TechCrunch」MG Siegler氏の記事)』

今日(米国時間10/20)のAppleの発表で、もっと意義が大きいと思われるのは、Mac App Storeだ。Appleはまだ詳細を発表していないが、要するにiPhoneやiPadやiPod touchのApp Storeのように機能するのだろう。そこには、有料と無料のアプリケーションがある。つまりそういうことだ。
(中略)
この流通方式によって、CD、DVDなどの光学ディスクは陳腐化する。最初に述べたように、光学ドライブはコンピュータから消えて欲しいものの一つだから、それはたいへん良いことだ。

7年半前にiTunes Music Storeを立ち上げたときから、AppleはCD殺しを開始していた。今日は、CDに止め(とどめ)を刺した。もう、生き返ることはない。

新MacBook Airの再インストール用USBメモリ
 新MacBook Airに添付される再インストール用USBメモリ

 今までに発表されたMacintosh史上最も軽量・薄型のボディを持つMacBook Airは,高解像度のディスプレイやフルピッチのキーボードを持ちながら,光学ディスクドライブ(CD/DVDドライブ)を持っていない。
 光学ディスクドライブを持っていなくても,他のパソコンの光学ディスクドライブをWi-Fi経由で使用するRemote Disc機能が付いているので問題ないのだ……というような単純な話ではなく,もっと壮大な話だ。

 iMacが登場したときもそうだった。フロッピーディスクドライブやRS-422シリアルポートがレガシーデバイスとして,バッサリと斬り捨てられた。既にMacintosh界隈では,フロッピーディスクやMOはデータの受け渡し用途(文字どおり媒体・メディア)になりつつあったが,世の中の趨勢は,まだまだフロッピーディスクやMOはデータを保存する記録装置だった。フロッピーディスクドライブをなくして,大丈夫なのかという声も大きかったと記憶している(Appleという会社は,同じような調子で既存ユーザーもあっさり切り捨てる悪人だけどね)。
 そして,その後どうなったか。2005年頃までのWindowsパソコンには,フロッピーディスクドライブが付いていたように思うが,それが使われることはめったになくなっていた(特許の明細書とかお役所がらみの提出物など,ごく一部には残ってた感じかな)。データのやりとりは,既にネットワーク経由になっていた。

 それと同じことが,光学ドライブでも起ころうとしている。3年後,5年後が見えるというのはそういうことだ。未来は「ネットで借りて,(光学ドライブで使って)ポストに返却」のような形態にはないのだ。
 Mac App Store が発表されるときには,米ノースカロライナ州メイデンに建設中とされる巨大データセンターも稼働することになるだろう。デジタルライフはクラウド版のiTunesが中心となり,iPod・iPad・Apple TVを合わせることによって,音楽だけでなく,映画もテレビも,そして電子書籍も,ひとまとめに管理できることになる(残念ながら著作権のしがらみで,日本ではすんなり行かないだろうけどね)。

 もちろん,AmazonやGoogleも黙ってはいないだろう。彼らもAppleのCD殺しの動きは,とうの昔に知っているからだ。
 そんな状況の中で,何なのだろう,この日本のグダグダ感は。電子書籍におけるソニー,凸版印刷,KDDI,朝日新聞の大連合軍も心許ないし,電子書籍用の独自フォーマットXMDFを採用するという無謀な企てのおかげでスタート前に既に転んでしまっているシャープとか……。
 日本企業がそれぞれにぐだぐだな囲い込みをしようとして,結局大失敗……という未来が丸見えだ。

 いまだに記録(録画)メディアとしてBlu-ray Discの未来が信じられており,大容量化への技術開発も継続しているが,実はDVD-RどころかBlu-rayすらも終わりつつある技術なのだ。世の中に広く普及する前に消えてゆく……そんな未来が見える。

新MacBook Airの再インストール用USBメモリ

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2010年12月13日

ケータイをN-04Bに機種変更

 しばらく前にWILLCOMのPHS (Advanced/W-ZERO3[es])を解約してから,旅先でのネット接続方法をどうしようか考えてきた……というか,考えずに先延ばしにしてきたのだが,結局,Docomoの携帯電話をアクセスポイントモード(いわゆるテザリング)付きのN-04Bへ機種変更することに落ち着いた。e-mobileのモバイルWi-Fiルーター等は非常に魅力的だったが,WILLCOM解約時に,もう回線数は増やさないと心に決めたのだ。

 最近はiPhoneだけで済むことも多いし,旅行に出掛けることも少なくなっているので(5月連休に群馬県をブラついて以来,旅してない…),本当に必要なのかと問い詰められると,ちょっと怪しい。

ケータイ機種変更
 今まで使っていたPROSOLID μとN-04Bを並べてみた。

 PROSOLID μはカメラ無しのケータイなので非常に薄い。Docomoのサイトで見ると,高さ109mm×幅50mm×厚さ9.8mm 質量約98g,N-04Bは,高さ112mm×幅50mm×厚さ15.9mm(最厚部 約21mm)質量約135gということで,実感としては厚みが約2倍に膨れあがった感じだ。

 N-04Bは液晶側にいろいろ詰め込んであるらしく,机上に置いたときに液晶側に倒れ込む。ちょっと情けない姿だ。こういうトップヘビーな仕様だと,手に持ったときに感じる重さが実際の質量よりも重くなるし,印象がよくないと思うのだが,そういう細かなところにツッコミを入れる変人は少ないのだろう。

ケータイ機種変更
 これが,機種をN-04Bにした唯一の理由であるアクセスポイントモード。いわゆるテザリング。ケータイがWi-Fiルーターになってくれる機能だ。
 付属の取扱説明書にアクセスポイント機能の説明がないのは,Docomoの回線に負担を掛けるこの機能をあまり使ってほしくないのか,それともうっかり設定して高額請求される人が続出するのを防ぐためだろうか。
 それにしては,初期設定で無線LANのセキュリティ設定(パスワードと暗号化方式)が「なし」になっているのは,ちょっと酷いと思った。

 蛇足だけど,取扱説明書の「はじめに」の章に「無線LANについて」という項目が唯一存在しているのだが,その本文では「無線LAN」という言葉のかわりに,いきなり「WLAN」という言葉が出てくる。不親切というか,チェックが甘いというか……でも,このメーカーの界隈ではWLANと呼ぶのが普通になっているのかもしれない。使っている人は「Wireless LAN」のつもりだろうか,「Wave LAN」のつもりだろうか,ちょっと気になる。まあ,どうでもいいことだけど……。

 さらに蛇足になるが,ケータイの画面に,いわゆる「半角カナ」「1バイトかな」が使われているのには驚いた。あと半月で2010年も終わろうとするこの時代にまで「半角カナ」が生き残っているとは,まさにガラパゴスだ。
 設計者は「アクセスポ イントモード」という表示が気にならないんだろうか。ちまたでは,禁則処理のできていない(画面が表示されてしまった)KDDIの電子書籍端末「biblio Leaf SP02」や,縦書き文字がガタガタずれていて,縦書きフォントを使っていない疑惑が浮上しているソニーのReaderなど,日本語が美しく表示されない端末が話題になっているが,こういうことに〝こまけぇこたぁいいんだよ!〟という感覚では,結局AmazonやAppleにかなわない。

ケータイ機種変更
 というわけで,iPhone 4でもiPod touchやMacBook Airでも,どこでもDocomo回線でネット接続が可能になった。WILLCOMを解約する前の環境が復活かな。もちろん,速度は大きく向上し,通信可能エリアはだいぶ大きくなるけど。

【以前の環境】
2008年1月15日:iPod touchでどこでもネットサーフィン(死語)
2008年5月1日:iPod touchでどこでもネットサーフィン(その後)

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2010年11月25日

SONYがE Ink採用の電子書籍端末「Reader」日本語版発売

 ソニー、電子ペーパー採用の電子書籍端末「Reader」~タッチセンサー内蔵。独自のオンラインストアも開始(PC Watch)

 ソニーは、電子ペーパーを採用した電子書籍端末「Reader」を12月10日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5型の「Pocket Edition」が20,000円前後、6型の「Touch Edition」が25,000円前後の見込み。

 ディスプレイにE Inkの16階調グレースケールが可能な電子ペーパー「Pearl」を採用した電子書籍端末。モノクロではあるが、電子ペーパーは液晶のようなちらつきがなく、長時間の読書でも疲れにくい、画面の書き換え時のみ電力を消費するので、1回の充電で日単位の駆動が可能といった長所がある。具体的には、Readerは1回の充電で、文庫本約30冊に相当する約10,000ページの書き換え、あるいは約14日間相当の利用が可能となっている。

(リンク切れ)

 米国では2006年から発売されていた電子書籍端末「Reader」の日本語版がとうとう発売される。モノクロではあるが,AmazonのKindleと同様のE Inkを採用し,視認性が良いとの評判だ。

 さて,肝心のコンテンツはどうなのかというと……

 電子書籍コンテンツについては、Reader専用の「Reader Store」を通じて提供する。コンテンツは先だって、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社と共同で設立した事業企画会社による供給だが、ストアの運営はソニーが独自に行なう。オープン当初は2~3万冊程度のコンテンツを用意。いずれも有償の書籍のみ。立ち読み機能や、雑誌や新聞など別種のコンテンツ提供は検討中となっている。

 ダウンロード購入したコンテンツは、Reader専用の管理ソフト「eBook Transfer for Reader」を利用し、PCからUSB経由でReaderに転送する。感覚としてはiPodにiTunesを使って曲を転送するのとほぼ同じ。同ソフトでは購入したコンテンツ以外に、PCに保存されている独自のテキストやPDFなども登録/転送できる。

 いきなり,思いっきり微妙な感じだ。あいかわらずMacには対応していない(iPadやiPodはWindowsにも対応しているのは知らないのかな)。それにコンテンツ管理ソフトはSONYさんご自慢の「SonicStage」……もとい,「x-アプリ」とは別に「eBook Transfer for Reader」というソフトが用意される。SONYウォークマンユーザーは,コンテンツを転送するたびに違うアプリケーションを起動しなければならないんだろうか。

 2010年の今,Reader専用ソフト「eBook Transfer for Reader」を「x-アプリ」とは別に開発するセンスとか,「mora」とは別にReader専用の「Reader Store」を作るセンスとか,日本の電子書籍市場がガラパゴスって言われるのも当然といった感じだね……。ちょっと落ち込んでしまいそうだ。

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2010年11月13日

DEC HiNoteUltra 433 スリムノートの時代

DEC HiNoteUltra 433

 Digital Equipment Corporation……通称DEC。現在のコンピュータを語る上で,忘れてはならないコンピュータメーカーである。
 DECのミニコンピュータ,PDPやVAX-11は,1980年代までの科学技術計算分野で広く使われていた。また,64bit RISCプロセッサの「Alpha」は,高クロック競争の先頭を引っ張った。Windows NTで動作するAlphaStation上の,3D CADのなめらかさに驚かされたことを思い出す。
 そんなDECが1990年代の後半にコンパックごときに吸収され(半導体部門はIntelへ),さらに丸ごとヒューレット・パッカードに吸収されてしまったときには,ショックを受けた人も多かったと思う。

DEC HiNoteUltra 433
 そのDECが出していたのが,薄型軽量ノートパソコンの嚆矢,HiNoteUltra(通称DHU)である。

DEC HiNoteUltra 433
 私が使っていたのは,HiNoteUltra 433。モノクロSTN液晶ディスプレイのモデルで,厚さがわずか25.5mmというのが自慢だった。カラー液晶ディスプレイのモデルは少し厚くて30.5mm。正直なところ,カラーモデルは非常に高くて,買えるような値段ではなかった。

 このHiNoteUltra 433は,モノクロ液晶(しかもAppleのPowerBookのようなTFT液晶ではなくSTN液晶だった)なので人気がなかったのか,どこにも在庫がなく,あるところで偶然入手できたものである。
 江戸川橋のDECのサービスセンタに持って行って,US配列キーボードに交換してもらったのも懐かしい。

DEC HiNoteUltra 433

DEC HiNoteUltra 433
 ディスプレイは180°完全に開くことができ,しかもバッテリーを起こすとキーボードをチルトすることができるというヒンジ部分の構造は,なかなか良くできている。

DEC HiNoteUltra 433
 懐かしいトラックボール。AppleのPowerBook(Duo含む)のようななめらかさはなかったが,親指でトラックボールを操作すると,キーボードのホームポジションを崩さずにポインタが動かせて,とても便利だった。

 PowerBookやHiNoteUltraで親指トラックボールの操作になれてしまった私は,いまだにデスクトップパソコンでは親指トラックボールを使っている。
 どこかのメーカーで,HHKB用のパームレストの中央に親指トラックボールを内蔵したタイプを作ってくれないだろうか……。

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