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2010年11月26日

覚えておきたい裁判長の名前

 障害者団体割引制度を悪用した郵便不正事件で,偽証明書の作成を部下に指示したとされ起訴された村木元局長の裁判で,検察が提出していた調書のほとんどを「取り調べに誘導があった」などの理由で証拠採用せず,9月10日に無罪判決を言い渡したのが,大阪地裁の横田信之裁判長である。

 実は,裁判所と検察の癒着があるんじゃないかとも言われる法曹界で,検察のありかたをもひっくり返すような判決を出した裁判官は,ひょっとしたら人事的に変なこと(地方に飛ばされるとか)になってしまったりするんじゃないかという話があって,Googleアラートのキーワードに設定していたのだ。

 そこでGoogleが送ってきたメールが,次のニュースだった。

 痴漢無罪その時女性は無関係メール操作中(日刊スポーツ)

 大阪市内の路上で女性の体を触ったとして大阪府迷惑防止条例違反の罪に問われ、懲役6月を求刑された元アルバイト従業員の男性(38)に、大阪地裁(横田信之裁判官)は26日、「犯罪の証明がない」として無罪の判決を言い渡した。

 判決理由で横田裁判官は、現場付近の防犯カメラの映像や、女性が知人男性に送った携帯電話メールの送信時間、女性の歩行速度などを検討。

 その上で、被害に遭っているはずの時間帯に、痴漢とは無関係のメールを送ったことになる点や、男性が女性の少し前を歩いていることを指摘し「女性の供述には合理的な疑いを差し挟む余地がある」と指摘した。

 郵便不正事件のような注目を集める事件ではないが,横田裁判官,なかなかやるじゃんと思わせる判決だ。検察の起訴した内容をチェックすべき裁判所が,検察べったりの驚くべき判決を下す事例が多い中で,こういう普通の感覚が通じる裁判官がいる(もちろん他にもたくさんいらっしゃるのだろうが)というのは頼もしいではないか。

 先月,膠原病の一種の強皮症で指が動かず,それが原因で教師を辞め,逮捕当時には病状が進んで痴漢行為などできる状態ではなかった方(68歳)が,冤罪を主張して最高裁まで争ったものの結局棄却されて懲役1年10ヶ月が確定したというニュースが話題になったばかりだ。
 この事件,指が動かなかったという以外にも,被害者や目撃者の証言に曖昧な点が多く,どう考えても冤罪の可能性がかなり高い。少なくとも法治国家には「推定無罪」という原則があるはずなのに……。

 痴漢冤罪の恐怖。膠原病で指が動かなくても推定有罪で懲役1年10ヶ月(livedoorニュース)

 横田裁判官のように,ちゃんと検察が調べた内容をチェックできる裁判官が,最高裁までのどこかにいれば,別の結果になっていたかもしれないね。

 ちなみに,この裁判の一審で有罪判決を下した裁判長は,判検交流で検察庁から出向してきていた白坂裕之裁判官で,この判決の4ヶ月後には検察庁に戻って再び検察官になっている模様。控訴を棄却したのは阿部文洋裁判官。逆の意味で,覚えておかなくちゃならない裁判長の名前だね。

【参考】つぶやきいわじろう:耳を疑いました…西武線痴漢事件“指が動かないのに”控訴棄却

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コメント

こんにちは、クリス_NKです。

痴漢関係は冤罪もたくさんあるんじゃないかと思います。状況証拠や被害者の証言などだけで判断されるケースがほとんどでしょうし。その膠原病で指が動かないのに痴漢をやったという判決は首を傾げざるをえません。きちんとその辺を調べる義務があると思うのですが、果たしていかなるものか。これは司法にかかわる重大なことですし、検察と裁判所が癒着しているといわれてもおかしくありませんよね。でっち上げで有罪にされた方はたまったものではありませんし。

その点、横田信之裁判官は勇気ある無罪判決を出しました。確かにこういうときに「転地」があるのはなんとなく見当はつく感じですけれども、それでもやはり正義を貫くその姿勢は評価されるべきです。裁判官たるもの、常に真剣に審理(真理)に臨むべきで、やはり検察と癒着していてはまた同じ悲劇を繰り返す可能性はあると思います。その辺いくと検察に戻った裁判官というのはいかがなものか…検察と裁判所は癒着してはならないものの一つではないかと思いますね。

投稿: クリス_NK | 2010年11月27日 08時47分

 不本意な調書でも,サインしないと出られないというのは恐怖ですよね。密室で検察がやっていることの怪しさは,村木元局長の件でも(前々から言われていましたけど)どんどん明らかになっているのに,全面可視化の話が(まじめにやっている)検察の側から出てこないのも不思議です。

 ほんと,李下に冠を正さないように気をつけたいです。

投稿: 三日画師 | 2010年11月28日 01時27分

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