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2008年9月 3日 (水曜日)

フェルメールの遠い記憶

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フェルメールの遠い記憶


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 横浜市営地下鉄戸塚駅ホームの案内板に,フェルメール展の巨大な案内があった。

 フェルメールか……。懐かしいなぁ。

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 帰宅して,1984年に上野の国立西洋美術館で開催された「マウリッツハイス王立美術館展」のカタログを久しぶりに引っ張り出してみた。
 表紙の絵がヨハネス・フェルメール (Johannes Vermeer) の『青いターバンの少女 (Head of a Girl)』である。今では『青いターバンの少女』というより,『真珠の耳飾りの少女』として有名だ。

 1984年当時,親のすねかじりの不良大学院生をやっていた私は,ろくにアルバイトもせず,好きな絵を見に行くことが多かった。

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 こんな感じで,昔は『青いターバンの少女』というのが通称だった。
 10年ぐらい前に『真珠の耳飾りの少女』という小説や映画が人気になってからは,すっかり『真珠の……』が定着しているようだ。でも,フェルメールには『真珠の首飾りの女』という別の作品もあるので,ちょっと紛らわしいんじゃないだろうか……。

# というような細かなことを言いたくなるのは,知り合いの女の子が芸能界デビューして人気者になり,世間には芸名で広く知られることで,遠い世界の人になってしまったことを寂しく思うオジサンに近い感情からかも……(なんじゃそりゃ)。

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 『青いターバンの少女』と同様にマウリッツハイス王立美術館に収蔵されていたので,本物が見られるかと思って楽しみにしていた『デルフト眺望』だったが,残念ながらそのときには日本にやってこなかった。
 現在開催されているフェルメール展では見ることができるだろうか……。

 この『デルフト眺望』が面白いのは,主たる建物群が厚い雲の下で日陰になっていて,背景にある高い塔等が日差しを浴びて明るく輝いている,という不可解な一瞬が描かれているところにある。同じ位置で写真を撮ろうとしたら,たぶん主たる建築群に日が差すまで待つのが常識的だと思うのだ。日差しの位置が自由になる絵画ながら,あえて主題とおぼしきところを陰の中に入れてしまったところが(単純に)興味深い。デルフトの町が陰っていることに何らかの寓意があるのかもしれないが,そこまでの知識は持ち合わせていない。

 1984年当時は,フェルメールという画家も現在ほど知られた存在ではなく(もちろんカタログの表紙になるぐらいだから,展示品の中でも際立っていたけど),どちらかというと同時に展示されていたレンブラントの方が有名で,『青いターバンの少女』だけに人気が集中していたという記憶はない。

 また,「マウリッツハイス王立美術館展」全体でも,一般的に知られている画家はレンブラントとフェルメール,ヤン・ステーン(展示されていた『牡蠣を食べる娘』の隠微なエロティシズムは印象的だった)ぐらいで,同じ年に開催されていた印象派〜後期印象派の展覧会の方がかなり混雑していたと記憶している。

 今ではフェルメールの作品が展示されれば,大行列ができるほどの人気だそうで,今回の東京都美術館の「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」も,行列が苦手は私は出掛けるのをちょっと躊躇してしまう。そういう意味では,1984年にゆっくりと『青いターバンの少女』を見ることができたのは幸運だった。

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 あまり知られていない画家の絵だが,当時印象に残った絵の一部をアップしてみた。
 画家の名前はピーテル・ファン・アンラート (Pieter van Anraadt) で,『水差のある静物 (Still Life with Earthenware Jug)』という作品(の一部)である。

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 カメラを持ってあちこち歩き回れる状態じゃないため,ちょっと毛色の変わった記事を書いてみた。

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コメント

しんべえです。
フェルメールの真珠の耳飾りの少女、どきっとするぐらい魅力的ですね。僕も一度みてみたいです。

投稿: しんべえ | 2008年9月16日 (火曜日) 03時07分

 日本では,2000年以降は毎年のようにどこかでフェルメール展が行われているほどの人気ですので,「真珠の耳飾りの少女」が来日する日も意外に近いかもしれませんね。

 でも,2000年の大阪での展覧会では,行列が凄くて2時間待ちもあったとか……。ちょっと気楽な気持ちでは見に行けませんねぇ。

投稿: 三日画師 | 2008年9月16日 (火曜日) 13時04分

フェルメールとは関係ないですが、珍しいマウス使ってますね。気になりマウス

投稿: しんべえ | 2008年9月17日 (水曜日) 02時36分

 しんべえさん,こんばんは。

 マウスではなくて,トラックボールなんです。昔からマウスよりトラックボールを好んで使ってます。

 机の上が散らかっている上に,キーボードを複数並べたりしているもんで,マウスを前後左右に動かすスペースが取れない……という恥ずかしい実情もあります(写真を撮るときは周囲を多少片付けますからわかりにくいですが)。

投稿: 三日画師 | 2008年9月17日 (水曜日) 19時27分

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