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2015年5月10日 (日曜日)

小さな町の大きな王寺駅から生駒へ

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小さな町の大きな王寺駅から生駒へ


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 奈良駅から大和路線快速大阪行きに乗り,王寺駅(奈良県北葛城郡王寺町。人口約2万2千人)で下車する。社会科の地図帳を見て育った関東の人間からすると,大和路線と言われても何のことかわからないが,要は関西本線の大阪近郊区間のことである。
 王寺駅の南側には車両基地や保線区があり,多くの留置線がある。
 JR王寺駅は関西本線(大和路線)から和歌山線が分岐するだけでなく,近鉄生駒線の王寺駅と田原本(たわらもと)線の新王寺駅との乗換駅となる鉄道の要衝である。JR西日本の王寺駅の一日平均乗降客は約2万5千人で,奈良駅(約1万7千人)よりも多く,奈良県内で一番利用客の多いJRの駅となっている。

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 大和路線快速を降りたホームの反対側に,王寺始発の難波行きの各駅停車が停まっている。東日本で201系電車を見ることはできなくなったが,JR西日本ではまだまだ現役だ。

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 大和路線奈良・加茂方面(と難波から和歌山線直通高田方面)の1番線ホームと王寺駅北口の複合施設「リーベル王寺」。

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 JR西日本の王寺駅は橋上駅になったが,ホームには古い木造の上屋が残っている。王寺駅は大東亜戦争で空襲を受けているそうなので,戦後まもなく造られたものだろうか。

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 JR西日本王寺駅の橋上駅にある中央改札。 犬のマスコットキャラクターがあちこちにいる。「雪丸」という王寺町のキャラクターで,聖徳太子が「雪丸」という犬を飼っていたという話にちなんだマスコットキャラクターなのだとか。

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 王寺駅北口の複合施設「りーべる王寺東館」。「りーべる」は「リーベル」かは,あれこれ混在しているのでどちらでも良いようだ。

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 王寺駅前のペデストリアンデッキから近鉄田原本(たわらもと)線の新王寺駅を見る。新王寺駅は「りーべる王寺東館」の真横にあり,2面1線式の単純な駅で,側線なども一切ない。

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 りーべる王寺東館の前から,王寺駅北口の駅前ロータリーを挟んで西側に位置するりーべる王寺西館(王子駅前郵便局・三菱東京UFJ銀行他)を見る。
 りーべる王寺西館の横には近鉄生駒線の王寺駅があり,JR王寺駅の西側の改札口と近接している。

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 王寺駅前。
 王寺町は人口約2万2千人。大きな町ではない。というより,面積が約7km²しかなく,その狭い面積に住宅が密集している。このあたりは大阪への通勤圏内で,周辺には王寺町同様に面積が小さく,人口2万人前後の町がたくさんあって,7町の合併によって15万都市となる計画もあったらしいが,合併は実現しなかったようだ。

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 駅前のペデストリアンデッキからりーべる王寺東館を振り返る。

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 駅前のペデストリアンデッキからJR王寺駅を見る。

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 りーべる王寺東館の横にある近鉄田原本線の新王寺駅。

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 JR王寺駅前にある近鉄新王寺駅と近鉄王寺駅はこんな位置関係になっている。駅と駅が約150メートルの距離で向かい合っていて,線路は繋がっていない。近鉄生駒線も近鉄田原本線も軌間は標準軌で同じだし,つなげてしまえば便利だろうと感じるが,歴史的な経緯やらいろいろ事情があるようだ。

 田原本線はもともと大和鉄道として開業した非電化の鉄道で,軌間は国鉄と同じ狭軌1067mmであり,近鉄生駒線や橿原線の標準軌1435mmとは異なっていた。戦後,大和鉄道は標準軌に改軌して電化,近鉄生駒線の前身である信貴生駒電鉄に合併,さらに近鉄に吸収される。
 別の鉄道として出発したことから,近鉄田原本線は他の近鉄の路線とは完全に繋がることがなく,両端の王寺と田原本では,それぞれ新王寺・西田原本という同じ近鉄の駅名とは異なる駅名となり,駅も一体化せずに,ほんの少し離れた距離を歩いて連絡することとなった。田原本駅では,現在の駅の少し北側に統合駅を設置する構想もあったらしいが,駅の移転に地元の方が反対し,具体化しないまま立ち消えになったという。

 現在,王寺での近鉄王寺~近鉄新王寺駅の乗り換え需要は多くなく,つなげるメリットは小さい。
 また,広島の可部線で,2003年に廃線となったばかりの可部駅~三段峡駅のうち可部駅と河戸駅を電化して復活させようという事業のことも思い出す。広島市もJR西日本も復活に合意している状況だったにもかかわらず,当該区間にあった踏切が,踏切道改良促進法の「鉄道の新線建設にあっては,原則として道路との立体交差化を進めるものとする」という条文に引っかかり,調整のために開業が2017年まで延びてしまったのだ。王寺駅~新王寺駅間の150メートルの駅前広場を突っ切って線路を敷くとしたら,想像するよりもたいへんな事業になりそうだ。

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 新王寺駅から150メートル西に歩くと近鉄生駒線の王寺駅がある。

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 近鉄生駒線の王寺駅。

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 近鉄王寺駅の改札口の横にJR王寺駅の西口がある。

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 王寺駅の近鉄の路線図と普通運賃表。当駅(王寺駅)の右側に,他の路線網から田原本線が切り離されているのが見える。

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 近鉄王寺駅の改札口を入る。

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 近鉄生駒線の生駒行き電車。とりあえず生駒まで行ってみる。

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 生駒駅に到着。生駒駅からは近鉄生駒線が出ているだけでなく,近鉄奈良線・けいはんな線が通っている。

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 近鉄生駒駅のオブジェ。違う面は目の形になっていたりする。

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 近鉄生駒駅の周辺地図。駅前の「ぴっくり通り(びっくり通りではない)」なんぞを歩いてみる。
 生駒に来たからには,鉄道好き・遊郭好きとしては,やっぱり近鉄生駒鋼索線「生駒ケーブル」に乗ったり,『女町エレジー』で“♫生駒は哀しい女町”と唄われた宝山寺駅の生駒新地あたりを歩いてみたいところだが,昨日から体調が悪く,起伏の激しいところは歩けそうにないのであきらめる。

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 生駒駅の改札口の前から北口側を見る。

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 改札口の前から南口側を見る。

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 生駒駅の橋上駅の窓から西を見ると,奈良県と大阪府の境にある生駒山が見える。宝山寺をはじめとして,信仰の山でもある。近鉄奈良線やけいはんな線は生駒トンネルで生駒山をくぐり,大阪に向かう。

── Canon PowerShot S100

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コメント

三日画師様のブログを見ていると色々勉強になります!!今回は大阪、奈良、京都の位置関係がわかりました。。。。(今までうろ覚えだったので)

投稿: ひろやん | 2015年7月10日 (金曜日) 14時59分

 私の場合は,子供の頃から地図帳を眺めているのが好きだったので,位置関係は頭の中に入っているんですが,どこからどこへ電車が走っているかは実際に乗ってみるまでわからないので,電車に乗りながら頭の中で都市と都市がごちゃごちゃになります。

投稿: 三日画師 | 2015年7月11日 (土曜日) 06時57分

こんばんは。私も子供の頃から地図を眺めるのが好きだったので、「地図が好き」という人に出会うと親近感がわきます。
私の場合は生まれも育ちも大阪なので、大和路線、学研都市線などの路線愛称に違和感はないのですが、東京近郊の「湘南新宿ライン」や「京浜東北線」などがいまだによくわかりません。最近では「上野東京ライン」ができて、ますますややこしくなってしまいました。
記事の王寺駅ですが、日本の町村に位置する駅では最も利用者が多かったと記憶しています。また余談ですが、天王寺駅から大和路線の快速に乗ると、天王寺・久宝寺・王寺・法隆寺と「寺」の付く駅名が4つ続くんですよね。
コメント欄に長々と失礼しました。

投稿: たむら | 2015年9月13日 (日曜日) 23時42分

 いや,地図を見るのは楽しいですよね。それだけで旅をした気分にもなりますし,旅に行きたくもなります。

 鉄道路線の愛称は難しいですね。湘南新宿ラインと上野東京ラインは,自分が普段利用している区間は大丈夫ですが,そうじゃない人にはとてもわかりにくいと思います。

投稿: 三日画師 | 2015年9月14日 (月曜日) 23時51分

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