今すぐわたしを見て/火取ゆき
火取ゆきという歌い手を知ったのは,まったくの偶然だった。友川カズキ(かずき)のライブ情報を調べようと渋谷アピアのWebサイトを見ていたところ,友川カズキの歌をカバーする女性の歌い手がいるということに驚いたのがきっかけだった。
友川カズキといえば,強烈な秋田訛りで魂の叫びを絞り出す,フォークソング嫌いな私をも虜にした One and Only の歌い手である。彼の作る歌は彼自身の中から湧き出た感情を表現したものだから,友川カズキの元を離れて他の歌い手が歌うことなど想像だにしなかった。しかも,女性歌手には歌えるものではないと,勝手に思い込んでいた。
火取ゆきというのは,どんな人なのだろう。とても気になった。彼女のプロファイルを見て,腰を抜かしそうになった。福島県三春町出身。オレと同郷じゃないか……。
すぐに火取ゆきのCDを入手した。『今すぐわたしを見て』『真昼の星空』の2枚。
初めて彼女の歌を聴いて,そのうまさに感動した。もちろん,音程が正しいかどうかという些細なレベルの話ではない。歌詞がしっかりと咀嚼され,聴き手の皮膚を突き破って心臓に突き刺さるのだ。
友川カズキのように声を絞り出すように絶叫することもなく,素直に淡々と,ややハスキーな低い声で歌う。妙なひねりや癖のない,旨く歌ってやろうというケレン味もない,正直すぎるほどの歌い方なのに確かな存在感がある。余分なものがそぎ落とされた中から,歌で表現された世界が沸き上がってくる。凄いものを聴いてしまった……という印象だった。
それからずっと火取ゆきを聴き続けている。
さらすのは恥しかない
ありのままあらんかぎり
血肉とていつかは
皮膚を出て不明になるのだや
(友川かずき 作詞・作曲『ワルツ』より)
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1. 夜の教室
2. 海みたいな空だ
3. ワルツ
4. グッド フェローズ
5. 空
6. 私の花
7. 柿の実なっても誰もいない家
8. ダンス
9. 水には映らない
10. 地球がおかしい
11. 弟
12. 花火
Musician:
火取ゆき Vocal, Acoustic guiter
石塚俊明 Percussion
永畑雅人 Piano, Accordion, Synthesizer
松井亜由美 Biolin
金井太郎 Acoustic Guiter
── 特別参加 ──
友川かずき Voice, Acoustic Guiter
Recorded Studio: 渋谷アピア '96.6 Studio Live
【参考】
火取ゆきの 2nd Album...

真昼の星空/火取ゆき
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