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2014年11月 7日

ひっつき虫「オナモミ」が絶滅危惧II類に

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 Twitterのタイムラインを読んでいたら,オナモミが絶滅危惧種になったというツイートが流れてきた。
 リンクされていたURL(日本のレッドデータ検索システム)にアクセスしたところ,確かにオナモミが環境省カテゴリの絶滅危惧II類 (VU) に指定されており,東京や関西などでは既に絶滅しているようだ。

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[日本のレッドデータ検索システムより]

 オナモミは種子の周囲に曲がったトゲが形成するのが特徴で,センダングサなどと並んで「ひっつき虫」「バカ(子供の頃,福島ではこう呼んだ)」の代表的な植物だ。薮の中を走り回ったあとに,全身にひっついていて面倒なことになるアレである。

 子供の頃,セーターを着た友達の背中に,離れたところからひょいっとくっつけたりして遊んだあのオナモミが,今では珍しくなってしまったんだなぁ……などと思いつつ,ちょっとした違和感も感じる。
 わずか10年ぐらい前に,今は廃線になってしまった名鉄美濃町線の電車を撮影しようとして,ちょっと薮漕ぎしたら,身体中にオナモミがついてしまい,ひどいことになった記憶があるのだ。冒頭のオナモミの写真はそのときに撮ったものである。

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[名鉄美濃町線の上芥見駅付近(2003年11月23日撮影)]

 10年を長いとみるか短いとみるか,いろいろ状況によるだろうが,その後急激な都市化が進んだとは思えない場所である。オナモミの都道府県別の指定状況を見ると,名鉄美濃町線沿線の岐阜県のデータがない。愛知県との県境に近かったので愛知県を見ると絶滅危惧I類になっている。これではよくわからない。

 その後,オナモミについてあれこれググってみたら,日本に分布するオナモミ属にはいくつかの種類があり,日本では一番古い「オナモミ」,アメリカ大陸原産の「オオオナモミ」「イガオナモミ」などがあることがわかった。
 さらに,近年はオナモミが減少し,オオオナモミやイガオナモミが増えているという。オオオナモミは有害雑草として要注意外来生物に指定され,侵略的外来種ワースト100にも選定されているという。

 ちょっとデータは古くなるが,環境省の生物多様性情報システムのサイトに,第5回緑の国勢調査の結果をまとめた「'95-'97 身近な生きもの調査」のページがあり,そこからひっつき虫の分布を見ることができる。

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[オオオナモミの分布(第5回緑の国勢調査より)]

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[オナモミの分布(第5回緑の国勢調査より)]

 絶滅危惧種に指定されたのは「オナモミ」のほうであり,近所でよく見かけると思っていたオナモミは「オオオナモミ」である可能性が高いようだ。ひょっとしたら,子供の頃,僕たちが「オナモミ」だと思っていたのは北米産の「オオオナモミ」だったのかもしれない。

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コメント

 こんにちは、ご無沙汰しております。
 バカ、懐かしい響きです。私も田舎育ちなので、ほぼ毎日野っぱらで遊び、あれを付けては1つ1つ取っての繰り返しをしていました。絶滅危惧種に認定されるというのは意外です。そこまで繁殖力がない植物だとは思わないんですけれども、やはり大都市では環境が変わってしまい、生育できないのでしょうか。

投稿: クリス_NK | 2014年11月13日 19時28分

 オナモミは分布がどうこう言えるレベルではありませんが,オオオナモミの分布を見ると,山間部よりも都市部のほうに多く分布しているのが面白いと思いました。田舎よりも,むしろ都市部で繁殖しているようです……

# 調査方法の影響を受けている可能性はありますが(人が住んでいないところにオナモミが繁殖していても,調査結果には表れていない?)

投稿: 三日画師 | 2014年11月17日 00時26分

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