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2013年2月 3日 (日曜日)

富嶽五十六景神奈川沖浪裏〜ポートサイド

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 神奈川県の代表駅である神奈川駅(京急線)で下車する。寝ぼけているわけではないが,多少詭弁は入っている。

 明治時代の初めに品川−横浜(現桜木町)間に鉄道が仮開業した後,途中駅として川崎駅と鶴見駅,そして神奈川駅が加わり,日本最初の鉄道が新橋駅−横浜駅間に正式営業をしたことはよく知られている。東海道五十三次の宿場町である神奈川宿,そして当時の主要港湾である神奈川湊の最寄り駅が神奈川駅である。

 外国籍船が入港する際のトラブルを避けるために,神奈川湊の対岸にある久良岐郡横浜村に整備した横浜港に政治的に作られたのが横浜駅(現桜木町駅)であり,そこからさほど離れていない神奈川に駅が設けられたことからも,この付近で賑わっていた街が神奈川宿だったのは明らかだ。

 新橋−横浜間に設けられた神奈川駅(1928年に廃止)は,現在の京急線の神奈川駅とは違うと言われれば,厳密にはそうかもしれない。しかし,京急の前身である京浜電鉄の神奈川駅は日本最初の鉄道の神奈川駅に隣接して設けられており,いったんは廃止されたとはいえ,東京の現在の東海道本線新橋駅が日本最初の鉄道の駅だと言うのと同じ程度(厳密には汐留駅が東京側のターミナルだった)には,(京急)神奈川駅は神奈川駅と言えるのである。

 地図を見てもらえば一目瞭然。神奈川県神奈川区神奈川一丁目も神奈川警察署も,そして歴史ある神奈川公園も,横浜駅ではなく神奈川駅が最寄り駅である。

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 第一京浜(国道15号線)と第二京浜(国道1号線)が分岐する青木通交差点。旧神奈川駅の駅前(の運河があったところ)である。

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 青木通交差点の手前に宮前商店街のゲートがある。この宮前商店街が旧東海道であり,神奈川宿の入口でもある。

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 青木町の宮前商店街を東へ。商店街としての賑わいはなくなっている。

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 宮前商店街を江戸に向かって歩く。

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 洲崎大神。建久2年(1191年),源頼朝が安房国一宮の安房神社の霊を移して祀った……云々。この鳥居に向かって延びる参道は,神奈川湊の船着き場に続いていたという。今では神奈川湊は埋め立てられ,運河も第一京浜となっている。

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 宮前商店街が第一京浜(国道15号線)に突き当たる。第一京浜の上には首都高神奈川1号横羽線が通っている。

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 第一京浜から宮前商店街を振り返る。横浜駅周辺の高層ビルが見える。

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 横浜市立幸ヶ谷小学校の壁画。卒業制作らしい。神奈川公園前バス停の横にある。

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 第一京浜の中央市場入口交差点の歩道橋から横浜駅方向を見る。
 街路灯の「亀」は,神奈川区のシンボルである。神奈川区には浦島太郎にまつわる伝説が残っており,亀住町,浦島町(新浦島町),浦島丘という地名や,火事で焼けてしまった浦島寺(観福寿寺)から移された浦島観世音が祀られているという慶運寺が神奈川区内に存在する。

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 神奈川公園の先に,ザ・ヨコハマタワーズという漫才コンビの名前のような高層ビルが見える。
 この緑豊かな神奈川公園は,山下公園や野毛山公園とともに関東大震災の復興事業として整備された公園だという。

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 ふと第一京浜(国道15号線)を見下ろすと,道路のペイントが国道15号線から国道1号線に書き換えられていることに気付いた。
 この先の栄町交差点で右折しても第一京浜は国道15号線(青木通り)のままのはずだが,その先の青木通交差点では第二京浜(国道1号線)と合流して国道15号線は終わり,高島町〜保土ヶ谷〜戸塚と続く国道1号線(正月の箱根駅伝のコース)となるから,わかりやすいように書き換えられたのだろうか。しかし,反町から三ツ沢を通る横浜新道も国道1号線なので,逆に混乱しそうな気もする。

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 中央市場通りへ。

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 綿花橋から滝の川の上流側を見る。

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 滝の川に架かる綿花橋。このあたりは昔,綿花町と呼ばれ,綿花倉庫があったという。横浜山内埠頭の再開発地区「コットンハーバー」の名称の由来でもある。

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 綿花橋から中央市場通りへ。右の奥に漫才コンビの名前のようなザ・ヨコハマタワーズが建っている。

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 中央市場通り。タワークレーンが立ち,また新しいビルが建とうとしている。

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 古い町並みに,新しいビルが押し寄せている感じだ。

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 宝町踏切に続く坂道。

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 「横浜のり」

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 宝町踏切から東海道本線貨物支線(高島線)に沿って並ぶ古いバラック風の建築。

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 横浜駅方向に向かって道路の両側に古いバラック風の建築が並んでいたが,既に北側はほとんどが取り壊されて,新しいビルが建ち始まっている。

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 宝町踏切。『踏切が鳴ってから入ると「とりこ」になり非常に危険です』。やっぱり魅力的な踏切なので,その魅力の「とりこ」になってしまう人が後を絶たないらしい。

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 宝町踏切の横……。
 このあたりは神奈川湊の埋め立て地。まさに,葛飾北斎の「富嶽三十六景」のひとつ『神奈川沖浪裏』の地である。富士山をも飲み込まんと荒れ狂う巨大な波の中に,翻弄される小さな船が描かれている絵だ。横浜駅やみなとみらい地区から押し寄せる近代的な高層ビルの波に,古くからの小さなバラック風建築の家並みが翻弄される姿を連想してしまった。

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 宝町踏切の警報機が鳴り,日曜日なのに貨物列車がやってきた。

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 宝町踏切の向こうに,コットンハーバーの高層ビル群が見える。

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 栄町の宝町踏切を渡る。

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 宝町踏切を渡ると,横浜中央市場への道路が続いている。

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 宝町踏切。踏切の周辺には「宝町」という地名はない。

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 栄町。

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 栄町から横浜市中央卸売市場青果棟越しにコットンハーバーのビル群を見る。

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 宝町踏切の横の家並み。

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 踏切を貨物列車が横切る。

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 中央市場通りとコットンハーバー。

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 廃墟のような状態の建物と並ぶ100円自動販売機。

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 横浜中央市場。

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 犬の散歩をする人が多い。

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 横浜中央卸売市場に架かる万代橋から滝の川の河口を見る。

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 橋本町一丁目の横浜丸中青果市場に架かる幸橋から滝の川の上流側を見る。
(このあたりのキャプションは以前の自分の記事のコピペ。後で気付いたのだが,あまりに同じ写真なので……)

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 このあたりはあの横浜駅まで徒歩圏内である。開発業者が目を付けないはずがない。

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 高島線を貨物列車が行く。

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 再び宝町踏切へ。

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 人によっては目を背けたくなるような場所かもしれない。しかし,転機が訪れるとあっという間に消え去ってしまう風景には,愁いを帯びた愛おしさを感じる。この後,横浜駅まで歩いてみるので,その気持ちが写真に浮き上がってくれるといいな……と思う。

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 宝町踏切を振り返る。

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 ポートサイド中央交差点方向を見る。

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 横浜駅徒歩圏の住宅地が並ぶ。

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 宝町踏切方向を振り返る。

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 高架道路は横浜市場冷蔵の冷蔵庫への取り付け道路。ただし,現在は使われていないようだ。

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 ポートサイド公園横の交差点から横浜駅方向を見る。

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 こんもりとしたうねのような形が特徴的なポートサイド公園から横浜駅方向を見る。
 かつては半地下壕の火薬庫かなにかがあって,それを有効活用した公園なのかと思ったら,設計コンペで選ばれた「うねる芝生」をモチーフにした作品なのだそうだ。なかなか面白い。が,半分スケートボード場になっていたのが気になった(「スケートボード禁止」らしいけど,親がやらせてんだもんなぁ)。

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 ポートサイド公園とみなとみらいの間の運河は,近くの横浜ベイクォーターと山下公園,赤レンガ倉庫等を結ぶ海上交通シーバスの航路になっている。奥に見えるのがみなとみらい大橋で,そこをくぐった右側の横浜ベイクォーターにシーバス乗り場がある。

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 運河の向こう側のみなとみらい地区。横浜ランドマークタワーも見える。
 その手前を,桜木町駅から分岐してきた高島線の貨物列車が走る。

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 貨物列車がポートサイド公園横の鉄橋を渡る。

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 ポートサイド公園横の水際のプロムナードがすばらしいのは,ところどころに運河に突き出た木製のデッキが設けられていて,しかもその下の部分は葦原が再生するように工夫されているところだ。

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 横浜駅東口のそごうデパート裏のバスプール。扇型に並んだバスが壮観だ。

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 横浜駅東口。人波がすごいので,疲れがどっと出た気分になった。

 今回のブログ記事の総写真数は五十六枚。それでもって,富嶽五十六景神奈川沖浪裏……お粗末。

 ── Nikon D800E [with MBD-12] + AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D or Canon PowerShot S100 or iPhone 5

【参考】
2008年3月16日 (日曜日):仲木戸から滝の川を下る

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コメント

初めてコメント送ります。夫と共有のPCで、アドレスが判らず、名前のみで失礼します。3年程前からブログ楽しく拝見させて頂いています。特に2月3日「富嶽五十六景・・」のような、子供の頃の横浜を思い起こさせてくれる時は、本当に嬉しいです。終わりから14番目のキャプション内「愁いを帯びた愛おしさを感じる」という一文がブログ全体を通して共通する思いという気がし、私も同感する者です。どうか体に十分気をつけてください。

投稿: 山下 れいこ | 2013年3月 1日 (金曜日) 16時03分

 コメントありがとうございます。メールアドレス等は任意ですので,空欄のままでもぜんぜん問題ありません。特に気にしません。

 子供の頃の横浜……ですか。今とはずいぶん違っていたんでしょうね。私は田舎育ちなのでよくわかりませんが,昔ながらの風景は横浜からどんどん無くなっていますね。
 使命感というほど立派なものではありませんが,そういうものが無くなる前に,この目で見て,記憶して,写真でも記録しておきたいです。
 これからもよろしくお願いいたします。

投稿: 三日画師 | 2013年3月 4日 (月曜日) 01時08分

宝町踏切から、みなとみらいまで(徒歩ですよね?)の風景の変わり様に驚きです!距離はそれ程ないような感じなのですが....神奈川沖浪裏のビル群の波と古い家並みを小舟に例えるとは、なかなかお上手ですね...座布団1枚!ですね!!cat

投稿: ひろやん | 2013年3月 4日 (月曜日) 15時43分

 宝町踏切から横浜駅・みなとみらい地区まで,徒歩で10分ちょっとですね。本当に近いです。その雰囲気の違いには驚きますよね。

 座布団ありがとうございます!

投稿: 三日画師 | 2013年3月 8日 (金曜日) 00時47分

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