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2016年5月31日

通信衛星「きらめき1号」輸送時にトラブル

 通信衛星打ち上げ延期か=輸送中に損傷可能性-有事対処の高速Xバンド・防衛省(2016年5月30日 時事通信)

 防衛省は30日、自衛隊の部隊運用に使用する独自のXバンド通信衛星の打ち上げを7月に計画していたが、衛星の空輸時のトラブルから延期する可能性があると発表した。Xバンドは周波数帯の一つで、気象の影響を受けにくく、高速大容量通信に優れ、軍事通信にも使用されている。
(中略)
 衛星は「きらめき1号」と名付けられ、本体は三菱電機のDS2000。当初は日本時間7月13日に欧州宇宙大手アリアンスペースのロケットで南米フランス領ギアナから打ち上げる予定だった。しかし、コンテナに入れてギアナに空輸した際、コンテナに深さ40〜50センチのへこみが見つかった。輸送機の貨物室とコンテナの中の気圧の差が原因とみられる。衛星の中継器のアンテナが損傷していないか確認する必要がある。

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 高高度を飛行する航空機内の気圧の変動によってコンテナが変形したのだと思われるが,何が起こったのだろう。

 大きな人工衛星を搭載するコンテナだから,航空輸送用の汎用品ではなく,衛星のサイズに合わせて作った個産品だろう。気圧の変動による力は想像以上に大きいから,コンテナはその圧力に対しても変形しない強度を持たせるか,あるいは気圧が変動してもコンテナの内部と外部の圧力をできるだけ均等に保つためのガス抜き穴を適切に設計する必要がある。

 20年以上も前に勤務していた某社で開発を担当していたスパコンのプロセッサーは約25cm角のガラスセラミック基板を使用していて,表面の微細な薄膜配線や伝導水冷のために半導体搭載面は密閉構造になっていた。ガラスセラミック基板は強度が低いのが悩みの種で,航空機でプロセッサーを輸送するときに25cm角の基板に加わる圧力は約800kg(0.8トン)にもなるため,基板や基板固定部分が壊れないように苦労して設計した記憶が残っている。

 25cm角のサイズで800kgにもなるのだから,人工衛星サイズのコンテナを密閉してしまったときの圧力は恐ろしいほどの大きさになり,それを考えればガス抜き穴の設計がいかに大切かがわかる。

 人工衛星自体や搭載アンテナは,航空機よりも圧力変動の激しいロケット打ち上げ時の環境にも耐えるように,必要な大きさのガス抜き穴を各部に設ける設計がなされているはずだ。ひょっとするとコンテナの強度設計もしくはガス抜き穴設計にミスがあったのかもしれない(あくまで推測)。

 コンテナが膨らんだのではなく,“コンテナに深さ40〜50センチのへこみ”ということは,コンテナの外の気圧が高く,内部が低かったことになる。つまり飛行機が高度を下げたときにトラブルが発生したと思われる。飛行機の降下速度が想定以上に速かった可能性も考えられる。

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