筒石の木造三階建て漁村集落と舟屋
相変わらず目的地を決めずにうろついているゴールデンウィークの旅の,唯一の目的地がここ筒石である。狭い地形に木造三階建てが密集する家並みがあると聞いたときから,いつかは行ってみたいと思い続けていた場所だ。それがとうとう実現するということで,胸の高鳴りがおさえられない……

筒石漁港を見下ろす場所に建っている筒石観音堂。寺や神社が密集する一郭から筒石の集落が始まる。

筒石漁港。上にチラッと写っているのは国道8号線。筒石漁港のあたりを高架で通り抜けている。この国道8号線が早くから整備されたため,筒石の(車が入り込めないような)細い路地の両側に密集した集落が残ったのだろう。

下ってきた路地を振り返る。天気予報は曇時々雨だったが,日頃の行いが良いためか,ときどき晴れ間も出てくる。

なにかの集散地として栄えたわけではなく,純粋な漁村集落なのだが,木造三階建てが多い。

筒石橋から木造三階建ての家並みを見る。
筒石川の上流側にある橋の手前に,旧北陸本線の橋台が残っている。筒石の集落のすぐ横を北陸本線が通っていたことがわかる。

筒石川の河口を見る。日本海の波が筒石川に入り込んでくる。昨日までの雨で川はにごっている。

筒石川の上流側を見る。この写真だと,旧北陸本線の橋台がよく見える。

集落の背後に急峻な山が迫っているのがわかる。筒石の町の海岸沿いに街並みとは無関係に新しい国道8号線が通っているが,基本的にはこの路地を中心に家屋が密集している。漁業の町であり,家屋を建てられる土地が限られていることから,集落が二階建て,三階建てと,上方に伸びたのだと思われる。

国内のあちこちを歩き回ったが,木造三階建てがここまで密集しているところは,山形の銀山温泉など一部の温泉街以外で見た記憶がない。

海側に抜けると,旧国道8号線と思われる裏通りがあり,駐車場のように使われている。
急峻な山肌の治山の跡が生々しい。

メインストリートに戻る。
各戸の玄関横に流しがあるのは,漁村集落の特徴かもしれない。

すばらしいものを見て,歓喜の声をあげたい気分になる。でも,この気持ちは,わからない人にはわからないものだと思う。実際,これほど珍しい家並みだというのに,観光目的で来ている人の姿はない。

サイクリングロードになっている旧北陸本線跡から筒石の家並みを見る。

集落の東側で,集落の真ん中を通っていた路地が国道8号線と合流する。写真の左側が国道8号線。

背後に急峻な崖が迫る。裏の狭い空間を旧北陸本線跡が通っている。

筒石で楽しみにしていたもののもうひとつがこれ……,舟屋である。

雨の予報は外れ,良い天気になった。雨が降っていたら,たぶんこの舟屋までは辿り着けなかったと思う。

この舟屋,現在使われている気配が感じられない。筒石漁港に新しく作られた舟屋に全面移行しているのかもしれない。

聞こえてくるのは波の音だけ。うっかり波に足を取られると,這い上がれないかもしれない……とか考えてしまう。

現在の筒石漁港の外側にあるため,日本海の波がそのまま押し寄せる。
波が打ち寄せ,引いていくときに,拳より少し小さいぐらいの石がカラカラと大きな音をたてる。石が丸くなる理由がよくわかる気がした。

ずっと波の音を聞いていたいという気分だったが,そろそろ引き返す。

筒石漁港。漁港の西側にある(比較的)新しい舟屋を見てみたい気もしたが,能生に向かうバスの時刻が迫っているので,後ろ髪を引かれるように筒石漁港を後にする。

筒石学校下バス停。
筒石駅までは長く急な登り坂が続くことは,2時間前に歩いてきたからよくわかる。普段からあちこち歩き回っているので,私の実像を知らない人から勘違いされることもあるのだが,私は坂道や階段を上ることも,ちょっとした距離を歩くことも大嫌いなのだ。筒石駅まではもう歩きたくないため,筒石学校下バス停から能生までバスに乗ろうと思っていた。
が,ここで大失敗。時刻を確認していたはずの能生案内所行きのバスだったが,バスは20分ぐらい前に既に発車してしまっていた。筒石の家並みや舟屋を見ているうちに,バス時刻を勘違いしてしまったようだ。

一日6往復しかないバスはあきらめて,筒石駅まで歩くことにする。最後に筒石漁港の舟屋を俯瞰してから坂を上り始める。

息を切らしながら筒石駅まで上ると,今度は駅構内の長い階段を下ることになる。

トンネル内のホームに出ると,直江津行きの列車が反対側のホーム(ホームは互い違いに設置されている)に入ってきた。

ホームに富山行きの各駅停車が入ってきた。女性の駅員さんが乗り降りを見守ってくれる。
さあ,ここからはまたしばらく,北陸本線の各駅停車の旅となる。
── Nikon D800E + AF-S Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G or iPhone 5
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