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2016年9月 2日 (金曜日)

丘の上に住まう暮らし 横浜市東戸塚

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丘の上に住まう暮らし 横浜市東戸塚


 野暮用の合間に時間が少しあったので,久しぶりに東戸塚駅の周辺を見て回った。見出しは東戸塚の新しいマンションのいわゆる「マンションポエム」の一部を使わせていただいた。

 1980年(昭和55年),東海道本線から横須賀線電車の分離運転(SM分離)が始まるのと同時に,横須賀線の東戸塚駅は開業した。東海道本線が開通した当時の東戸塚のあたりは鎌倉郡品濃村から合併によって川上村品濃となったころで,集落はなく,丘と丘の間に谷戸田が広がる地域だった。

 北側が相模国と武蔵国の国境になっていてその東側を旧東海道が通っていた。武蔵国の程ヶ谷宿側から箱根駅伝でも有名な権太坂(ただし駅伝では通らない旧道)を上り,国境の境木地蔵尊を過ぎて焼餅坂を下ったところに品濃一里塚があり,さらに品濃坂を下ると現在の東戸塚駅の南東側にある品濃坂下公園あたりに出てくる。

 1939年(昭和14年)に川上村が横浜市に編入されて,戸塚区品濃町となっても付近は田園地帯だった。
 戸塚区品濃町が変わり始めたのは高度経済成長時代が終わりに近づいた1975年頃からだろうか。横浜市港南区との境界に近い平戸一丁目〜平戸五丁目の宅地化が進み,東海道本線に近い品濃町でも大規模な宅地化が進められ,とうとう東戸塚駅が設置されたのである。

 それ以降の東戸塚駅周辺は目を見張る発達ぶりで,隣の戸塚駅西口の商店街が再開発に手間取って“横浜市の副都心”と呼ばれる街だったにもかかわらず凋落してしまったのに対して,東戸塚駅東口のオーロラシティには西武東戸塚店,イオンスタイル東戸塚(今年3月まではダイエー東戸塚店),オーロラモール,西口には東急ストアが入ったモレラ東戸塚や東戸塚西口プラザなどの商業施設が立ち並び,賑わっている。

 横浜市の繁華街地域別の小売業データによると,戸塚区には戸塚駅西口と戸塚駅東口,そして東戸塚の3つの繁華街が設定されているが,従業員数・売場面積・年間商品販売額において,東戸塚のデータは戸塚駅西口と東口の合計値を上回り,差を広げつつある。

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 東戸塚駅の改札口。東戸塚駅には横須賀線の他に東海道線,東海道貨物線の線路が通っているが,ホームがあるのは横須賀線だけで,東海道線の電車は通過する。さらに,横須賀線を通る湘南新宿ラインの特別快速も東戸塚駅を通過する。
 街が発達し,急増する乗降客と増えない電車。ラッシュ時の東戸塚駅の混雑は大変激しいものになっているらしい。

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 東戸塚駅の東西自由通路の西口側を見る。

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 東戸塚駅の西口を出たところ。正面の一段高くなったところが西口のバスロータリー(東戸塚駅西口バス停)になっている。

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 写真右が東戸塚ウエストビル。

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 東戸塚駅西口にある「110ばん つうほうそうち」。正式名称は「街頭緊急通報システム『スーパー防犯灯』」というらしい。通報ボタンを押すとサイレンが鳴り,警察の110番と通話できるらしい。現在,神奈川県内の6地区に合計30基が設置されているという。設置場所をググって見たが,設置基準はよくわからなかった。

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 東戸塚駅西口を振り返る。写真右側は駅より一段高いところにあるバスのりばやモレラ東戸塚(東急ストア)の2階部分通路を結ぶエレベータである。

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 東戸塚駅西口のモレラ東戸塚(東急ストアなど)。高層階は地上26階建ての住宅「BELISTAタワー東戸塚」になっている。

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 モレラ東戸塚のエスカレーターに乗る……

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 モレラ東戸塚の横の「モレラパーク」と呼ばれる広場。モレラ東戸塚にはコミュニティFM放送のFM戸塚の本社とスタジオ(モレラ東戸塚スタジオ)があり,「モレラパーク」ではイベントが行われたりするようだ。

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 モレラパークとモレラ東戸塚の「FM TOTSUKA 83.7MHz」エフエム戸塚の本社。

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 東戸塚駅西口をモレラ東戸塚2階の通路から俯瞰する。

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 東戸塚駅の南側を俯瞰する。西口から見ると,駅がかなり低いところにあることがわかる。
 ホームがあるのは横須賀線だけで,その奥を東海道線の電車が通過しているところだ。手前の土手のすぐ下の線路は東海道貨物線である。

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 東戸塚駅の北側を見る。東海道線の電車が東戸塚駅横を通過し,相模国と武蔵国の国境(現在は戸塚区と保土ケ谷区の境界)にある清水谷戸トンネルに向かってカーブしてゆく。清水谷戸トンネルは1887年(明治20年)に完成したトンネルで,現役の鉄道トンネルでは日本最古である。

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 西口のモレラ東戸塚から東口のオーロラシティを見る。

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 横須賀線の電車とオーロラシティを撮ろうと思ったが,Cyber-shot DSC-RX100M3の広角側(換算24mm相当)だとこれが限界だった。ニコンのDL18-50 f/1.8-2.8,早く発売されないかな。カシオのEXILIM EX-ZR4000(広角側19mm相当)を買っちゃおうかな……

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 モレラ東戸塚の横のモレラパーク。

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 モレラパークのステージ越しに東口のオーロラシティを見る。

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 FM TOTSUKA 83.7MHz。

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 モレラ東戸塚から東戸塚駅西口を俯瞰する。

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 東戸塚駅西口のバスのりばへ。

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 バスのりばの屋根は戸塚のトツカーナのペデストリアンデッキでも採用されている片持ちタイプだ。

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 東戸塚駅西口バスのりばと東戸塚ウエストビル。

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 BELISTAタワー東戸塚。

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 東戸塚駅の西口から東西自由通路を通って東口へ。「丹沢あんぱん」がとても気になるオギノパンの直売所がある。

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 鯵の押寿しの大船軒の売店もある。横浜といえば崎陽軒の「シウマイ弁当」が有名だが,大船周辺は同じ横浜市内でも「鯵の押寿し」である。

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 東戸塚駅東口駅前広場。

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 東戸塚駅とオーロラシティを結ぶデューブリッジ。

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 デューブリッジから東口の南側を俯瞰する。写真左奥に見えるコナカは本社(東戸塚総本店)なのだとか。

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 東戸塚駅東口の正面に燦然と輝くオーロラシティ。核店舗となる西武東戸塚店,イオンスタイル東戸塚(今年3月まではダイエー東戸塚店),そしてショッピングモールのオーロラモールからなる商業施設である。オーロラシティと一体化して,ニューシティ東戸塚のパークタワー東戸塚,ビータワー,ル・パルクシエルなどのビルがそびえる。隣の戸塚では見られない風景だ。

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 デューブリッジからオーロラシティを見る。ちゃんと「Daiei」が「AEON」に書き換わっている。

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 西武百貨店はセブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武の運営となり,各地で閉店を進めている。今年の2月末には春日部店が閉店,9月30日には旭川店,来年の2月末には筑波店も閉店することになっている。

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 オーロラシティの前から東戸塚駅方向を振り返る。

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 東戸塚駅東口の駅前広場。

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 東戸塚駅東口のデューブリッジは西武東戸塚店・オーロラモールの4階に直結していて,そこから7階部分まで長いエスカレーターが設置されている。この付近は起伏が激しく,7階部分は西武・オーロラモールの最上階だが,イオンのある環状2号線側はその高さが地上1階(ビルの階数でいえば2階だったかな)になっている。

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 4F〜7F直通エスカレーターで7階へ。

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 暑かったのでフードコートでぐったり……
 いつもより疲れてしまった。

 東戸塚駅周辺が坂道の多い街だからではない。エスカレーターやエレベーターが整備されていて,お年寄りでも歩きやすい近代的な街になっている。起伏の多い山間の田舎町で生まれ育ち,階段や坂道は好きだけど歩きたくない,歩くとすぐに息切れしてしまう私のような変人にも優しい街づくりがなされている。

 駅前にはショッピングモールがあり,買物に困ることはなさそうだし,いざとなれば横浜や東京・新宿に電車一本で出かけることもできる。そこそこ便利な街だと思う。

 だけど,何かが足りないと感じる。街が形成される途中で生み出される猥雑な部分,繁華街や盛り場,飲み屋街がみあたらない。

 最近のショッピングモールはマーケティングが賢明だから,モールの中にわざと見通しの悪い袋小路やカーブを作ったりして,繁華街としての魅力を意図的に演出している。しかし,人工的な猥雑さはハリボテと紙一重,ノスタルジーを強く押しつけてくる昭和レトロと同一の居心地の悪さを無意識のうちに感じてしまったかもしれない。

── SONY Cyber-shot DSC-RX100M3

【関連記事】
2007年11月 4日 (日曜日):戸塚と東戸塚は電気羊の夢を見るか?

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コメント

はじめてコメントします。
東戸塚に駅が出来る前から住み、駅も開業初日から利用していますが感想は同感です。本当にあの駅前はプラスチックな質感というか奥行きのないところで便利さはあっても面白みがないですね。

ただ文中に品濃町の発展は1975年頃からとありますが、それは平戸地区の状況で品濃町は駅が出来てしばらく経ってから開発が進んできたというのが実情です。

ちなみに駅周辺の利便性と面白さのバランスが取れているのは個人的な感想ですが、神奈川県内の東海道沿線では大船がベストで次が鶴見(中距離電車はとまりませんが)じゃないかと思っています。

投稿: 道草人生 | 2016年10月12日 (水曜日) 08時21分

 コメントありがとうございます。

 品濃町の東戸塚駅前になるあたりの国土地理院地形図を見ると,1966年版(1967年発行)の地図だとまだ「白旗山」と記され,山の起伏が感じられる等高線が引かれていますね。
 1976年版(1978年発行)版になると,白旗山が削られて格子状に道路が描かれている状態です。まだ建物は描かれていませんが,それで「品濃町が変わり始めたのは1975年頃から」としました。

 実際に区画整理される前に地図に道路が載ってしまう可能性もありますので,そのあたりについては実際に住んでいた方の情報が貴重です。

 大船は,利便性と面白さのバランスが取れているというのに賛成です。通勤で利用していますが,とても面白い街だと思っています。

投稿: 三日画師 | 2016年10月14日 (金曜日) 00時32分

「今昔マップ on the web」の国土地理院地形図の1966年版,1976年版,1993年版から,東戸塚駅付近を抜き出してみた。東戸塚の驚くほど急速な都市化が見てとれる。

http://www.flickr.com/photos/mikkagashi/29704160084/in/dateposted-public/ (1966年)
http://www.flickr.com/photos/mikkagashi/30037567590/in/dateposted-public/ (1976年)
http://www.flickr.com/photos/mikkagashi/29704159994/in/dateposted-public/ (1993年)

投稿: 三日画師 | 2016年10月15日 (土曜日) 17時55分

連続コメント失礼します。
なるほど地図を読んで推理されていたのですね。確かに地図の通りでちょうど昭和50年頃に今の駅前の造成はされてましたが、まだ駅ができるかどうかの見通しがたたず、赤土むき出しの荒涼たる風景が展開していました。また駅が出来てもしばらくはあまり変わらず、今の環状2号の高架下などは、水田地帯が随分遅くまで残っていたものです。

しかし開発というのは弾みがつくと急ですね。その意味では環状2号の開通が大きかったように思います。開通から程なくあれよと言う間に鉄道の結節点でもない駅にあれだけの商業集積ができたのですから。

投稿: 道草人生 | 2016年10月15日 (土曜日) 22時22分

 東戸塚駅ができるかどうかの見通しがたたない状態で,造成だけが進むというのも不思議な状態ですね。

 そういえば,私が以前住んでいた新百合ヶ丘駅周辺は,駅ができて,駅前の区画整理が終わっても,しばらく何も建たずに土が剥き出しの状態が長年続いていました。ずっと駅前に西武百貨店ができるという噂だけが続いていて,西武がバブル経済崩壊で出店を断念した後,一気に商業施設が立ち並ぶ現在の新百合ヶ丘に変わりました。

 東戸塚の環状2号線開通後の発展と同様に,何かをきっかけに街が変わりはじめるとあっという間ですね。

投稿: 三日画師 | 2016年10月22日 (土曜日) 02時29分

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