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2008年10月16日

Unbelievable! 新MacBookの製造方法が…

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 10月15日水曜日,AppleのノートパソコンMacBookラインナップがモデルチェンジした。約5年ぶりの大幅な変更と言える。NVIDIAのGPU (GeForce 9400M) チップセットや LEDバックライトディスプレイなどを新たに採用しているものの,プロセッサの動作クロックやサイズ/重量にはあまり変化はなく(だいぶ薄くはなったが),むしろノングレア・ディスプレイが選べないとか,FireWire 400ポートの消滅とかネガティブなイメージもつきまとい,いまいち話題になっていないような気がする。

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 個人的には,昨年4月にMacBook Pro昨年8月にVAIO type Tを買ったばかりなので,新しいノートパソコンを買えるような状況ではないし,新しいMacBookを見ていると欲しくなってしまいそうなので,あまり関心を持たないようにしている。

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 興味のスイッチが入ってしまうと,うっかり衝動買いしてしまいそうで怖い。

 ただ,Appleが「ユニボディ」と呼んでいる新しいMacBookの筐体の製造方法(10月15日の発表前にリークされていた「Brick」のことだろうと推測される)にだけは,どうしても無関心ではいられない。

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 (AppleがWebサイトで公開しているムービーから)

 ユニボディは,アルミ合金のブロック材をマシニングセンタで削り,表面に酸化皮膜処理を施している。従来の筐体がアルミ・ダイキャストのフレームとアルミ板金のプレス材を組み合わせて作られているのに対して,筐体を一体加工することで軽量化と高剛性化を図っているという。

 AppleはWebサイトで次のように説明している。

 このレベルの精密さを達成する唯一の方法が、航空宇宙産業で
ミッションクリティカルな宇宙船部品の製造にも使われている
CNC(コンピュータ数値制御)装置を使って、一枚のアルミニウム
からユニボディを削り出す技法だったのです。

 私が現在飯を食っているのがこの分野で,確かにほとんどの機器の筐体はアルミ合金の削り出しで作っている。軽量化と高剛性を両立するのに適した方法ではあると思う(積層したCFRP [Carbon Fiber Reinforced Plastics: 炭素繊維強化プラスチック]の一体成形で作るという考え方もあって,実はSONYのVAIO type Tなどでそれが使われているのも面白い)。

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 (AppleがWebサイトで公開しているムービーから)

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 (AppleがWebサイトで公開しているムービーから)

 問題は製造コストだ。フレームを1個作るのにどれだけの時間が掛かるというのだろう。それほど高い補強リブは見あたらないが,ネジ固定用の背の高いボス(突起)は結構数多く立っている。側面のI/Fコネクタ部分などはアンダーカットになっていて,放電加工のようなコスト高になる加工を行わざるを得ないはず。

 ほぼ「個産(同じものをたくさん作らない)」と言える人工衛星用の機器ならこのような製造方法でも成り立つが(本当に成り立っているのか? もっと安価な製造方法があるのでは? という疑問は残るが),数十万台,数百万台という規模の「量産」機器で成立するとは思えない。
 金型を使って同じものをたくさん作る方法とは違って,生産個数に寄らず,同じようにマシニングセンタや放電加工機を使い,同じ加工速度で作るのだから,基本的にはフレームを1個作るのも百万個作るのも(1個あたり)同じコストが掛かるはずなのだ。こんなことは,考えられない。信じられない……。

 しかし,わずか10万円そこそこのノートパソコンという民生品において,Appleはそれを実現してしまっている。衝撃的事実だ。まさにイノベーション,革新である。どうやら,頭にこびり付いた今までの考え方が正しいかどうかを考え直さなければならないようだ。うーむ……その秘密を探るために,職場でMacBookを買ってくれないだろうか……。

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