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2008年9月18日

iPhone販売不振というニュースの不思議

 ときどき読んでいるITmediaに次のようなニュースがあった。

《iPhone不振は「想定内」とKDDI小野寺社長 「スマートフォンよりケータイの方が使いやすい」》

 「iPhoneは、一時的にはブームになるだろうと思っていた。
 だが、端末が一般の人に魅力的かは疑問。こういう流れは
 想定していた」――KDDIの小野寺正社長は9月17日に開い
 た定例会見で、苦戦が伝えられるiPhoneの売れ行きについて
 こうコメントした。

 妙に気持ちが悪い記事だ。もともとiPhoneという携帯端末(スマートフォン)が,一般の人に対して大量に売れる分野の機械でないことぐらいわかっていたはずで,それが今になって「苦戦」というニュースがあちこちで飛び交っている。しかも,KDDIの社長ともあろうお方までもが,いまさらの内容を記者会見で話し,それが記事になる……。ちょっと気持ち悪すぎる。

 一般の人が日本のガラパゴス携帯電話に求めているのは,絵文字メール機能であり,FeliCaチップを使ったおサイフケータイ機能であり,ワンセグなのだ。普通のWebブラウジングやISPメールの読み書き,PCとのシンクロなんて,一般の人に売れる要素にはならない。そんなことはわかりきっていたことではないか。

 iPhoneの機能は,今まで日本のガラパゴス携帯電話には無い,あるいは,あっても使いにくいから,それが必要な人にはとても魅力的なのだ。だから行列ができるほどの異常人気になった。でも,もともとニッチな市場向けの製品なのだから,行列になるほどの売り上げが続くはずはない。
 サブノートPCやミニノートPCが人気だと言っても,ノートPC全体の売り上げから見れば,あくまでニッチな分野なのと同じである。

 でもって,KDDI小野寺社長の記事の後半がイカしている。

 「スマートフォンよりケータイのほうが使いやすい」
 「日本の携帯ユーザーにとってはテンキー入力が当たり前。
  テンキーを前提にした日本語変換が便利になっており、
  今のスマートフォンより圧倒的に打ちやすい」

というのはわかる。PCのキーボードで入力するより,テンキー入力の方が速いというひともいるらしい。

 でも,そんなKDDIが満を持して発表するスマートフォンが,『Windows Mobile 6.1 Professionalを採用し、QWERTYキーボードを搭載』というのでは,これはジョークか自虐ネタか……,いずれにしてもちょっと内容に無理がありすぎではないだろうか。

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 というわけで,私が挫折したW-ZERO3 Advanced [es](OSはMicrosoft Windows Mobile 6)が搭載するWebブラウザ Internet Explorer Mobile の画面である。

 Internet Explorer Mobile はその名の通りMobile専用のWebブラウザのはずだが,PC用のWebブラウザの一部を省略し,画面をそのまま小さくしただけである。
 黒いシルエットになっているのは,箸の太さぐらいのスタイラス(タッチペン)である。たとえば,画面を閉じるためには,3mm角程度しかないクローズボタンをタッチする必要があるのだが,こんなユーザーインタフェースの機器が,一般の人向けの携帯電話に採用されても,皆さん困ってしまうのではないだろうか。

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 こちらはiPhone 3Gの各種設定画面。
 無線LAN (Wi-Fi) の設定をしておけば,無線LANが使えるところでは自動的に無線LAN接続となり(ちゃんとアクセスポイントも自動切り替えしてくれる),無線LANのエリア外では自動的にSoftBank 3Gでの接続となる。このように,当たり前のことが当たり前のようにできるところが素晴らしい。

 なぜ,このような簡単なことが日本の携帯電話ではできないのか,不思議でならない。
 iPhone 3Gに付属する説明書は,(Compliance Statement以外には)クイックスタートと書かれた薄い紙1枚だけである。それでも,iPhone 3Gのほとんどの機能は使うことができてしまうのだ。

 それに対して,W-ZERO3 Advanced [es]の取扱説明書は約400ページの超大作である。
 しかし,結局のところ,私はW-ZERO3を使いこなすことができなかった。PHSでネット接続ができている状態から無線LANへの切り替えは,あちこちいじり回す必要があったし,自動切り替えなんかはとうとう出来ずにあきらめてしまった。ノートPCにUSBで繋いだときも,あれこれいじらないとファイルシンクロとモデム機能の切り替えができなかった。

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 W-ZERO3の設定画面。
 たぶん,柔軟で明晰な頭脳を持った人ならば,この程度の機械は簡単に使いこなしてしまうのだろう。W-ZERO3は非常に多機能であり,取扱説明書を見る限りでは,私はその全機能の10%も使用していない。
 私がW-ZERO3を使いこなせなかったのは,とりあえず私の能力不足が原因だということにしておこう。しかし,ここではそれを棚上げにして,恨み辛みを書いておきたい。

 取扱説明書が何百ページにもなる携帯電話のシステム設計者は,アフォーダンスを意識して設計しているのだろうか。画面内にボタンをひとつ追加する際に,そのボタンが何をアフォード(〜できることを意識させるというような意味。適切な日本語が思い浮かばないこと自体が問題かも)するのかを考えてデザインしているのだろうか。そうは思えない。メニューやボタンのデザインが,それに続く機能や状態をアフォードしないから,詳細な説明書が必要になるのではないだろうか。

 だらだらと長文を書いてしまったが,調子が悪くて話がまとまらない。タイトルから話が逸れてしまっている。まったく,困ったことばかりである。

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