2017年6月23日

JR東日本651系が普通列車として常磐線に復活

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〔いわき駅に停車する651系(2002年11月撮影)〕

 JR東日本水戸支社が,常磐線(いわき〜竜田駅間)の一部普通列車の車両を特急型車両(651系4両編成)に変更することを発表した。

 651系の普通列車となるのは下記の2往復。
 下り(いわき発→竜田行き) いわき9:22,14:42
 上り(竜田発→いわき行き) 竜田10:03,15:24

 かつて常磐線の特急「スーパーひたち」として,華やかに130km/hでの営業運転を始めた651系電車も常磐線から引退。2015年3月13日までは「フレッシュひたち」の1往復で運用されたりしていた。

 その花型車両が,普通列車として常磐線に復活することとなった。各車両にドアが2カ所あるため,普通列車としても十分運用できるとの判断があったのだろう。

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〔友部駅を通過する651系「スーパーひたち」(2002年8月撮影)〕

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2017年6月17日

大船の中華「味喜」が復活!

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 臨時休業が続いていた大船仲通商店街の老舗中華屋の「味喜」が無事に復活。いつものおじいちゃん(たぶん私の父と同じぐらいかな)が元気に中華鍋を振っていてホッとした。

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 先月まで貼られていた店頭の貼り紙。

 4月末までの休みが5月末まで延びて,その貼り紙にたくさんの応援メッセージが書かれていた。
 町の小さな中華屋だけど,復活を心待ちにしていたファンは多かったのだ。

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 久しぶりの「味喜」で何を注文するかは迷った。王道のサンマーメンかチャーハンか。カレーライスや定食もいいなと思いつつ,いかにも「町の中華屋」的なオムライスにした。ケチャップライスが美味いんだな,これが。

 無理せず長く続けてほしい店だ。

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2017年6月 9日

MacBook Proのバッテリーが膨らむ

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 月末の日曜日の夜,酷使しているMacBook Pro Retina 15-inch Late2013が突然フリーズ。めったにしない再起動をしたら(普段使わないときはスリープさせるだけ),起動しなくなってしまった。macOS復元から起動してディスクの修復を試みるが,起動時のエラー音すらない。お手上げだ。

 よく見ると,バッテリーが異様に膨張してケースが膨らんでいる。確か2012年以前はバッテリー膨張が無償修理だったが,今は違うはず。トホホ。

 平日は休めないが,ちょうど金曜日が謎の休日だったため,アップルストア銀座のGenius Barに持ち込んだ。

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 Genius Barが提案した解決策は,バッテリートップケースの交換で19,800円。キーボードのついたトップケースとバッテリーが一体化しているため,トップケース丸ごと交換となるらしい。
 キーボードがヘタっていて,しかもUS配列キーボードなので気楽に修理できないし,それも一緒に直るなら安すぎるぐらいだ。もともと7万円ぐらいは覚悟していたし,10万円を軽く越えるようなら6月のWWDC2017で新しく発表されるであろう新型のMacBook Proに買い換えることも考えていたほどである。

 さらに,このへんがGenius Barのいいところなのだが,ジーニアスがRetinaディスプレイの片隅にわずかなコーティング剥がれ(持ち主の私が気にしていなかったレベル)を発見し,既に発表されている無償修理・交換プログラムを適用してくれることになった。

 過去には,iPodの不具合をGenius Barに見てもらいにいったら,ヘッドホンのケーブルが気にしないレベルでヨレヨレになっていることにジーニアスが気づき,その場でヘッドホンを交換してくれたこともある。

 こういうサービスを経験してしまうと,Apple製品をまた使い続けたくなる(Appleにもいろいろ不満は多いけどね)。

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 というわけで,目に見えるところはほとんど交換となり,一週間後,どこから見ても新品のようになったMacBook Proとご対面。

 実は修理中にSSDにも不具合が見つかり,SSDも新品と交換になっている。修理途中で電話が掛かってきて,SSD交換に約7万円かかるけど修理を進めていいかとの確認があり,1TBの内蔵SSDが7万円で済むならしかたがないとあきらめていたのだが,Genius Barの対応でSSD交換も無償ということになった。まるで狐につままれたような嬉しさ。

 約2万円の出費で,ほぼ新品と言っていいMacBook Proが戻ってきた。

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 これが今回の修理確認表である。AppleCareには入っていない(iPhoneは入っているけど)。

 Flash Storage 1TB ¥103,000 → ¥0
 一律料金2修理 MBP15 ¥65,900 → ¥0

 Top Case with Battery ¥19,800
 Display Assembly ¥68,200 → ¥0
 ハードウェア修理の技術費 ¥9,300 → ¥0
 消費税 ¥1,584
 合計 ¥21,384

 全部丸ごと有償だったら20万円超え,たぶん新しく発表されるはずの新MacBook Proを買うことになってたと思う。ハードウェア修理の技術費がなぜ0円になるのかよくわからないが,安くなることに文句を言う人はいない。

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 新しくなって戻ってきたMacBook Proを背負い,足取りも軽く銀座の街へ。

 SSDが新品になって中身もまっさらになってしまったが,Time Machineを使っているから帰宅したらCommandキー+「R」を押しながら復元システムを起動して,「Time Machineバックアップから復元」を選択するだけで,故障前の状態に戻る。楽ちんすぎる。これもMacを使い続ける理由だ。

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2017年5月27日

ソニーからα9が登場して思ったこと

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 ソニーが5月26日にα9を発売開始した。有効画素数を2,420万画素に抑えた(α7R IIは4,240万画素)裏面照射型の積層型CMOSセンサー「Exmor RS」を採用することで,無音電子シャッター秒間最高20コマのAE/AF追従連写でファインダー像ブラックアウトなしを可能にしたことが話題になっている。

 個人的には連写機能をほとんど使用しないので(秒間最高9コマのNikon D3を持っているが連写機能はまれに露出ブラケットするときしか使用しなかった),むしろ高速読み出しに特化することによって,Nikon D5の常用感度域でのダイナミックレンジがD4SやD810よりも劣化したように,α7R IIより画質が落ちる可能性を危惧する。むしろ,これで値段が下がるかもしれないα7R IIのほうに魅力を感じる。

 α9は瞳認識AF機能も優秀らしく,従来は顔を認識しにくいような場面でも瞳を自動検出してAFが追従するという。ただ,これも人物のポートレイト撮影をしない私にはどうでもいい機能だ。所有しているα7Sに顔認識AF機能がついていても,オンにしておくと商店街の写真を撮っているときに,かなり遠くの人物でも顔認識AFが動作してわずらわしいので,普段はオフにして使っている。

 つまり,私はα9を「すっぱい葡萄」だと思っているという意味である。

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 おもしろいと思ったのは,縦位置グリップ「VG-C3EM」だ。以前にも書いたが,私はカメラを小指まで使ってしっかり握りたいタイプなので,持っているカメラのほぼすべてに縦位置グリップを付けて使っている

 唯一つけていないのがソニーのα7Sだ。その理由はブログ記事『ソニーα7Sの縦位置グリップ「VG-C1EM」』に書いたように,縦位置グリップの形状が間延びしていてかっこ悪すぎるからである。

 ところが,α9の縦位置グリップを見ると,かっこ悪さが少しだけ低減している。よく見ると,純正のAマウントレンズアダプター「LA-EA4」との干渉を避けるために薄くなっていたグリップがまともな大きさになっているのが見てとれる。
 縦位置グリップ「VG-C3EM」のページの注意書きを読むと,その秘密が書かれている。“本機とマウントアダプターLA-EA2/LA-EA4は同時に装着できません。同時に装着すると、本機とマウントアダプターの隙間が狭くなり持ちにくくなります”

 要するに自社製アダプタとの干渉回避をあきらめたのだ。Aマウントレンズアダプターの使用者は多くても5%ぐらいだろうか。縦位置グリップも多くて5%ぐらいだろう。とすると,Aマウントレンズアダプターと縦位置グリップを併用するユーザーは大ざっぱに0.25%。ソニーはこれらのユーザーを切ったのである。経営的には妥当な判断かもしれない。

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 カメラのグリップの小指の収まりを改善するアクセサリーとしてグリップエクステンション「GP-X1EM」が同時発売されたのはとても興味深い。メーカーのソニーが「小指の収まり」を気にしていることが知れただけでも収穫だ。

 小指の収まりのために大きな縦位置グリップを付けている人の中には,代わりにこのグリップエクステンションに飛びつく人も多そうだ。
 α7発売時にグリップエクステンション「GP-X1EM」のようなアクセサリーが発売されていたら,私はたぶん購入していたと思う。小指の収まりのためにα7Sで使用している中華製のブラケットを購入することはなかったに違いない。その中華製のブラケットというのはこれ。

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 INPON製の「L型クイックリリースブラケット アルカスイス互換 1/4"ネジ付 SONY α7/α7r 専用」2,500円である。実際に送られてきた製品と微妙に形が違っているあたりはご愛敬,かな。

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 アルカスイス互換のL型ブラケットだが,三脚は使わないのでL型の横の部分は使わずに外したままにしている。側面にはカメラストラップを縦吊りするための穴も空いていて,なかなかよくできている。
 ブラケットを使わずに三脚にネジ止めするための穴も,レンズ軸の中心とカメラボディの中心の2カ所に設けられていて,気にする人は気にする場所なので,気が利いている。
 付属していた六角レンチ(いわゆるアーレンキー)が安っぽくて,焼入れが甘くてすぐにヘタってしまったことを除けば,よくできた製品だと思う。

 そういえば,ソニー純正の「GP-X1EM」を使うと三脚はあきらめなければならないし,バッテリー交換をするときには取り付けねじを緩めて,グリップエクステンションをずらさなければならない。その点,INPON製ブラケットはそのままバッテリー交換が可能だ。値段も「GP-X1EM」は12,130円と高価だ。

 あれっ,ひょっとして中華製L型ブラケットのほうが良かったりして……

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2017年4月22日

K-1でM35-70mm f2.8-3.5を使ってみた

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 部屋に散らかってる古レンズをいじっていたら,smc PENTAX-M ZOOM 35-70mm F2.8-3.5 が出てきた。1978年に発売された大口径の標準ズームレンズで,当時は多く見られた直進式ズームである。キヤノンが1973年に発売した名レンズFD35-70mm F2.8-3.5が当時10万円の超高級レンズだったのに対して,同スペックで確か7万円ぐらいだった。

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 smc PENTAX-M ZOOM 35-70mm F2.8-3.5のズームは直進式で,ピント合わせと同時に直感的にズームできるのが特徴だ。標準域より広角寄りのズームレンズなので,レトロフォーカスの2グループ式ズームになっていて,広角側で全長が長く伸びるのが特徴だ。

 レトロフォーカスの2グループ式ズームは,現在は広角ズームレンズに使われていて,動かない鏡胴部にフード固定部を設けると望遠側で前玉が引っ込み,広角側で前玉が出っ張るので,フードの遮光効果が効率的になる(ズームフード)。

 以前は大口径標準ズームにもレトロフォーカスの2グループ式ズームが多く,キヤノン・ニコン・ペンタックス各社の大口径標準ズームはいずれもそうだった。現在はニコンだけがズームフードタイプで,ズーミングしてもフード先端までの全長が変わらない。キャノンやPENTAXの大口径標準ズームは望遠側でフード先端までの全長が伸びるタイプになっている。

 せっかくなので,PENTAX K-1にsmc PENTAX-M ZOOM 35-70mm F2.8-3.5をつけて大船の街を撮り歩いてみた。APS-CサイズセンサのPENTAX K-5 IIsでは面白くない画角になるので,デジタルカメラでは一度も使わずに放置していたレンズだが,フルフレームのK-1だと仕様そのままの35-70mmのズームレンズとして使える。

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 JPEG撮影。Mレンズなのでカメラに焦点距離やピント位置情報,絞り情報が伝わらないので手ぶれ補正OFF,薄暗かったのでISO400で絞りF4ぐらい。シャッター速度は1/640。EXIF情報で焦点距離が35mmになっているが,(手ぶれ補正機構用に手入力で)35mmとしているだけで,実際は50mm〜60mmぐらいで撮っていると思う。

 ズームレンズ初期のレンズなので性能が良いわけではないが,ズーム倍率で無理していないので,まあそこそこ普通に写っている。特に中心部は最新のD-FA24-70mm F2.8の写真と並べられても区別できないと思う。

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 左上を拡大。予想していたよりもずっと良く写る印象だ。

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 右上の拡大。パープルフリンジが多めなのは(残念ながら)PENTAXの特徴で,古いMレンズではカメラのレンズ収差補正機能も働かないのため,もっとヒドいことになると思ったが,夕方で空がそれほど明るくなかったので悲惨なことにはならなかった。

 もともとは特徴的な2段式のねじ込み式のレンズフードが付属していて,そのフード目当てに買ったレンズだったが,今は肝心のそのフードを紛失。しかも,レンズに保護フィルタ類は付けない主義(という言うほどでもないが)なのに,売っていたときに付いていたUVフィルタのねじ部に歪みがあるらしく,外せない状態なのが残念。

 しばらく放置していたブログで記事を書いてみた。1〜2行の簡単な記事にするつもりが,日本語をまとめる能力に欠けるため,まただらだらと長くなってしまった。

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2017年4月 5日

iPhone 5s から iPhone 7 に機種変更

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 docomoがiPhoneを始めた2013年9月から使い続けてきたiPhone 5sだったが,バッテリーが完全にヘタってしまい,満充電だったiPhoneを一日中職場の携帯ロッカーの中に置いておくと,帰宅時には残り容量が数%にまで減少している状態になってしまった。

 金属製ロッカーの中で電波が弱くなるので,iPhoneが頑張って通信しようと電波を増幅するためにバッテリーを余計に消費するのだろう。通信量の多いアプリを落としたり,飛行機内モードにしたりしていたが,焼け石に水。

 とうとう新しいiPhone 7に機種変更した。4.7インチディスプレイの256GBモデルで色はジェットブラック。
 実は片手使用派なのでiPhone SEが本命だったが,ストレージが最大でも128GBのままで,とうとう256GBのタイプが出なかったため,泣く泣くあきらめた。256GBあればiTunesの音楽が丸ごと入ってしまうのが大きい(Apple MUSICがあるので,丸ごと入れる魅力は薄くなったが)。

 帰宅してさっそくバックアップからシンクロ……と思ったが,なぜかエラーが出る。一瞬焦ったが,新しいiPhone 7のOSが古いiOS10.2のままだったため,まずは最新のiOS10.3.1にアップデートしたら無事にシンクロ完了。

 待つこと約30分でiPhone 5sと中身がまったく同じiPhone 7が出来上がった。壁紙はiPhone 4の頃の水滴のやつがそのまま引き継がれている。iPhoneを使っている限り,新機種になってもアプリをインストールし直したり,データを読み込み直ししなくて済むので楽ちんだ。

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2016年9月18日

iPhone 7 登場。やっぱりAppleは変態だった

iPhone 7 登場

 日本時間の9月8日午前2時に開催されたAppleのイベントで iPhone 7 が発表され,9月16日に一斉に発売された。

 やっと防水仕様になったことや,日本独自規格になりそうだったFeliCiaに対応したこと,ホームボタンが物理ボタンからタッチセンサーになったこと,そしてとうとう忌まわしき「Dライン」がなくなったことなどが注目されている。

 iPhone 7を見て,個人的には「やっぱりAppleは変態だ」と思った。なぜならiPhone 7は,大量生産が必要な民生品にはあり得ない製造方法で作られているからだ。

 まず,iPhone 7発表前にリークされていた画像を見てほしい。

iPhone 7 リーク画像

 この写真を見て,私はカメラ部分の出っ張りに落胆するとともに,板金プレス加工かプラスチックの射出成型品のように見える外観に,とうとうApple社がiPhoneボディのアルミ合金切削加工をやめるのかと思った。

 なぜなら……

iPhone 7 リーク画像に追記

 このリーク画像のカメラ部分の出っ張りの赤線部分は,小径のボールエンドミルもしくは特殊なエンドミルによる加工が必要な「微小な内R(インナーR)」からテーパーに繋がる形状になっているからである。
 出っ張りが小さいので加工が不可能というわけではないが,そこまでして加工するほどカッコいいデザインではない。上にも書いたように,こういう形状は安上がりな板金加工や射出成形品によくある形状である。

 ひょっとしたらプラスチックの射出成形ではなく,以前話題になったリキッドメタル(射出成形が可能な金属)がとうとう採用されるのかとも思った。

 だが,登場したiPhone 7のカメラ部分の出っ張りはリーク画像とは全然違っていた。

iPhone 7 カメラ周りの形状

 リーク画像の赤線部分にあった「内R(インナーR)」のR寸法が大きく,太めのボールエンドミルで加工できる形状になっているのである。

 そう,Apple社はiPhone 7の筐体のキャビティ部分(部品の入る凹み側)だけでなく,iPhone 6sまでは簡単な仕上げ加工しか必要としなかった背面までも,カメラ部分の出っ張りを残してアルミ合金切削加工を行うことにしたのだ。ヘンタイならではの選択である。

iPhone 7 エンドミルで削り出し

 上図は,アルミニウム合金ボディの背面を,カメラ部分の出っ張りを残してエンドミルで切削加工しているところの写真である(カメラ部分のキャビティを切削している)。酔狂にもほどがある製造方法だ。

 日本のメーカーのメカ技術者には,こんなことをブログに書いている私のような暇人は少ないから,その界隈から特に大きな声が聞こえてくることはないが,「こんなのを切削で作るのかよ〜?」「意味わかんねぇ〜」「ふつう別パーツで作るだろ〜」という地響きのようなため息が聞こえてくるのを感じた。

 それほどまでにApple社の技術者はヘンタイ(もちろん褒め言葉)なのである。

iPhone 7 3D回転研磨

 カメラ部分の出っ張りをエンドミルで切削加工できたとしても,どうしてもツールマーク(やカッターマーク)は残る。表面に陽極酸化皮膜処理をする前に,ツールマークなどをきれいにするため,一般的なバフ研磨処理をするのではなく,「3D回転研磨」という処理を行っている。

 この「3D回転研磨」処理については,どういう技術なのかよくわからなかった。カメラ部分の出っ張りを不用意に研磨しすぎないような処理なのだろうとは思われる。バレル研磨とバフ研磨の中間のようにも見えるが,より精密な研磨処理のだろう。

iPhone 7 酸化皮膜を磨く

 ジェットブラックの仕上げでは,さらに凝ったことをしている。陽極酸化皮膜を付け,多孔質部分に染料を染み込ませた後で(ふつうはここで仕上がり),研磨剤を含んだ磁性流体を使って表面を高精度に研磨しているのだ。磁性流体の磁場などを調整することで研磨剤の特性を制御できるのが特徴らしい。

 そうして,とうとうジェットブラック仕上げの美しいiPhone 7が出来上がる。美しい表面仕上げにここまでこだわったiPhoneであるから,ユーザーはみすぼらしいケースなどに入れたりせずに,ぜひとも美しいままの姿で使用してほしいものである。

 iPhone 7 の筐体にリキッドメタルは使われなかったが,筐体の仕上げに磁性流体が使われた。
 5年ぐらい前に,Apple社がリキッドメタルの使用ライセンス契約を取得したとき,リキッドメタルと磁性流体を混同してしまう人が後を絶たなかったが,意外なかたちで磁性流体とiPhoneが関わることとなった。

 さて,私は現在 iPhone 5s(64GB)を使用している。約3年間使用し続けていて,バッテリーがかなりへたってきており,そろそろ機種変更を考えているところだ。

 iPhoneを片手で使用したいのと,カメラ部分の出っ張りが嫌いなので,乗り換えるならばiPhone SEかと思っているのだが,iPhone SEのストレージ容量が最大64GBしかないため,躊躇しているところである。
 MacのiTunesに入っている音楽を全部iPhoneにも入れたいので,少なくとも200GBの容量がほしい。

 iPhone 7は片手で使うには大きすぎ,カメラ部分は出っ張っているが,最大容量256GBのモデルがある。さてさて悩ましすぎる……

【関連記事】
2015年10月 4日:iPhone 6s発表。落胆そして感服
2013年10月20日:iPhone 5sのホームボタンの話
2013年9月12日:斜め下からの目線でiPhone 5cに驚く
2013年3月 3日:デザインに対するAppleの拘泥ぶりが恐ろしい
2010年10月21日:新MacBook Air登場:Unibodyはやっぱり凄い
2010年6月10日:Apple iPhone 4 びっくり仰天のハードウェア

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2016年9月 6日

デジタル一眼レフ PENTAX K-1 極私的評価

      〈 一風変わった視点から大ざっぱに重箱の隅をつつく 〉

 リコーイメージングから登場した待望のフルフレームデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」。入手してから約4か月が経ったので,実際に使ってみての私なりの印象を書き留めておくことにする。

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 まず前提条件として,私がどのような環境でPENTAX K-1を使っているかを説明する必要があるだろう。

 銀塩フィルム時代からLXやMZ-SなどのPENTAX Kマウントのカメラと,F3HPやF5などのNikon Fマウントのカメラを併用してきたこともあって,フルフレームのデジタル一眼レフカメラとしては,Nikon D3,D800E,そして一眼レフではないがミラーレスカメラであるソニーα7Sを使用している。PENTAXのAPS-C一眼レフはK-5 IIsを使用していた。

 これらのカメラ同士を比較して評価してみる。何やら数値を測定したり,同じものを撮り比べて画質を比較するのは面倒なので,あくまで私の感覚による極私的評価であることをあらかじめ断っておきたい。

 現在使用しているカメラ同士のスペックを比較すると次のようになる。D800Eやα7Sは最新のカメラではないので,とりあえず参考としての比較である。

価格コムでのカメラ比較
K-1・D800E・α7Sの比較(価格.comのカメラ比較ページより)

■ ボディサイズや質量についてあれこれ

 スペック比較表(K-1の連写撮影の数値6.5コマ/秒はAPS-Cクロップでの数値であり,フルフレームでは約4.4コマ/秒が正しい)からわかるように,K-1はD800Eとモロに競合する製品である。この2機種に対してα7Sは画素数を控えて高感度での撮影にやや特化しているのと,ボディサイズが小さく,質量も約半分しかない。

 実際に手にした感覚も,K-1とD800Eはほとんど同じような重量・ボリューム感である。

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〔Nikon D800EとPENTAX K-1の比較〕

 私は一眼レフには基本的に縦位置グリップ(バッテリーグリップ)を付けて使用している。縦位置グリップ付きのサイズはD800EよりK-1のほうがわずかに小さいように見えるが,使用していて差は感じない。

 縦位置グリップを付けるとカメラはどうしても大きく,重くなってしまう。縦位置グリップ一体型のNikon D3と同じぐらいの大きさになってしまうのだから困ったものだ。横位置で撮影する場合でも,小指まで使ってしっかりカメラを握りたいのだからしかたがない。

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〔Nikon D3とPENTAX K-1の比較〕

 縦位置グリップの話を続ける。

 私はとてもミーハーなので,カメラは見た目が重要だと考えている。Apple社のMacBookのように,性能には関係のないノートPCの裏側の見た目にまで気を配った設計に魅力を感じるのである。その点で,PENTAXの一眼レフの底面のデザインには,ガッカリさせられることが多い。K-1もその悪しき伝統を引き継いだ底面だった。本ブログに写真を載せるのを控えたくなるほどである。

 さらに,PENTAXに限らず,カメラの底面にはCEマーク(EU基準適合マーク)やらFCC認可マーク,シリアルナンバーなどのシールがべたべたと貼られている。日本製のノートPCの底面とまったく同じで見苦しく不快である(あっ,日本製ノートPCは天板やパームレストにもべたべた貼ってあるか)。

 実は,縦位置グリップにはそれらの見苦しいさまを隠してくれる効果もあるのだ。

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〔PENTAX K-1の縦位置グリップD-BG6の底面〕

 縦位置グリップ「D-BG6」を付けたK-1の底面は,日の当たる日中にカメラを公衆の目にさらしても恥ずかしくないだけの外観となる。

 また,D-BG6の側面にはストラップを通す金具が付いている。縦位置グリップを付けたK-1にストラップを通すときは,通常のようにカメラの上部両サイド2カ所にストラップを付けるだけでなく,カメラに向かって左サイド2カ所にストラップを付け,カメラを横向きにぶら下げることもできるようになっている。古い銀塩カメラ時代からPENTAXに引き継がれる伝統だ。めでたしめでたし。

 とはいえ,K-1プレミアムデビューキャンペーンの景品として縦位置グリップD-BG6が送られてくるまでは,心配で心配でならなかった。それまで使っていたPENTAX K-5 IIsの縦位置グリップD-BG4などと同様に,縦位置グリップの底面が凹凸のない「のっぺり」とした平板ではないかという不安があったからである。

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 PENTAX K-5 IIsの縦位置グリップD-BG4の底面は,こんな感じでまったく凹凸のない「のっぺり」とした平面だった。こんなのだったら,たとえ景品でもらった縦位置グリップでも残念無念で三日ぐらい寝込むところだった。

 PENTAXの一眼レフの縦位置グリップにはもうひとつ大きな問題がある。「三脚穴の位置」である。縦位置グリップを付けると,三脚穴の位置がレンズ軸から横にずれてしまうのである。

 三脚穴の位置がレンズ軸からずれてしまう原因は,PENTAXがK-7の頃から何世代にも渡って使い続けているLi-IonバッテリーD-LI90Pの構造にある。

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〔PENTAX Li-IonバッテリーD-LI90P〕

 縦位置グリップを外して,バッテリーフォルダーと三脚穴用雌ねじの位置関係を観察すれば,理由は一目瞭然である。縦位置グリップ内部の三脚穴用雌ねじの出っぱりにバッテリーが当たらないようにするためには,バッテリーをグリップ内部においてカメラのボディ側に寄せなければならない。
 しかし,Li-IonバッテリーD-LI90Pの4つの電極は上記写真の左上のように,バッテリーの厚み方向の面に付いているため,縦位置グリップのバッテリーフォルダー上面側(ボディの底面側)に,D-LI90Pの4つの電極と接触するバネ構造の電極を設置しなければならないのである。

 縦位置グリップ内に,バネ構造の電極,D-LI90Pバッテリー,バッテリーフォルダー,三脚穴用雌ねじを高さ方向に重ねると,縦位置グリップが縦に長くなってしまうため,しかたなく三脚穴用雌ねじをバッテリーと干渉しない位置までずらしている。それがレンズ軸と三脚穴がずれてしまう理由だ。

 新しいカメラを買っても,それまで使い続けたバッテリーや充電器が継続して使用できるのは大変嬉しいし,それに関してはメーカーに最大限の賛辞を贈りたい。

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〔NikonのLi-IonバッテリーEN-EL15〕

 NikonのLi-IonバッテリーEN-EL15のように,バッテリーの肩部に電極を設け,縦位置グリップの内部にはバッテリーの厚み方向の電極を必要としない構造のバッテリーにすれば,三脚穴用雌ねじをずらす必要はなくなる。

 参考までにD800Eの縦位置グリップMB-D12の底面の写真を載せて,縦位置グリップの話は終わりたい。

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〔Nikon D800Eの縦位置グリップMB-D12の底面〕


■ 第3のダイヤルでとうとう完成した「ハイパー操作系」

 ハイパー操作系は,他社カメラを使ってきたユーザーには理解しにくいのと同時に,通常の前後2つのメイン・サブダイヤルだけでは完結しない操作系だった(レンズの絞りリングが使用できる場合を除く)。K-3 IIまでのハイパー操作系では,露出補正のために露出補正ボタンを押しながらダイヤルを回すという,まことに忌まわしい操作が必要だった。

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 K-1に第3のダイヤル,つまりスマートファンクションと設定ダイヤルが追加され,ハイパープログラム・ハイパーマニュアル時の露出補正もダイヤルひとつを回すだけで済むようになった。まさに「ハイパー操作系」の完成である。

 ハイパープログラム・ハイパーマニュアルを使う限り,D800Eやα7S,世の中のその他のカメラのように,絞り優先AEやシャッター速度優先AE,プログラムAEをいちいちモードダイヤルを回して設定する必要はないし,マニュアル露出時に前後のダイヤルをカチカチ回して露出を調整する必要もない。

 撮影時の露出調整のしやすさに関しては,K-1=圧勝,D800E=旧態依然,α7S=まるでダメ男という印象だ。

 この件に関しては,2015年11月26日に『PENTAXのハイパー操作系がとうとう完成へ』という記事を書いているので,そちらを読んでほしい。


■ シャッターボタンとシャッター回り

 K-1のシャッターボタンが,K-5 IIsやK-3のようなクリック感のあるタイプではなく,PENTAX 645ZやNikon D800EやD3その他のD一桁機のように,クリック感のないタイプになったことを祝って祝杯をあげようではないか!(参考:2016年3月23日『K-1のシャッターボタンはクリック感なし!』

 K-1やD800Eのシャッターボタンのレリーズ感覚は滑らかで,半押しからゆっくり全押しするまでに何の引っかかりもクリック感もなく,すぅ〜っとレリーズに至る。とても上品だ。

 シャッターボタン半押し位置から全押し位置までのストロークは,K-1のほうがD800Eよりも若干大きめに感じた。D800Eの短いストロークに慣れているためか,シャッターボタンを半押ししたまま続けてシャッターを切ろうとすると,シャッターボタンが半押し状態まで戻っていないため,全押ししてもシャッターが切れないことが何度もあった。この点については慣れが解決してくれるかもしれない。サービスセンターなどへの持ち込みで,ストロークの調整をしてくれるのならそれに越したことはない。

 それに対してα7Sのシャッターボタンは,クリック感がないのは良いのだが,シャッターボタン動作の軸外方向に微妙なガタがあって,レリーズする瞬間にシャッターボタンがグニっと横にずれる感覚がある。今までにたくさんのカメラを使ってきたが,過去に経験したことがない安っぽさである。

 α7Sには「サイレント撮影モード」という最強の撮影モードがある。シャッター音を“完全に無音”にできるのである。こればかりは一眼レフカメラにはマネできない。

 K-1とD800Eのシャッター音はかなり大きい。PENTAXのK-5 IIsのシャッター音はとても小さく,柔らかい感じだったが,それに比べるとK-1のシャッター音はメカニカルな感じで甲高く大きい。D800Eのシャッター音も大きく,やや緩んだバネのような音(たぶん制振部材かな)が混じる。後継機のD810では静音化,ショックの低減が図られていてうらやましい。

 光学ファインダー周りはK-1とD800Eで互角と言いたいところだが,残念ながらK-1はスクリーンの交換ができない。スクリーン交換ができなくても,透過型液晶による構図用9分割グリッド表示はできる。しかし,9分割グリッドは写真の水平を取るためにはあまり役に立たないため(9分割グリッド表示が水平を取るために役立たないことは別記事にまとめてある),D800Eのような16分割グリッド表示,もしくは25分割グリッド表示がほしかったところだ。
 α7SはEVFであるため,25分割グリッド表示が可能だ。ただし,光学ファインダーのグリッドと違ってグリッド線が太くてじゃまくさい感じがする。

 写真の水平を確認するための16分割グリッド表示ができないK-1ではあるが,良い写真には水平が重要だと考えるユーザーへの最強の助っ人「自動水平補正機能」が付いている。被写体をグリッド線に合わせて水平・垂直を確認したりせず,全体の構図やピントなど他のことに注意を集中させながらでも,カメラが自動的に水平を出してくれる機能である。9分割グリッド表示しかできないK-1の弱点を補って余りある機能だ。


■ レリーズタイムラグ

 シャッター周りで重要なレリーズタイムラグは下表の通りである(データは「IMAGING RESOURCE」のサイトから)。

PENTAX K-1  Nikon D800E  SONY α7S
Shutter Response  0.086 sec 0.043 sec 0.024 sec
Shot to shot <0.30 sec 0.42 sec 0.53 sec

 ここで,Shutter Responseはシャッターボタン半押しでAFロック後,シャッターボタンを全押ししてからシャッターが切れるまでの時間(つまりレリーズタイムラグ)である。Shot to shotは,単写モードでLargeサイズのJPEGで写真を撮った後,次にシャッターが切れるまでに掛かる時間の平均値である。

 K-1はPENTAXの一眼レフにしてはレリーズタイムラグが短いと言われていたが,レリーズタイムラグは0.086秒であり,あまり速くなっていない。0.065秒ぐらいになっていることを期待していたので,ちょっと残念な結果である。
 同じシャッター速度での光学ファインダーのブラックアウト時間は,K-1のほうがD800Eよりもほんの少しだけ長いように感じられる。

 レリーズタイムラグに関しては,やはり電子先幕シャッターが使えるα7Sが断然有利である。一眼レフカメラはどうしてもミラーアップする時間が必要になるため限界がある。
 α7Sで電子先幕シャッターをOFFにすると,レリーズタイムラグは0.168秒になってしまうので注意が必要である。

 Shot to shotの数値は,街を歩きながら,通りかかる人や車を避けて町並みを撮影するときにはとても重要になる。写真を1枚撮った直後にそれを上回るシャッターチャンスがやってきたときに,自由なタイミングですぐに次の写真が撮れるかどうかを表す数値だからである。
 一般的にコンパクトデジカメはこのShot to shotの数値が大きく,狙ったタイミングでシャッターボタンを押しても,思い通りにシャッターが切れないという事態が発生しやすい。

 たとえば,Canonの高級コンパクトデジカメ G1 X Mark II のShot to shot timeは,Large Fine JPEG時に1.01秒,RAW時には1.14秒,83倍ズームを誇るNikonの P900 のShot to shot timeはLarge Fine JPEG時に1.36秒もある。連写モードでは1秒間に約7コマも撮影できることをウリにしているカメラでも,1枚撮った後は1.36秒も待たないと,次のシャッターが切れないのだ。

 その点でK-1の0.3秒以下というのは,ほぼ思い通りのタイミングでシャッターが切れるということになる。今まで普通に商店街や町並みを撮影していて,D800Eで思い通りにシャッターが切れなかったという記憶はなく,α7Sでは何度か経験したことを覚えている。Shot to shot timeが1秒以上あるコンパクトデジカメでは何度も経験している。もちろん他の要因が重なった可能性もあるので,断定的することはできないが,私の使い方だと0.5秒あたりに感覚の閾値があるのかもしれない。


■ 画質について

 私はRAW現像などという面倒なことが嫌いなので,よほど明暗差の大きなところでなければJPEGオンリーで撮影している。そして,K-1のJPEG画質には満足している。
 他のデジカメとは比較にならないほど絵のカスタマイズが可能なので,ダイナミックレンジ拡張のハイライト補正・シャドー補正の他に,大ざっぱにいうとコントラスト低め,暗部持ち上げの設定をかなり強めにかけている(他の人にはお薦めしない)。

 K-1のダイナミックレンジは広く,撮ったJPEGデータの暗部をさらに持ち上げても,ノイズまみれになることはない。超高感度撮影では,ISO感度100〜204800のK-1よりも,ISO50〜409600(拡張時)が可能なα7Sのほうが優れていることになるが,α7Sの低感度でのダイナミックレンジは意外なことにK-5 IIsよりも狭く,撮った写真の暗部を大きく持ち上げると,ガッカリするほどノイズだらけになる。

 通常感度での画質は,K-1>D800E>α7Sの順番になる印象だ。


■ 話題のフレキシブルチルト液晶について

 K-1で三脚を使っての撮影を行っていないので,フレキシブルチルト液晶の真価は不明。液晶を上に向けると,ウエストレベルでの撮影が簡単にできるのは便利だ。ただし,シャッターボタンがボディ上面(軍艦部)ではなく,前方に傾いたグリップ上部に付いているため,ウエストレベル撮影のときに右手親指でシャッターボタンを押しにくい。ISOボタンをシャッター代わりに使えるようにカスタマイズできれば,なお便利になるだろう。

 α7Sでもウエストレベル撮影はできることになっているのだが,EVFと液晶ディスプレイとの自動切り替えの感度設定が悪く,ウエストレベルでは腹部の赤外線などを検知して勝手にEVFに切り替わってしまい,残念ながらまともに撮影できない。設定メニューでEVFと液晶ディスプレイを切り替えることはできるが,機動性に欠ける。


■ 簡単なまとめ

【K-1の良かった点】
・3ダイヤルで完成したハイパー操作系
・がっちりした防塵防滴ボディ
・高画質
・高ISO感度
・広いダイナミックレンジ
・歪みの少ない光学ファインダー
・旧機種と共通のバッテリー
・自動水平補正機能
・高いカスタマイズ性
・APS-C用のDAレンズでも十分な画素数

【K-1の残念な点】
・デフォルトのJPEG画像がシャキッとしない
・16分割・25分割グリッドのスクリーンがない
・機能詰め込みすぎで質量増大
・レリーズタイムラグが0.086秒と大きめ
・(D800Eに比べると)バッテリーの持ちが悪い
・Wi-Fi接続アプリが非常に使いにくい
・K/Mレンズの絞り値情報を伝達するレバー復活せず

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2016年9月 4日

JR九州が長崎駅西側移転のイメージを公表

 長崎駅、22年度に西側へ引っ越し 新幹線開業で再開発(2016年9月1日 朝日新聞)

 JR九州は、博多―長崎を結ぶ九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)が開業する2022年度の長崎駅周辺の再開発イメージを公表した。

 現在の在来線駅の西側に、新幹線駅を新設。さらに在来線も高架化して西側に移す。空いた敷地に新しいビルを建て、商業施設やホテル、オフィスなどを入れることを検討している。

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〔JR長崎駅とかもめ広場(2012年4月30日撮影)〕

 JR九州が発表したイメージは,既に長崎市が「長崎駅周辺まちづくり基本計画」や「長崎駅周辺土地区画整理事業」計画として公表している内容と同じで,特に新しい情報はない。

 長崎市の長崎駅周辺土地区画整理事業のページから,長崎駅周辺の整備イメージを引用する。ただし,そのままだと地図の上が西を向いていて現在の地図と比較しにくいため,90°左回転させて,地図の上を北に向けている。


Photo

〔長崎駅周辺の整備イメージ(長崎市の長崎駅周辺土地区画整理事業のページより)〕

 計画では,現在の在来線駅の西側に隣接した長崎車両センター(車両基地)を早岐駅の佐世保車両センターに移設し(2014年3月15日に移転済み),長崎車両センターの跡地に高架化した長崎本線と新幹線の長崎駅を移転することになっている。現在の長崎駅の在来線ホーム一帯は東口駅前広場となる。

 駅が西側に大きく移動するため,現在長崎駅の改札口の前にあるアミュプラザ長崎・かもめ広場と新駅舎の間には大きなスペースが生まれる。上記整備イメージ図では「開発予定地」となっていて,ここには新しい商業施設が建てられることになりそうだ。

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〔写真右が現長崎駅,左が長崎車両センター〕

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〔国道202号線(大波止場通り)と長崎駅前電停〕

 駅前を通る国道202号線(大波止場通り)には長崎電軌の路面電車の長崎駅前電停がある。JR長崎駅から国道の真ん中にある長崎駅前電停までは現在約100mの距離だが,新しい駅舎になると250mぐらい離れてしまう。
 これでは公共交通機関の結節点としての機能が弱まるため,新たに駅の高架下の東西を結ぶ道路「トランジットモール線」を設け,路面電車を新幹線・在来線の高架下まで引き込むことになる。

 現在の長崎駅前電停へのアクセスは横断歩道からの階段しかなく,バリアフリー化からはほど遠い。新しい駅前広場と面一のトランジットモール線に路面電車が乗り入れることによって,とうとうバリアフリー化が実現する。

 ただし,上記整備イメージ図にはトランジットモール線にどのように路面電車を引き込むかが描かれておらず,路面電車の引き込みをあきらめているようにも読み取れる。また,このままだと東口駅前広場に乗り入れた一般車両はトランジットモール線に抜けるようになると読めるため,公共交通機関と歩行者の通行だけを認める“トランジットモール”の定義に反しているようにも思われる。もう少し詳細な情報が必要だ。

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〔飲食店が多い長崎駅前商店街〕

 心配なのは大黒町の長崎駅前商店街だ。

 まず,長崎駅が150mぐらい商店街から遠ざかる。さらに,長崎電軌の長崎駅前電停を利用するために国道202号線の歩道橋を渡る人から見れば,そこから階段を下りるだけで飲食店が多い駅前商店街だったのが,JRから路面電車に乗り換える客はトランジットモール側を利用することになるため,駅前商店街に架かる歩道橋を利用しなくなる。

 長崎駅前が全体的にバリアフリー化して地上を歩く人が増えると,歩道橋の上り下りが必要になる駅前商店街は心理的に遠く感じるようになるだろう。たとえば,長崎を発つ前に長崎ちゃんぽんや皿うどんを食べようと思った来街者が,どうせ食べるならば駅ビルの飲食店ではなく,町の中華屋で食べたいというような私のような人間でも,駅ビルで済まそうと思うことが増えてくるに違いない。

 長崎市としてもその点は考えていて,「長崎駅周辺まちづくり基本計画」において,“地区全体の歩行者空間ネットワークは 1 階レベルを主動線とし、国道横断部におい ても、バリアフリーの観点から平面横断を目指す”としている。交通量の多い国道202号線(大波止場通り)に歩行者の平面横断手段(横断歩道だろうけど)を確保するのは大変難しいが,路面電車の電停と一体化できれば理想的だ。

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〔かもめ広場と長崎駅。かもめ広場と改札口とホームが同一面上にあることがわかる〕

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〔長崎駅の改札口から見たかもめ広場とアミュプラザ長崎〕

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〔頭端式ホーム3面5線の長崎駅〕

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2016年8月29日

日本から迷走台風がなくなる日

 台風10号、30日に上陸の恐れ…大雨に警戒(2016年8月29日 読売新聞)

 大型で非常に強い台風10号は30日に北日本か関東に上陸する恐れが出てきている。

 台風の平年の上陸数は2・7個だが、10号が上陸すれば今月4個目となり、1954年9月と62年8月の1か月の最多上陸に並ぶ。

 気象庁によると、台風10号は29日午前0時現在、日本列島の南海上を時速約25キロで北東に進んでいる。中心気圧は940ヘクト・パスカルで、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は65メートル。29日は関東の南東海上を北東に進み、30日は関東の東海上で、北よりに進路を変更するとみられ、暴風域を伴ったまま上陸する恐れがある。

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 十日ほど前に本州の南を西にゆっくりさまよっていたときには,それほど大きくも強くもなかった台風10号「ライオンロック」だが,沖縄東方の南大東島付近まで移動ながら暖かい海からのエネルギーを大量に取り込んで,とうとう大型で強い台風に発達し,しかも関東沖から江川卓が投げるカーブのような軌道を描いて,関東地方から東北地方に上陸しそうな勢いである。

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 これは約十日前の8月20日18時の天気図である。
 台風9号から台風11号の三つがそれぞれに影響し合うほどの距離で日本列島に迫っていた。相互作用する質点の運動の問題は,質点が3点になると途端に難しくなり,厳密解が得られなくなる。三体問題である。

 こりゃ気象庁などで天気予報をする人は大変だろうと思ったが,驚いたことに台風の進路予想はかなり正確だった。

 そして,ひとつだけ残って日本列島の南を迷走していた台風10号も,「迷走」を強調するのは天気予報だけで,その迷走の仕方も含めて,予報円は(予報円が大きいという問題はあったが)どんぴしゃだったように思う。台風10号が暴風域を持って東に移動し始めてからもほぼ予想通りに動いている。

 とうとう迷走台風の進路まで予想できるようになりつつあることを感じさせる出来事だった。「迷走していて明日の進路がわからない台風」がなくなる日も,いずれやってくるに違いない。

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