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2010年11月10日

青春18きっぷと途中下車

 最近,立て続けに「青春18きっぷで気ままな旅をしたいんだけど,何かアドバイスをくれ」というような感じで話しかけられて,ちょっと驚いている。私が鉄道で旅をすることが多いのは,ブログを見ればわかるわけだけど,世間一般の旅とはずいぶん違っているので,いままで「旅のしかた」について相談を受けることはほとんどなかったからだ。

 何がきっかけなのはわからないが,「青春18きっぷ」と「気ままな旅」に,なぜか興味を引かれる人が増えているのかもしれない。何かのテレビの影響なのかな。

 で,そのような相談を受けて困るのは,私が今まで一度も「青春18きっぷ」というものを使ったことがないことなのだ。使ったことがないと説明すると本当にびっくりされる。そのびっくりされ方のほうに驚いてしまう。

 若い頃……○○年前,「青春18きっぷ」がまだ「青春18のびのびきっぷ」として発売開始されたころから鉄道を使った旅をしていたので,使えば使える状況ではあったのだが,当時はまだ周遊券(ワイド周遊券)が全盛の時代で,周遊券のほうが「青春18きっぷ」よりもずっと便利だったのだ。

 学割価格で,北海道ワイド周遊券は2万円と少し,九州ワイド周遊券は1万8千円ぐらいだったと記憶している。有効期間は3週間程度で,周遊ゾーン内は特急列車でも自由席なら自由に乗ることができ,しかも当時はたくさんの夜行急行が走っていたため,寝泊まりも列車の中で済ますことができた。朝の駅で,蛇口から出る水と石けんで頭を洗っていたら,シャンプーを貸してくれたオジサンまでいたっけ。切符のほかにかかる費用は食費ぐらいのものだった。

 そんな便利な周遊券に慣れた人間が,「青春18きっぷ」に逆戻りはできない,という気分だった。普通の切符を買えば,気が向けば一部の区間だけ特急列車に乗り込むこともできるし,途中で急に下車して宿泊しようと思ったときに,その日の乗車距離が短くて「青春18きっぷ」を無駄に使ってしまったと後悔するようなこともない。

 正直なところ,途中下車駅も宿泊先も決めない「気ままな旅」をしようとすると,現状の「青春18きっぷ」は非常に使いにくいものになってしまっていると思うのだ。たとえば,

《青春18きっぷ》
・各駅停車(快速列車含む)にしか乗れない
・すこし(2000円分以下)しか乗らない日があると損した気分になる
・元を取ろうとして,一日中乗りっぱなしの行程になりがち
・利用期間が限定される
・乗る列車が限定される区間では,異常に混雑することがある
・切符発売開始当時のような夜行列車はほとんど走っていない

 というような話をすると,結構驚かれることが多い。それじゃ現在,私はどうやって旅をしているのかという話をすると,もっとびっくりされるのだ。特に「途中下車」という制度が,一般的にはまったく知られておらず,切符を買ったらその切符が改札口で回収されるまで,列車や駅の敷地内からは外に出られないものだと思っている人がとても多い。

《普通の切符+途中下車》
・普通に切符を買う(寄り道したいところがあったら,そこを経由した切符にする)
・ちょっとしか乗らない日があっても損した気分にはならない
・疲れたりしたら気楽に特急・新幹線に乗る(普通の切符なら特急料金の追加だけで乗れる)
・適当な駅で「途中下車」する(気に入れば2日でも3日でも)
・普通列車が混雑した区間は,特急・新幹線で飛ばす

090103171218
 この切符は,去年の正月に西日本を旅したときのものである。
 旅の途中の姫路駅で,とりあえず福岡まで買った切符だ。これだけ近い距離でも有効期間が4日もあるので,途中でのんびりと途中下車を繰り返す旅ができるのである。
 参考までに,そのときの行程を書き出すと……,

・姫路〜(山陽新幹線)〜福山:普通列車が非常に混雑する(という印象のある)区間なので,新幹線を使って通過する
  福山で途中下車:福山の街歩き・宿泊
・福山〜(山陽本線)〜松永:
  松永で途中下車:鞆の浦に行こうか迷った末,「ゲタの町」松永へ
・松永〜(山陽本線)〜尾道:
  尾道で途中下車:尾道の街歩き
・尾道〜(山陽本線)〜広島:
  広島で途中下車:街歩き・宿泊
・広島〜(山陽新幹線)〜小倉:
  小倉で途中下車:小倉モノレール,小倉の街歩き
・小倉〜(山陽新幹線)〜博多:
  博多を出るときに改札口に切符を取られる。

という具合である。有効期間が4日あったので,広島でもう一泊して,広電の路面電車を堪能するという手もあったなぁ……と,いまごろになって少し後悔したりして。

 というわけで,「気ままな旅」をしてみたいと考えている人は,「青春18きっぷ」もいいけど,普通の切符を使った「途中下車」にも注目すると,いい旅ができるんじゃないかと思う今日この頃であった。

【参考(上記 姫路〜福岡の切符での行動の記録)】
2009年1月 1日 (木曜日):城下町姫路の商店街を歩く
2009年1月 2日 (金曜日):ガラガラの500系こだまで西へ…
2009年1月 2日 (金曜日):備後国福山の中心街を歩く
2009年1月 3日 (土曜日):下駄の町 福山市松永
2009年1月 3日 (土曜日):「坂の街」以外の尾道を歩く
2009年1月 3日 (土曜日):尾道から電車を乗り継ぎ広島へ
2009年1月 4日 (日曜日):広島駅界隈 大須賀町の飲食店街
2009年1月 4日 (日曜日):広島駅界隈 猿猴橋町の愛友市場
2009年1月 4日 (日曜日):北九州の台所 小倉の旦過市場
2009年1月 4日 (日曜日):アーケード商店街の嚆矢 魚町銀天街
2009年1月 4日 (日曜日):小倉から博多へ

 最後に蛇足だけど,第三セクター化された並行在来線で「青春18きっぷ」が使えるかどうかは,愛用者にとっては非常に重要なポイントだ。
 JR東日本の「青春18きっぷ」のページを見ると,たくさんの注意書きの中に,次のような文章がある。

※JR線以外の路線(JRバス含む)はご利用になれません。(青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行線、伊勢鉄道線、北近畿タンゴ鉄道線、智頭急行線および土佐くろしお鉄道線など、JR線と直通運転をしている路線もご利用になれません)別に、ご利用になる区間に有効な乗車券類が必要です。(ただし、JR西日本宮島フェリーはご利用になれます)

 ただ,その下の項目までよく読むと,

※青い森鉄道線の「青森~八戸間」は、通過利用する場合に限り普通列車(快速含む)について、運賃を収受することなく利用できます。当該区間の青い森鉄道線で下車した場合、別に乗車区間の運賃が必要となります。ただし、野辺地駅に限り途中下車することができます。
例:青森駅から野辺地駅を経由して大湊線大湊駅へ向かう場合
(1)青森駅から大湊駅まで下車せず利用する場合
⇒「青森~野辺地間」の青い森鉄道線の運賃は不要です。
(2)青森駅から浅虫温泉駅で途中下車して大湊駅まで利用する場合
⇒「青森~浅虫温泉間」と「浅虫温泉~野辺地間」の青い森鉄道線の運賃が必要です。

というわけで,「青春18きっぷ」でも,八戸〜青森間は野辺地でしか途中下車することはできないという条件付きになるけど,青い森鉄道に乗ることができるようになったようだ。これは嬉しいニュースのはず。残念ながらIGRいわて銀河鉄道には乗れないようなので,盛岡から八戸,青森という旅は難しいようだが……。

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