« コンパクトシティは撤退戦である | トップページ | 東北の夏を彩る青森ねぶた祭りが始まる »

2016年8月 3日

つくばクレオスクエア西武筑波店が存続断念

 「西武なくなると困る」…街活性化に大きな影響(2016年08月03日 読売新聞)

  そごう・西武は2日、西武筑波店(茨城県つくば市吾妻)を2017年2月28日に営業終了すると発表した。

 営業不振を主な理由としている。

 同店はつくばエクスプレス(TX)つくば駅前の商業施設に立地しており、同店の撤退が市の中心市街地活性化への取り組みに大きな影響を与えることは必至だ。

 同店は1985年3月に開店した。売り場面積は2万6905平方メートルで、社員数248人(6月末時点)。

 そごう・西武の発表によると、同店はピーク時の1991年度には248億円の売上高を記録したが、周辺地区に進出した大型ショッピングセンターとの競合が激しくなり、業績が悪化。2015年度の売上高は128億円と1991年度に比べ半減した。人件費などのコスト削減を行っても収益改善に至らず、今後の営業力の回復が見込めないことなどから存続を断念したとしている。

Edit2
〔撤退の方針が明らかになったつくばクレオスクエアの西武筑波店〕

 つくばセンターにあるつくば駅前の複合型ショッピングセンター「つくばクレオスクエア」の核店舗が西武筑波店,イオンつくば駅前店,そしてLoft(ロフト)だ。つくばクレオスクエアは,CREO(クレオ)・MOG(モグ)・Q’t(キュート)の3つのビルで構成されており,西武筑波店とイオンがCREOに,LoftがQ’tに入っている。
 西武筑波店が閉店すると,茨城県内の大型百貨店は水戸市の京成百貨店のみとなる。

 西武とイオンならば十分並立できると思うのだが,西武筑波店の売上高は1991年度に比べて半減しているという。セブン&アイ・ホールディングスがそごう・西武の閉店を進める中,西武筑波店もその対象になってしまったようだ。百貨店の経営が難しい時代になっているとはいえ,コンビニ&ヨーカドー流の経営は「百貨店」の経営に適応できなかったんじゃないだろうか。

 つくば市(筑波研究学園都市)の人口は約23万人。1988年に筑波郡谷田部町,大穂町,豊里町,新治郡桜村の3町1村が合併,1988年に筑波郡筑波町,2002年に稲敷郡茎崎町を編入してできた非常に新しい都市である。1987年に廃止されるまで,筑波山麓を筑波鉄道筑波線が走っていたが,現在は完全な車社会である。

080802102830

 都市内の道路は広く真っ直ぐで,人工的に区画された広大な敷地に公的な研究機関が並んでいる。市内の移動手段は車か自転車がほとんどであり,歩道を人が歩くことは想定していないから,広い歩道に街路灯はなく,夜は真っ暗になる。懐中電灯なしでは歩けない。出張でつくばに行きビジネスホテルに泊まると,ホテルで貸し自転車を借りなければ近くのコンビニにさえ行くことができない。

080802103747

 そんなつくば市の中で,人が歩くことを想定した唯一の地区が「つくばセンター」周辺である。
 街が生き生きするためには,人と人が交わる場所を作ることがとても重要であり,「つくばセンター」はそのための場所として計画されているが,建物の中は別にして外を歩いている人は少なく,賑わいを創出できているわけではない。

 つくば市は他の都市と異なり,旧来からの市街地や商店街のしがらみも少なく,ほぼまっさらな土地に,日本の都市工学(土木,建築,環境工学,交通工学その他もろもろ)の叡智を集めて作った都市である。来たるべき車社会に適合し,古臭い鉄道や路面電車など必要のない,夢の未来社会が実現するはずだった。つくば市の現状を見ると,人工的なまちづくりの難しさを感じる。

061201170132edit
〔つくばクレオスクエアのCREOとQ't(2006年12月1日撮影)〕

061201171259
〔つくばクレオスクエアの「Q't」(2006年12月1日撮影)〕

|

« コンパクトシティは撤退戦である | トップページ | 東北の夏を彩る青森ねぶた祭りが始まる »

都市・街並み」カテゴリの記事

コメント

近鉄八尾駅前の西武百貨店や、地下鉄御堂筋線北花田駅前の阪急百貨店も撤退が決まっていますね。
南海和歌山市駅の近鉄百貨店、四条河原町の阪急百貨店などもなくなりましたし、百貨店には厳しい時代なんでしょうか。

投稿: たむら | 2016年8月 5日 23時13分

和歌山市は近鉄ではなく高島屋でした。失礼致しました。

投稿: たむら | 2016年8月 5日 23時15分

 南海の和歌山市駅の建て替え工事については,2015年5月19日に「和歌山市駅の駅ビル(元高島屋)解体撤去」という記事を書いてます。高島屋が撤退した7階建ての駅ビルを解体して,4階建ての小さな駅ビルに建て替えるらしいですね。厳しい時代ですね。

「和歌山市駅の駅ビル(元高島屋)解体撤去」
http://mikkagashi.cocolog-nifty.com/kasukadari/2015/05/post-bc72.html

投稿: 三日画師 | 2016年8月 7日 16時06分

百貨店のライバルは、完全にアウトレットモールと
通販モールにとって代わりましたね。

中核市・県庁所在地級の規模ではもう百貨店を運営すること自体が厳しいのかもしれません。


まあそもそも、個人的には、そごうと西武が7&I傘下にいるメリットを感じないので、
いずれ離脱、売却しそうな気がします。

投稿: BOY | 2016年8月 9日 10時43分

 セブン&アイ・ホールディングスはもともとコンビニとスーパーの会社なので,そごう・西武のような百貨店の経営には向かなかったんでしょうね。

投稿: 三日画師 | 2016年8月15日 06時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: つくばクレオスクエア西武筑波店が存続断念:

« コンパクトシティは撤退戦である | トップページ | 東北の夏を彩る青森ねぶた祭りが始まる »