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2005年9月 8日 (木曜日)

アブラゼミの夜泣き──

 盛夏が終わり,朝晩はだいぶ過ごしやすくなった。近所のコンビニの誘虫灯の下でバタつくアブラゼミの数もだいぶ少なくなった。

050908-215428
 誘虫灯の下でほとんど動かないアブラゼミ。前足が欠けている。
 時季外れの話題だが……,誘虫灯に集まるセミが,ほとんどアブラゼミなのは興味深い。熱帯夜の真夜中に鳴き続けるのもアブラゼミばかりである。たまにニイニイゼミなど他のセミが混じることも無いわけではないが,圧倒的にアブラゼミの割合が多い。
 以前から興味があったので,ときどき観察してみたのだが,セミの鳴き方にはセミの種類によって違いがあるのだ。メモ代わりにここに書いておくことにする。

・ニイニイゼミ
 気付きにくいハルゼミを別にすると,夏が近づき,真っ先に鳴き始めるセミがニイニイゼミである。後述のアブラゼミに近い鳴き方(もちろんだが,鳴き声が近いわけではない)で,熱帯夜に鳴くこともある。

・ヒグラシ
 朝,まだ暗い頃から鳴き始める。すっかり明るくなった早朝には鳴きやんでしまうことが多い。名前通り夕方になるとまた鳴き始めるが,日没後にはほとんど鳴かない。私の住む川崎市北部ではだいぶ個体数が少なくなってしまった。

・ミンミンゼミ
 朝,ヒグラシの次に鳴き始めるのがミンミンゼミである。起伏のある土地では,朝早くは高いところで鳴き,日中は里に降りてくる。夜中に鳴くことはほとんどない。アブラゼミに比べると,若干数が減っているように感じる。

・アブラゼミ
 朝の鳴き始めはミンミンゼミより若干遅い。熱帯夜には真っ暗なところでも鳴き続け,未明になって気温が下がるとやっと鳴きやむ。アブラゼミが夜中も鳴き続けるのは,街路灯などの街の明かりが強く,昼だと勘違いしているのかと以前は考えていたが,熱帯夜には街路灯のない真っ暗なところでも鳴き続けることが多い。
 私が生まれ育った福島県の三春町は,夜中になると空と山の境界がわからなくなるほど真っ暗になる田舎(だから満天の星空は綺麗だ)だが,一年に何度かある熱帯夜にはやはりアブラゼミが鳴き続けることが多い。アブラゼミは他のセミと違って,気温によって活動するのではないだろうか。アブラゼミと同様に羽根が不透明なニイニイゼミが,似たような活動傾向があるのはちょっと興味深い。
 東京の都心部でも,アブラゼミの数は減っていない。他のセミに比べると,幼虫時代の生息環境の悪化に耐えるのかもしれない。種類は異なるが,トンボの幼虫(ヤゴ)は水の中に生息するため,環境の悪化の影響をモロに受けやすく,都会でトンボを見かけることはほとんど無い。

・ツクツクボウシ
 晩夏の典型的なセミで,ツクツクボウシの鳴き声を聞くと夏休みの宿題を思い出す人も多いだろう。私が生まれ育った三春町ではツクツクボウシの鳴き声を聞くことがなかったため,鳴く時間や温度に特徴があるかどうか不明である。関東地方でも数はずいぶん減っているように感じる。

・クマゼミ
 関東地方ではほとんど鳴き声を聞かないが,小田原付近ではずいぶん生息数が増えているように感じる。鎌倉付近でもクマゼミの鳴き声を聞いたという話を聞く。温暖化に伴って生息範囲を東に広げているようだ。

・エゾゼミ
 福島県より北では一般的なセミである。

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